ものの芽 1   100句

ものの芽のあらはれ出でし大事かな  高浜虚子  五百句

名草の芽  草の芽  ものの芽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ものの芽に星の欠片のかかりたり 山田禮子 きらら 199600
鍵使ふたびものの芽の殖ゑてをり 別府優 199901
醜草の力ものの芽にも見ゆる 稲畑汀子 ホトトギス 199903
囲はねばならぬものの芽紛れけり 稲畑汀子 ホトトギス 199903
大空へ全山ゆらぐ物芽かな 門伝史会 風土 199905
復興の兆しものの芽出づること 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
ものの芽に赤子くるんで抱き出づる 田中藤穂 水瓶座 200002
ものの芽の雨に応へてゆく日数 稲畑汀子 ホトトギス 200003
ものの芽の覚めゆく遅速ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200003
ものの芽やけさの洗顔さつぱりと 穴澤光江 遠嶺 200005
ものの芽やダークホースのをとこ逝く 笹村政子 六花 200005
ものの芽の声の囲める記念館 山田弘子 ホトトギス 200006
ものの芽や誓子旧居はただ平 鷹羽狩行 200006
赤ちゃんとものの芽殻はころころと 佐渡美佐子 ヒッポ千番地 200008
ものの芽の一つに並ぶチューリップ 小西昭夫 船団 200010
戸隠の水音空へものの芽へ 内山和江 奧嶺 200010
ものの芽に土やはらかき雨上り 稲畑汀子 ホトトギス 200103
踏まれたるものの芽なれどたくましく 稲畑汀子 ホトトギス 200103
ものの芽や塔新しき法輪寺 山口たけし 俳句通信 200104
ものの芽や砂の山より砂の川 今村恵子 200104
ものの芽や身の枷もかく解きたけれ 鷹羽狩行 200105
ものの芽や誓子旧居はただ平ら 鷹羽狩行 十三星 200105
ものの芽や母の遣愛の移植ごて 小柴しげあき 200106
ものの芽や母呼ぶ声のいくたびも 日浦静代 百鳥 200106
ものの芽の水の響きに応へけり 小島和子 百鳥 200106
ものの芽や国後島の原子力 吉弘恭子 あを 200106
ものの芽の一つに大地あつまれり 渡辺友七 あを 200106
ものの芽や幼児教室報しきり 荒木治代 ぐろっけ 200106
ものの芽や宇宙船より声とどく 石田邦子 祭笛 200109
物の芽のみんな空指す絵本かな 松永典子 船団 200109
ものの芽や十歩もあらぬ石の橋 松塚香寿子 雲の峰 200204
ものの芽の赤きへ試歩を促せり 湯橋喜美 200204
ものの芽や未完の雲の億劫に 宇都宮滴水 京鹿子 200204
ものの芽に触れて汚れし赤き服 竹中一花 200205
ものの芽や佐太の渡しに碑の一つ 高野清風 雲の峰 200205
ものの芽の庭に綻ぶ佐太天神 小田悦子 雲の峰 200205
地に出れば衆目重き物芽なる 中原道夫 銀化 200205
ものの芽の去年より早くほぐれたり 片山茂子 遠嶺 200206
どの坂も急勾配や物の芽出づ 徳永真弓 百鳥 200206
ものの芽の群雄割拠して狭庭 山本喜朗 雨月 200206
思はざるところの物芽踏むまじく 安原葉 ホトトギス 200207
ものの芽に跼めば幼な子もかがむ 鈴木夫佐子 200303
ものの芽や迷いも少し無洗米 後藤志づ あを 200304
ものの芽に杭打つ音の響きけり 三代川次郎 雲の峰 200304
ものの芽にかくあきらかな今朝の霜 檀原さち子 酸漿 200304
ものの芽に跼み自づと息深く 松岡隆子 200304
ものの芽や遥けきものに応へつつ 長山あや 円虹 200305
ものの芽のみな動き出す雨上り 竹内紫翠 築港 200305
情かけ過ぐ鉢植のものの芽に 青垣和子 雨月 200305
ものの芽の大音声のしじまかな 中野京子 200306
ものの芽の尖るは目指す形にて 佐藤みほ 200306
ものの芽に雀の胸毛やはらかし 有川万里子 200306
山窪やものの芽を抱き雪を抱き 金山千鳥 酸漿 200306
ものの芽に上げる右足左足 宮本幸子 円虹 200306
ものの芽のまだ謎々の域を出ず 小西石蕗 円虹 200306
ものの芽のまだ風知らぬうすみどり 橋本佐智 円虹 200306
町中の空地にものの芽が吹けり 奥村光子 築港 200306
ものの芽に触れゆく風のきなくさし 中島霞 ぐろっけ 200306
ものの芽の脈うつ音の雨なりし 笠井円 円虹 200307
ものの芽のひとつひとつにある希望 久保田清子 遠嶺 200307
ものの芽や夢の一字はくらがりに 岡井省二 省二全句集 200312
ものの芽の耳を聾さんばかりなり 高崎武義 200402
ものの芽のまだ踏みさうに踏みさうに 稲畑汀子 ホトトギス 200403
ものの芽の育つ大地に抱かれて 稲畑汀子 ホトトギス 200404
物の芽の野辺を横切る高速道 芝尚子 あを 200404
ものの芽や赤子には無き土不踏 関位安代 帆船 200404
ものの芽や頬に山風やはらかき 阿部悦子 酸漿 200404
ますぐなるものの芽の無垢尊びぬ 久保田雪枝 雨月 200405
ものの芽や夕陽丘の音遠し 小林成子 火星 200405
ものの芽や特別公開門跡寺 門伝史会 風土 200405
ものの芽の大地に命躍動す 鈴木あき子 築港 200405
ものの芽の吹き出て鬨の声上ぐる 高野政幸 築港 200405
ものの芽に遅れ従ふわが身の芽 遠藤とく 200406
ものの芽の夜空押しあぐ力かな 福嶋千代子 200406
ものの芽や終の棲家のおのづから 長屋璃子 火星 200406
ものの芽や雨粒の唱始まりぬ 柿沼盟子 風土 200406
ものの芽や瓦の上がる寺普請 林裕子 風土 200406
物の芽に雨本降りとなって来し 中島霞 ぐろっけ 200406
ものの芽や心の枷のほぐるかに 橘澄男 山景 200408
ものの芽のもあーっと頭蓋に生えてくる 内藤ゑつ ゑつ 200411
尼寺の庭にものの芽ひしめけり 石原光徳 酸漿 200504
ものの芽の笑みたるやうにほぐれけり あきの澪 200505
ものの芽に開きしチェロの皮ケース 山田美恵子 火星 200505
ものの芽や稚の拳をつきあげる 赤座典子 あを 200505
ものの芽や自傷少女の指白し 篠田純子 あを 200505
ものの芽に生きる勢ひを貰ひけり 藤井啓子 ホトトギス 200506
空つぽの氷室にものの芽のほぐれ 高橋将夫 200506
ものの芽の伏せある鉢の穴を出づ 中里とも子 百鳥 200506
ものの芽や土のゑぐれて除雪跡 工藤ミネ子 風土 200506
ものの芽の印の小枝そこかしこ 阿部ひろし 酸漿 200506
ものの芽の勢い母の弱りけり 米岡幸子 200506
ものの芽や誰それとなく志気高し 関口幹雄 遠嶺 200507
ものの芽や水かろやかに保津の川 大槻球子 遠嶺 200507
ものの芽のシルエットとなり昏れてゆく 近藤紀子 200507
人指し指その先物芽出でてをり 二瓶洋子 六花 200507
ものの芽を踏みてそ知らぬ顔の人 安原葉 ホトトギス 200508
ものの芽に蹲る朝な朝なかな 長谷川春 200508
ものの芽に触れきし指の漣す 細川洋子 200601
ものの芽や土のえぐれて除雪跡 工藤ミネ子 風土 200601
ものの芽を確かめ登る女坂 稲畑廣太郎 ホトトギス 200603
ものの芽→ 2      

 

2021年2月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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