名草の芽    73句

渡辺大年句集『両国』序句

また一つわれらの園に名草の芽   富安風生

名草の芽  草の芽  ものの芽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
次の世の次も華麗に名草の芽 鈴鹿仁 京鹿子 200003
畳廊下出て石畳名草の芽 鷹羽狩行 200004
遠景に真白き伊吹名草の芽 松塚香寿子 俳句通信 200005
のびあがる嶺に明日あり名草の芽 吉野のぶ子 遠嶺 200006
名草の芽館を彩りはじめけり 稲畑汀子 ホトトギス 200103
考へるかたちもありて名草の芽 鷹羽狩行 200105
適塾に渡り廊下や名草の芽 今西ひろえ 200105
名園の垣はみ出して名草の芽 梶田敬子 200106

 「好日」五十周年祝して

美しきものを小出しに名草の芽

鷹羽狩行 200204
雨雫すべりとどまり名草の芽 今橋眞理子 円虹 200204
鐘楼の予定地とある名草の芽 小田悦子 雲の峰 200205
もういいかいもういいかいと名草の芽 千坂美津恵 200305
伏せ置きし鉢の隙より名草の芽 仲尾弥栄子 雲の峯 200306
定位置を貰ひて伸びる名草の芽 岩崎可代子 ぐろっけ 200306
放たれて家鴨突っつく名草の芽 中崎敞子 ぐろっけ 200406
ふるさとの土黒ければ名草の芽 庄中健吉 200407
踏まれしはたしか名草の芽なりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200503
踏まれたる跡逸れてゐし名草の芽 稲畑汀子 ホトトギス 200503
真情のこもる一言名草の芽 渡辺民親 遠嶺 200505
名草の芽ゴルフボールを見失ふ 石山民谷 遠嶺 200507
名草の芽名もなき草の芽の下に 稲畑廣太郎 ホトトギス 200703
たちまちに十五を数へ名草の芽 鷹羽狩行 200703
餌をねだる曙のさま名草の芽 浜野ナオヨ 200706
人待ちのいつものところ名草の芽 坂本節子 200706
名草の芽霜降る朝に探しをり 山田六甲 六花 200803
二三日庭に出ぬ間の名草の芽 鷹羽狩行 200804
日当りに当らぬとこに名草の芽 布川直幸 200805
木と紙の家に名草の芽の育つ 鎌倉喜久恵 あを 200806
石をもて囲ふ方尺名草の芽 安武晨子 200806
名草の芽羽根ある虫を抱へをり 久津見風牛 200807
言葉より姿を見よと名草の芽 阿部ひろし 酸漿 200904
プランターにほつほつと出て名草の芽 青垣和子 雨月 200906
名草の芽垣に添ひゐて確かなり 岡田房子 酸漿 200906
日差し浴び大地にぎはす名草の芽 中山静枝 201005
縄跳びの大波小波名草の芽 根本公子 末黒野 201005
永らへば功罪半ば名草の芽 水原春郎 馬醉木 201105
名草の芽角つき合はす牧の牛 菅原末野 風土 201105
名草の芽わずかながらに育ちけり 設楽唱子 酸漿 201105
名草の芽歓喜の声を上ぐるかに 出口賀律子 雨月 201105
播磨より刃物屋の来て名草の芽 浜福惠 風土 201106
出揃ひて決まる間隔名草の芽 湯川雅 ホトトギス 201107
書く文字の直ぐに浮ばず名草の芽 加藤八重子 末黒野 201204
古家の跡地にもはや名草の芽 吉田希望 201205
しばし見ぬ間に育ちをり名草の芽 本郷宗祥 かさね 201205
日を恋うて天に向きたる名草の芽 西村しげ子 雨月 201406
手をかける主の無くて名草の芽 松本文一郎 六花 201406
城壁に世代を継ぎし名草の芽 塩見かず子 京鹿子 201506
一雨に名草の芽吹き鮮やかに 岡美智子 末黒野 201506
行き合ひの径に名草の芽吹きけり 風間史子 201506
天気また雨の予報の名草の芽 三村純也 ホトトギス 201507
ただ草の芽と呼ばれたる名草の芽 稲畑汀子 ホトトギス 201603
名草の芽立ち一気や嬰児の育つ 齋藤晴夫 春燈 201606
囲はれし花壇の外の名草の芽 谷村祐治 雨月 201606
庭いぢり好みし夫や名草の芽 森幸 雨月 201606
名草の芽とは誇らしく慎ましく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
水音のあやしてゐたる名草の芽 高橋道子 201704
解体の進む父母の家名草の芽 岡村彩里 雨月 201705
名草の芽いまだ香りを秘めにけり 太田チエ子 末黒野 201707
庭にゐて充たされてゆく名草の芽 河原敬子 201706
踏んでゐしとは気づかずに名草の芽 稲畑汀子 ホトトギス 201903
五代目もあきんどでよし名草の芽 中里よし子 春燈 201905
花屑の中より伸びて名草の芽 森なほ子 あを 201906
転ばぬ事が第一にして名草の芽 田村すゝむ 風土 202004
廃屋の庭とも知らず名草の芽 谷田貝順子 202005
寄り添ひてかたまり出づる名草の芽 青木まゆ美 202006
雑草てふ名の草の無し名草の芽 山咲和雄 末黒野 202006
古株を褥としたり名草の芽 内藤静 風土 202105
名草の芽大地を抜くる真昼かな 齋藤晴夫 春燈 202106
合掌の形愛しき名草の芽 木村梨花 春燈 202205
熔岩の台地名草の芽吹きたり 池谷鹿次 末黒野 202206
吾が庭の百の碧玉名草の芽 小田嶋野笛 やぶれ傘 202207
名草の芽風知る丈となりゆけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202303
主亡き庭の彩り名草の芽 稲畑廣太郎 ホトトギス 202303

 

2023年3月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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