曼珠沙華 6     104句

曼珠沙華散るや赤きに耐へかねて    野見山朱鳥

彼岸花 死人花 捨子花 狐花 幽霊花

作品
作者
掲載誌
掲載年月
まなうらに曼珠沙華慂き弥陀の前 大塚まや 京鹿子 200502
気だるさや朱の勝ち過ぎる曼珠沙華 有山紫於 雨月 200503
古墳への標や白き曼珠沙華 福山至遊 200503
曼珠沙華堰かれて水のあを臭し 前田陶代子 200503
ゆるやかな川の岸染め曼珠沙華 山口耕堂 万象 200504
何時見ても笑顔の遺影曼珠沙華 鈴木恭子 200505
曼珠沙華木陰の中で自己主張 中山まり 200505
故郷は遠くなりけり曼珠沙華 水田清子 200508
組紐の指を絡めし曼珠沙華 品川鈴子 ぐろっけ 200509
曼珠沙華泥土のながれ干たるまま 瀧春一 菜園 200509
曼珠沙華の葉のふさふさと畦ぬくし 瀧春一 菜園 200509
はうろくの中の地獄や曼珠沙華 近藤公子 200510
段々の畦に帯なす曼珠沙華 浦松静子 築港 200510
吾も燃えし遠き日憶ふ曼珠沙華 林翔 200510
蕾てふ嬰抱く炎かな曼珠沙華 林翔 200510
曼珠沙華散つてかぼそき燠のこす 林翔 200510
魁て今朝一本の曼珠沙華 坂井法 200511
畦十字なれば十字に曼珠沙華 鷹羽狩行 200511
曼珠沙華足の踏み場のなかりける 竹内悦子 200511
曼珠沙華川藻の匂ひただよひぬ 大島翠木 200511
曼珠沙華一気に雨となりにけり 山尾玉藻 火星 200511
曼珠沙華吾を忘れし母を恋ふ 吉武美子 200511
近寄りて曼珠沙華とは隙だらけ 今瀬剛一 対岸 200511
曼珠沙華土葬の子規を煽れるや 神蔵器 風土 200511
一心に燃えて香らぬ曼珠沙華 菅野末野 風土 200511
曼珠沙華消えたる道のくつろげり 柴田佐知子 200511
寂しさに寄り添うて燃ゆ曼珠沙華 岸本敬子 築港 200511
曼珠沙華燃ゆ女子大の白き塔 岸本敬子 築港 200511
曼珠沙華さいごは箸と塵取で 篠田純子 あを 200511
曼珠沙華蘇我一族の血の色に 泉田秋硯 200512
泣き笑ふ野仏の数曼珠沙華 小林成子 200512
かがやける白曼珠沙華ケアハウス 坂上香菜 200512
増やしとうないに胸には曼珠沙華 北川隆子 200512
燃え尽きて雨に崩るる曼珠沙華 新井泰子 馬醉木 200512
寄せ墓に染み入る雨や曼珠沙華 神山志堂 春燈 200512
曼珠沙華へ執拗に付く黒揚羽 松崎鉄之介 200512
夕陽浴び蕊ちかちかと曼珠沙華 松崎鉄之介 200512
曼珠沙華小暗き所へはぐれ咲き 能村研三 200512
曼珠沙華列なして誰を迎へむと 角田沙羅 200512
天心にばかりに向ひ曼珠沙華 水野恒彦 200512
月が赤い息をひそめて曼珠沙華 竹内悦子 200512
それぞれの致死量曼珠沙華の列 栗栖恵通子 200512
曼珠沙華鼠の穴のありにけり 松下八重美 200512
一本が心許無き曼珠沙華 清水伊代乃 酸漿 200512
曼珠沙華咲きて湖北の空暗し 堀田清江 雨月 200512
深沈と宇陀の血原の曼珠沙華 堀田清江 雨月 200512
愛想よき御用聞来る曼珠沙華 柳生千枝子 火星 200512
いつさいは今生のこと曼珠沙華 戸栗末廣 火星 200512
曼珠沙華快速列車に昏れにけり 城孝子 火星 200512
曼珠沙華さびしきまでに空の碧 廣畑忠明 火星 200512
曼珠沙華風の生まれる川映り 舩越美喜 京鹿子 200512
ずぶ濡れの曼珠沙華には叫びあり 丸井巴水 京鹿子 200512
火の山のマグマ噴くかに曼珠沙華 川崎光一郎 京鹿子 200512
その中に一花の白き曼珠沙華 柿沼盟子 風土 200512
鬱の杖一ト振り倒す曼珠沙華 三浦如水 ぐろっけ 200512
一叢の曼珠沙華炎ゆ墓の隅 市橋幸代 築港 200512
曼珠沙華手入とどきし竹林に 上原一郎 築港 200512
曼珠沙華平群は坂の多き町 永川絢子 築港 200512
群がつて燃ゆる火となる曼珠沙華 永川絢子 築港 200512
護摩焚のなき日日を燃ゆ曼珠沙華 久保まち子 築港 200512
曼珠沙華静まり返る過疎の村 佐野芳子 築港 200512
曼珠沙華百万本とや巾着田 渋谷まさ江 築港 200512
曼珠沙華群生めぐる散策路 渋谷まさ江 築港 200512
堤防に刈り倒されし曼珠沙華 前田久子 築港 200512
曼珠沙華数本は踏み倒されて 高田佐土子 築港 200512
大丈夫と笑うてをりぬ曼珠沙華 斉藤裕子 あを 200512
畦道をまつすぐにする曼珠沙華 早水秀久 河鹿 200601
燃え残るわが胸中の曼珠沙華 小山徳夫 遠嶺 200601
怠りの日々省みる白曼珠沙華 今井松子 遠嶺 200601
曼珠沙華川の蛇行を燃やすなり 玉川悠 遠嶺 200601
一瞬の炎の裂け目曼珠沙華 村田菊子 遠嶺 200601
中世のここが入口曼珠沙華 星井千恵子 遠嶺 200601
北野坂異人館の曼珠沙華 名取袿子 200601
木の間より光を受けし曼珠沙華 鈴木歌子 四葩 200601
家鴨らの酔うて候曼珠沙華 米澤光子 火星 200601
曼珠沙華畦道いつも湿りゐて 高倉和子 200601
曼珠沙華咲かせ火田民の裔 高千夏子 200601
曼珠沙華の薙き倒さるる刻知らず 宮川典夫 200601
一本はひよんなところに曼珠沙華 中村孝子 200601
雑草の中に咲きたる曼珠沙華 細川房代 百鳥 200601
夕星やくつきり白き曼珠沙華 藤田登久 百鳥 200601
驕り咲きてふ一茎の曼珠沙華 能村研三 200601
曼珠沙華胸に秘めたる郷土愛 角直指 京鹿子 200601
古きよき時代をいまに曼珠沙華 角直指 京鹿子 200601
祖の偉業讃へてやまず曼珠沙華 角直指 京鹿子 200601
なほ天へ天へと棚田曼珠沙華 角直指 京鹿子 200601
曼珠沙華むかし無税の村と言ふ 角直指 京鹿子 200601
赤が好き毒ある曼珠沙華なれど 伊藤康子 ぐろっけ 200601
曼珠沙華堂の暗さを解き放つ 高橋道子 200601
見据ゑてもまなこ閉ぢても曼珠沙華 田村園子 200601
壺に活けて昔は忌みし曼珠沙華 斉藤陽子 雨月 200601
曼珠沙華ひとりの幅の橋わたり 仲村青彦 200601
茫々と海風の闇曼珠沙華 成川和子 200601
曼珠沙華葉はひっそりと冬はじめ 木村茂登子 あを 200601
遡り行けば記紀の野曼珠沙華 本城布沙女 雨月 200602
嘘入れてカバンが重し曼珠沙華 高木智 京鹿子 200602
曼珠沙華激しく枯れてをりゐたり ことり 六花 200602
曼珠沙華一輪残る石舞台 水戸部敏意 栴檀 200603
曼珠沙華牧舍も牛も野に低き 瀧春一 常念 200606
絹糸を干すや照りあふ曼珠沙華 瀧春一 常念 200606
大露にくづをれ沈む曼珠沙華 瀧春一 常念 200606
夕燒に目つむればわれ曼珠沙華 岡本眸 200608
忌日とは巡りくるもの曼珠沙華 稲畑廣太郎 ホトトギス 200609
曼珠沙華終る吹き消されたやうに 山仲英子 200609

曼珠沙華7→

     

 

2021年9月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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