小鳥来る 3     237句

渡り鳥  鳥渡る  小鳥来る

作品
作者
掲載誌
掲載年月
モンゴルの草原越えて小鳥来る 中島玉五郎 201211
来年は去年の再来年小鳥来る 山田六甲 六花 201211
小鳥来て神饌の米こぼしけり 佐津のぼる 六花 201211
暮れ際の水の明るさ小鳥来る 熊岡俊子 雨月 201211
病歴も時になつかし小鳥来る 上田雪夫 ぐろっけ 201211
粉つぽき赤子の顔や小鳥来る 柴田佐知子 201211
小鳥来る山の麓の滑り台 黒滝志麻子 末黒野 201211
小鳥来る誰も来ぬ間の開山堂 橋本榮治 馬醉木 201212
無人駅の伝言板や小鳥来る 藤井君江 馬醉木 201212
小鳥来る六文銭の城下町 中村洋子 風土 201212
扁額は「海舟書屋」小鳥来る 中村洋子 風土 201212
籐籠にバゲット立てて小鳥来る 生田恵美子 風土 201212
ため息を封ずるひと日小鳥来る 太田佳代子 春燈 201212
海見ゆる洋館の窓小鳥来る 坂入妙香 春燈 201212
小鳥来て子ら来て明日から三連休 松嶋一洋 201212
新しきハウス二棟小鳥来る 大木清美子 201212
励ましの幼き文字や小鳥来る 西村裕子 火星 201212
小鳥来て阿国の墓に踊りをり 山田六甲 六花 201212
橋脚の残る廃線小鳥来る 宮井知英 201212
小鳥来る間口の広き虫籠窓 長濱順子 201301
遥かなる妻の青春小鳥来る 阪本哲弘 201301
大楠は天の領域小鳥来る 古賀しぐれ ホトトギス 201301
玄室にとりどりの色小鳥来る 杉山哲也 馬醉木 201301
落雁の木型干しあり小鳥来る 藤井君江 馬醉木 201301
小鳥来る老弟妹と久に逢ふ 井上正子 春燈 201301
小鳥来る現代アートのマルと円 中村洋子 風土 201301
黒の僧白の神父や小鳥来る 中村洋子 風土 201301
神燈に日月の文字小鳥来る 大竹淑子 風土 201301
天婦羅の銀杏豆腐小鳥来る 南奉栄蓮 風土 201301
小鳥来る検索地図を拡大し 吉田政江 201301
ロザリオの珠の空色小鳥来る 荒井千佐代 201301
小鳥来る紅茶の中に日が射して 林昭太郎 201301
小鳥来てわれの目覚めを待ちゐたり 飛高隆夫 万象 201301
小鳥来る少女の産毛きらきらす 有本惠美子 ろんど 201301
小鳥来て賽銭箱を一巡り 佐瀬晶子 ろんど 201301
クッキングペーパーの白小鳥来る 涼野海音 火星 201301
酒樽に小さな蛇口小鳥来る 根本ひろ子 火星 201301
ひび割れし無名の墓や小鳥来る 荒木治代 ぐろっけ 201301
小鳥来る見晴台の方位盤 城戸緑 末黒野 201301
とつおいつ作りし巣箱小鳥来る 中野久雄 末黒野 201301
メトロより百歩に森や小鳥来て 大橋晄 雨月 201301
小鳥来て風音消えし竹林 早崎泰江 あを 201301
茶柱の朝より立ちて小鳥来て 亀井紀子 201301
小鳥来る稀の家居をしてをれば 島谷征良 風土 201302
小鳥来る小さき池を満席に 覚本秀子 ろんど 201302
草原のストーンヘンジに小鳥来る 平子甲奈 万象 201302
湯の町のこけし工房小鳥来る 堺昌子 末黒野 201302
城塞に米倉跡や小鳥来る 福田禎子 末黒野 201302
小鳥来る眞すぐのそらひきつれて 北村香朗 京鹿子 201303
小鳥来る昨日のことをたがへずに 北村香朗 京鹿子 201303
瑠璃色の小鳥来てゐる龍の玉 吉川隆史 201303
小鳥来る林隠れに美術館 成田美代 201303
遠くとも学ぶ句の道小鳥来る 今村征一 ホトトギス 201304
濡れ縁に小鳥来てゐる雪の朝 中村月代 末黒野 201304
さまざまな小鳥来てゐる殉教地 亀田やす子 ははのこゑ 201306
踏み台に手を洗ふ子や小鳥来る 田嶋洋子 七線譜 201306
宇宙では過去は未来よ小鳥来る 柿本麗子 千の祈り 201307
小鳥来て芝生啄みをりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201310
小鳥来る徳川の世を語るかに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201310
徳川の庭遠巻きに小鳥来る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201310
何故なぜと問うて迫る児小鳥来る 塩路五郎 201311
てのひらの十指ひらけば小鳥来る 神蔵器 風土 201311
小鳥来る六人乗りの乳母車 神蔵器 風土 201311
小鳥来と井川湖畔のわが墓に 大坪景章 万象 201311
赤い小鳥来よ赤い花啄ばみに 塩貝朱千 京鹿子 211310
森の上森の中へと小鳥来る 山田六甲 六花 211310
何故なぜと問うて迫る児小鳥来る 塩路五郎 201311
木造の駅舎つましく小鳥来る 上谷昌憲 201311
小鳥来と井川湖畔のわが墓に 大坪景章 万象 201311
小鳥来る海坂藩の五加垣 成宮紀代子 201311
小鳥来る寺の大きな案内板 野上杳 201311
小鳥来る瞬きてまばたきて来る 井上信子 201311
小鳥来る六人乗りの乳母車 神蔵器 風土 201311
赤秀樹の高きに洞や小鳥来る 荒井千佐代 201311
てのひらの十指ひらけば小鳥来る 神蔵器 風土 201311
小鳥来てゐるかと問へり答へけり 辻美奈子 201312
光太郎の湖畔の乙女小鳥来る 井日淳子 201312
仰ぎ見る木に育ちたり小鳥来る 長崎桂子 あを 201312
よく動く赤子の足よ小鳥来る 水原春郎 馬醉木 201312
墓に刻む音譜一節小鳥来る 森田節子 風土 201312
木漏れ日の麓の一樹小鳥来る 吉田きみえ 末黒野 201312
小鳥来る安全圏を保ちつり 坂上香菜 201312
小鳥来る光と陰の生るる梢 黒滝志麻子 末黒野 201312
小鳥来る反抗期の靴大きくて 田中佐知子 風土 201312
小鳥来る望遠鏡の輪の中に 福島茂 201312
小鳥来る娘も帰り来て賑しき 長崎桂子 あを 201312
少年の剣道の声小鳥来る 黒滝志麻子 末黒野 201312
気がつけば小鳥来てゐし日ざしかな 森田尚宏 201312
鑁阿寺の歴代系図小鳥来る 雨宮桂子 風土 201401
木洩一れ日の長左右衛門谷小鳥来る 杉浦典子 火星 201401
木の洞に育つ別の木小鳥来る 師岡洋予 ぐろっけ 201401
引き直す道の白線小鳥来る 前田忍 火星 201401
特攻機発ちし空なり小鳥来る 松田多朗 馬醉木 201401
拝殿に人のぬくみや小鳥来る 田中文治 火星 201401
平行に竿竹二本小鳥来る 荒井千佐代 201401
時として片足立ちに小鳥来る 山崎靖子 201401
本堂に雲中菩薩小鳥来る 須藤美智子 風土 201401
乱れ箱の古きタイピン小鳥来る 丑久保勲 やぶれ傘 201401
十郎兵衛鶴亀の庭小鳥来る 福島せいぎ 万象 201401
絵馬堂の淋しき暗み小鳥来る 有本惠美子 ろんど 201401
絵馬堂の淋しき暗み小鳥来る 有本惠美子 ろんど 201401
小鳥来る上野マリアの墓碑ちさき 松井倫子 火星 201401
食初の頬くれなゐに小鳥来る 水原春郎 馬醉木 201401
川筋に飛騨の朝市小鳥来る 荒木治代 ぐろっけ 201401
小鳥来るくづれかけたる水呑場 高山良順 万象 201402
パンの耳あげる約束小鳥来る 山田正子 201402
囲む掌は心のかたち小鳥来る 戸栗末廣 201402
産院のピンクカーテン小鳥来る 三木千代 201402
病窓に小首傾げて小鳥来る 吉田耕人 ぐろっけ 201402
歩道橋に踊り場ふたつ小鳥来る 柿沼盟子 風土 201402
免許更新高齢運転小鳥来る 木曽鈴子 ぐろっけ 201402
小鳥来て喜び合へり清涼寺 大橋晄 雨月 201402
小鳥来るいつもの時間でない時間 山口ひろよ 201402
久びさに子の弾くワルツ小鳥来る 三木千代 201402
兄の脛さすらば窓に小鳥来る 井上淳子 火星 201402
寺ありてこその街並小鳥来る 竹内喜代子 雨月 201403
小鳥来る水子地蔵の風車 金田けいし ろんど 201403
小鳥来る丁寧に書く備忘録 陽山道子 船団 201403
折れたのはガラスの涙線小鳥来る 寺田良治 船団 201403
袖口の裏の緋色や小鳥来る 岩岡中正 ホトトギス 201403
ほどほどと言ふはどこまで小鳥来る 柴田志津子 201404
閉校の運動場や小鳥来て 坂根宏子 野山の道 201404
石臼を使はず捨てず小鳥来ぬ 本多俊子 光のうつは 201404
向き向き阿修羅の御手や小鳥来る 吉武千束 太古のこゑ 201411
白砂に箒目の波小鳥来る 伊藤憲子 201411
新しき鳥居に小鳥来たりけり 高倉和子 201411
木の高さ草の低さや小鳥来る 竹中一花 201411
組紐に朱の一糸や小鳥来る 橋本榮治 馬醉木 201412
小鳥来る青き野の風繋ぎつつ 神戸京子 ろんど 201412
小鳥来る去年の梢を忘れずに 田原陽子 201412
海峡の橋の高さを小鳥来る 今井妙子 雨月 201412
小鳥来る寺の鳥魚の慰霊碑に 磯野しをり 雨月 201412
天幕の裏の昼餉や小鳥来る 笹村政子 六花 201412
深海の色のジーンズ小鳥来る 涼野海音 火星 201412
小鳥来てさよなら寂しい言葉たち 火箱ひろ 201412
小鳥来るポストヘ五分宙とんで 神蔵器 風土 201412
小鳥来る井上靖文学館 吉永すみれ 風土 201412
小鳥来る呼んで応へて夫婦とも 鈴木セツ 201412
蕎麦を打つ厨の窓に小鳥来る 田中俊尾 馬醉木 201501
子の窓に空の溢れて小鳥来る 城台洋子 馬醉木 201501
山遠く見ゆると言ひぬ小鳥来て 井上信子 201501
妖怪のペンキ塗りたて小鳥来る 宮田香 201501
ベビー靴垣根に干さば小鳥来る 佐津のぼる 六花 201501
片付かぬ机まはりや小鳥来る 野上杳 201501
仏飯を供ふ朝や小鳥来る 田代貞枝 201501
女生徒の行き交ふ山手小鳥来る 菅野日出子 末黒野 201501
我が足を恃む山坂小鳥来る 堺昌子 末黒野 201501
小鳥来る日の斑を撒ける森の朝 中野久雄 末黒野 201501
小鳥来るあわてて眼鏡探しをり 立野千鶴子 末黒野 201501
奥宮の木立賑やか小鳥来る 隅田恵子 雨月 201501
小鳥来る小学校に御成門 内藤静 風土 201501
目薬師の目薬の木に小鳥来る 三好かほる 万象 201501
追伸の言葉の深し小鳥来る 佐瀬晶子 ろんど 201501
小鳥来る人との距離はほどほどに 村田岳洋 ろんど 201501
ユーカラの神のことづて小鳥来る 土屋草子 ろんど 201501
それぞむに服用の卓小鳥来る 坂場章子 201501
屋根に陽のやはらかな日や小鳥来る 大崎紀夫 やぶれ傘 201501
小鳥来る池のほとりに日の差して 廣瀬雅男 やぶれ傘 201501
小鳥来る首相留守なる官邸に 大久保白村 ホトトギス 201502
大黒天の唇紅し小鳥来る 前田美恵子 201502
滝めける森の光芒小鳥来る 岡野里子 末黒野 201502
校庭を遠まきの木々小鳥来る 遠山のり子 201502
ゆつくり鳴る柱時計や小鳥来る 柴田志津子 201502
小鳥来る一人居の窓少し開け 苑実耶 201502
小鳥来るもの言ひたげな壺の口 松田泰子 末黒野 201502
福耳の羅漢の笑顔小鳥来る 及川照子 末黒野 201502
皇子眠る山の頂き小鳥来る 斉藤敬子 万象 201502
小鳥来る蝶ネクタイのハリス像 三屋英俊 万象 201502
初雁をひたすら待てば小鳥来て 高橋将夫 201502
墓山にひとりは寂し小鳥来も 竹内喜代子 雨月 201502
小鳥来る寺苑に小さき五輪塔 竹内喜代子 雨月 201502
廃線の石の駅舎に小鳥来る 田中一美 ろんど 201502
小鳥来ることわざかるた子が読めば すずき巴里 ろんど 201502
拝まるることなき墓に小鳥来る 栗原京子 201503
小鳥来てしきりに頭傾げゐる 柴田佐知子 201503
ポケットにショーの半券小鳥来る 森清信子 末黒野 201503
曲乗りの赤き大玉小鳥来る 苑実耶 201504
小鳥来る足音もたぬ托鉢尼 鈴木鳳来 故山 201505
小鳥来る山の消息携へて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201510
小鳥来る庭の歴史を重ねつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201510
小鳥来よ嵐の去りし庭の面に 稲畑汀子 ホトトギス 201510
大漁旗繕ひをれば小鳥来る 渡部恭子 馬醉木 201510
たくさんの小鳥来てゐる忌日かな 今井消子 ホトトギス 201511
雨音の向かうに小鳥来てをりぬ 今井消子 ホトトギス 201511
小鳥来る会話楽しき朝コーヒー 上原重一 201511
小さき幸連れて狭庭に小鳥来る 和田幸江 春燈 201511
小鳥来て枝の震へてゐるところ 柴田佐知子 201511
句碑の肩やすらかなりし小鳥来て 井上信子 201511
小鳥来る改行多き詩を読めば 林昭太郎 201511
一端(いっぱし)の故郷納税小鳥来る 森岡正作 201511
現在地探す案内図小鳥来る 松井志津子 201511
小鳥来るわが名二文字シンメトリー 湯橋喜美 201512
大仏の螺髪六百小鳥来る 小林和世 201512
宸筆の山号額字小鳥来る 小林和世 201512
楽器持つ少女の肩に小鳥来る 小林和世 201512
二歳児の自我にとんがり小鳥来る 本池美佐子 201512
小鳥来る彩それぞれに糖衣錠 小野恵美子 馬醉木 201512
また一つ稚の言の葉小鳥来る 今田清三 馬醉木 201512
担任は平成生れ小鳥来る 藤井彰二 馬醉木 201512
昼下がりのピアノ連弾小鳥来る 有賀昌子 やぶれ傘 201512
小鳥来る椅子に老眼鏡ふたつ 高野春子 京鹿子 201512
小鳥来る枝から枝へ地から地へ 岩下芳子 201512
綿雲は空の飛び石小鳥来る 高橋ひろ 万象 201512
朝ごとに愛を囁く小鳥来る 大日向幸江 あを 201512
小鳥来て従兄の訃報届きけり 宮崎靖夫 201512
デッサンの子規の横顔小鳥来る 中村洋子 風土 201512
童話めくワシリー寺院小鳥来る 奥田茶々 風土 201512
図書館の窓辺に小鳥来てをりぬ 大橋晄 雨月 201512
声美しき小鳥来てゐる美術館 大橋晄 雨月 201512
小鳥来る絞りの布の糸ほどく 中村洋子 風土 201512
小鳥来る港の見ゆる文学館 落合絹代 風土 201512
小鳥来るアンデルセンの像あれば 金子正道 京鹿子 201601
日の丸の旗はよきかな小鳥来る 大橋伊佐子 末黒野 201601
雨戸越し気配たしかに小鳥来る 戸辺信重 春燈 201601
大仏になごみの声や小鳥来る 中野さき江 春燈 201601
小鳥来てバイオリン弾く翁かな 田中信行 201602
小鳥来る神社の庭に三輪車 有賀昌子 やぶれ傘 201602
小鳥来る大阪一の低い山 ふけとしこ 船団 201602
原爆を知らざる小鳥来しドーム 竹下陶子 ホトトギス 201603
小鳥来る招待状は定年後 いろは 201603
せめぎ合う庇の路地や小鳥来る 浦川哲子 201603
筆硯の佳境に入りて小鳥来る 岩岡中正 ホトトギス 201604
濁流のあとの草はら小鳥来る 戸栗末廣 201604
娘の婚のキャンデーシャワー小鳥来る 升田ヤス子 玫瑰 201604
一歳をあやす百歳小鳥来る 永淵暫子 201607
蕉像の肩の傾斜に小鳥来る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
横川路の鐘の余韻に小鳥来る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
空の画布少し歪めて小鳥来る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
小鳥来る朝の静寂を広げつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
六甲の山近づけて小鳥来る 稲畑汀子 ホトトギス 201610
小鳥来る捨籠二つ並べあり 山田六甲 六花 201610
小鳥来るわが家系図の簡明に 井上信子 201610
フルートを吹く裸婦像や小鳥来る 塩野谷慎吾 201611
小鳥来るどの敗者にも勝者にも 加藤みき 201611
見えさうな嬰の瞳や小鳥来る 窪田粧子 馬酔木 201611
回廊の古代彫刻小鳥来る 島玲子 風土 201611
弁慶の硯へ小鳥来てをりぬ 山田六甲 六花 201611

小鳥来る→4

     

 

2021年11月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。