コスモス 4        130句

さきそめしよりコスモスの大和ぶり     野田別天樓

秋桜  コスモス 秋ざくら あきざくら

作品
作者
掲載誌
掲載年月
写経する背をコスモスの風が撫づ 丹生をだまき 京鹿子 200602
コスモスの揺れて戦火の絶えぬ星 遠野萌 200602
コスモスや富士は裾まで見える山 嶋田一歩 ホトトギス 200603
風の海日の海コスモス高原は 西村数 ホトトギス 200603
冬コスモス一輪残し寒に入る 広瀬敏子 酸漿 200603
開拓の名残の家のコスモス燦 松井和恵 八千草 200604
したたかに咲きコスモスに星降りぬ 戸村よねこ 遠嶺 200606
コスモスや夢二の絵など子は知らず 瀧春一 瓦礫 200606
コスモスの曲りて咲きし雨上がり 鈴木多枝子 あを 200610
コスモスに囲まれガラス美術館 片野美代子 酸漿 200611
コスモスに風の集まる河川敷 徳永亜希 馬醉木 200612
コスモスや声の明るき騎馬少女 林八重子 馬醉木 200612
コスモスの原つぱ何処かに落し穴 栗原公子 200612
切り株にコスモスの声風のこゑ 飛鳥由紀 200612
コスモスのいつも微笑む如きかな 久保栞 200612
コスモスや母笑み賜ふ米壽の日 岩崎真理子 遠嶺 200612
コスモスや夢路は旅をリフレイン 森野俊子 遠嶺 200612
コスモスヘお辞儀返して転校す 山崎辰見 ぐろっけ 200612
コスモスと常念岳じようねんと入る露天風呂 安永圭子 風土 200612
来し方を思ふコスモス一抱へ 奥田茶々 風土 200612
コスモスや三三五五と乙女たち 池部久子 酸漿 200612
コスモスや明治を残す製糸場 小松渓水 酸漿 200612
コスモスや道いつぱいの影揺れて 矢崎暉文 酸漿 200612
コスモスの揺るるに遊ぶ蝶一つ 宮本道子 酸漿 200612
コスモスやいたはり合うてゐるやうな 芝尚子 あを 200612
コスモスを衣とまとひ野の仏 安達加寿子 200701
コスモスに紙飛行機の不時着す 新井佐知子 遠嶺 200701
病む夫の目線のコスモスゆれやまず 吉田多美 京鹿子 200701
コスモスの風を句帖にはさみけり 柴田久子 風土 200701
コスモスの上を船ゆく能古島 樋口みのぶ 200701
コスモスの風が出口を探しゐる 岩垣子鹿 ホトトギス 200702
コスモスの夕日の群れとなりにけり 浦山淑子 万象 200702
コスモスや冠木門附きの九尺二間 廖運藩 春燈 200702
見沼田圃いまコスモスの群落に 北村香朗 京鹿子 200702
コスモスに素直な風の道がある 角直指 京鹿子 200702
コスモスの野にシヤガールの雲ひとひら 木山杏理 京鹿子 200702
コスモスの囁き聞くとて佇みし 神田惣介 京鹿子 200702
コスモスに触れて流るる楽のあり 岸野美知子 酸漿 200702
嫋やかにコスモスゆるる寺の庭 牧原佳代子 酸漿 200702
コスモスの揺れに合はせて稚あやす 尼嵜太一郎 ぐろっけ 200703
人恋ひの冬コスモスは黄花なる 前川明子 200704
コスモスも少女も首を傾げけり 林翔 200710
コスモスの苗床並ぶ猪名河原 森津三郎 京鹿子 200710
色淡きコスモスばかり蜑の家 水原春郎 馬醉木 200710
コスモスがまぶしくて日は雲を出ず 鷹羽狩行 200711
蝶蜻蛉飛んでコスモスさかりなり 金井充 百日紅 200711
コスモスや迷宮入りのメモありし 本多遊方 春燈 200711
師の句碑のコスモスの土手風豊か 府川みよ子 200711
コスモスの波にただよふ共命之鳥ぐめやうしちよう 竹中一花 200711
コスモスや自然消滅てふ別れ 小嶋洋子 200711
懐かしきコスモスの道国近し 西本春水 あを 200711
豹紋蝶黄のコスモスに群れ飛べり 松崎鉄之介 200712
コスモスのうねる彼方の熱気球 田村園子 200712
コスモスを入れて撮り合ふ老夫婦 村田さだ子 酸漿 200712
帰り来てもコスモスの揺れ目に残る 松村富子 200801
コスモスや仔山羊の耳のよく動き 林八重子 馬醉木 200801
コスモスの畑に入りしままの猫 天野きく江 200801
コスモスのあやなす波に溺れけり 植竹惇江 春燈 200801
コスモスの彩に和みし河川敷 佐藤健伍 200801
沼風やコスモスの乱しづかなり 石田きよし 200801
海晴れてコスモス村といふべかり 宮尾直美 200801
風の日のコスモス量感をなさぬ 染谷晴子 200801
コスモスの百万本の空揺るる 竹下陶子 ホトトギス 200802
コスモスの小径明日への身の軽し 村瀬八干代 遠嶺 200802
コスモスや五体投地の巡礼者 松村義男 遠嶺 200802
ひらひらとコスモスの翳昇天す 貝森光洋 六花 200802
一夜にてコスモスすべて霜枯るる 須賀敏子 あを 200802
コスモスはコスモスらしく揺れてをり 竹下昌子 200803
コスモスや千ヘクトパスカルの風 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
コスモスに風は一ト日の旅人かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
コスモスの角を曲がればなんでも屋 坪内稔典 稔典句集 200804
少年の指笛コスモス日和かな 大川ゆかり 炎帝 200804
コスモスの揺れしづまりし白さかな 西山美枝子 酸漿 200805
コスモスの椅子鳥声とあを空と 星井千恵子 遠嶺 200806
頬熱きかなコスモスに分け入れば 長城 藤田宏 200808
コスモスの咲き乱るるといふ至福 稲畑汀子 ホトトギス 200809
コスモスの高さを渡る風の色 稲畑汀子 ホトトギス 200809
コスモスの風となりたるところかな 稲畑汀子 ホトトギス 200809
コスモスの風の中より飛ぶものも 稲畑汀子 ホトトギス 200809
コスモスに逢ひに行きます独り旅 小澤菜美 200811
コスモス畑どつと人来てどつと去る 布川直幸 200811
コスモスの土手の草取りボランティア 池田光子 200811
コスモスの揺れ不揃ひに風の道 松嶋一洋 200811
咲き残る黄花コスモス海明くる 貞布兵 炎環 200811
コスモスや石窯で焼くピザ厚し 森山のりこ あを 200112
コスモスの花びらかぞふ朝の原 山荘慶子 あを 200810
黄コスモスどうぞと種の置かれをり 山荘慶子 あを 200810
コスモスの私鉄沿線我が街よ 木村美猫 ぐろっけ 200811
紅色の淡きコスモス選びをり 柳生千枝子 火星 200811
折り採りしコスモスを挿すランドセル ことり 六花 200811
コスモスを馬の髪にも騎馬乙女 藤野力 馬醉木 200812
コスモスの一ヘクタール風も棲む 泉田秋硯 200812
風吹けばコスモスにある昭和の香 伊藤洋子 200812
コスモスのゆらゆら姑の沈みけり 疋田雪子 炎環 200812
コスモスの中より姑のおいでなさい 疋田雪子 炎環 200812
コスモスの中へ黒猫振り向かず 疋田雪子 炎環 200812
赤白帽コスモス街道駈け抜ける 疋田雪子 炎環 200812
コスモスをゆるく括りし雨もよひ 真中てるよ 炎環 200812
コスモスの一叢町の由来知る 池田光子 200812
コスモスや今朝かぐはしく親しめり 鴨下昭 200812
般若寺のコスモス咲くに埋もれをり 谷村幸子 200812
蝶一つ来てコスモスの雨上る 松林順子 雨月 200812
半角でコスモスと打つ揺れてゐる 安居正浩 200812
コスモスを抱くおくるみだくやうに 浅田光代 風土 200812
コスモスの中に階段無人駅 井上美智子 風土 200812
コスモスヘ豹紋蝶の來るを待つ 松崎鉄之介 200812
コスモスの風分け合へる寺領畑 船越和香 馬醉木 200901
コスモスに埋れてゐたし眠りたし 緑川啓子 馬醉木 200901
コスモスや頬杖とかぬ塞の神 山下佳子 200901
風止んでコスモス姿勢正しけり 楯野正雄 200901
いろいろの花の反転黄コスモス 山田 庫夫 炎環 200901
コスモスの倒れ伏すとも咲きつづく 中原吟子 雨月 200901
コスモスの尽きぬ小花も終り告ぐ 中原吟子 雨月 200901
コスモスの上にやさしき風生まれ 西本輝子 雨月 200901
コスモス田風止むを待つカメラマン 小滝奈津江 酸漿 200901
コスモス畑「刈取り自由」鎌を置き 鈴木多枝子 あを 200901
その他は見えぬコスモス畑かな 國保八江 やぶれ傘 200901
コスモスの風コスモスを打ちにけり 笠置早苗 火星 200902
コスモス満つ恋なき老の恋ごころ 荻野千枝 京鹿子 200902
好きなだけ切つてお帰りコスモス園 森津三郎 京鹿子 200902
揺れるのを拒むコスモスある日暮 松田都青 京鹿子 200903
コスモスの道来て墓前祭の男 野沢しの武 風土 200907
君消えてよりコスモスの揺れ初むる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200909
コスモスに来て乱れ髪直しけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200909
コスモスを咲かせて人の住めるかと 稲畑汀子 ホトトギス 200910
コスモスの庭より訪へり子の厨 羽賀恭子 200910
コスモスやカクカクシカジカ退院す 高木みさ女 炎環 200911
コスモスや地球に水のあふれゆく 丑山霞外 炎環 200911
コスモスの影より淡きもの知らず 安立公彦 春燈 200911
コスモスの揺らす青空はぐれ雲 上原重一 200911
コスモスの後ろ向きなる風のいろ 鴨下昭 200911

コスモス→5

     

2021年11月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。