曼珠沙華 9     100句

曼珠沙華あれば必ず鞭うたれ    高浜虚子

彼岸花 死人花 捨子花 狐花 幽霊花

作品
作者
掲載誌
掲載年月
その蕾美しや愛しや曼珠沙華 林翔 200811
天上の空気つめたし曼珠沙華 中尾公彦 200811
天地に根を張り枯るる曼珠沙華 ことり 六花 200811
曼珠沙華行儀よくして嫌はれて 岡本眸 200811
金蠅のながくとどまる曼珠沙華 佐藤喜孝 あを 200811
土手道の小さき踏切曼珠沙華 早崎泰江 あを 200811
吉野忌の風の炎えたつ曼珠沙華 西村博子 馬醉木 200812
曼珠沙華白ばかりなるいくさ跡 荒井書子 馬醉木 200812
札所から札所へ三里曼珠沙華 神谷文子 馬醉木 200812
近づけば歓喜あらはに曼珠沙華 安立公彦 春燈 200812
燎原の緋かとも高麗の曼珠沙華 中村春宵子 春燈 200812
振り向けばいつも母をり曼珠沙華 大槻きみ 200812
曼珠沙華見むと在来線選ぶ 塩路隆子 200812
まぼろしに夫の声聞き曼珠沙華 中川すみ子 200812
海峡を越えて飛び火や曼珠沙華 坂根宏子 200812
飛鳥路に古代のロマン曼珠沙華 日山輝喜 200812
曼珠沙華吾にも少し悪女の血 宮崎左智子 200812
まぼろしに亡夫の声聞き曼珠沙華 中川すみ子 200812
曼珠沙華意外と蘂の律儀なり 新実貞子 200812
曼珠沙華手に遊ばせて峠径 杉野原弘幸 200812
烈風に今日のはじまる曼珠沙華 中西咲央 炎環 200812
息災や川の堤の曼珠沙華 大原貴彦 炎環 200812
賢治歌碑に離れてひとつ曼珠沙華 鈴木友寄枝 炎環 200812
好き嫌ひ問はれてをりし曼珠沙華 佐々木暢 炎環 200812
情念の噴き出づるかや曼珠沙華 薗田英治 遠嶺 200812
つづくてふことのよろしき曼珠沙華 沼田巴字 京鹿子 200812
無眼耳鼻舌身意曼珠沙華 竹内悦子 200812
曼珠沙華撞木を打ちし妬心かな 大島翠木 200812
顱頂より光りの波や曼珠沙華 久津見風牛 200812
燃え渡りなを淋しきや曼珠沙華 柴田靖子 200812
曼珠沙華脈の音する水の音 中野京子 200812
煩悩の色はと問へば曼珠沙華 服部菰舟 雨月 200812
曼珠沙華より暮れはじむ淀河畔 安達風越 雨月 200812
火の色しか持たぬ一途や曼珠沙華 吉田陽代 200812
畦に添ひ水音にそひ曼珠沙華 安居正浩 200812
曼珠沙華潮引くごとく終りけり 辻美奈子 200812
曼珠沙華島の子の声よく通り 宮内とし子 200812
太陽の老いたるかたち曼珠沙華 鈴掛穂 200812
曼珠沙華さみしきときは寄り添うて 菊地光子 200812
一隅に姿くつきり曼珠沙華 唐鎌光太郎 ぐろっけ 200812
廻施橋まはるたび増ゆ曼珠沙華 高橋芳子 火星 200812
曼珠沙華触れたる茎の冷たかり 川原典子 酸漿 200812
白といふ色を持ちたる曼珠沙華 菊地惠子 酸漿 200812
百選の棚田を焦す曼珠沙華 堤内久美子 六花 200812
休耕田蘂広げたる曼珠沙華 堤内久美子 六花 200812
曼珠沙華要看護者の庭に満つ 松崎鉄之介 200812
夜は色を手放してゐる曼珠沙華 柴田佐知子 200812
一線を越えて咲きたる曼珠沙華 高倉和子 200812
曼珠沙華棚田を蹴つて昇天す 吉村摂護 200812
蹄鉄の火花とび散る曼珠沙華 小林千草 馬醉木 200901
曼珠沙華消えたるあとの虚空かな 水野恒彦 200901
産土へ赤き帯曳く曼珠沙華 雨村敏子 200901
曼珠沙華聲に憶えのありにけり 小形さとる 200901
曼珠沙華にも河原好きお城好き 伊藤トキノ 200901
北へ火の走りしあとの曼珠沙華 長田等 200901
曼珠沙華息をひそめし魚の影 鈴木清子 遠嶺 200901
ひたぶるに燃えつき果てよ曼珠沙華 横井明子 200901
曼珠沙華終は奔放なりしかな 山崎靖子 200901
疎水へと崩るるやうに曼珠沙華 高田令子 200901
放心にあらず曼珠沙華の蘂 成田美代 200901
碑に城跡とのみ曼珠沙華 吉田カイ 万象 200901
残り火となりて倒るる曼珠沙華 穂苅照子 万象 200901
下顎の欠けし狼犬曼珠沙華 川合まさお ぐろっけ 200901
父の忌に染め上がりたる曼珠沙華 丹羽武正 京鹿子 200901
艶やかな朱をとびとびの曼珠沙華 大井彌雨 雨月 200901
南吉の喀血無念曼珠沙華 高木典子 雨月 200901
花蕊に雨をためゐる曼珠沙華 村上美智子 雨月 200901
曼珠沙華茎のみ残る畦となり 高倉恵美子 200901
日暮れても一途に赤き曼珠沙華 田代貞枝 200901
土の色みな吸ひ上げて曼珠沙華 中田禎子 白猪 200901
今年また咲いて消えたる曼珠沙華 小林定雄 酸漿 200901
幼子に母の手にある曼珠沙華 きくちきみえ やぶれ傘 200901
千枚の棚田を写す曼珠沙華 松本蓉子 六花 200901
曼珠沙華どこかに黒を秘めながら  今橋眞理子 ホトトギス 200902
しろがねの雨の来れり曼珠沙華 向井由利子 200902
師の遣句やどこか憂ひの曼珠沙華 池田倶子 雨月 200902
有難し鏡のなかに曼珠沙華 伊藤希眸 京鹿子 200902
曼珠沙華飛鳥美人のごと褪せて 小阪律子 ぐろっけ 200902
曼珠沙華都心の色でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200909
曼珠沙華重たき色でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200909
大和路のときあやまたず曼珠沙華 稲畑汀子 ホトトギス 200909
畦道を標の如く曼珠沙華 稲畑汀子 ホトトギス 200909
紅さして汝も世に出づ曼珠沙華 鷹羽狩行 200909
天上へまつげを反らし曼珠沙華 鷹羽狩行 200909
山城の裾を取り巻き曼珠沙華 杉良介 200909
曼珠沙華夫の一世の色ならむ 望月晴美 200101
遅れ咲く曼珠沙華あゝみづみづし 山田六甲 六花 200910
抱くやうに閉づやうにあり曼珠沙華 ことり 六花 200910
黒革の手帳の行方曼珠沙華 石寒太 炎環 200911
曼珠沙華雨あがりても支へ合ふ 鈴木梨枝子 炎環 200911
生真面目に群れてこの花曼珠沙華 水原春郎 馬醉木 200911
太陽を抱かんと蕊曼珠沙華 上原重一 200911
街路樹の影のけだるさ曼珠沙華 和田政子 200911
曼珠沙華ふつと思ふは千田百里 菅谷たけし 200911
描くなら墨こそよけれ曼珠沙華 千田百里 200911
曼珠沙華茎びつしりと鉾をなす 森岡正作 200911
気づかるるまでのどきどき曼珠沙華 吉田政江 200911
群れ生ひておのおの自立曼珠沙華 秋葉雅治 200911
大地よりストロー伸びて曼珠沙華 七種年男 200911
曼珠沙華枯れてしまへば寺の門 鳥居をさむ ろんど 200911
曼珠沙華→10      

 

2021年10月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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