木の芽 3       100句

大原や木の芽すり行く牛の頬   召波

作品
作者
掲載誌
掲載年月
病窓五センチ開けて木の芽の風通す 中村江利子 京鹿子 200607
露座仏の懐深し木の芽雨 井内佳代子 遠嶺 200607
城跡は木の芽怒濤の刻きざむ 石崎淨 風土 200607
椎茸の駒打ちひびく木の芽晴 峯高子 万象 200608
缶珈琲手にくるくると木の芽坂 師岡洋子 ぐろっけ 200608
久女の鬱われにもひそむ木の芽雨 山元志津香 八千草 200609
越して来し一家に少女木の芽垣 三谷道子 万象合同句集 200703
わが街のここにも古墳木の芽晴 石垣幸子 雨月 200704
日を返す木の芽昂りゆく気配 和田照子 200705
礼状に小鳥の切手木の芽晴 白井友梨 馬醉木 200705
臥すほどは病まぬ木の芽の赤らめり 風間史子 200705
この辺り風のつむじや木の芽の香 佐々木新 春燈 200705
木の芽起しの雨やはらから隠居して 千田百里 200705
森林浴いな木の芽浴鳥語殖ゆ 内山花葉 200705
ごうごうと野火止塚や木の芽立つ 布施まさ子 風土 200705
上人の履音のこる木の芽坂 星井千恵子 遠嶺 200705
あかあかと夕日移ろふ木の芽山 大西裕 酸漿 200705
緋連雀木の芽ついばみつと立てり 小島三恵 酸漿 200705
木の芽晴老の心に降る日ざし 久保田嘉郎 酸漿 200705
一列に釣橋渡る木の芽晴 久保田嘉郎 酸漿 200705
バス発ちて誰も居ずなりぬ木の芽垣 岡本眸 200705
木の芽雨土手むらさきに膨みぬ 隈部郁子 200705
一斉に木の芽噴く声日の懈し 渡邉友七 あを 200705
木の芽雨島の娘の黄八丈 田中藤穂 あをかき 200705
太陽をすこし弾きて木の芽吹く 北川たみ子 200706
バイオリズムの上昇気配木の芽晴 田中敬 200706
事一つほとけに問うて木の芽雨 中山純子 万象 200706
降る音を愛語と聴きぬ木の芽雨 近藤喜子 200706
壁覆ふ木の芽の影や夕茜 大須賀容子 遠嶺 200706
名の木の芽鏃のごとくせ鬩ぎ合ひ 深澤鱶 火星 200706
わけもない小銭で重し木の芽坂 丸山佳子 京鹿子 200707
雲取山都を抱きて木の芽晴 大川冨美子 ぐろっけ 200707
蒼天に無限の応へ木の芽吹く 岩崎真理子 遠嶺 200708
あかるさの二日つづきの木の芽雨 佐々木幸 200708
ホチキスの針チキチキと木の芽吹く 平きみえ 船団 200710
ベランダの木の芽むさぼる揚羽の子 浮田胤子 ぐろっけ 200711
畦の木の芽吹きを囃すはぐれ鳥 宇都宮滴水 京鹿子 200803
木の芽吹く峠匂ひを新しく 滝沢伊代次 万象 200803
鳶舞ふに風葬の山木の芽張る 谿昭哉 200803
神の山かのもこのもに木の芽吹く 能村研三 200804
鳥の糞一つ賜る木の芽山 森岡正作 200805
総立ちの木の芽の囲む弁財天 豊田都峰 京鹿子 200805
夕刊の束光り行く木の芽坂 星井千恵子 遠嶺 200806
湧水を神慮と掬ひ木の芽晴 峯桜子 遠嶺 200806
木の芽吹く風なり頬を撫ぜてゆく 村越化石 200806
握り鮨の鯛に木の芽の透きにけり 杉谷文江 200806
雨音の走つてきたり雑木の芽 杉浦典子 火星 200806
木の芽吹く明るさ嬰の固太り 柴崎英子 絹の波 200806
木の芽あへ和食でとほす夫なりし 伊東和子 200807
木の芽雨茶筅の先の音なりき 中野京子 200807
窓小さき写真スタジオ木の芽晴 伊藤トキノ 200807
百済仏のいづれ童顔木の芽雨 稲葉ちよこ 風土 200807
鐘楼を囲み木の芽の匂ひ立つ 小山徳夫 遠嶺 200807
鶯や雨の明るき木の芽道 井口初江 酸漿 200808
参道は海より展け木の芽晴 宮崎すみ 神々の交信 200808
先ぶれの風来て木の芽しぐれかな 高村令子 風土 200811
山国に山の音せり木の芽晴 遠藤若狭男 200904
木の芽雨と言ひもしつれど雨また雨 大橋敦子 雨月 200904
赤子への頬ずり杳し頬に木の芽 林翔 200904
登園の小さき傘や木の芽雨 鈴木照子 200905
木の芽晴四角く開く小銭入 飯塚恵美子 炎環 200905
はかどりし身辺整理木の芽雨 小澤克己 遠嶺 200905
木の芽張る染色工房のティールーム 林いづみ 風土 200905
木の芽晴成積笑ひ飛ばせし母 中原吟子 雨月 200905
里人に逢はで半日木の芽雨 仙石君子 雨月 200905
ざくと切られし老木の芽吹かな 北川とも子 ぐろっけ 200905
ささやくは風か木の芽か杣の道 瀬沼利雄 酸漿 200905
ウインドに木の芽の色の揃ひけり 西谷良樹 春燈 200905
散鮨の木の芽山椒を叩きけり 山田六甲 六花 200905
いさぎよき言葉返り来木の芽冷 木村風師 馬醉木 200906
芭蕉堂こぞる木の芽の声聞かむ 渡会昌広 馬醉木 200906
木の芽見て「春だ」とひとり諾へり 泉田秋硯 200906
吊橋の揺るるにまかせ木の芽山 澤藤蓑助 200906
欅並木の芽吹きしぶきを浴びにけり 久染康子 200906
木の芽張る疎林明るき日に風に 渡辺昭 200906
木の芽雨調律終へしピアノ鳴る 近藤倫子 ぐろっけ 200906
門前の遮那王餅や木の芽東風 山田夏子 雨月 200906
一すぢの望郷の念木の芽張る 岸田爾子 200907
木の芽雨古きピアノの椅子二つ 山本うらら 炎環 200907
綻びて木の芽いろいろありにけり 原田達夫 200907
木の芽山割つてまつかな電車くる 西山春文 200907
播鉢は夫が押さへて木の芽味噌 大原絹子 遠嶺 200907
草木の芽吹き促す今朝の雨 金子隆吉 200907
山荘の開け放たれし木の芽晴 東芳子 酸漿 200907
木の芽雨雨にも色を見つけたり 坂本知子 酸漿 200907
一の鳥居くぐりこれより木の芽坂 定梶じょう あを柳 201002
前の世は猿かも駈けて木の芽山 山仲英子 201004
木の芽雨団子の串を縦に持つ 中山純子 万象 201004
木の芽道わたし追ひ越す脚美人 丸山佳子 京鹿子 201004
シュトラウス聞きてドライブ木の芽晴 塩路五郎 201005
堰の水なめらかに落ち木の芽晴 丸山美奈子 馬醉木 201005
真向ひに欠伸をうつす木の芽晴 布川直幸 201005
引明けの空の静寂や木の芽張る 井上春子 春燈 201005
山里やうす紫の木の芽晴 星アヤ 酸漿 201005
田楽の木の芽を採りに行きしとか 中田みなみ 201005
祭待つ社静かに木の芽吹く 川出浩之 201005
雨霽れて雫煌めく木の芽かな 山口キミコ 201006
海の色山の色へと木の芽吹く 佐藤健伍 201006
木の芽晴本を読みゐる父のこゑ 山田春生 万象 201006
和紙を貼り板並べ干す木の芽晴 佐野和子 万象 201006
木の芽→ 4      

 

2021年4月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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