曼珠沙華 8   100句

つきぬけて天上の紺曼珠沙華    山口誓子

彼岸花 死人花 捨子花 狐花 幽霊花

作品
作者
掲載誌
掲載年月
國思ふ滾る血の色曼珠沙華 田中芳夫 200712
明日香路を巡る吟行曼珠沙華 河本利一 200712
犭偏つらなる塚や曼珠沙華 栗栖恵通子 200712
ゆらゆらと燃え立ちてをり曼珠沙華 寺田すず江 200712
天上の誓子もほうと曼珠沙華 鷹羽狩行 200712
雨上り待つてゐたかに曼珠沙華 今成公江 200712
畦道のところどころに曼珠沙華 黒澤登美枝 200712
四方八方眺めるやうに曼珠沙華 黒澤登美枝 200712
畦道に一挺の鍬曼珠沙華 黒澤登美枝 200712
晴天や衣まとはぬ曼珠沙華 小城綾子 200712
線刻の地蔵菩薩や曼珠沙華 さのれいこ 春燈 200712
どこまでも棚田を燃やす曼珠沙華 馬場宏一 春燈 200712
忽然と一本立ちの曼珠沙華 加藤禮子 春燈 200712
残照に白曼珠沙華異端児か 加藤禮子 春燈 200712
この世にも姥捨山あり曼珠沙華 加藤禮子 春燈 200712
曼珠沙華を火事花といふ媼かな 榎本文代 万象 200712
金花粉の蘂籠なせり曼珠沙華 松崎鉄之介 200712
写メールにて受けぬ大和の曼珠沙華 安井和子 200712
曼珠沙華平城京の畦一直線 安井和子 200712
木洩れ日の下に黙解く曼珠沙華 半澤正子 馬醉木 200712
曼珠沙華八百屋お七は炎の中に 関根洋子 風土 200712
三門に入る曼珠沙華曼珠沙華 曽根治子 風土 200712
明暗は身ぬちにひそむ曼珠沙華 中村恭子 200712
そののちは置き去りにされ曼珠沙華 戸田和子 200712
血管のほそし細しと曼珠沙華 辻直美 200712
版ずれのごとく日が差す曼珠沙華 上谷昌憲 200712
曼珠沙華もう大厄になれぬ齢 安居正浩 200712
真つ直ぐに地熱を吐けり曼珠沙華 鈴掛穂 200712
洗礼を受けしか白き曼珠沙華 小嶋洋子 200712
爆音に寂たり基地の曼珠沙華 堀口希望 200712
過去形の母はヒロイン曼珠沙華 稲嶺法子 遠嶺 200712
癒えてなほ心意気揚ぐ曼珠沙華 小國佐世子 遠嶺 200712
さまざまの情念秘めし曼珠沙華 半田卓郎 遠嶺 200712
屋敷林深し曼珠沙華濃かり 梅原幸子 遠嶺 200712
つんつんと花弁からまり曼珠沙華 近藤豊子 雨月 200712
古刹への道の辺つづる曼珠沙華 大里快子 酸漿 200712
来る人の無き墓白き曼珠沙華 青木政江 酸漿 200712
曼珠沙華野生ながらに紅極む 丸山佳子 京鹿子 200712
曼珠沙華髄まで杭が朱に染まる 禰寝瓶史 京鹿子 200712
つき抜けし空の群青曼珠沙華 林日圓 京鹿子 200712
曼珠沙華峡田の奥まで紅の畦 齋部千里 ぐろっけ 200712
いつしかに捨田にふえし曼珠沙華 藤井昌治 200712
舫綱つなぐ杭根の曼珠沙華 吉田裕志 200801
曼珠沙華地蔵囲みて守るかに 石田玲子 200801
曼珠沙華けむりは西へ吾も西へ 水野恒彦 200801
日本海見下してをる曼珠沙華 竹内悦子 200801
夕空に繋がつてゐし曼珠沙華 雨村敏子 200801
曼珠沙華見晴らす畦の袈裟もやう 石山民谷 遠嶺 200801
蛇行せし川岸灯す曼珠沙華 田中清子 遠嶺 200801
地の底の声携へて曼珠沙華 浜田はるみ 遠嶺 200801
遠嶺まで続く棒道曼珠沙華 西村昌三 遠嶺 200801
けふよりは棚田の主役曼珠沙華 青森公子 200801
鍾乳洞出てまつすぐに曼珠沙華 長田等 200801
ほんたうは日差しが嫌ひ曼珠沙華 坂口夫佐子 火星 200801
水音に逆らはずゆく曼珠沙華 小林成子 火星 200801
くるひなき蘂の曲線曼珠沙華 高木典子 雨月 200801
天界の棚田彩る曼珠沙華 服部菰舟 雨月 200801
明か明かと赤々とあれ曼珠沙華 服部菰舟 雨月 200801
おほかたは仮の世のこと曼珠沙華 外川玲子 風土 200801
白河の関へ一里や曼珠沙華 森田節子 風土 200801
巾着田より溢れ出でたる曼珠沙華 河内桜人 京鹿子 200801
曼珠沙華道いつぱいの登校児 岸千手 200801
曼珠沙華くれなゐの声放ちけり 檜山哲彦 万象 200801
倒木を覆ひ尽くして曼珠沙華 飛鳥由紀 200801
死刑流刑徒刑拷問曼珠沙華 芳野ヒロユキ 船団 200801
卵卵を取ってちょーだい曼珠沙華 芳野ヒロユキ 船団 200801
曼珠沙華鼻溝ばっかに目がいっちゃう 芳野ヒロユキ 船団 200801
曼珠沙華子どもの顔が似てへんねん 芳野ヒロユキ 船団 200801
岩群に咲く曼珠沙華岩に染む 齋部千里 ぐろっけ 200801
曼珠沙華水禍の堤あるかぎり 竹内弘子 あを 200801
身の内のどこか人忌む曼珠沙華 奥田紀子 200801
群なして己をみせぬ曼珠沙華 花田百合子 200801
わめく如黙するが如曼珠沙華 浅井青陽子 ホトトギス 200802
美山にはみやまの風や曼珠沙華 松井鶴子 京鹿子 200802
最期には糸となりけり曼珠沙華 KOKIA 六花 200802
UFOの通る道曼珠沙華一列 陽山道子 船団 200803
曼珠沙華大地マグマを噴き出せる 竹下陶子 ホトトギス 200804
曼珠沙華土管の果の異次元に 泉田秋硯 二重唱 200806
夢殿の昏れ曼珠沙華の昏れ 城孝子 飛火野 200808
曼珠沙華彼岸に色を移しゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 200810
わが庭のわが道中に曼珠沙華 阿部ひろし 酸漿 200810
庭先に忽と日差の曼珠沙華 水原春郎 馬醉木 200811
無駄のなき一週過ぎぬ曼珠沙華 水原春郎 馬醉木 200811
曼珠沙華林立組体操くづる 石寒太 炎環 200811
曼珠沙華乱れてこころざわめけり 石寒太 炎環 200811
茎ばかりつつ立つ曼珠沙華の夜明け 石寒太 炎環 200811
目瞑れば父見ゆ白き曼珠沙華 石寒太 炎環 200811
いちめんのほろびのはじめ曼珠沙華 石寒太 炎環 200811
兜太大人秩父は桑と曼珠沙華 石寒太 炎環 200811
大宙へどつと倒れし曼珠沙華 石寒太 炎環 200811
水の音聴きつつ目覚む曼珠沙華 石寒太 炎環 200811
神鏡と魔鏡に映る曼珠沙華 高橋将夫 200811
傾くと見て曼珠沙華みな傾く 宮津昭彦 200811
曼珠沙華標のごとく花のこす 宮津昭彦 200811
曼珠沙華思ひを蘂に散らしけり 阿部ひろし 酸漿 200811
雨あとの空の紺青曼珠沙華 小松渓水 酸漿 200811
目的のなき旅にあり曼珠沙華 神蔵器 風土 200811
鬼ごつこの鬼がつまづく曼珠沙華 徳丸峻二 風土 200811
草庵をとり囲みたる曼珠沙華 天野みゆき 風土 200811
曼珠沙華後生車の逆回し 能村研三 200811
曼珠沙華 9      

 

2021年10月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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