冷酒(冷やし酒・冷し酒)      229句

糸底のざらつき少し冷し酒    大塚駒女

泡盛  焼酎  冷や酒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
鼻面の隣にありぬ冷し酒 山尾玉藻 火星 199808  
冷酒と夜風とグラス合わせけり 北本恵子 ぐろっけ 199812  
冷酒や声も老いたるいくさ唄 丘あさ如 199904  
冷酒に通る喉あり桂郎忌 神蔵器 199905  
母の忌の冷酒に父と酔ひゐたり 加美明美 199910  
冷酒を夜がにやりと嗤ひけり 斉藤利雄 遠嶺 199910  
眼つむりて聞く鼻唄や冷し酒 花藤原照子 199911  
冷し酒氷河の欠けら三つ入れ 中田征二 ぐろっけ 199911  
冷酒酌みてはんぐる交じる島の謡 秋葉雅治 199911  
飲み慣れし冷酒見付けもして黒部 稲畑廣太郎 ホトトギス 200006  
牛売りし夜の寝酒は冷し酒 保坂加津夫 いろり 200008  
銀鼠の雨と見て酌む冷酒なり 林翔 200008  
冷酒や作務衣の紺のよく似合ひ 井上比呂夫 200010  
腑に落ちてゆくもののあり冷し酒 平野隆志 銀化 200107  
瓶青し切れのほどよき冷し酒 ロツキイ 六花 200108  
冷酒や源平の世に遊びゐる 岡部名保子 馬酔木 200108  
世辞ひとつ言へぬ夫なり冷し酒 高垣和惠 雨月 200109  
ももんがを天井に飼ひ冷し酒 大和田鏡子 俳句通信 200109  
冷や酒や触れてはならぬ話題らし 大和田鏡子 俳句通信 200109  
冷し酒試飲寺田屋本家なり 三橋泥太 遠嶺 200110  
沖船の灯の潤みをり冷し酒 池内淳子 春耕 200110  
冷し酒竹の筒よりそそがるる 若江千萱 雨月 200110  
小鼓の冷酒帰れば早速に 稲畑廣太郎 ホトトギス 200205  
冷酒を父の残せし椀に酌む 市川伊團次 六花 200207  
難しきことは明日に冷し酒 渡辺真奈美 200208  
五臓より六腑に沁みて冷し酒 酒井康正 百鳥 200208  
花嫁の父と交せし冷し酒 山田禮子 遠嶺 200209  
冷し酒波なく海の昏れゆけり 本多俊子 200209  
冷酒や店主無愛想店多忙 山口和生 帆船 200209  
冷し酒海鳴に夜の近さあり 益本三知子 馬醉木 200210  
種牛を磨きて頒つ冷し酒 中村風信子 馬醉木 200210  
たそがれのグラスの曇る冷し酒 梅村すみを 200211  
届きたる琥珀の冷酒日々の贅 吉田眞弓 雨月 200211  
十薬やこくこく冷酒咽通す 渡邉友七 あを 200307  
冷酒の女に派閥ありにけり 玉川梨恵 200308  
「おいら冷酒(ヒヤ)!」叫ぶ声亡き句会あと 賀山秀子 ぐろっけ 200308  
越えられぬ壁はさておき冷し酒 浅川正 雲の峰 200309  
口角の泡鎮めよや冷し酒 三由規童 雨月 200309  
快活過ぎる人の冷酒を受く不満 高田令子 200309  
返信を待つやうに冷酒まわる 宇野友梨 200309  
冷し酒互の過去は過去として 中西美保 雨月 200310  
留守番の夫にご褒美冷し酒 南英子 ぐろっけ 200310  
冷酒を手酌の夫や盆の月 中村公代 雨月 200310  
持論押し通して悔いぬ冷し酒 岡米二 200311  
冷酒にころりと酔ひし笑顔よき 羽田岳水 馬醉木 200311  
冷し酒もって一と日の終りとす 河中透水 雨月 200409  
冷酒や腕真つ直ぐにまねき猫 関田実香 200409  
冷酒交はせり兄といふ異性 瀬下るか 200409  
冷酒酌む相伴といふかるはずみ 風間史子 200409  
一病をゆるめて灘の冷し酒 湯橋喜美 200410  
冷酒飲むライトアップの城を見て 次井義泰 200410  
贈られし冷酒の座る飾り棚 砂川せい輝 遠嶺 200411  
冷酒に酔へぬ空気の中にあり 玉川梨恵 200411  
眼つむりて聞く島唄や冷し酒 藤原照子 200501  
冷酒や江戸の古地図の川の幅 能村研三 200506  
新築の板のかほりや冷し酒 早水秀久 河鹿 200509  
冷し酒李白は一斗詩篇百 山本喜朗 雨月 200509  
皿鉢料理一会にすすむ冷酒かな 菅沢陽子 春燈 200509  
願はくは来世も君と冷し酒 水原春郎 馬醉木 200510  
繰り返す今日の結論冷し酒 瀬下るか 200510  
赤シヤツが二人並びて冷し酒 山崎祐子 栴檀 200510  
川音の逸る冷酒をこぼしけり 城孝子 火星 200510  
瑠璃はしる津軽びいどろ冷し酒 山下佳子 200512  
冷酒も熱燗もよし冬に入る 小松渓水 酸漿 200602  
二十年ぶりの握手や冷し酒 高尾豊子 火星 200608  
冷酒や猪の時分にまた来いよ 梅本豹太 200608  
暮れなづむ冷酒の瓶のあぢさゐ色 竹内弘子 あを 200608  
大胆な詩のうかびくる冷し酒 清水晃子 遠嶺 200609  
強き意志持てよと友へ冷し酒 田島勝彦 遠嶺 200609  
じれつたく耳貸す話冷し酒 伊藤早苗 200610  
民宿の冷酒を飲むも湯呑なる 長尾和子 200610  
仮の世にいま暫くの冷し酒 村田文一 遠嶺 200611  
冷し酒島の流儀に従ひて 山田弘子 ホトトギス 200612  
冷酒酌み交はす一人は禁酒かな 稲畑汀子 ホトトギス 200707  
建前も本音も措きて冷し酒 上田繁 遠嶺 200709  
好きな猪口選び冷酒を酌み交す 中村悦子 200709  
ふるまひの一口甘し冷し酒 大栗須美子 万象 200710  
裏腹な世辞聞きながし冷し酒 田村芳陽 200710  
おひらきは女房の話冷し酒 藤野力 馬醉木 200710  
このわたにうるかに雲丹に冷酒かな 河合しよう 春燈 200710  
冷酒の一口甘し不死男の忌 高野幸次 200710  
一杯の冷酒にとろり肩ゆるむ 丹生をだまき 京鹿子 200711  
冷酒でなくてはならぬ話なり 岩垣子鹿 ホトトギス 200712  
ギヤマンの薄き器に冷し酒 岩垣子鹿 ホトトギス 200801  
一本の冷酒に躍る掌 稲畑廣太郎 ホトトギス 200806  
冷酒の水滴もてあそびたる指 ことり 六花 200808  
呑みごろを保ち到来冷し酒 布川直幸 200809  
諍ひし夫は手酌の冷し酒 小城綾子 200809  
冷酒酌み交ふ西へ行く関所趾 中山皓雪 200809  
冷酒酌むさざなみ美し霞浦かな 布川直幸 200809  
仏前にあんころ餅と冷し酒 浅井敦子 万象 200810  
肥後の旅馬刺し肴に冷酒酌む 坂上香菜 200810  
冷酒酌む黄鶴楼の一詩人 小澤克己 遠嶺 200810  
注ぐほど冷酒はなやぐ切子かな 黒澤登美枝 200810  
江戸切子冷酒を藍に染むるかな 辻直美 200810  
鰻重を待ってゐる間の冷酒かな 木村茂登子 あを 200810  
冷酒酌み身に十徳を言ひ聞かす 小澤克己 遠嶺 200908  
文弱のをのこなれども冷し酒 辻直美 200908  
今日もまたけふのけじめの冷し酒 片岡宏文 炎環 200908  
星に手のとどかむばかり冷し酒 鈴木浩子 200909  
深川へ行った帰りよ冷やし酒 吉弘恭子 あを 200909  
山荘のととのふ夕ベ冷用酒 西山美枝子 酸漿 200909  
裏切らずかまつてくれる冷し酒 田中貞雄 ろんど 200909  
乾したきは詩の毒すこし濃き冷酒 千田敬 200909  
冷酒酌むたがひの羽觴讃へつつ 小澤克己 遠嶺 200910  
悶々と過ごしし一日冷し酒 小山徳夫 遠嶺 200910  
蔵の街雑魚の飴煮と冷し酒 山本無蓋 200910  
叡山に月傾ける冷し酒 松山直美 火星 200911  
核心に迫つて来たる冷し酒 川崎かずえ ろんど 200911  
冷酒を受けるあなたの白き指 稲畑廣太郎 ホトトギス 201006  
にこにこと冷酒注ぎきて切りも無し ことり 六花 201006  
暮れはじむ刻を待てずに冷し酒 布川直幸 201007  
ん〜ばかり言うては冷酒舐めてをり ことり 六花 201007  
冷酒の人燗の人不死男の忌 鷹羽狩行 201008  
冷酒やさらとかはせぬときもあり 折橋綾子 201009  
身のほどを悟りし齢冷し酒 鈴木一三 末黒野 201010  
冷し酒一つ覚えの父の唄 上谷昌憲 201010  
涙ためふくハーモニカ冷し酒 篠田純子 あを 201010  
言はでもの言葉飲み込む冷し酒 松本幹雄 馬醉木 201011  
冷酒酌む青き切子や夕爾の忌 藤村達江 春燈 201011  
馴初めを告げよと冷酒注ぎ足せり 田村園子 201011  
辛口を好む同士の冷し酒 和田崎増美 雨月 201011  
冷酒に衆生の静寂ありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201108  
「沈黙」の一行しみぬ冷し酒 清水佑実子 201108  
冷酒のほてり蹼くれなひに 大島翠木 201109  
夜烏に目で合図して冷し酒 吉弘恭子 あを 201109  
冷し酒記憶に齟齬の生じたる 阪本哲弘 201110  
冷し酒上席ひとつ空けておく 浅田光代 風土 201110  
百薬の長と云ひつつ冷酒酌む 中山静枝 201110  
親に似る子らの賑はふ冷し酒 羽賀恭子 201110  
冷酒が火照り鎮める更年期 三橋早苗 ぐろっけ 201110  
冷し酒弱き女の顔し呑む 大草由美子 春燈 201110  
冷し酒ふたりの声の重なりぬ 倉持梨恵 201111  
玉杯に頒つ冷酒や紅緑忌 安立公彦 春燈 201208  
冷酒酌むグラスに浮かぶ赤シェード 塩路隆子 201209 ムーランルージュ
冷し酒美味き刺身を肴にして 岡野安雅 かさね 201209  
冷し酒夫の知らざる孫並ぶ 松本恒子 ぐろっけ 201209  
気楽さと寂しさ一人冷し酒 須賀敏子 あを 201209  
激論のクールダウンよ冷し酒 坂上香菜 201210  
冷酒の苦さ含みて日暮れるや 柳田晧一 かさね 201210  
深山の水で醸さる冷し酒 坂上じゅん かさね 201210  
過ぎたるは今日に及びし冷し酒 中島芳郎 201210  
冷酒や二年越しなる鮒の鮨 江見巌 六花 201210  
冷し酒孤愁たのしむ齢かな 浅木ノヱ 春燈 201211  
この町が好きてふ嫁と冷酒酌む 阿部綾子 ろんど 201212  
冷酒を酌みて呈する苦言あり 木村享史 ホトトギス 201302  
船名で呼び合うて酌む冷やし酒 斉藤マキ子 末黒野 201304  
冷酒に酔うて宇宙の旅となる 高橋将夫 201310  
熱き人ますます熱く冷し酒 柳川晋 201310  
はらわたに冷酒したたる音すなり 小林正史 201310  
さば缶で冷酒を飲む誕生日 伊藤更正 やぶれ傘 201312  
初午や冷酒に鮒のすずめ焼 瀧春一 花石榴 201312  
夢心地和太鼓佳人冷酒哉 稲畑廣太郎 ホトトギス 201406  
杉玉やきらきら並ぶ冷し酒 赤座典子 あを 201408  
懐かしや造り酒屋に冷酒の香 松田和子 201408  
冷やさずに地酒の癖を楽しめり 能村研三 201409  
冷やし酒限定売りの煽りあり 能村研三 201409  
夕暮れや火照りたる身に冷酒浸む 辻香秀 201410  
一杯の冷酒に夫の機嫌かな 古川幸子 春燈 201410  
四度目は神に頼むか冷し酒 高橋将夫 201410  
冷酒や縮まつてゆく男女の差 高橋将夫 201410  
一盞の冷酒に命透けてきし 水野恒彦 201410  
冷酒や片意地ほぐす里ことば 石田きよし 201410  
直会や神も氏子も冷し酒 大石よし子 雨月 201410  
せかせかと咽おりくる冷し酒 吉弘恭子 あを 201411  
酌み交す鞍馬天狗の名の冷酒 大石よし子 雨月 201508  
豆皿にどこそこの塩冷し酒 青谷小枝 やぶれ傘 201509  
冷酒手に袋回しを説きくれし 甕秀麿 201509 悼む
雪渓のかけらを入れて冷し酒 山田春生 万象 201510  
通夜帰り清めと称し冷し酒 久世孝雄 やぶれ傘 201510  
いささかは次男に甘く冷し酒 楠原幹子 201510  
富士暮れて軒先くれて冷し酒 森清信子 末黒野 201510  
幽霊の冷酒盗む噂かな 中島芳郎 201510  
冷し酒ほんとのやうな戯れ話 齊藤哲子 201510  
定量はベネチアの盃冷し酒 柴崎甲武信 春燈 201510  
冷酒酌む七歩の才に遠くゐて 後藤眞由美 春燈 201510  
とんかつのさくと揚がりし冷し酒 根橋宏次 やぶれ傘 201511  
こきみ良き音に冷酒注がれをり 山崎靖子 201511  
冷酒酌むあしたはもつと上機嫌 風間史子 201511  
こきみ良き音に冷酒注がれをり 山崎靖子 201511  
冷酒酌むあしたはもつと上機嫌 風間史子 201511  
酔ひ早きハワイの夜の冷し酒 阿久津勝利 万象 201512  
冷酒や虚子を語つて終りなし 浜崎素粒子 ホトトギス 201601  
冷酒や本音は言はぬ髭だるま 町山公孝 201607  
をばさんは揃って美人冷し酒 佐藤喜孝 あを 201607  
冷酒の鎮静剤ぞ効きめあり 山田六甲 六花 201608  
竹筒入り冷酒に昼の酔少し 菅澤陽子 春燈 201609  
いつからが晩年ならむ冷し酒 佐々木良玄 春燈 201609  
冷酒や恋は暫く後回し 大口堂遊 春燈 201609  
献杯と乾杯兼ねて冷し酒 鈴木石花 風土 201609  
雨音や藍色ちろりの冷酒酌む 平松うさぎ 201609  
久女派を退かぬ同志や冷し酒 伊藤武文 末黒野 201609  
瓶詰めの冷酒の蓋の馬鹿になり 瀬島洒望 やぶれ傘 201609  
兵児帯の絞りぷつぷつ冷し酒 青谷小枝 やぶれ傘 201609  
言ひ負かす事の面倒冷し酒 宮崎高根 201610  
外つ国へ転勤の子と冷酒酌む 久世孝雄 やぶれ傘 201612  
話し出す時が同時や冷し酒 能村研三 201707  
口癖となりし冷や酒一寸だけ 谷口一献 六花 201708  
冷し酒無冠の父の胡坐かな 菊地光子 201709  
灯してはひとりぞ良けれ冷し酒 田原陽一 201709  
冷酒や虚子を偲べば昂りぬ浜 崎素粒子 ホトトギス 201710  
冷酒酌みけふの疲れを忘れをり 小野喬樹 馬醉木 201710  
ひとり居の熱き思ひを冷酒で 平野多聞 201710  
だんべえで軽口飛ばす冷し酒 中村千久 万象 201710  
会へば耄の話などして冷し酒 土井三乙 風土 201711  
偏屈王の父への奥の手冷やし酒 木戸渥子 京鹿子 201711  
吾は薬湯夫には越の冷し酒 玉置かよ子 雨月 201711  
とぎれなき霊歌の底で酌む冷酒 丸井巴水 京鹿子 201712  
人生に凪のひととき冷し酒 夏生一暁 馬醉木 201808  
玉杯に分かつ冷酒や紅緑忌 安立公彦 春燈 201808  
冷し酒好漢酔うて熟睡かな 小島昭夫 春燈 201808 追悼
冷酒や本家が留守のいとこ会 辻響子 201809  
雲は緋に山黒ぐろと冷し酒 松井季湖 201809  
詐欺らしきハガキ屆けり冷し酒 須賀敏子 あを 201809  
いま老けり背中まるめて酌む冷酒 櫻本武志 末黒野 201810  
冷し酒交して解く幡り 山口誠 馬醉木 201811  
明太子のほどよき辛さ冷し酒 阿部重夫 末黒野 201904  
反骨をいたぶられたる冷し酒 亀田虎童子 201907  
冷酒やめよ竹の翁とならむには 石川桂郎 風土 201908 『高蘆』
車麸の「おばあちゃん煮」と冷し酒 赤座典子 あを 201908  
河原からよばれてゐたり冷し酒 加藤みき 201909  
冷酒酌む触れてはならぬ細き指 横山さくら 春燈 201909  
冷酒によったふりするDNA 佐久間ひろみ 船団 201910  
冷し酒瀞の青さを掬ひあげ 藤原明美 201910  
説教の自慢にかはる冷し酒 松下道臣 201912  
木の枝を払ひて夕の冷し酒 増田祐司 やぶれ傘 201912  
片木盛りの蕎麦のさざ波冷し酒 近藤真啓 春燈 202001  
とりどりの冷酒を試すひとりの夜 秋津令 202002  

 

2020年6月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。