蜜 柑 2     100句

永くながく父とは住まず蜜柑むく    高島茂

蜜柑  青蜜柑  花蜜柑

作品
作者
掲載誌
掲載年月
蜜柑熟る洋館の窓開け放し 赤羽正行 遠嶺 200304
蜜柑船出でし港の大夕日 遠藤逍遙子 風土 200304
なにごともなくて蜜柑の皮の山 春川暖慕 銀化 200304
さし入れの蜜柑阿波より三河より 隅田恵子 雨月 200304
紀の国へ入ればすなはち蜜柑山 川上美穂子 酸漿 200307
小春日や蜜柑出荷の渡船場 川上美穂子 酸漿 200307
蜜柑山そがひに海よ海老を獲る 川上美穂子 酸漿 200307
みちのくへ伊予の人より伊予蜜柑 二瓶洋子 六花 200307
宗祗法師の里は蜜柑の摘果時 近藤豊子 雨月 200310
ロシアこけし早生蜜柑など召し上れ 竹中一花 200312
採りきれぬ蜜柑程よく熟れ進む 榎本孤星 築港 200401
潮騒と斜面の日差し蜜柑熟る 吉村りつ子 築港 200401
晩年の小さな旅の蜜柑狩 藤井昌治 200401
蜜柑熟る同じ太陽吾も受く 塩川雄三 築港 200402
海照りを返す鋏で蜜柑摘む 佐久間俊子 200402
海風に葉の色の濃き蜜柑山 佐久間俊子 200402
蜜柑小屋ラジオ高鳴る選果時 小山香月 酸漿 200402
いつになく安らかなる日蜜柑むく 赤羽正行 遠嶺 200403
新しき標に日差し蜜柑山 西澤ひで子 遠嶺 200403
沈思黙考をほどきて蜜柑むく 粟津松彩子 ホトトギス 200403
言ひ訳も理屈も許し蜜柑むく 高倉和子 200403
潮待ちの港を抱く蜜柑山 岸直人 築港 200403
蜜柑狩食べ放題も三個ほど 栗原紘子 200404
蜜柑むく指の先まで笑ひあり 吉野のぶ子 遠嶺 200404
蜜柑むく地球が溶けるその日まで 中野京子 200404
故里の海の香混じり来る蜜柑 清水和子 酸漿 200404
通夜の座に盛られし蜜柑誰も触れず 遠野萌 200404
東京のまん中にゐて蜜柑むく 谷口佳世子 200405
水面にも影差す蜜柑有田川 本多通博 八千草 200406
蜜柑咲き日暮の庭に香り来る 山下悦子 酸漿 200407
湾高く鳶の連れ舞ふ蜜柑晴 石本秋翠 馬醉木 200412
有り体に答へてをりぬ早生蜜柑 伊藤早苗 200501
老ばかり手を貸し合ひて蜜柑捥ぐ 閑田梅月 馬醉木 200501
弁当のリフトで届く蜜柑山 増元武 百鳥 200501
青空へ胸明け渡す蜜柑山 有島夛美 河鹿 200502
箱入りの蜜柑四角に整列す 秋千晴 200502
灯を消せば蜜柑が匂ふ妻の髪 渡邉友七 あを 200502
手作りのま白き皿に蜜柑盛る 須賀敏子 あを 200502
紀の国は鞠と殿様蜜柑買ふ 前阪洋子 雲の峰 200502
休日や籠の蜜柑を山盛りに 吉田祥 200502
晴れ渡る由比の海光蜜柑山 河合大拙 百鳥 200502
豊作の蜜柑に猿の戸惑へり 小山香月 酸漿 200503
渡り次ぐ島蜜柑の黄みかんの黄 大石喜美子 雨月 200503
反逆の風と遊びし蜜柑山 吉野のぶ子 遠嶺 200503
友在らば蜜柑の届く頃なりき 石田きよし 200503
蜜柑山貫き電車海へ出る 大島翠木 200504
和歌山より蜜柑の届く節分会 小池槇女 火星 200504
世も末と言ひつつ蜜柑甘かりし 深澤厚子 馬醉木 200601
こんもりと母胎の丸さ蜜柑山 近藤喜子 200601
「頂戴な」めぐしお手々に「はい蜜柑」 林翔 200601
体温を木椅子にうつす蜜柑剥く 仲村青彦 200601
とり落とし少し弾める蜜柑かな 竹内弘子 あを 200601
休日の蜜柑まあるく剥きにけり 松谷知子 対岸 200602
親指と小指器用に蜜柑剥ぐ 寺岡享 対岸 200602
人寄せに電飾さるる蜜柑畑 宇田紀代 200602
酸つぱさの笑ひを誘ふ蜜柑狩 小林優子 酸漿 200602
すつぱさを楽しんでをり蜜柑山 宇佐美ゆき 酸漿 200602
どの島も蜜柑が熟れて人住まず 合川月林子 ぐろっけ 200602
年越の庭の蜜柑を捥ぎにけり 中里信司 酸漿 200603
山神に地霊に蜜柑たわわなり 松村多美 四葩 200603
てつぺんの蜜柑うまさう届かずよ 島谷征良 風土 200604
蒼天を胸の底まで蜜柑山 土岐明子 遠嶺 200605
青空へすがたまどかに蜜柑山 瀧春一 常念 200606
富士颪ここに吹かざり蜜柑山 瀧春一 常念 200606
下枝の蜜柑に觸るる菊白し 瀧春一 常念 200606
蜜柑山雲のかげりをわびしめり 瀧春一 常念 200606
蜜柑分けあふ女ら一人の罪を知る 瀧春一 瓦礫 200606
平常心平常にと蜜柑むく 丸山佳子 京鹿子 200610
蜜柑山積み崩れぬ不思議見て佇ちぬ 岡本眸 200611
国道にころがりきたる蜜柑かな 西山春文 200612
指切りの約束はたす花蜜柑 西澤ひで子 遠嶺 200612
良く冷えし日向蜜柑に目の覚むる 大内恵 酸漿 200612
水平線蜜柑の木よりひとつ捥ぎ 森理和 あを 200701
蜜柑熟れ水音沿ひ来る峡のみち 長谷川閑乙 馬醉木 200702
蜜柑剪る鋏の音を光らせて 和田祥子 馬醉木 200702
沼照りのベンチに蜜柑匂はする 田村園子 200702
蜜柑むくいまだ未完の詩を胸に 小澤克己 遠嶺 200702
山椒大夫屋敷の跡や蜜柑売る 田中佐知子 風土 200702
蜜柑捥ぐ声ふところに由良ヶ岳 田中佐知子 風土 200702
雨音や湯気立ち籠むる蜜柑風呂 大橋雅子 万象 200703
蜜柑むいて小津安二郎忌なりけり 岩井泉樹 春燈 200703
高きより蜜柑受けとる山湿り 高橋澄子 200703
庭蜜柑孫の来る日に残し置く 小浦遊月 酸漿 200703
蜂の箱運ぶ蜜柑の花の下 川口崇子 万象合同句集 200703
蜜柑むきをり海原に夢の道 宮澤さくら 遠嶺 200704
父の忌の田舎のこゑと箱蜜柑 数長藤代 200704
やはらかき皮の蜜柑を選びけり 池崎るり子 六花 200704
祖の墓はどれも海向く蜜柑村 津田霧笛 ぐろっけ 200705
病室へ枝ごと蜜柑持つて行く 秋千晴 200705
小田原の次は熱海や蜜柑山 嶋田一歩 ホトトギス 200706
蜜柑山バスの往き來は岨たかく 瀧春一 200706
沖の帆へ香りとどくか花蜜柑 鷹羽狩行 200707
禅林の山門小振り花蜜柑 中上馥子 春燈 200708
来し方の思ひしきりや花蜜柑 柴野静 200710
くつろげば蜜柑を剥いてをりし指 稲畑汀子 ホトトギス 200710
胎教を守れる暮し蜜柑剥く 中島玉五郎 200711
足馴らし蜜柑たわわな庭にあふ 小宮恒子 酸漿 200712
角曲るわつと目に入る蜜柑かな 黒澤登美枝 200801
蜜柑むくときにぐらつき年賀客 山田六甲 六花 200801
へなへなの蜜柑の皮や小正月 ことり 六花 200801
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2020年12月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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