木の芽 5      200句

大原や木の芽すり行く牛の頬   召波

作品
作者
掲載誌
掲載年月
手拭を固く絞りて木の芽どき コ田千鶴子 馬醉木 201505
石廊崎の海鳴り椨の木の芽立つ 生田作 風土 201505
木の芽風五体五感を慈しむ 鴨下昭 201505
山々の木の芽起しの風匂ふ 青野安佐子 201505
額縁に納まりきれず木の芽立つ 矢口笑子 春燈 201505
肘をつき眠る羅漢や木の芽風 石原節子 春燈 201505
木の芽山仰ぐといふは背筋伸び 千田敬 201505
木の芽雨団体切符配らんと 甲州千草 201505
木の芽雨こども電車の覆はれて 甲州千草 201505
九十をゆさぶる宙や木の芽道 本多俊子 201505
古書ひとつ求めし午後や木の芽風 藤井美晴 やぶれ傘 201505
天上の静かに歌ふ木の芽かな 近藤喜子 201506
木の芽冷え芭蕉最後の旅の句碑 密門令子 雨月 201506
廃て鉢に金の成る木や木の芽雨 神田美千留 京鹿子 201506
釈迦仏の在すやすらぎ木の芽寺 天野みゆき 風土 201506
炊きたてのふりかけご飯木の芽晴 森清信子 末黒野 201506
城址の少年野球木の芽風 堺昌子 末黒野 201506
虚数とは複素数とは木の芽寒 太田昌子 馬醉木 201506
一斉に噴きて修羅なす木の芽かな 泉本浩子 馬醉木 201506
木の芽風築地に祀る獅子頭 萩庭一幹 馬醉木 201506
乳足りし赤子の眠り木の芽風 大畑善昭 201506
老いぬれば吾も潤ふ木の芽雨 水上陽三 201506
梢までささやきふゆる木の芽雨 上山永晃 春燈 201507
義経に舟隠し岩木の芽張る 根岸善行 風土 201507
薬湯を吹きさまし飲む木の芽どき 河島坦 京鹿子 201507
沢音の明るき庵や木の芽風 森清信子 末黒野 201507
逢ふたびに男さぶ子や木の芽晴 河原昭子 万象 201507
神木の芽吹く空あり神田川 福島せいぎ 万象 201508
狛犬の背なに糞あり木の芽どき 仲山秋岳 万象 201508
木の芽風胎児くねりと翻る 中居由美 船団 201508
食卓に人増えてゐる木の芽時 篠藤千佳子 201510
梵鐘を低きに吊れり雑木の芽 原田達夫 箱火鉢 201511
はりまとは佳き名なりけり冬木の芽 山田六甲 六花 201512
碗盛やぽんと木の芽をたたき乗せ 水原春郎 馬醉木 201603
木の芽雨上がりたるより木々目覚め 稲畑汀子 ホトトギス 201603
木の芽雨ちちのかなしみ子は知るや 成瀬櫻桃子 春燈 201604
ほのぼのとふくらみそめし庭木の芽 山形悦子 万象 201605
木の芽風魚籠に命の跳ねる音 平野みち代 201605
木の芽張る庭や豊かな水の音 黒滝志麻子 末黒野 201605
光陰のしづかに流れ木の芽雨 犬塚李里子 201605
寺の鐘木の芽のなかをわたりけり 白石正躬 やぶれ傘 201605
わさわさと胸の波打つ木の芽時 江島照美 201606
木の芽風からすの会議迷走す 時澤藍 201606
木の芽風いつしか空の混み合へり 山本無蓋 201606
水音に若さありなむ木の芽吹く 箕輪カオル 201606
木の芽出て一日雨の降る予報 青谷小枝 やぶれ傘 201606
落石のあとをのこして木の芽山 菊池洋子 やぶれ傘 201606
木の芽風弁財天の旗白し 原和三 末黒野 201606
震災の日より五年目木の芽雨 亀田やす子 万象 201606
木の芽風小滝なす岩黒光り 渡真利真澄 万象 201606
木の芽張る馬の身巾の径をゆき 下平しづ子 雨月 201606
師の墓を訪へば晴れゆく木の芽時 柳澤宗正 万象 201607
木の芽風過る煉瓦の四高跡 柳澤宗正 万象 201607
組む足を組み直しけり木の芽風 成田美代 201607
木の芽はや影持ちてをり城櫓 清水美恵 馬醉木 201607
長き髪束ぬる巫女や木の芽風 小沼ゑみ子 末黒野 201607
神宮の銀杏並木や木の芽吹く 五十嵐富士子 末黒野 201607
木の芽どき色ます生のプロローグ 元橋孝之 京鹿子 201607
木の芽風鼻全開に滑り台 小枝恵美子 船団 201612
木の芽風このやさしさに遊びをり 片山煕子 京鹿子 201701
木の芽風いつしか空の混み合へり 山本無蓋 201702
木の芽吹く移し植ゑたる百日紅 稲畑汀子 ホトトギス 201704
木の芽風キングの塔の煉瓦錆び 庵原敏典 末黒野 201704
結び目の解けずにゐて木の芽晴 高木晶子 京鹿子 201705
前向きに生きよと聞こゆ木の芽風 吉田順子 201705
半醒のまくら許まで木の芽雨 竹内弘子 あを 201704
返信へ返す返信木の芽風 坂場章子 201705
しがらみも縁のひとつ木の芽時 コ田千鶴子 馬醉木 201705
階段を降りれば水辺木の芽風 安藤久美子 やぶれ傘 201705
体操の号令一・二木の芽晴 田所節子 201705
校庭の土俵の新た木の芽風 諸岡和子 201705
明日ありといふ幸せの木の芽雨 瀬戸峰子 春燈 201705
渡り落つ木の芽はげます山の雨 瀬戸峰子 春燈 201705
枝ぶりに気負ひを見せず木の芽吹く 瀬戸峰子 春燈 201705
木の芽垣母より大き小学生 松本三千夫 末黒野 201706
痛む首回せばこきと木の芽雨 松本三千夫 末黒野 201706
歩くことそれだけでよし木の芽風 黒滝志麻子 末黒野 201706
好日に目覚むる山や雑木の芽 森清信子 末黒野 201706
轆轤より立ち上がる壺木の芽風 斉藤マキ子 末黒野 201706
色淡き堤の並木木の芽雨 新井八重子 末黒野 201706
しんしんと明けゆく空や木の芽冷え 本間せつ子 末黒野 201706
木の芽道足ゆらゆらと乳母車 滝沢いみ子 末黒野 201706
公孫樹てふ神の触手へ木の芽風 峰崎成規 201706
遊山箱向かうは円き木の芽山 榎本秀治 201706
ほつほつと色解き初めし木の芽風 涌羅由美 ホトトギス 201706
霊水のた走る岩や木の芽風 森清信子 末黒野 201707
パレットに萌黄色足す木の芽晴 今村千年 末黒野 201707
真白なる仔犬先頭木の芽道 早川八重子 末黒野 201707
木の芽雨武士の墳みな濡れそぼつ 古川しげ子 雨月 201707
吸ふてよろめく太極の木の芽風 田部井幸枝 201707
住む人の還らぬ屋敷木の芽吹く 久貝芳次 末黒野 201708
日ざしより風にほどけてゆく木の芽 今橋眞理子 ホトトギス 201708
降り立てばどこか懐かし木の芽風 今井康子 201708
水音のくぐもる橋や木の芽時 高倉和子 201708
湧き水や蜷の道にも木の芽風 高野昌代 201709
明るさに誘ひ出されし木の芽風 稲畑汀子 ホトトギス 201803
口笛の一音たかく木の芽時 那須淳男 馬醉木 201804
水彩画の如うるはし名の木の芽 長崎桂子 あを 201804
やはらかく芳しき宙木の芽風 長崎桂子 あを 201804
韻文に魅せられ鼓動木の芽風 植村蘇星 京鹿子 201805
縁結び多き峠や木の芽風 植村蘇星 京鹿子 201805
他人の肩かりて居眠る木の芽時 江草礼 春燈 201805
建替へのビルの内装木の芽風 大畑善昭 201805
木の芽雨子の不機嫌を包みをり 辻美奈子 201805
追ひ焚きの昼の湯の音木の芽時 甲州千草 201805
頭から歩く幼児木の芽径 黒滝志麻子 末黒野 201805
ゆりの木の芽吹き乳白色の空 渡邊孝彦 やぶれ傘 201805
苗札の消えかけてをり木の芽時 黒澤次郎 やぶれ傘 201806
角のある豆腐に木の芽味噌をのせ 小巻若菜 やぶれ傘 201806
多度養老碧き影なす木の芽晴 浅井青二 雨月 201806
木霊目覚めて一斉に木の芽吹き 城戸ひろみ 雨月 201806
木の芽吹く眼聴耳視や丘に立つ 植村蘇星 京鹿子 201806
若みどりやはらかな昼木の芽張る 長崎桂子 あを 201805
顔細る木の芽起しの雷聞いて 定梶じょう あを 201805
木の芽張る東大の空画布として 宮内とし子 201806
ゴシックのアーチ吹きぬく木の芽風 清水佑実子 201806
閉校碑いま甲斐駒の木の芽風 大沢美智子 201806
春一番鎧ふ木の芽を吹き覚ます 棚橋朗 201806
木の芽風おんなじものを見て笑い 松井季湖 201806
極彩の襖ちよと開く木の芽風 辻水音 201806
海光のまともや木の芽ひしめきて 森清信子 末黒野 201806
空海の歩きし道や木の芽雨 田中臥石 末黒野 201806
背もたれにしばしの眠り木の芽風 時澤藍 201808
木の芽雨烟りたち込め訃音受く 溝内健乃 雨月 201808
木の芽雨一降りごとに忌日くる えとう樹里 201808
ウオーキングの列は長々木の芽道 時田義勝 やぶれ傘 201808
木の芽風きのう生まれてきたばかり 中居由美 船団 201809
耳の神は聖徳太子木の芽雨 田中藤穂 201902
木の芽風関東ローム層を撫づ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
木の芽晴甘味処のスーツ連れ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201904
雨すぢのはつきり見ゆる木の芽山 市村明代 馬醉木 201905
天と地の阿吽に育つ木の芽かな 間谷雅代 馬醉木 201905
忘れざる一語を胸に木の芽風 コ田千鶴子 馬醉木 201905
木の芽どき西山に向くほとけ風 鈴鹿仁 京鹿子 201905
細枝の連音符めく木の芽かな 森清堯 末黒野 201905
木の芽吹く公衆電話取り壊し 谷貝美世 末黒野 201905
墨磨つて木の芽起しの雨となる 増成栗人 201905
テーブルに明日出す封書木の芽雨 半谷洋子 201905
木の芽風旅の予定を立てやうか 森川淑子 201905
生まれしは男の子よ木の芽こぞり立つ 佐藤哲 201905
木の芽風なつかしき声連れて来る 阪倉孝子 201905
ホーム出て木の芽雨にぞ少し濡れ 細川コマヱ 雨月 201905
雑木山の野猿の群れや木の芽晴 福岡かがり 雨月 201905
木の芽風昨日のままのプラレール 赤座典子 あを 201905
山の辺は言霊の道木の芽張る 長谷川祥子 馬醉木 201906
何事も無き終日や木の芽風 山本泰人 春燈 201906
円墳のままに草木の芽吹きけり 柴田志津子 201906
ご朱印を粛然と待つ木の芽雨 能村研三 201906
木の芽風ぴんと張りたる帯の角 大川ゆかり 201906
先哲の心根是に木の芽風 植村蘇星 京鹿子 201906
それぞれの木の芽のこゑに目をつぶり 南うみを 風土 201906
一すぢの水が水車に木の芽晴 中根美保 風土 201906
まだ出せぬ盆栽木の芽漲れり 森屋慶基 風土 201906
みちのくのまだ荒くあり木の芽風 森田節子 風土 201906
移動するライフスタイル木の芽時 藪ノ内君代 船団 201906
木の芽風自分の為の椅子選ぶ つじあきこ 201906
木の芽風可愛い声の韓国語 林田麻裕 201906
木の芽時町屋カフェの町屋蕎麦 たかはしすなお 201906
稚のもの白く干されて木の芽垣 松本三千夫 末黒野 201906
木の芽張る杜を従へ神輿庫 松本三千夫 末黒野 201906
奉献の酒樽高し木の芽張る 加藤静江 末黒野 201906
切口の匂ふ切株木の芽風 太田良一 末黒野 201906
思ひ出せさう思ひ出せさう木の芽立ち 定梶じょう あを 201906
木の芽張る房総低き山ばかり 上村葉子 風土 201907
カレッジの細き枝にも木の芽かな 大橋晄 雨月 201907
新しき木橋の匂ふ木の芽風 佐藤花木 雨月 201907
改元を更に杖とし木の芽風 植村蘇星 京鹿子 201907
ふくろふを飾る風車や木の芽晴 中里昌江 末黒野 201907
焼きそばに木の芽を添へてありにけり 村田武 やぶれ傘 201908
朝早し沖に舟浮く木の芽時 大野芳久 やぶれ傘 201908
抜けた歯を見せる六歳木の芽時 塩谷則子 船団 201910
湯島聖堂木の芽時雨となりゐたり 増成栗人 201904
けふの木の芽あすの木の芽と湧きにけり 井原美鳥 202001
災害の話に及ぶ木の芽頃 稲畑汀子 ホトトギス 202003
木の芽晴雨の一と日もその中に 稲畑汀子 ホトトギス 202003
木の芽より庭師の手入れはじまりし 稲畑汀子 ホトトギス 202003
木の芽風サラリーマンの昼餉時 稲畑廣太郎 ホトトギス 202003
木の芽木の芽一分ほどの嬰の動画 藤原明美 202005
木の芽風ガラス細工の散らばりて 有賀昌子 やぶれ傘 202005
お社の絵馬を躍らす木の芽風 笹村政子 六花 202005
越後路や一茶一茶と木の芽ふく 高野昌代 202005
瞬きする米粒ほどの木の芽かな 出利葉孝 202005
木の芽吹く甍の糠床復活し 中里昌江 末黒野 202006
木の芽雨厚き歳時記膝に置き 森清堯 末黒野 202006
書肆に選るたつた一冊木の芽晴 森清信子 末黒野 202006
球を打つ音透きとほる木の芽風 大矢恒彦 202006
師の遺されし「命二つ」や木の芽雨 土井三乙 風土 202007
水楢の幹の縦じま木の芽雨 白石正躬 やぶれ傘 202007
里山へ弾む足取り木の芽風 長尾良子 末黒野 202007
変りなき暮らし大事に木の芽風 吉清和代 202007
木の芽風観音の手の大き印 良知悦郎 202007
木の芽雨うぶ毛のごとく人恋ふる 岩田洋子 202007
廃屋のゆたかに濡るる木の芽かな 藤生不二男 六花 202007
巡り合ふ一書抱くや木の芽晴 西岡啓子 春燈 202007
遍しや草に大樹に木の芽雨 山崎稔子 末黒野 202007
木の芽径ところどころに赤テープ 白石正躬 やぶれ傘 202007
これ以上撒けざる高さまで木の芽 湯川雅 ホトトギス 202007
万葉の多摩の横山木の芽張る 小林紫乃 京鹿子 202008
改札を自在に通ふ木の芽風 近藤真啓 京鹿子 202008
ゆつたりと雲流れゆく木の芽時 荒井ハルエ 京鹿子 202008
乙女騎手ひらりと鞍に木の芽風 森清信子 露の堂 202008
木の芽 →6

 

2022年4月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。