野 火 4       83句

野火の帯地平に赤しノロ跳ねる   高島茂

末黒野  焼野  野焼  野火

作品
作者
掲載誌
掲載年月
目つむれば風瞠けば野火猛る 河口仁志 201505
長老の指図に野火の走りゆく 岡淑子 雨月 201505
ひそみては風煽りたる野火なりし 武政礼子 雨月 201506
つむじ風野火守る人を走らする 武政礼子 雨月 201506
走り来し野火川端に果てにけり 武政礼子 雨月 201506
ときに性剥き出しにして野火走る 山田佳乃 ホトトギス 201507
恋の火も野火も自づと鎮まりぬ 高橋将夫 201507
風神の怒りに触れて野火猛る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201602
野火煙単線列車包みゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201602
野火放つ草に引導渡すごと 布川直幸 201602
遠野火の山より高き煙かな 塩野谷慎吾 201605
打てばなほ獣のごとく野火走る 牧はるか 末黒野 201605
スランプを抜け出たやうに野火走る 高橋将夫 201606
野火の炎の舌の韋駄天走りかな 塩野谷慎吾 201606
猛りたる野火やにはかに里心 石黒興平 末黒野 201606
音もなく焔も見せず這へる野火 今井千鶴子 ホトトギス 201607
野火の舌触れ合うてまた別れゆく 中山皓雪 201607
さびしさはわが肩に降る野火埃 甘岡中正 ホトトギス 201608
火は風に風は火となり野火走る 角野良生 201608
野火走る先に火の山噴いてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702
野火猛る煙は人を呑み込んで 橋添やよひ 風土 201705
村長の一声に野火放たるる 稲岡みち子 雨月 201705
人生も野火も前へと進むのみ 高橋将夫 201705
走る野火時をり躊躇してをりぬ 高橋将夫 201705
ドリーネを囲みて野火の閲ぎ合ふ 兼久ちわき 馬醉木 201705
町中の蕎麦屋の卓の野火埃 青谷小枝 やぶれ傘 201705
風に舞ひ風に運ばれ野火埃 松田明子 201705
古代より変はらぬものに野火の色 永井惠子 春燈 201705
土手に立ち野火の走るを飽かず見て 永井惠子 春燈 201705
山頂に届く勢や富士の野火 岡田ちた子 雨月 201706
風を食み草木を食みて野火走る 湖東紀子 ホトトギス 201707
情念のごとくに野火の走り出す 山本則男 201707
野火消えてゆつくり戻る消防車 横田敬子 201708
下駄はいて野火の匂ひの漢かな 山田佳乃 ホトトギス 201709
風向きに声荒らげて野火叩く 秋千晴 201709
野火走る蠢くものを黙らせて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201802
野火走る知らぬままなる死のありし 江島照美 201805
野火守りの代替りして寡黙なる 浜福惠 風土 201805
炎逸れ炎の飛んで野火駆くる 大橋淳一 雨月 201806
逸れし野火叩き叩きて納めけり 大橋淳一 雨月 201806
遠野火の人を孤独にしてしまふ 岩岡中正 ホトトギス 201808
地に跪きては野火を放ちけり 岩岡中正 ホトトギス 201808
号音につぎつぎと野火放たるる 永淵惠子 201808
縦横に戦火のごとく野火走る 永淵惠子 201808
熱風を連れ立ちあがる野火襖 永淵惠子 201808
野火埃たちまちあたり暗うする 永淵惠子 201808
大坂に心中あまた野火に舌 阪野基道 船団 201809
野火止の流れに浮名業平忌 玉服部早苗 201811
野火煽る許容範囲を超えてくる 鷺山珀眉 京鹿子 201904
野火飛火風にさからひ迫りたり 谷陽右 馬醉木 201905
片方の眼の奥に野火なほ燃ゆる 平居澪子 六花 201905
天平の土師のけむりか野火立てり 林未生 201905
野火の色めらめら走る水もまた 竹中一花 201906
野火立つや南北朝の戦跡 前田美恵子 201906
野火奔る地平線まで見てはしる 伊藤希眸 京鹿子 201906
野火のごと手燭拡がる聖夜ミサ 林徹也 201907
野火奔る地平線まで見てはしる 伊藤希眸 京鹿子 201907
野火のなかより一団のオートバイ 角野良生 201911
野火止の紅葉且つ散る平林寺 新沢伸夫 202002
遠野火を神話のやうに見てをりぬ 宇都宮敦子 琴引鳥 202002
野火止の道跳び歩く鴉かな 森藤千鶴 馬醉木 202004
捨て野火のひと煽りして起ちあがる 能村研三 202006
野火走る誰かに追はれ追ふごとく 木村公子 202009
白雲を巻き込みながら野火走る 高倉和子 202010
太陽に消されつつ野火走りつつ 須藤常央 ホトトギス 202010
レイテ島兵士の熾か土手の野火 出利葉孝 202105
叩かれし野火の猛りを見逃さず 橋添やよひ 風土 202106
一筋は心鎮めの野火けむり 能村研三 神鵜 202107
バーナーの先へ先へと野火走る 眞田忠雄 やぶれ傘 202108
はぐれ火も隠れ火も措き野火走る 角野良生 202108
鬱憤を蹴散らす如し野火はしる 出利葉孝 202205
三方より放ちし野火の合寄れり 能美昌二郎 202205
野火走る謀叛のにほひして走る くどうひろこ 202205
野火果てて身ぬちにひとつ燃ゆる星 小林陽子 202205
立ち上る不動明王野火猛る 平城静代 202205
牧場へはみ出す野火を叩き消し 岩木茂 風土 202205
踏み入るや仙石原の野火の跡 平澤侃 末黒野 202206
未だ地球戦の火あり野火猛る 西村白杼 京鹿子 202207
野ねずみを穴に隠して猛る野火 田中とし江 202211
伏兵のごとく現れ野火放つ 角野良生 202212
迎へ火を放ちて野火を迎へ撃つ 角野良生 202212
創世紀の大地もかくや野火走る 荷宮克代 202212
序破急に野火走りたる刹那かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
野火→1

 

2023年3月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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