温め酒 2       109句

子の頃のねえやは菊や温め酒   森澄雄   花間

熱燗  温め酒  燗酒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
二連銃下山の父に温め酒 太田實 ぐろっけ 200801
沈黙は男の言葉温め酒 薮脇晴美 馬醉木 200802
化野の夫婦羅漢へ温め酒 安井和子 200802
逢へばすぐこだはり解けし温め酒 中山三渓 200802
餃子喰べて早く逝くべし温め酒 堀内一郎 あを 200802
上戸には上戸の愁へ温め酒 湯川雅 ホトトギス 200803
温め酒いつか大きくなる話 棗怜子 春燈 200811
口下手のわれを諾ひぬくめ酒 平野伸子 馬醉木 200812
川沿ひに屋台の灯りぬくめ酒 長濱順子 200812
三角山の今宵のかたち温め酒 緒方佳子 火星 200812
下町に残る昭和や温め酒 藤見佳楠子 200901
饒舌は不要しみじみ温め酒 泉田秋硯 200901
温め酒追分節のしみじみと 山下佳子 200901
藤村の宿はぬる湯よ温め酒 鈴木阿久 200901
雨音の強くなりけり温め酒 藤井美晴 やぶれ傘 200901
金融危機の張り紙のあり温め酒 鴨下昭 200902
温め酒自負控へ目に宮大工 唐鎌光太郎 ぐろっけ 200902
温め酒にするかと出でし独言 守屋井蛙 酸漿 200902
温め酒そろそろ本音洩るる頃 松野睦子 遠嶺 200903
缶詰の大和煮あてのぬくめ酒 松本善一 やぶれ傘 200903
温め酒地唄「黒髪」ききながら 吉田裕志 200904
温め酒引つ込みがちも手を延ばし 前川明子 200904
んむむむ奥歯で唸る温め酒 山田六甲 六花 200909
親孝行さるるも淋し温め酒 コ田千鶴子 馬醉木 200912
今日の日の善きことひとつ温め酒 日山輝喜 200912
温め酒被爆手帳をもつ子らと 鈴木阿久 200912
人肌に流謫の島の温め酒 石田康明 春燈 200912
大喧嘩しても兄弟温め酒 上原恒子 雨月 200912
泣くほどの事でもあらじ温め酒 ことり 六花 200912
独り居のやや内証めく温め酒 田中藤穂 あを 200912
とっくりを並べしは父温め酒 能勢栄子 201001
胃袋はいのちの袋温め酒 彦根伊波穂 201001
論争のあとの握手と温め酒 小山徳夫 遠嶺 201001
掌に抱き加減はかるや温め酒 市川玲子 春燈 201001
金閣に見え来し夜の温め酒 大石よし子 雨月 201001
薪の炊く焦げ飯の香や温め酒 東亜未 あを 201001
品書は女将の書なり温め酒 阪本哲弘 201002
旅回顧薩摩切子で温め酒 河本利一 201002
聞き上手に口すべらせて温め酒 棗怜子 春燈 201002
世に打つて出ることも無し温め酒 岩田公次 ホトトギス 201003
温め酒鉢の馬刀貝歯にやさし 井口初江 酸漿 201006
温め酒わが青春歌古びけり 安立公彦 春燈 201011
糸底に掌あづけ温め酒 吉弘恭子 あを 201012
温め酒江差哀歌の風突けり 葉山彰 ろんど 201101
寄ればすぐ話弾むやぬくめ酒 大川暉美 末黒野 201102
塩運ぶ歩荷に茶屋の温め酒 今村千年 末黒野 201102
温め酒夜長相手に又一本 山口博通 ぐろっけ 201102
新世界まづは串カツ温め酒 山西商平 ホトトギス 201104
温め酒素風をすくふ掌 吉弘恭子 あを 201104
逃ぐる事うまくなりたり温め酒 コ田千鶴子 花の翼 201111
空似とは淋しきことば温め酒 コ田千鶴子 花の翼 201111
定席は隅の止り木温め酒 山本丈夫 201112
老ゆる途に標識の欲しぬくめ酒 堀田順子 馬醉木 201201
隣まで果報来たらし温め酒 平野みち代 201201
いろいろと云ひわけつくり温め酒 林美智 ぐろっけ 201201

林翔先生三回忌

温め酒酌みし夜のまだ昨日ごと

菅谷たけし 201201
駒形へ龍にならんと温め酒 堀内一郎 あを 201201
温め酒次第に繁き夜の雨 柳生千枝子 火星 201202
ぐい飲みの底に蛇の目やぬくめ酒 松本善一 やぶれ傘 201202
死すことも予定に入れてぬくめ酒 福田かよ子 ぐろっけ 201203
温め酒すすめて妻の愚痴かはす 浅井吉雄慈 夕端居 201203
温め酒とろりと喉をこしにけり 副島いみ子 ホトトギス 201204
ぬくめ酒夫なきわれへ子が注ぐ 平野伸子 馬醉木 201204
温め酒大の男のうら表 村田とくみ ぐろっけ 201205
だが、と来る人にあげよう温め酒 中原幸子 船団 201206
焼きトンの暖簾くぐればぬくめ酒 丸山酔宵子 かさね 201211
笑ひ話も悼みのひとつ温め酒 千田敬 201211
風音を淋しと聴く夜温め酒 湯川雅 ホトトギス 201302
療友と再会誓ふ温め酒 田村善伴 万象 201302
縄暖簾友と二人で温め酒 増田甚平 ろんど 201305
風変り今宵試しの温め酒 谷口俊郎 201311
温め酒わが青春の唄古び 塩路五郎 201311

祝・『湖心』上木

生国へ馳する想ひや温め酒

林紀夫 春燈 201311
火の国の女の好む温め酒 前田美恵子 201312
温め酒いたはるやうな遺影の目 竹貫示虹 京鹿子 211310
過去は相問はず語らずぬくめ酒 中野さき江 春燈 201412
A型をO型にしてぬくめ酒 佐藤喜孝 あを 201412
温め酒松の肌を雨ながれ 河崎尚子 火星 201412
温め酒いのちの炎つなぐほど 那須淳男 馬醉木 201501
ふるさとや刺身三食ぬくめ酒 増田菖波 春燈 201501
働きに見合ふ二合の温め酒 森岡正作 201501
居酒屋の品書変はる温め酒 笹倉さえみ 雨月 201501
教へ子の喜寿の祝の温め酒 鈴木阿久 201501
温め酒一言居士を眠らせる 中島昌子 201501
凡庸に生きて二人の温め酒 後藤マツエ 201502
読みさしの本を伏せたり温め酒 谷島弘康 末黒野 201502
はらわたにうふふと落ちし温め酒 佐藤恭子 あを 201502
毎日を無為に過しぬ温め酒 芝宮須磨子 あを 201503
端つこの好きな男と温め酒 中村三郎 京鹿子 201504
口数を足せば足されて温め酒 甲州千草 201504
温め酒千鳥足なる夢の父 辻村拓夫 船団 201505
温め酒とは銘柄にこだはらず 稲畑廣太郎 ホトトギス 201510
温め酒六甲おろし歌ひつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201510
恥づかしき米寿の五欲温め酒 臼杵游児 春燈 201512
川海老の空揚げに塩ぬくめ酒 田中藤穂 あを 201512
温め酒蕪村のやうな人と在り 田原陽子 201601
温め酒旨し砂丘を戻り来て 土井三乙 風土 201602
さり気なくそらす話題や温め酒 緑川啓子 馬酔木 201611
有耶無耶も一つの応へ温め酒 岡村彩里 雨月 201612
音のなき夜雨となりぬ温め酒 泉本浩子 馬醉木 201612
有耶無耶も一つの応へ温め酒 岡村彩里 雨月 201612
音のなき夜雨となりぬ温め酒 泉本浩子 馬醉木 201612
忌に集ひはらから交はす温め酒 宮原悦子 雨月 201702
同窓会の恩師も丸く温め酒 新倉ゆき江 末黒野 201702
同病を語る二人や温め酒 是松三雄 末黒野 201703
言ひ訳にならぬ言ひ訳温め酒 中川句寿夫 ここのもん 201705
吾に残る齢ふやさむ温め酒 長谷川閑乙 馬醉木 201711
温め酒→3      

 

2021年1月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。