木の芽 2       100句

大原や木の芽すり行く牛の頬   召波

作品
作者
掲載誌
掲載年月
甲斐信濃境はいづれ木の芽晴 林翔 200305
甲斐駒ケ岳かいこまの凛然として名の木の芽 矢崎すみ子 200305
あまた瀬を越えきし魚に木の芽張る 柴田佐知子 200305
水音のゆたかなりけり木の芽ふく 植松美根子 200306
がうがうと父が眠れる木の芽雨 田中英子 火星 200306
木の芽吹く蔵の白壁影映し 岡田有峰 築港 200306
木木の芽を傷める風の吹き荒るる 川瀬信子 築港 200306
木の芽きんきん戦争の好きな国 川崎光一郎 京鹿子 200306
空瓶の音盛り場の木の芽雨 後藤志づ あを 200306
水筒を回し飲みして木の芽山 丹羽啓子 馬醉木 200307
木の芽雨燭引き寄せて轆轤の座 大沢美智子 200307
行了へし僧の白皙木の芽張る 谷口みちる 200307
本堂の畳の匂ふ木の芽晴 林友次郎 遠嶺 200307
木の芽雨嬰生るる日を指折りぬ 山田怜子 遠嶺 200307
話声包む沢鳴り木の芽道 岩上とし子 200308
畳目の緊まりて青し木の芽寒 岡本眸 200403
木の芽雨寝ねむと起ちて息ひとつ 岡本眸 200403
木の芽晴れ背筋伸ばして歩きけり 志水千代子 雲の峰 200404
せんべ喰み木の芽の味覚失へり 丸山佳子 京鹿子 200404
足もとで無芸大食木の芽鳩 丸山佳子 京鹿子 200404
木木の芽の脈打つ中に瀧凍つる 薄美津子 対岸 200404
落し物吊されてゐる木の芽垣 川角十四枝 築港 200404
おのづから両手を振らす木の芽道 丸山佳子 京鹿子 200405
口ほどに足は登れぬ木の芽坂 丸山佳子 京鹿子 200405
村中の木の芽声あぐ半鐘台 宇都宮滴水 京鹿子 200405
木の芽晴正座してゐて椅子の上 折原烈子 帆船 200405
野の空に溶け入るごとく木の芽山 石原光徳 酸漿 200405
つづら折峠は遙か木の芽吹く 吉成美代子 あを 200405
木の芽どき鹿の刺身も天城茶屋 吉成美代子 あを 200405
雉鳩の歩幅小さし木の芽雨 谷野由紀子 雲の峰 200405
木の芽立つ山襞ごとの風の色 橋本恭二 雲の峰 200405
倒木の空に遊べる木の芽かな 中島あきら 200405
あるなしの風の過ぎゆく木の芽道 水田清子 200405
石仏を包みて雨や木の芽道 水田清子 200405
切通し木の芽の雫浴びにけり 秀島みよ子 栴檀 200405
岩肌に水かげろうや木の芽張る 西畑敦子 火星 200406
車窓明け木の芽の雨の別れかな 長村雄作 栴檀 200406
水戸城下すみずみ濡らし木の芽雨 福井隆子 対岸 200406
おしやべりも味付けのうち木の芽料理 丸山佳子 京鹿子 200406
法螺貝の試し吹聞く木の芽山 山田孝枝 酸漿 200407
椎茸の菌打つ音や木の芽晴 中島寿美 万象 200407
木の芽起し室の八嶋の濠けぶる 三関浩舟 栴檀 200407
庭木の芽頬すりすりと白き猫 飛山ますみ 遠嶺 200407
音となる夜越しの雨の木の芽かな 湯浅康右 草の花 200407
木の芽吹く裸像は固き乳房持つ 栢森定男 風よ 200407
口笛を吹けば忽ち木の芽張る 曷川克 遠嶺 200408
国栖奏を継ぐ子が駆くる木の芽道 和泉喜代子 雲の峰 200504
先に犬行くにまかせて木の芽山 細野恵久 ぐろっけ 200504
波音にまさる風音木の芽晴 柴田由乃 風土 200504
倒木の芽吹き裏磐梯太る 吉野トシ子 馬醉木 200504
遺句集の選に手間どる木の芽どき 伊藤白潮 200504
沼照りも風鈴の音も木の芽寒 岡本眸 200504
猫抱いて木の芽見てゐる嫗かな 長志げを 遠嶺 200505
山里の栗鼠も顔出す木の芽晴 青木久子 遠嶺 200505
ゆるやかに刻の流るる木の芽雨 西村博子 馬醉木 200505
木の芽張り潮満ちてくる時計かな 中野京子 200505
本降りとなりて明るし木の芽雨 野口みどり 酸漿 200505
流木の芯まで満たす木の芽雨 畑絹枝 馬醉木 200506
音合せしてゐるやうな木の芽山 曷川克 遠嶺 200506
紙漉の仕上げ木の芽の匂ひせり 酒本八重 里着 200506
木の芽雨海は干潟を広げけり 藤田輝枝 対岸 200506
葦原のあの木この木の芽吹きけり 蓮井崇男 対岸 200506
倒木の芽吹きを滝の潤せる 高橋ちよ 200506
赤松に微熱ありけり木の芽山 岡本崇 200506
小石丸てふ原蚕や木の芽雨 花岡孝子 帆船 200506
機織りの明かりににじむ木の芽雨 江崎成則 栴檀 200506
栃の木の芽立ち一斉空に鳶 宮城島たか子 200506
同席の喪服がにほふ木の芽どき 竹内弘子 あを 200506
菜箸の両端つかふ木の芽雨 竹内弘子 あを 200506
やはらかき木の芽かがやく雨上り 早崎泰江 あを 200506
静もれる沼いちまいや木の芽晴 佐東志乃 200506
枝といふ枝空といふ空木の芽 湯川雅 ホトトギス 200507
背景の曇りのち晴木の芽吹く 湯川雅 ホトトギス 200507
大鯉の胴に木の芽のまぶせあり 深澤鱶 火星 200507
木の芽道しばし足止め深呼吸 伊藤昌子 帆船 200507
木の芽山入りて両耳とほくなる 大竹淑子 風土 200507
物忘れいつより確か木の芽吹く 平田安生 風土 200507
木の芽起し護摩壇山をけぶらする 菅谷弘子 雨月 200508
山居して木の芽の風に目覚む日々 浅井青陽子 ホトトギス 200509
裸婦素描朝の木の芽がに光る 瀧春一 菜園 200509
母の歌木の芽のみちに憚らず 瀧春一 菜園 200509
天井に窓のあるバス木の芽晴れ 高橋あゆみ 200510
濡れづめの花木の名札木の芽雨 野沢しの武 風土 200512
木の芽張る川面は暁の雲泥べ 秋葉雅治 200604
はたとせのいよよ多彩に木の芽張る 千田百里 200605
木の芽吹く上野の森の至宝の書 腰高和代 春燈 200605
塀越しの辛夷の木の芽太りをり 堀田政弘 200605
両墓制廃れし山の木の芽密 須原正三 200605
地下道を出でて並木の芽ぶき晴 宮村フトミ ぐろっけ 200605
木の芽前小鳥くく鳴く城址かな 杉山恭子 酸漿 200605
饒舌も寡黙もありて雑木の芽 菅谷たけし 200605
古里の訛ぽろりと木の芽どき 高畠陽子 河鹿 200606
マチネーへ子と待ち合はす木の芽晴 窪田粧子 馬醉木 200606
鎌倉に風のいちにち木の芽張る 牛田修嗣 200606
木の芽張る北に密なる屋敷林 能村研三 200606
わかばいろまで幾日ぞ木の芽いろ 林翔 200606
木の芽張り火宅の人のそそけ髪 林翔 200606
対岸は木の芽けぶりや繋ぎ舟 吉田島江 火星 200606
日当のよき梢より木の芽萌ゆ 中緒和子 酸漿 200606
警策の一打はつしと木の芽晴 宮脇ちづる 200607
木の芽→3      

 

2021年3月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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