曼珠沙華 7     100句

曼珠沙華消えたる茎のならびけり    後藤夜半

彼岸花 死人花 捨子花 狐花 幽霊花

作品
作者
掲載誌
掲載年月
曼珠沙華追悼集の初校刷ゲラとどく 品川鈴子 ぐろっけ 200609
群れゐてもなびくを嫌ふ曼珠沙華 小林朱夏 200610
無常迅速曼珠沙華あふれしめ 堀内一郎 あを 200610
曼珠沙華撒きちらしある猪の里 山尾玉藻 火星 200611
曼珠沙華に囲まれてゐる土踏まず 山尾玉藻 火星 200611
曼珠沙華匂ひ立つこと怺へをり 山尾玉藻 火星 200611
曼珠沙華墓の前にて折られあり 山尾玉藻 火星 200611
叢なすも一本立つも曼珠沙華 鈴木榮子 春燈 200611
曼珠沙華円かに天を仰ぎをり 室井津与志 春燈 200611
血塗られて東晋滅びぬ曼珠沙華 松崎鉄之介 200611
要介護の人住む二軒曼珠沙華 松崎鉄之介 200611
くれなゐは子規居士のいろ曼珠沙華 神蔵器 風土 200611
西国や歩くリズムに曼珠沙華 神蔵器 風土 200611
桜田門へだて燃ゆるや曼珠沙華 安陪青人 雨月 200611
野路をゆくかぎり塔見え曼珠沙華 熊岡俊子 雨月 200611
曼珠沙華一花にゆるびなき気迫 熊岡俊子 雨月 200611
曼珠沙華の群落に酔ひ渓下る 森山のりこ あを 200611
曼珠沙華捨て身の色と思ひけり 坂本緑 200611
奈良に見てけふは伊勢路に曼珠沙華 鷹羽狩行 200612
一本の火の畦となる曼珠沙華 鷹羽狩行 200612
さみしくて固まり咲きの曼珠沙華 鷹羽狩行 200612
曼珠沙華むかしの辻を恋しがり 間宮陽夫 馬醉木 200612
くゆるなく一気火となる曼珠沙華 北川英子 200612
曼珠沙華薬効といふ毒信じ 吉田政江 200612
咲くまではさみどり一途曼珠沙華 佐久間由子 200612
曼珠沙華愛好家増え白きもあり 鈴木榮子 春燈 200612
もののけとひとこと交し曼珠沙華 西山浅彦 春燈 200612
曼珠沙華の蕾わが唇の乾き 成田美代 200612
ちちははの未知のしじなる曼珠沙華 中村恭子 200612
忌日きて手折るもならぬ曼珠沙華 黒田咲子 200612
東山へ一本道の曼珠沙華 岩下芳子 200612
路地口の鉢に一本曼珠沙華 松崎鉄之介 200612
返り見て寄り来るごとし曼珠沙華 宮津昭彦 200612
百才の葬送に咲く曼珠沙華 府川鈴 200612
師の句碑に絨毯のごと曼珠沙華 遠藤白雲子 200612
休み田の畦にも咲けり曼珠沙華 久保栞 200612
わが娘より母若きまま曼珠沙華 荒川清司 遠嶺 200612
曼珠沙華と言へば飛鳥に一決す 内山芳子 雨月 200612
仏徳を讃ふる花や曼珠沙華 古田考鵬 雨月 200612
曼珠沙華標に訪へる杣の家 大泉美千代 雨月 200612
目覚めたるごとく現れ出で曼珠沙華 西千代恵 雨月 200612
鐘を鋳したたらの跡に曼珠沙華 鈴木とおる 風土 200612
時合せ上手な曼珠沙華の花 島田和子 風土 200612
東歌の手児を伝ふる曼珠沙華 安永圭子 風土 200612
ぞつくりと出て蒼白に曼珠沙華 永田二三子 酸漿 200612
咲き初めて蕾の多し曼珠沙華 小松渓水 酸漿 200612
古民家の陰に咲き初む曼珠沙華 井上幸子 酸漿 200612
曼珠沙華木立にひそと咲き残る 長谷川たか子 酸漿 200612
ひとり居にかぎる甜酒曼珠沙華 吉弘恭子 あを 200612
よく実れよと稲を励ます曼珠沙華 篠田純子 あを 200612
この世なる汗ほのぼのと曼珠沙華 植松安子 200612
曼珠沙華一途な丈のみな揃ふ 植松安子 200612
かたまりて滴つてゐる曼珠沙華 高倉和子 200612
色褪せて気楽になりし曼珠沙華 今井春生 200612
曼珠沙華空の窪みに人住めり 永井雪狼 200701
十二妃の墓所を彩る曼珠沙華 中山節子 200701
駐在の忌や村中に曼珠沙華 久留米脩二 馬醉木 200701
またたきを怺へて雨の曼珠沙華 八染藍子 200701
花と葉の色壺違へ曼珠沙華 八染藍子 200701
地の神の怒りあらはな曼珠沙華 石川等 200701
水音のかすかな蛇行曼珠沙華 玉川悠 遠嶺 200701
回想のいつか微睡む曼珠沙華 鈴木清子 遠嶺 200701
身の内のジキルとハイド曼珠沙華 永田歌子 遠嶺 200701
香の移る合図の発火曼珠沙華 丹生をだまき 京鹿子 200701
石仏へ添ふ四五本の曼珠沙華 浜田栄子 京鹿子 200701
大蛇伝説綴りて窪の曼珠沙華 河内桜人 京鹿子 200701
束ね持つたいまつの如曼珠沙華 木内美保子 六花 200701
畦道の轍に倒れ曼珠沙華 筒井八重子 六花 200701
目の中を駈け抜けて行く曼珠沙華 筒井八重子 六花 200701
道問うて歩む浦町曼珠沙華 樋口みのぶ 200701
まつすぐに降りそそぐ雨曼珠沙華 今橋眞理子 ホトトギス 200702
おそろしき色に暮れゆく曼珠沙華 青山悠 200702
日あたりて睫を上げし曼珠沙華 あさなが捷 200702
隠し田のなべていびつや曼珠沙華 世古幸久 200702
曼珠沙華忌明けの人のそばに咲く 山村桂子 遠嶺 200702
山古志に棚田戻りぬ曼珠沙華 山本喜朗 雨月 200702
お使ひのとなり村まで曼珠沙華 武藤ともお 京鹿子 200702
大川のふくらむところ曼珠沙華 木内憲子 200702
曼珠沙華消えて墓域の寧らぎぬ 上林孝子 200702
真直ぐの捨身の紅を曼珠沙華 鈴木政子 200702
粧ふは身構へること曼珠沙華 四宮一子 200702
介護師と嫗の会話曼珠沙華 中村禎子 八千草 200703
地に噴きしマグマの色か曼珠沙華 小山梧雨 200703
曼珠沙華われも踏みつゝ砲を据ゆ 瀧春一 200706
曼珠沙華遠見の畦が領巾めきぬ 品川鈴子 200708
淋しくて畦にかたまる曼珠沙華 竹貫示虹 京鹿子 200709
一塊の赤一塊の曼珠沙華 稲畑汀子 ホトトギス 200710
曼珠沙華いきなり燃えて仏去る 新関一杜 京鹿子 200710
すべき事あまた数へて曼珠沙華 鈴木阿久 200711
何はとも今を大事に曼珠沙華 松井ふみ 風土 200711
曼珠沙華の鬨の中なる腓なり 山尾玉藻 火星 200711
張る蘂に日当りてこそ曼珠沙華 宮津昭彦 200711
蘇我の血の噴ける飛鳥か曼珠沙華 大橋敦子 雨月 200711
曼珠沙華野ねずみの穴ありにけり 酒本八重 200711
凡常の或る日突然曼珠沙華 北川英子 200711
ぽつりと碑蛭ヶ小島の曼珠沙華 福島茂 200711
禅院の広き庭なり曼珠沙華 阿部ひろし 酸漿 200711
曼珠沙華よゝゝゝゝゝとちゞみけり 佐藤喜孝 あを 200711
戰争がうすく目をあけ曼珠沙華 芝尚子 あを 200711
後戻り出来ぬ畦道曼珠沙華 森山のりこ あを 200711
曼珠沙華8→      

 

2021年10月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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