曼珠沙華 10   100句

曼珠沙華どれも腹出し秩父の子    金子兜太

作品
作者
掲載誌
掲載年月
庭に出て亡き夫恋へり曼珠沙華 谷寿枝 酸漿 200911
曼珠沙華まだ夏帽子手離さず 遠藤実 あを 200911
言の葉の届かぬ黄泉へ曼珠沙華 芝宮須磨子 あを 200911
東京に古墳いくつも曼珠沙華 田中藤穂 あを 200911
竹林の奥深きかな曼珠沙華 早崎泰江 あを 200911
煩悩に怯まぬ炎曼珠沙華 秦和子 200912
曼珠沙華三児のパパの誕生日 北條清子 200912
まほろばの嵯峨野巡りや曼珠沙華 竹内悦子 200912
曼珠沙華静寂の中の虚子の句碑 大島みよし 200912
陸軍の火薬庫の跡曼珠沙華 田中敬 200912
志と恋はひとすぢ曼珠沙華 石原みどり 炎環 200912
一面のそれぞれの距離曼珠沙華 榎本慶子 炎環 200912
寄り添ひし今朝の幸せ曼珠沙華 波田野雪女 炎環 200912
日盛りの銀糸紡ぎて曼珠沙華 池田光子 200912
曼珠沙華浮世の色に染まりける 中貞子 200912
そこばくの地霊の宴曼珠沙華 上谷昌憲 200912
曼珠沙華百万本を抱き蛇行 水上陽三 200912
磨かれて土偶の乳房曼珠沙華 藤原はる美 200912
曼珠沙華暮光に朱けを委ねけり 安立公彦 春燈 200912
曼珠沙華小径のさきのをんな塚 乗鞍三彦 春燈 200912
夕闇に紛れ込む赤曼珠沙華 辰巳あした 雨月 200912
正一位稲荷や曼珠沙華盛ん 中山純子 万象 200912
曼珠沙華十日も咲けば咲き飽きし 中山純子 万象 200912
曼珠沙華小町の墓へつづきをり 山田春生 万象 200912
札所より札所へ畦の曼珠沙華 斉藤敬子 万象 200912
曼珠沙華おもひは地平までの舞ひ 豊田都峰 京鹿子 200912
青ければ舞ひ上がりたき曼珠沙華 豊田都峰 京鹿子 200912
無事の白別れの赤か曼珠沙華 大西よしき ろんど 200912
曼珠沙華百万本も交らず 古川よし子 風土 200912
左岸来てこれより右岸曼珠沙華 落合絹代 風土 200912
曼珠沙華胸のときめきいまもなほ 大里快子 酸漿 200912
曼珠沙華母の歩幅の小ささに 東芳子 酸漿 200912
山里の道失せてをり曼珠沙華 上原光代 酸漿 200912
わづかなる畑のほとりや曼珠沙華 梅田秀子 酸漿 200912
故里と母恋ふ花よ曼珠沙華 岡久枝 酸漿 200912
人呑みし川と思へず曼珠沙華 大内幸子 六花 200912
観音の足もと覆ふ曼珠沙華 佐藤喜仙 200912
群れゐても一花は孤高曼珠沙華 鈴木多枝子 あを 200912
母のがり曼珠沙華咲く行き難し 定梶じょう あを 200912
夜に入りて水音高き曼珠沙華 高倉和子 201001
曼珠沙華一世をかけし仇討も 中条さゆり 201001
寡婦といふ十字架重し曼珠沙華 和田照子 201001
休み田の荒れしをよそに曼珠沙華 小倉正穂 末黒野 201001
単線の下り待つ駅曼珠沙華 山崎稔子 末黒野 201001
月光にもらひし種火曼珠沙華 根本公子 末黒野 201001
畷炎上曼珠沙華の夜にゐる 雨村敏子 201001
絵に描いてさみしき花よ曼珠沙華 橋本正二 201001
弁天の朱塗の祠曼珠沙華 曷川克 遠嶺 201001
荒れつくしたる廃校の曼珠沙華 羽田岳水 馬醉木 201001
病院の裏みち風の曼珠沙華 森ひろ 馬醉木 201001
明日へ背を正す日暮れの曼珠沙華 井尻妙子 京鹿子 201001
曼珠沙華女が狂う村芝居 桑名さつき ろんど 201001
遠くみてこころ近づく曼珠沙華 外川玲子 風土 201001
曼珠沙華咲くや去来の寺の前 西村雪園 風土 201001
吾が情熱かく燃えよかし曼珠沙華 大橋淳一 雨月 201001
奥志摩の空の青さよ曼珠沙華 小山漂葉 酸漿 201001
通船の名残の堀や曼珠沙華 田中きよ子 酸漿 201001
天と地をつなぐ階段曼珠沙華 箕輪カオル 201001
ごんぎつね遊びし土手の曼珠沙華 庵原典子 201001
曼珠沙華卍ともゑの根を抜けて 服部早苗 201002
赤き色とばして曼珠沙華となる 嶋田一歩 ホトトギス 201002
曼珠沙華生生流転語る赤 涌羅由美 ホトトギス 201002
まのあたりする神奈備の曼珠沙華 後藤比奈夫 ホトトギス 201002
遠祖の地割はあらぬ曼珠沙華 佐藤満智子 ろんど 201002
愛情の日をまなうらに曼珠沙華 荘司正代 春燈 201002
曼珠沙華咲くかの丘へ試歩の杖 中島知恵子 雨月 201002
用水に架かる土橋曼珠沙華 渡邊孝彦 やぶれ傘 201002
七曲り十三曲り曼珠沙華 樋口みのぶ 201002
曼珠沙華烈士といふは自害して 田岡千章 201002
曼珠沙華入日の方へ傾ぎけり 志方章子 六花 201002
畦道の暮色を焦がし曼珠沙華 森清尭 末黒野 201004
田の隅に抜きんでて白曼珠沙華 中山純子 万象 201009
曼珠沙華父の消息知りたるか 稲畑廣太郎 ホトトギス 201009
曼珠沙華白きは闇を塗り替へて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201009
曼珠沙華連隊畦を攻略す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201009
曼珠沙華影を妖しく燃えたたせ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201009
忽と現れ忽と消えたる曼珠沙華 稲畑廣太郎 ホトトギス 201009
飛鳥路となりし証や曼珠沙華 稲畑汀子 ホトトギス 201009
日韓のワールドカツプ曼珠沙華 林日圓 京鹿子 201009
潮騒をくろきひかりと曼珠沙華 鳥居おさむ ろんど 201009
燃えてゐる茎のさみどり曼珠沙華 佐久間由子 201010
燃え尽くるときを知るかに曼珠沙華 ことり 六花 201010
曼珠沙華医の友句の友続き逝く 水原春郎 馬醉木 201011
江戸・小江戸川もてつなぐ曼珠沙華 辻美奈子 201011
曼珠沙華心臓なぜに片胸だけ 北川英子 201011
咲き充ちて供華にはならぬ曼珠沙華 神蔵器 風土 201011
見下ろせばライバル咲きの曼珠沙華 丸山佳子 京鹿子 201011
曼珠沙華猛毒とふが屹立す 大橋敦子 雨月 201011
曼珠沙華の一興蕊の跳ねっぷり 大橋敦子 雨月 201011
赤の妖艶白の清楚や曼珠沙華 大橋敦子 雨月 201011
曼珠沙華赤も哀しき色のうち 木村茂登子 あを 201011
曼珠沙華夜は目線を外らす猫 佐藤喜孝 あを 201011
雨の中燃えつづけをり曼珠沙華 塩路五郎 201012
曼珠沙華潜る人なき四足門 中川すみ子 201012
踏み入らば浮力が曼珠沙華の畦 千田百里 201012
火の性はいのち短し曼珠沙華 秋葉雅治 201012
曼珠沙華さびしき赤を重ね合ふ 菅谷たけし 201012
曼珠沙華油に振りし凝固剤 辻直美 201012
咲く前の一糸纏はぬ曼珠沙華 久染康子 201012
マラソンのトップ集団曼珠沙華 鳥居秀雄 201012

曼珠沙華→11

     

2021年10月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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