暮の秋      183句

人のもの質に置きけり暮の秋    永井荷風

秋暮る  暮の秋  暮秋

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
暮の秋手に一対の泪壺 山田弘子 春節 199503  
住み絶えし故郷変り暮の秋 佐藤浩子 円虹 199901  
浅学が菲才を嘆じ暮の秋 丸山海道 京鹿子 199901  
水底に一石白し暮の秋 小澤克己 遠嶺 199901  
天府の国牛も仕入れる暮の秋 松崎鉄之介 199901  
豹柄も迷彩色も暮の秋 小倉喜郎 船団 199903  
賽銭の音跳ね返る暮の秋 遠藤和彦 遠嶺 199905  
大けやき身を細うして暮の秋 小宮山勇 青胡桃 199905  
道の辺の美しきを伊賀の暮の秋 金國久子 青葉潮 199907  
半世紀重ねて暮の秋の賀に 稲畑廣太郎 ホトトギス 199910  
きしみつつ閉ぢる山門暮の秋 高橋作之助 俳句通信 199912  
東大寺裏歩きゆく暮の秋 谷野由紀子 俳句通信 199912  
百年は通過点なり暮の秋 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912  
オルガンの一音長き暮の秋 鈴木まゆ 馬醉木 200002  
暮の秋人形筆の顔寂し 新関一社 京鹿子 200011  
大阪にまだ見ぬ島の暮の秋 後藤比奈夫 円虹 200101  
湖の水暗し浦曲の暮の秋 池田草曷 雨月 200101  
隣家より煙の昇る暮の秋 町野昭人 遠嶺 200102  
沖合の紺深まりし暮の秋 倭文ヒサ子 酸漿 200104  
フルートを大江さんと聴く暮の秋 金子里美 船団 200105  
縫物の重しと思ふ暮の秋 清わかば 雲の峰 200112  
濡れ残る一葉井戸や暮の秋 中谷葉留 風土 200112  
峠より錫杖の音暮の秋 佳藤木まさ女 春耕 200112  
禅寺に塾の看板暮の秋 杉江茂義 雲の峰 200201  
神将へ一灯ともす暮の秋 小田悦子 雲の峰 200201  
中洲へと小舟の二人暮の秋 高村洋子 遠嶺 200201  
暮の秋出湯の町のひっそりと 高樋洋子 いろり 200202  
中座して帰る会あり暮の秋 橋本佐智 円虹 200202  
降つて来し雨に渋滞暮の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200210  
転勤の彼現はれぬ暮の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200210  
邂逅の言葉次々暮の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200211  
しづけさに亀の浮きくる暮の秋 朝妻力 雲の峰 200211  
記念樹に過ぎしことども暮の秋 浅川正 雲の峰 200212  
廃屋に蔓草からむ暮の秋 宮原國夫 雲の峰 200212  
薄めつつ濁る蕎麦湯か暮の秋 暮岸江 銀化 200212  
四と九のなき病院の暮の秋 稲井夏炉 帆船 200301  
暮の秋酒匂はせて男来る 城尾たか子 火星 200302  
暮の秋ポストはいつも待つすがた 佐藤喜孝 青寫眞 200304  
最北の島の廃校暮の秋 野田光江 雨月 200311  
赤子にも容姿端麗暮の秋 須佐薫子 帆船 200312  
民宿に干し物連ね暮の秋 徳丸峻二 風土 200312  
体じゆうに海風うけて暮の秋 谷村幸子 200401  
兀然と城の聳ゆる暮の秋 大柳篤子 雲の峰 200401  
引き旧し辞書を繕ふ暮の秋 岡本明美 雲の峰 200401  
しのばせる赤き実ふたつ暮の秋 堀本祐子 遠嶺 200401  
舞ひ終へてまらうど帰る暮の秋 荒木よし子 草の花 200401  
二筋の川瀬の出あふ暮の秋 大道雄彦 草の花 200401  
山の辺の道に来てゐる暮の秋 林富美子 草の花 200401  
馬柵の扉に粗岩が一つ暮の秋 小澤克己 遠嶺 200402  
遠き灯は母のぬくもり暮の秋 中島霞 ぐろっけ 200402  
病む友に言葉をさがす暮の秋 橘沙希 月の雫 200404  
おなじ人ふたりとはゐず暮の秋 八田木枯 夜さり 200409  
下町の屋根鈍角に暮の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 200411  
うどん茹で検診結果暮の秋 安部里子 あを 200412  
新宿の地下は迷路や暮の秋 須佐薫子 帆船 200501  
転害門佐保路へ急かす暮の秋 荻野嘉代子 春燈 200501  
暮の秋乗船券を求めけり 堀木基之 百鳥 200501  
土掘れば水滲み出て暮の秋 太田寛郎 200502  
禅寺に石の声聞く暮の秋 池尻足穂 雲の峰 200502 竜安寺
吹かれ起つ吾が身一本暮の秋 木内憲子 200502  
寄せ返す浪ひえびえと暮の秋 古川洋三 遠嶺 200502  
外つ国の選挙姦し暮の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 200511  
地震の地の消息問はん暮の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200511  
地震鎮めたまへ雨降る暮の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200511  
風禍なほ庭にとどめて暮の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200511  
糸杉の縒りを強めて暮の秋 高千夏子 200601  
振り出しも上がりも御所に暮の秋 柿沼盟子 風土 200601  
石投げて仏にあたる暮の秋 林いづみ 風土 200601  
幾すぢも煙の上る暮の秋 長崎桂子 あを 200601  
垂水と詠む皇子の碑や暮の秋 五ヶ瀬川流一 六花 200602  
暮の秋一と日の湖の凪ぎ荒るる 瀧春一 常念 200606 野尻湖
猫の手も借りずひと日を暮の秋 鈴鹿仁 京鹿子 200612  
さびしさに川を見にでる暮の秋 藤井昌治 200612  
手びねりのいびつを買ふや暮の秋 前川明子 200701  
風呂敷の耳の尖りも暮の秋 吉田明子 200701  
部屋ひとつ模様替へして暮の秋 風間邦子 200702  
散策の姿勢正して暮の秋 大井彌雨 雨月 200702  
ともしびの育つはやさよ暮の秋 長山あや ホトトギス 200703  
我を折つて子に従ふも暮の秋 澤田緑生 馬醉木 200801  
倉壁のをあらはに暮の秋 八染藍子 200801  
人影の長身となる暮の秋 奈辺慶子 雨月 200801  
胴長き名画とをりぬ暮の秋 相良牧人 200801  
遠景の灯台白し暮の秋 村田文一 遠嶺 200802  
緑青の屋根すつきりと暮の秋 柴崎則子 遠嶺 200802  
木より木へさすらひごころ暮の秋 生方ふよう 200802  
暮の秋鏑矢的を射ぬきけり 林日圓 京鹿子 200810  
夫といふ不思議なるひと暮の秋 竹内弘子 あを 200811  
床にねむるジュラ紀の化石暮の秋 久本久美子 春燈 200812  
俳聖の辿る月山暮の秋 増田一代 200812  
建前の木の香漂ふ暮の秋 小野木雁 酸漿 200812  
大太刀の光妖しき暮の秋 有働亨 馬醉木 200901  
読みさしの「西行花伝」暮の秋 榊原風伯 炎環 200901  
暮の秋象の背中に羽ひとつ 乙訓淑子 炎環 200901  
筆屋から孫が出てくる暮の秋 竹内弘子 あを 200901  
肥後牛の赤のかたまる暮の秋 青山悠 200902  
雨暗む日の殊に惜し暮の秋 大泉美千代 雨月 200902  
蝶鮫を捕ると舟出す暮の秋 林和子 万象 200908  
抜けて来し京の雑踏暮の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200911  
京の路地抜けて近道暮の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200911  
引越の夜の水音暮の秋 野崎タミ子 炎環 200912  
亀の子束子なんぞを買ひて暮の秋 藤原繁子 春燈 201001  
カーテンに葉の影騒ぐ暮の秋 笠井敦子 201001  
老いの糸共に紡ぎて暮の秋 藤田千枝子 末黒野 201002  
細る身のシャツ捨てられず暮の秋 田中涼平 201002  
身内らしき四五人寄れり暮の秋 冨山俊雄 山居抄 201008  
巡礼の池塘をあゆむ暮の秋 山下青坡 201101  
広縁を踏みし軋みや暮の秋 大竹淑子 風土 201101  
手の甲に予定を書きて暮の秋 鈴木浩子 ぐろっけ 201101  
風といふ風にこゑあり暮の秋 安藤久美子 やぶれ傘 201101  
鎌倉のやぐら静もる暮の秋 青木政江 酸漿 201101  
暮の秋鏡の裏に置いておく 佐藤喜孝 あを 201101  
水掛けてとげ抜き地蔵暮の秋 竹田ひろ子 ろんど 201102  
鉛筆を置くおとひびく暮の秋 浜口高子 火星 201102  
遠山に白き冠暮の秋 笹井康夫 201112  
騙し絵展港ヨコハマ暮の秋 石田康明 春燈 201112  
喜久子氏と再会約し暮の秋 仁平則子 201112 急逝喜久子氏を悼む
抱瓶に野の花挿して暮の秋 大西八洲雄 万象 201112  
観音の胎内めぐり暮の秋 清水侑久子 201201  
遊び疲れ歩み疲れて暮の秋 谷口俊郎 201201  
解体の重機の唸る暮の秋 笠井敦子 201201  
暮の秋いつ来る智恵子のほんとの空 長崎桂子 あを 201112  
学園の祭りも果つる暮の秋 米田文彦 かさね 201201  
借りし本頂くことに暮の秋 風間史子 201202  
暮の秋格子づくりの野里行く 大西和子 ぐろっけ 201202  
不動堂の護摩の煙りや暮の秋 鈴木一三 末黒野 201202  
電話音かすかに隣家暮の秋 山荘慶子 あを 201201  
そこここの煙つながる暮の秋 垣岡暎子 火星 201203  
我が思ふ故郷は暮の秋の中 稲岡長 ホトトギス 201204  
旅三つ予定に組まれ暮の秋 稲畑汀子 ホトトギス 201211  
講演を終へたる家路暮の秋 稲畑汀子 ホトトギス 201211  
駅裏で濁り酒噛む暮の秋 池内とほる かさね 201212  
岩礁に白波崩れ暮の秋 塩路五郎 201301  
砂浜に残る落書や暮の秋 城戸緑 末黒野 201301  
言訳は敬語使ひや暮の秋 竹田ひろ子 ろんど 201302  
悲しみの細胞一つ暮の秋 竹田ひろ子 ろんど 201302  
切り口の松脂白し暮の秋 上月智子 末黒野 201302  
終バスの客吾一人暮の秋 松木情川 ぐろっけ 201302  
潮騒へ返すちぎれ藻暮の秋 風間史子 201302  
するするとコード収まる暮の秋 細野恵久 ぐろっけ 201310  
花壇には隙間目立ちて暮の秋 田島昭久 かさね 201311  
旅心三河にをさめ暮の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311  
暮の秋老人パスとは素つ気なや 瀧春一 花石榴 201312  
立ちどまり背筋のばして暮の秋 瀧春一 花石榴 201312  
歳月のすぐる速さや暮の秋 占部美弥子 末黒野 201401  
阿波鳴に泪ぐむなり暮の秋 福島せいぎ 万象 201401  
波音のほかに音なし暮の秋 占部美弥子 末黒野 201401  
暮の秋子の声何処テレビの音 水谷直子 京鹿子 201401  
手渡しの訃報回覧暮の秋 吉村さよ子 春燈 201401  
たよりなきおもひどこかに暮の秋 木村茂登子 あを 201401  
肩越しに市の古書選る暮の秋 山田春生 万象 201402  
暮の秋何処かに欝を捨てに行く 上家弘子 ろんど 201403  
暮の秋鴉短かく鳴きかはす 垣岡瑛子 火星 201403  
水音の路地の奥まで暮の秋 松田明子 201403  
黒黒と峯迫りくる暮の秋 国包澄子 201412  
天つ風鳴りて星研ぐ暮の秋 成智いづみ 馬醉木 201412  
雨降れば雨のこゑ聞く暮の秋 西岡啓子 春燈 201412  
ぴーぴーと薬缶に呼ばる暮の秋 波戸辺のばら 201412  
てのひらで包む湯呑みや暮の秋 石川かおり 201501  
人になき鳥の明るさ暮の秋 近藤喜子 201501  
矢音澄む弓道場や暮の秋 原和三 末黒野 201502  
雲行くを道化見上ぐる暮の秋 正谷民夫 末黒野 201502  
一徹は淋しからずや暮の秋 青柳雅子 春燈 201512  
暮の秋見習ひシェフの白き帽 中嶋陽子 風土 201512  
鎌倉文士の風韻偲ぶ暮の秋 後藤眞由美 春燈 201601  
呪文吐くからすとびさる暮の秋 元橋孝之 京鹿子 201602  
触診の乳房は冷えて暮の秋 亀井紀子 201602  
水音の硬さ響かせ暮の秋 橋本くに彦 ホトトギス 201603  
またひとり身内の欠けて暮の秋 松田明子 201603  
夢殿は居留守のやうに暮の秋 佐藤喜孝 あを 201609  
雨の日のやさしい気持ち暮の秋 大日向幸江 あを 201711  
靴磨く妻ありがたし暮の秋 杉本薬王子 風土 201712  
窯出しの貫入深し暮の秋 片桐紀美子 風土 201801  
和菓子屋の壁の能面暮の秋 青谷小枝 やぶれ傘 201711  
ゆつたりと雲の行くへや暮の秋 加藤榮一 末黒野 201802  
暮の秋母呼ぶ父の声老いぬ 浅木ノエ 春燈 201802 祝・卒寿、京都
陶土練る影の重さや暮の秋 木暮陶句郎 ホトトギス 201804  
快晴の朝の富嶽や暮の秋 稲畑汀子 ホトトギス 201810  
ただ予定過ぎゆく早さ暮の秋 稲畑汀子 ホトトギス 201810  
開けごま記憶の扉暮の秋 稲畑汀子 ホトトギス 201810  
滞在も長くなりたる暮の秋 稲畑汀子 ホトトギス 201810  
午後は雨てふそのつもり暮の秋 稲畑汀子 ホトトギス 201810  
なつかしき日々ふり返る暮の秋 稲畑汀子 ホトトギス 201810  
君居らぬことも一興暮の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810  

 

2018年10月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。