曼珠沙華 15  122句

彼岸花 死人花 捨子花 狐花 幽霊花

作品
作者
掲載誌
掲載年月
富士へゆく道でありけり曼珠沙華 嶋田一歩 ホトトギス 202002
すぐ分かる花となりしよ曼珠沙華 嶋田一歩 ホトトギス 202002
道なんかなくたって来い曼珠沙華 火箱ひろ 船団 202003
曼珠沙華天が紅とはちがふ色 佐藤喜孝 あを 202004
曼珠沙華束ねば炎ゆるかもしれぬ 山田正子 202006
雨の田の光は地より曼珠沙華 小河原清江 梛の木 202007
遠くから見て近づきて曼珠沙華 稲畑汀子 ホトトギス 202009
どこまでも続く川風曼珠沙華 稲畑汀子 ホトトギス 202009
曼珠沙華逮夜の空気染め上げて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202009
恋心忌心となり曼珠沙華 稲畑廣太郎 ホトトギス 202009
曼珠沙華君に唇盗まれて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202009
曼珠沙華もたれ合ふこと一切なし 荒井千佐代 202009
八十八の創刊立志曼珠沙華 能村研三 202010
曼珠沙華→1      
県境の橋の向こうの曼珠沙華 廣瀬雅男 やぶれ傘 202010
逍遥の道の傍への曼珠沙華 大沼経子 202011
子ら去りて一村消えし曼珠沙華 谷口一献 六花 202011
曼珠沙華畦の額縁もつれだす 江見巌 六花 202011
一本気蕊まで通す曼珠沙華 菅谷たけし 201911
曼珠沙華魂住む山の裾に燃ゆ 渕上千津 201911
淋しさ言はず白曼珠沙華ゆれもせで 渕上千津 201911
はじまりの汚れあり白曼珠沙華 鈴木光影 201911
咲き満ちて透ける空あり曼珠沙華 山森みちよ 風土 202012
群がりて湖北へ畦の曼珠沙華 橋添やよひ 風土 202012
一煙もなく燃えつきし曼珠沙華 大畑善昭 202012
隠沼にひときは燃えて曼珠沙華 本池美佐子 202012
砦守る火群のごとき曼珠沙華 鈴木齊夫 202012
菩提寺へ畷ひとすぢ曼珠沙華 高久正 202012
群れ咲いて経文となる曼珠沙華 澤田英紀 202012
曼珠沙華掴み損ぬる虚空かな 芝田幸恵 末黒野 202012
携帯に訃報のありぬ曼珠沙華 上家正勝 末黒野 202012
曼珠沙華二両電車の線路傍 小池桃代 末黒野 202012
若者のバイクの列や曼珠沙華 大内幸子 六花 202012
さ緑の萼押し開く曼珠沙華 平居澪子 六花 202012
足りるとは離れて咲くも曼珠沙華 高木晶子 京鹿子 202101
咲き切って曼珠沙華なる別世界 伊藤希脾 京鹿子 202101
採石の山を背に咲く曼珠沙華 廣畑育子 六花 202101
曼珠沙華溢るる中の六地蔵 廣畑育子 六花 202101
曼珠沙華行く人のなき関所跡 延川五十昭 六花 202101
仏らの絨毯となる曼珠沙華 山崎正子 202101
ふるさとは捨田捨畑曼珠沙華 鍋島武彦 末黒野 202102
仏より高し棚田の曼珠沙華 石橋幾代 202102
落城のままの石垣曼珠沙華 山本則男 202102
曼珠沙華消えて大きくなりし山 石橋幾代 202104
洋館の庭に収まり曼珠沙華 内田梢 末黒野 202104
古代史の村とめどなし曼珠沙華 沼田巴字 京鹿子 202109
現身の炎と化すや曼珠沙華 沼田巴字 京鹿子 202109
入り口も出口も曼珠沙華盛ん 森岡正作 202110
ハライソヘ伸びゆく丈や曼珠沙華 稲畑廣太郎 ホトトギス 202110
火焔土器見るがにこぞる曼珠沙華 久礼隆志 202111
燃え立ちて狂気ひそめし曼珠沙華 五十畑悦雄 202111
農小屋の鍵の錆びゐる曼珠沙華 天野美登里 やぶれ傘 202111
ジョギングの少女が過ぎる曼珠沙華 渡邉孝彦 やぶれ傘 202111
木道を行く湿原や曼珠沙華 佐藤まさ子 春燈 202111
曼珠沙華遥けき父母として手折る 塩貝朱千 京鹿子 202111
曼珠沙華大樹の陰で見栄を切る 渡辺節子 202112
ふと足を停むる老輩曼珠沙華 安立公彦 春燈 202112
一本は緋色放さず曼珠沙華 太田佳代子 春燈 202112
雲ひとつなき奥つ城や曼珠沙華 荒井慈 春燈 202112
曼珠沙華不意に咲く花空澄めり 沼田桂子 春燈 202112
夢の中父母は壮健曼珠沙華 斉藤みちよ 春燈 202112
初恋の想ひ遠くに曼珠沙華 田中臥石 末黒野 202112
曼珠沙華湖底の村はダム支へ 市川夏子 末黒野 202112
無人駅また無人駅曼珠沙華 高村令子 風土 202112
神に庭曼珠沙華の紅と白 小林共代 風土 202112
幾たびも修羅場を踏んで曼珠沙華 西村白杼 京鹿子 202112
あかときの闇に浮く白曼珠沙華 升田ヤス子 六花 202112
曼珠沙華雲を射抜ける日のありぬ 藤生不二男 六花 202112
するすると茎伸びて咲く曼珠沙華 岩藤礼子 やぶれ傘 202112
ひと叢の曼珠沙華咲く田んぼ道 黒澤次郎 やぶれ傘 202112
道ゆくやをちこちに咲く曼珠沙華 小池一司 やぶれ傘 202112
日輪の瓔珞のごと曼珠沙華 藤野武彦 202201
天上へ山門ひとつ曼珠沙華 岩木茂 風土 202201
曼珠沙華丘の墓苑のつづら折 森清堯 末黒野 202201
道の辺や雨にすくつと曼珠沙華 玉川利江 末黒野 202201
また来るねと墓に声かけ曼珠沙華 秋山文子 末黒野 202201
土手おりて岸まで曼珠沙華の道 大崎紀夫 やぶれ傘 202201
鶏小屋の裏手に咲いて曼珠沙華 瀬島洒望 やぶれ傘 202201
飛び石に雨粒はねる曼珠沙華 秋山信行 やぶれ傘 202201
曼珠沙華お堂の奥に猫が坐し 有賀昌子 やぶれ傘 202201
黒猫の尾を立ててゆく曼珠沙華 直江裕子 京鹿子 202201
大股に歩く草むら曼珠沙華 住田千代子 六花 202201
畦道は縦横斜め曼珠沙華 六崎正善 末黒野 202204
曼珠沙華宛先不明の手紙かな 山田正子 202205
曼珠沙華母との会話繋がらず 稲畑廣太郎 ホトトギス 202209
日の届く限りの曼珠沙華の赤 田邑利宏 202210
ふと足を停むる老輩曼珠沙華 安立公彦 春燈 202212
一本は緋色放さず曼珠沙華 太田佳代子 春燈 202212
雲ひとつなき奥つ城や曼珠沙華 荒井慈 春燈 202212
曼珠沙華不意に咲く花空澄めり 沼田桂子 春燈 202212
夢の中父母は壮健曼珠沙華 斉藤みちよ 春燈 202212
遥か来て知覧の白き曼珠沙華 坂下成紘 202211
忽然と咲き曼珠沙華忽と消ゆ 坂下成紘 202211
咲きたれど供花にはなれぬ曼珠沙華 坂下成紘 202211
白解脱赤は煩悩曼珠沙華 坂下成紘 202211
曼珠沙華姉は明るく物忘れ 須賀敏子 あを 202211
らくがきの世界を発ちて曼珠沙華 篠田大佳 あを 202211
曼珠沙華白にも毒の淡からず 能村研三 202212
魔性秘め群るる紅蓮の曼珠沙華 高木春夫 202212
白もまた燃ゆる色なり曼珠沙華 大西乃子 202212
山の端にかかる夕日や曼珠沙華 山崎妙子 京鹿子 202212
記者と語らふ窓越しに照り曼珠沙華 田中臥石 末黒野 202301
畦ゆくや日のふんはりと曼珠沙華 森清信子 末黒野 202301
頼りなき日差を厭ひ曼珠沙華 森清信子 末黒野 202301
紅の畦となりたり曼珠沙華 石黒興平 末黒野 202301
庭隅に時をたがへず曼珠沙華 菅野日出子 末黒野 202301
いつも咲くところに確と曼珠沙華 村千年 末黒野 202301
蒼空に疲れありけり曼珠沙華 鈴木直充 春燈 202301
はじまりの穢れあり白曼珠沙華 鈴木光影 202301
乱歩めく黒猫のゐる曼珠沙華 直江裕子 京鹿子 202301
蝉の穴通って咲くは曼珠沙華 高木晶子 京鹿子 202301
曼珠沙華異形のさまに濃かりけり 亀井福恵 京鹿子 202301
野辺の風散り方知らぬ曼珠沙華 西村白杼 京鹿子 202301
時またず今日を咲きたる曼珠沙華 笹村政子 六花 202301
曼珠沙華背中合はせの墓のそば 柴崎和男 やぶれ傘 202302
里山へ抜ける小道の曼珠沙華 日高みち子 やぶれ傘 202302
堂裏の矢場の静けさ曼珠沙華 岡野里子 末黒野 202302
曼珠沙華うねる山野は火の踊り 西計郎 末黒野 202302
曼珠沙華蕊そりかへる力あり 田中とし江 202306
曼珠沙華雫に燃ゆる紅深し 小藤真由美 202309
曼珠沙華蕊より枯れのはじまれり 石橋幾代 202309
乳足りて赤子重たし曼珠沙華 荒井千佐代 202310
曼珠沙華朽ちて黄泉路を遠ざける 稲畑廣太郎 ホトトギス 202310
曼珠沙華→1

2015年10月18日 ">2015年10月18日 >

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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