温め酒 1       100句

悦びに戦く老の温め酒    高浜虚子

熱燗  温め酒  燗酒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
七十は生意気ざかりぬくめ酒 亀田虎童子 199804
これよりの命大事や温め酒 水原春郎 馬醉木 199812
停年の悪友に注ぐ温め酒 曽根久順 199812
狸栖む咄を肴温め酒 村越化石 199901
田仕舞や言葉ほぐるる温め酒 増田富子 馬醉木 199902
結願の叶ひし高野温め酒 湯浅苔巌 円虹 199902
ぬくめ酒孫膝に置き至福たり 宮下本平 199905
わが顔のでこぼことなるぬくめ酒 夏秋明子 火星 199912
菊剪りし指の匂ひや温め酒 徳丸峻二 風土 199912
今も聴く遠き日の唄温め酒 村越化石 199912
立ちかけて膝のありける温め酒 福井啓子 200001
賑やかな一人の居らず温め酒 橋本みず枝 200001
ためらはず故郷の小鼓温め酒 本城布沙女 雨月 200001
温め酒人受け入るる円座かな 本城布沙女 雨月 200001
滝の威に触れ来し人らぬくめ酒 渡邊牢晴 雨月 200002
夜を着きて蜀の銚釐の温め酒 脇本千鶴子 200002
生かされてゐて面白や温め酒 山口速 200002
幸せか問ふ教へ子の温め酒 二瓶洋子 六花 200003
病み抜きて毒舌濡らす温め酒 大川泉舟 200003
温め酒比叡に旧交あたためて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200010
輪番に勧められもし温め酒 稲畑廣太郎 ホトトギス 200010
思ひ出も鮮やかに座主温め酒 稲畑廣太郎 ホトトギス 200010
金箔を踊らせてより温め酒 桑垣信子 いろり 200012
暮れてより山の灯遠し温め酒 安田登志子 ぐろっけ 200101
庄内てふ夫婦の店の温め酒 菅谷たけし 200101
夜祭を見るに離さぬ温め酒 杢子安子 200102
致死量の塩砂糖醤油温め酒 吉弘恭子 あを 200104
懺法のこの雨に酒温めむ 岡井省二 200105
忌日来る二十年目の温め酒 稲畑汀子 ホトトギス 200110
今日のこと今日片付けて温め酒 稲畑汀子 ホトトギス 200110
刑務所観て泣くか嘲ふか温め酒 堀内一郎 あを 200111
遠慮なき事言い合いて温め酒 福田みさを いろり 200112
陶房の炉を見守りつ温め酒 大竹節二 春耕 200112
メールにて招集令状温め酒 山下青坡 200201
李白ほど飲み杜甫が好き温め酒 高山瑞恵 200201
百薬の長と諾ひ温め酒 辰巳比呂史 200202
リストラの他人事でなし温め酒 広渡紀子 200202
芦ノ湖に目を遊ばせて温め酒 垣尾美智子 200203
恙なく今日も終りて温め酒 原絹江 いろり 200203
昼湯してゆるりと含む温め酒 中野辰子 いろり 200203
老の性あっけらかんと温め酒 古井君枝 ぐろっけ 200204
釣談義いよよ佳境にぬくめ酒 高橋あさの 200211
温め酒暮れゆく鵜川なまぐさし 伊藤多恵子 火星 200212
温め酒離職せし子に若白髪 関章子 百鳥 200212
猫足のそろり躄る温め酒 松山律子 六花 200212
津の酒の銘は蕪村や温め酒 池田倶子 雨月 200301
虫喰の野菜が安心温め酒 小池津や子 帆船 200301
雰囲気で教師と分り温め酒 岡谷栄子 200302
訃報得し夜をひとりの酒温む 和田清 雲の峰 200302
温め酒夫の遺愛の白磁盃 芝尚子 あを 200302
薬とて猪口に頂く温め酒 水谷とく 築港 200303
温め酒当屋引き継ぎ終へにけり 吉田康子 青山椒 200303
忌心に僧を待ちゐし温め酒 浅井青陽子 ホトトギス 200304
温め酒話の続き促さる 福山広秋 200312
ぬくめ酒夫禁煙をたしかにす 谷口みちる 200312
穢す程の晩節もなし温め酒 村田文一 遠嶺 200312
温め酒口上手とは云へぬ夫 飛鳥由紀 200312
丹波路の空の青さや温め酒 大柳篤子 雲の峰 200312
温め酒ひとりの部屋へかへるため 細川コマヱ 雨月 200401
お天守のもと一献の温め酒 村井美意子 草の花 200401
深山に地図をたよりの温め酒 山岸美枝 草の花 200401
失職の理由(わけ)問へぬまゝ温め酒 石橋萬里 ぐろっけ 200401
ガラスペンほどの生きやう温め酒 荒川清司 遠嶺 200402
とまり木にゐる気安さの温め酒 鈴木良戈 200402
自適とは又孤独なり温め酒 有山紫於 雨月 200402
サイフオンに酒温たむる文化の日 四戸和彦 八千草 200405
フアツクスの止りしときのぬくめ酒 本山卓日子 京鹿子 200406
景気悪化われかゝはらず温め酒 西村梼子 ぐろっけ 200407
温め酒歯に衣着せぬひとと居る 坂本フジ 帆船 200410
ぬくめ酒刺虫捕りで終はりし日 伊藤多恵子 火星 200412
教へ子の肴にされて温め酒 二瓶洋子 六花 200412
はらからの一人を待てり温め酒 村越化石 200501
人生の戦友は夫温め酒 史あかり ぐろっけ 200502
温め酒妙義は翳となりにけり 松原ふみ子 200502
ジグザグに窓つたふ雨温め酒 丸山勝利 遠嶺 200503
あの席にもう美代子なし温め酒 林翔 200504
わが禁酒いつまでつゞく温め酒 稲畑汀子 ホトトギス 200510
学徒兵の遺影の兄に酒温む 伊藤百江 春燈 200512
邂逅の笑みや涙や温め酒 水原春郎 馬醉木 200601
あへて子に問ふことをせず温め酒 久保田至誠 200601
温め酒ひばりの好きな人とゐて 細川房代 百鳥 200601
駐在の友に再会温め酒 佐久間はるみ 200602
SLの汽笛遠くに温め酒 丸山勝利 遠嶺 200602
一徹な夫のかかさぬ温め酒 鈴木栄子 酸漿 200602
胸の内明かしてゐたり温め酒 鈴木栄子 酸漿 200602
ゑくぼある古き薬罐で温め酒 木場田秀俊 200603
くしやみして居住まひただす温め酒 芝宮須磨子 あを 200612
人生をぽつりと語り温め酒 泉田秋硯 200701
落着きし吉祥寺かな温め酒 舘泰生 風土 200701
温め酒饒舌となる義兄弟 石川裕美 ぐろっけ 200702
独り言にも返事して温め酒 湯川雅 ホトトギス 200703
母よりも父の恋しき温め酒 川勝ミヨ 馬醉木 200703
猪口一杯医師もすすめる温め酒 明石文子 ぐろっけ 200703
犬も喰わぬ喧嘩せし娘に温め酒 芦川まり 八千草 200704
五年後の未来をしかと温め酒 小澤克己 遠嶺 200711
加減てふむつかしきもの温め酒 鷹羽狩行 200712
注ぐ人のこころのことか温め酒 鷹羽狩行 200712
連勝の気を引締めて温め酒 宮澤さくら 遠嶺 200801
大きめの箔浮かばせて温め酒 岡本幸枝 ぐろっけ 200801
二連銃下山の父に温め酒 太田實 ぐろっけ 200801
温め酒→ 2      

 

2020年12月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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