木の芽 4      149句

大原や木の芽すり行く牛の頬   召波

作品
作者
掲載誌
掲載年月
耳鳴のしばし途切るや木の芽雨 宮崎紗伎 春燈 201006
木の芽雨山の樹木へざんざ降り 小山繁子 春燈 201006
木の芽雨杣人急ぎ山下る 米田正弘 201006
木の芽冷供花のセロファン舞ひ上がり 村上留美子 火星 201006
朝靄の切れま切れまの木の芽山 村上留美子 火星 201006
存在は雨粒の中なる木の芽 湯川雅 ホトトギス 201007
折鶴に籠る子の息木の芽冷 鈴木一三 末黒野 201007
台場跡石垣濡らす木の芽雨 持田信子 春燈 201007
走り根の絡み合ふなり木の芽山 鳳蛮華 201007
おゝかたはまだ行かぬ道木の芽みち 鎌倉喜久恵 あをかき 201007
元箱根雑草園の木の芽吹く 嶋田一歩 ホトトギス 201008
枝に色生まれ木の芽となりにけり 嶋田一歩 ホトトギス 201008
寄せやまぬ島の怒濤に木の芽吹く 松永唯道 ホトトギス 201009
めぐすりの木の芽吹きはや始まれり 小野タマ枝 酸漿 201009
朝より木の芽起しの雨ならむ 稲畑汀子 ホトトギス 201103
幾度も戻る陽気に処す木の芽 稲畑汀子 ホトトギス 201103
地震跡をそぼ濡らしけり木の芽雨 鈴木照子 201105
里山を繕へるかに木の芽張る 北尾章郎 201105
木の芽吹く銀座マロニエ通りかな 小張昭一 春燈 201105
地震しきり木の芽をかこむ放射能 上原重一 201105
学ぶこと山とありけり木の芽吹く 四條進 201105
磯道は風鳴るばかり雑木の芽 遠藤真砂明 201105
木の芽道まづしきものは急ぎけり 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
与ふるも奪ふも神ぞ木の芽吹く 清水佑実子 201106
木の芽張るむずむずとして嬰の歯も 中田寿子 ぐろっけ 201106
しがらみの解かれ百態木の芽から 金田けいし ろんど 201106
希望てふ遥かなるもの木の芽吹く 今村征一 ホトトギス 201107
地震いまだうすくれなゐに木の芽山 服部早苗 201107
暗渠出し水の歓声木の芽晴 高瀬史 馬醉木 201107
棟上げの槌音ひびく木の芽晴 宮原悦子 雨月 201107
筍を茹でるいと間の木の芽つみ 浅田奈美 酸漿 201107
忘れゐし自然の恵み木の芽たつ 西川春子 春燈 201108
白骨の温泉粥や木の芽雨 鈴木照子 201108
薬湯のこもりし部屋に木の芽雨 木下もと子 201108
分け入れば遠世のごとき木の芽山 金子つとむ ろんど 201108
飴なめて麒麟みてをる木の芽晴 谷村幸子 201108
亡き数に一人加ふる木の芽冷 野沢しの武 風土 201110
腰痛の三人集る草木の芽 陽山道子 船団 201110
細波や鴨の寄り添ふ木の芽冷え 田中繁夫 末黒野句集 201203
木の芽雨心のしこり解れけり 藤見佳楠子 201204
わが影を先立ててゆく木の芽晴 西村博子 馬醉木 201204
野の宮の木の芽うながす木偶芝居 穐好樹菟男 馬醉木 201204
いつもの路瞳こらせば木の芽たち 芝宮須磨子 あを 201204
木の芽晴仮病膨らむ屋根の下 市川伊團次 六花 201204
明日の色決めかねてゐる木の芽かな 黒澤登美枝 201205
村口を男綱で仕切る木の芽雨 能村研三 201205
父の忌や朝からつづく木の芽雨 河口仁志 201205
木の芽障りの饒舌とおもひける 竹内弘子 あを 201205
かつがつの木の芽つはりの川原かな 荒井和昭 201205
木の芽赤らむ安閑と老いにあり 風間史子 201205
蔵王嶺の没日をとどむ木の芽かな 小林愛子 辻楽師 201206
源泉の硫気時じく木の芽晴 西川春子 春燈 201206
大望に慎み深き木の芽かな 渡部節郎 201206
時計台までの街路樹木の芽雨 福島松子 ぐろっけ 201206
鐘撞きて一句生まるる木の芽晴 本木下清美 ぐろっけ 201206
留守の庭木の芽一斉蜂起せる 塩田博久 風土 201206
点滴のうすももいろや木の芽雨 野澤あき 火星 201206
木の芽吹く古墳の前のにはたづみ 涼野海音 火星 201206
われ先と空を目指して木の芽吹く 鈴木セツ 201206
日曜はブランチと決め木の芽雨 松本三千夫 末黒野 201206
岩崩えの日蓮洞や木の芽冷 松本三千夫 末黒野 201206
白雲を背負ひ木の芽のふくらめり 上村光八 末黒野 201206
木の芽雨人はことばで養はる 川南隆 万華鏡 201206
味噌味の木の芽田楽二軒茶屋 辻香秀 201207
数へられなきものに数木の芽吹く 湯川雅 ホトトギス 201207
人の来てつもる話を木の芽雨 来海雅子 201207
木の芽雨親切すぎて飽きらるる 原友子 201207
曇天にゆりの木の芽のとけいりぬ 松井倫子 火星 201207
禅苑や木の芽の風に画聖の碑 水田壽子 雨月 201207
雨雫光り木の芽の勢ひをり 大橋伊佐子 末黒野 201207
産声や万の木の芽の萌ゆる中 清海信子 末黒野 201207
けむりつつ木の芽起しの雨となる 今橋眞理子 ホトトギス 201208
大絵馬の狐の白し木の芽山 北崎展江 くりから 201209
風強き宇良の社の木の芽かな 酒井秀郎 返り花 201211
妻の試歩庭の木の芽に声かけて 酒井秀郎 返り花 201211
木の芽晴れ鏡の中の待ち時間 安田優歌 京鹿子 201301
都心のど真ん中といふ木の芽晴 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
大琵琶の朝日に映ゆる木の芽かな 中川すみ子 201304
腰痛の三人ばかり草木の芽 陽山道子 おーい雲 201304
山伏の法螺に震へる木の芽かな 中井登喜子 201305
公園の木の芽奏づるプロローグ 青木英林 かさね 201305
木の芽吹く日増しに緑輝きて 菊地崇之 かさね 201305
吟行や木の芽萌え出る子規の庵 菊地崇之 かさね 201305
細き枝に何の木の芽ぞ曇空 十川たかし 201305
本並べ替へても止まぬ木の芽雨 甲州千草 201305
鉄塔も山登るらし木の芽山 千田敬 201305
大樽の箍磨かれて木の芽漬 平城静代 201305
木の芽雨母のがり行く濡れるため 定梶じょう あを 201305
木の芽晴寺の大屋根反り深き 松本三千夫 末黒野 201305
木の芽晴墓標に女物湯呑み 小川滋 やぶれ傘 201305
ぶつからぬ木の芽の勢ぶつかりぬ 湯川雅 ホトトギス 201306
轟々と天空を風雑木の芽 南光翠峰 馬醉木 201306
止め椀に木の芽の浮ける遠忌かな 千田百里 201306
雨粒の一つ一つの木の芽かな 礒貝尚孝 201306
雑木の芽なかの一つのおらび声 熊谷ふみを ろんど 201306
宿木の芽吹きの色となりにけり 國保八江 やぶれ傘 201306
木の芽雨昌平坂は橋くぐり 渡邊孝彦 やぶれ傘 201306
柔らかに襞ほどけ初む木の芽かな 斉藤裕子 あを 201306
木の芽味噌香り広がる口一杯 松木清川 ぐろっけ 201307
梢まで木の芽明りに大銀杏 三枝邦光 ぐろっけ 201307
木の芽晴肩を並べて孫と行く 三輪慶子 ぐろっけ 201307
きれぎれの主婦の時間や木の芽摘み 伊東和子 201307
保育児の声のぼりゆく木の芽坂 落合晃 201307
武蔵野の一劃として木の芽吹く 稲畑汀子 ホトトギス 201403
江ノ電のレトロな車輌木の芽風 庵原敏典 末黒野 201404
乳を吸ふ赤子の鼓動木の芽吹く 羽賀恭子 201404
菖蒲田や雲の影吹く木の芽風 上原重一 201405
燈台の木の芽うながす怒濤かな 穐好樹菟男 馬醉木 201405
雑木の芽濡るる狐の嫁入りや 菅谷たけし 201405
八百年の柏槙寿福寺木の芽風 仙田孝子 風土 201405
伐採の枝に木の芽のふくらめり 笹村政子 六花 201405
木の芽雨暫し濡るるも風情かな 大橋晄 雨月 201405
木の芽雨小走りに行く乳母車 安藤久美子 やぶれ傘 201405
木の芽晴公園に本持ち出して 伊吹之博 京鹿子 201405
木の芽風峡のチャペルの鐘の音 高橋照子 雨月 201405
木の芽風片手にぽんと卵割り 渡部恭子 馬醉木 201405
叶きて吸ふ木の芽時たるタイミング 川南隆 ろんど 201405
ボス猿は行方知れずよ木の芽雨 高野春子 京鹿子 201406
憧れへ続く鉄路の木の芽山 高田令子 201406
道問はばよそ者といふ木の芽摘み 人見洋子 201406
黄泉の師に問ふこと多し木の芽晴 山田春生 万象 201406
木の芽雨石塀小路に蛇の目傘 奥田茶々 風土 201406
住職の風呂敷包み木の芽雨 浅田光代 風土 201406
いのちとは優しき色や木の芽張る 根岸善行 風土 201406
道問はばよそ者といふ木の芽摘み 人見洋子 201406
城壁を掠むトロッコ木の芽風 藤沢秀永 201406
植樹せる児へ里山の木の芽風 鈴木照子 201406
神の瀬の底ひの見えて木の芽晴 乗光雅子 雨月 201406
人に会はぬ道の長さや木の芽晴 西岡啓子 春燈 201406
水音もことばも弾む木の芽時 甲州千草 201406
峡の灯の退きたる心地木の芽張り 北尾章郎 201406
川風や色とりどりの木の芽山 石川かおり 201406
足場組む鳶職若し木の芽風 外山生子 末黒野 201406
待賢門院璋子西陵木の芽吹く 中村洋子 風土 201406
大欅吊すクレーン木の芽雨 川村文英 ろんど 201406
リハビリの四肢の若やぐ木の芽風 石川寿夫 ろんど 201407
鉛筆を持てば痛む手木の芽寒ム 野沢しの武 風土 201407
透きとほる発車の笛や木の芽晴れ 岡野ひろ子 201407
寄生木の芽吹きを仰ぐ伏見口 村上留美子 火星 201407
見霽かす木の芽雨なり上作の 柳本渓光 ろんど 201407
口中に残る木の芽のよき香り 福本すみ子 201407
木の芽風心を揺らし窓を打つ 池田光子 201408
真直に木の芽のこゑの降つてくる 岩岡中正 ホトトギス 201410
人に会はぬ道の長さや木の芽晴 西岡啓子 春燈 201503
ほぐれゆく木の芽つんつん九十九折 稲畑汀子 ホトトギス 201503
帰路遠し一泊二日木の芽風 稲畑汀子 ホトトギス 201503
木の芽風聖アンセルモ教会に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201503
子ら集ふ秘密の山の木の芽時 永峰久比古 馬醉木 201504
木の芽時足こそばゆくなりにけり 一民江 馬醉木 201504
木の芽 →5      

 

2021年4月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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