草の芽   109句

焼けぼつくひ黝ぐろとあり草の芽たつ   高島茂   草の花

名草の芽  草の芽  ものの芽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
草の芽や孔子の視線浴びて萌ゆ 稲畑廣太郎 ホトトギス 199903
草の芽や曲り家に月ありたりと 城孝子 火星 200005
草の芽や思わぬ所に顔出して 林田加杜子 いろり 200005
草の芽を啄む団地育ちの鳩 品川鈴子 ぐろっけ 200006
草の芽やゆたかな昭和しか知らず 辻美奈子 200204
草の芽に雪降る母の月命日 野沢しの武 風土 200206
草の芽の伸びて他郷の中にゐる 鈴鹿仁 京鹿子 200304
目のとどく先に子等ゐて小草の芽 門伝史会 風土 200305
輝きて木の芽草の芽岳を指す 寺井谷子 200305
震へつつ草の芽風になじみゆく 金子つとむ 雲の峰 200404
せせらぎを分かつ岩場に小草の芽 中崎敞子 ぐろっけ 200406
草の芽も日々ぐんぐん育ちけり 名取富子 帆船 200407
草の芽の力欲しけり病後の身 東野一彌 ホトトギス 200409
たくましきゆゑ醜草の芽なるべし 稲畑汀子 ホトトギス 200503
草の芽や翼あるもの皆飛べよ 今里満子 火星 200505
草の芽や鶺鴒お辞儀歩きして 田所節子 涼しき嵩 200511
音立てて草の芽喰めり神の鹿 安藤重子 栴檀 200605
産声の歓喜草の芽萌えにけり 岩月優美子 200606
草の芽の中の一つを口にせり 村越化石 200606
醜草の芽もうつくしく萌え出でし 稲岡長 ホトトギス 200607
この風が草の芽育てをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200703
こぞりたる草の芽踏んでゐしことを 稲畑汀子 ホトトギス 200703
磯径のごつた返しの小草の芽 坪井洋子 200705
逃げやすき日に草の芽の爪立ちて 北川たみ子 200706
褒められて児がまた駈くる小草の芽 坪井洋子 200707
列成せる喪服草の芽踏み進む ことり 六花 200803
草の芽や語り尽くせぬ過去もちて 宇都宮滴水 京鹿子 200804
草の芽や歌ひつつ来る隣の子 蘭定かず子 火星 200806
出るはずの草の芽を待つ花壇かな 安藤利恵 春燈 200904
草の芽の己が形を保ちをり 久保田ヤスエ 酸漿 200905
舗装路の亀裂に草の芽生えかな 濱野新 やぶれ傘 200906
草の芽へ歩んでゐたるフラミンゴ 涼野海音 火星 200907
草の芽の蓋の形に縁取りぬ 松本文一郎 六花 200907
草の芽にかがみし人と言かはす 永見嘉敏 酸漿 201005
草の芽や牡蠣殻くだく音つづく 山田春生 万象 201006
ちぐはぐな向きに草の芽伸びはじむ 大久保白村 ホトトギス 201011
草の芽の風の届かぬところかな 稲畑汀子 ホトトギス 201103
草の芽を踏んでをりしと告げられず 稲畑汀子 ホトトギス 201103
番鳩庭の草の芽啄めり 池田いつ子 酸漿 201104
草の芽を踏みて歩ける老いし足 伊藤公女 ぐろっけ 201105
草の芽へ米の研ぎ汁放りけり 大崎紀夫 やぶれ傘 201107
草の芽の駅前広場サーカス来 泉 和美 末黒野句集 201203
せせらぎを跳ぶ草の芽を踏みにじり 布川直幸 201204
草の芽を踏むまじと躱し歩みけり 湯上稔子 春燈 201205
屈み見る若草の芽の触れがたし 四條進 201206
草の芽や早くも子等に踏まれたり 中山静枝 201206
草の芽の伸びて野性をあらはにす 布川直幸 201304
ひととせの過ぐる早さや名草の芽 堺昌子 末黒野 201306
草の芽の形それぞれに土を抱き 平居澪子 六花 201306
草の芽を踏んで通ひ路ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201403
子の遊ぶ野より草の芽吹き始め 堀田順子 馬醉木 201404
草の芽や行きも帰りも道違へ 藤本千鶴子 火星 201405
草の芽の這ひつくばりて明日開く 川南隆 ろんど 201405
残雪の消え雑草の芽のこぞり 長崎桂子 あを 201405
手をかける主の無くて名草の芽 松本文一郎 六花 201406
日を恋うて天に向きたる名草の芽 西村しげ子 雨月 201406
又踏んでしまふ草の芽なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201503
踏まれても又立ち上る草の芽よ 稲畑汀子 ホトトギス 201503
醜草の芽よ踏まれても踏まれても 稲畑汀子 ホトトギス 201503
霜解けの土持ちあぐる小草の芽 赤堀洋子 万象 201504
草の芽や敗者復活する兆し 岡真紗子 201505
名を知らぬ草の芽なれば抜かでおく 宮本俊子 雨月 201506
城壁に世代を継ぎし名草の芽 塩見かず子 京鹿子 201506
一雨に名草の芽吹き鮮やかに 岡美智子 末黒野 201506
行き合ひの径に名草の芽吹きけり 風間史子 201506
天気また雨の予報の名草の芽 三村純也 ホトトギス 201507
浦島草の芽をたしかめて買物に 小林愛子 万象 201507
不束ですが草の芽の数珠つなぎ 陽山道子 船団 201508
草の芽へ米の研ぎ汁放りけり 大崎紀夫 虻の昼 201510
ただ草の芽と呼ばれたる名草の芽 稲畑汀子 ホトトギス 201603
名草の芽立ち一気や嬰児の育つ 齋藤晴夫 春燈 201606
囲はれし花壇の外の名草の芽 谷村祐治 雨月 201606
庭いぢり好みし夫や名草の芽 森幸 雨月 201606
初めての靴草の芽に一歩づつ 藤井啓子 ホトトギス 201607
名草の芽とは誇らしく慎ましく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
草の芽の色増す岸辺そよぐ風 篠原敬信 六花 201707
踏んでゐしとは気づかずに名草の芽 稲畑汀子 ホトトギス 201903
五代目もあきんどでよし名草の芽 中里よし子 春燈 201905
花屑の中より伸びて名草の芽 森なほ子 あを 201906
転ばぬ事が第一にして名草の芽 田村すゝむ 風土 202004
廃屋の庭とも知らず名草の芽 谷田貝順子 202005
寄り添ひてかたまり出づる名草の芽 青木まゆ美 202006
草の芽の雨の膨らむ朝かな 青木まゆ美 202006
雑草てふ名の草の無し名草の芽 山咲和雄 末黒野 202006
草の芽に日差しひとしきあしたかな 橋添やよひ 風土 202006
捨て鉢の穴より草の芽がひよろと 青谷小枝 やぶれ傘 202007
虚子館の草の芽としていつくしむ 大久保白村 ホトトギス 202009
草の芽や畑に幾重も柵立ちて 柿沼盟子 風土 202105
草の芽の伸び放題に小名木川 加倉井たけ子 202105
草の芽や朱柱秘めし国分寺 小林共代 風土 202106
こころにも草の芽あかりと申すもの 小野寿子 202201
合掌の形愛しき名草の芽 木村梨花 春燈 202205
熔岩の台地名草の芽吹きたり 池谷鹿次 末黒野 202206
吾が庭の百の碧玉名草の芽 小田嶋野笛 やぶれ傘 202207
名草の芽風知る丈となりゆけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202303
主亡き庭の彩り名草の芽 稲畑廣太郎 ホトトギス 202303
ゆつくりと歩む河原や名草の芽 小林友子 末黒野 202305
草の芽や庭へ次つぎ雀ども 臼居澄子 末黒野 202306
水ゆるるたびに伸びゆく水草の芽 中村重幸 202306

 

2024年3月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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