木 枯 4    102句

木枯や地びたに暮るる辻諷ひ   一茶

 こがらし 木枯

作品
作者
掲載誌
掲載年月
木枯しや十五の石が影と添ふ 小宮山勇 遠嶺 200803
木枯や湯呑に茶柱立つことも 戸田春月 火星 200803
木枯しや逆上りして揺れる子に 永塚尚代 ぐろっけ 200803
木枯の池は薬師寺映さざる 山村修 酸漿 200803
木枯や体温計の銀のすぢ 大川ゆかり 200803
木枯や竿のジーンズはしやげる 筏愛子 200804
木枯の的になりたる安普請 松嶋一洋 200804
木枯に囲まれてゐるロシア船 松田都青 京鹿子 200804
木枯しや船にひとつの渡し板 荒井千佐代 200804
木枯しの厳しき音や峠道 村田文一 遠嶺 200805
有明の月に木枯止みにけり 山田六甲 六花 200812
木枯を背に鍵穴を探りをり 加藤克 200901
海暗し誓子の木枯さまよふか 北川英子 200901
木枯はまづ鉄塔を攻めに来る 安居正浩 200901
木枯や遺影の亡夫とワイン酌む 嶋村恵美子 春燈 200901
木枯の灯よりころがりでる晩年 豊田都峰 京鹿子 200901
木枯や電光ニユースせり上がる 津野洋子 京鹿子 200901
木枯しや易者は町に灯を点す 遠藤和彦 彩雲 200901
木枯一番こよなく晴れし朝の富士 田中きよ子 酸漿 200901
木枯に川が苛立つ木の無い街 瀧春一 深林 200901
木枯や逐電したる影ひとつ 西村純太 200902
木枯しや夜の静寂を奪ひたる 藤本友治 遠嶺 200902
木枯へ門燈ひとつ残し置く 山田暢子 風土 200902
木枯や海の蒼さのあふれ出す 山田暢子 風土 200902
木枯や研ぎより戻る出刃二丁 内藤静 風土 200902
木枯を連れて屋台の酒を汲む 杉本絢之助 万象 200902
木枯しや風呂敷ひとつの相撲取 小林朱夏 200902
木枯を真夜聞く旅の寝覚めかな 安立公彦 春燈 200902
木枯や誰も渡らぬ歩道橋 北岸邸子 春燈 200902
木枯にそそと立ち去る吟行地 唐鎌光太郎 ぐろっけ 200902
花宅急便木枯しと来て長四角 辻直美 200902
木枯やつまづき易くなりしかな 吉成美代子 あを 200902
木枯の音聞いてゐる朝寝かな 吉成美代子 あを 200902
湖音の夜は木枯が突く予報 鴨下昭 200903
鍋奉行自認してゐる夜の木枯し 北川孝子 京鹿子 200903
噴煙を飛ばし木枯天へ舞ふ 唐鎌光太郎 ぐろっけ 200903
木枯の波状攻撃受けてをり 辻直美 200903
木枯の梢研ぎだし始めけり 菊谷潔 六花 200903
木枯や平らえらびて人は住み 鷹羽狩行 200911
病める身に木枯の耳聡くなる 木村公子 花貝母 200911
息切らせ木枯の坂上りをり ことり 六花 200911
たてがみの木枯一号浅間晴れ 神蔵器 風土 200912
木枯が吹きて一村リフレッシュ 塩路五郎 201001
木枯の縦横無尽交差点 鈴木セツ 201001
廃線の碓氷峠に草木枯る 北村香朗 京鹿子 201001
木枯の第一陣や部屋ごもり 塩見育代 201002
木枯一号校庭掃除はじめから 吉田政江 201002
木枯に足のもつるる齢なり 泉田秋硯 201002
武蔵野を通る木枯聞きすます 竹久みなみ 風土 201002
木枯一号だんだん耳の遠くなり 須藤美智子 風土 201002
木枯の関東平野袈裟斬りに 池田光子 201002
木枯に押され通しの帰宅かな 上岡理恵 201002
木枯一号中天の月真白 大坪景章 万象 201002
木枯や赤城の山は裾広し 大西八洲雄 万象 201002
木枯や傷口に息ふうと吹く 和泉重一 201002
木枯やポストの口にやや温み 和泉重一 201002
木枯に半月尖る城址かな 廣瀬義一 雨月 201002
木枯の大大阪を揺らしゆく 椋本一子 雨月 201002
ポスト迄木枯しついて歩みせん 中田芳子 ぐろっけ 201002
木枯や膳あたたまる物ばかり 長崎桂子 あを 201002
木枯しやクレーン軋む造船所 坂根宏子 201003
木枯の宿りて私語を慎む木々 禰寝瓶史 京鹿子 201003
木枯やイエスタディーをもう一度 竹中一花 201003
木枯の吹きぬけて行く無人駅 鈴木英男 末黒野 201003
木枯の雲を払ひし星の嵩 米澤しげる 春燈 201003
木枯しに釣りの二人の糸絡む 佐方敏明 ぐろっけ 201003
句碑除幕せり木枯の峰寺に 塩出眞一 ぐろっけ 201003
故郷や木枯らしさへも懐かしく 五ケ瀬川流一 六花 201003
木枯に目覚めし時刻午前二時 三川美代子 201004
木枯しの魔手には母を渡さざる 小澤克己 遠嶺 201004
木枯しや子の枕辺に星図鑑 遠藤和彦 遠嶺 201004
木枯に曝され赤いポストかな 吉村摂護 201004
木枯の運ぶ夕べの時報曲 千田百里 201004
木枯のなか声上げて泣く男 高瀬桜 201005
木枯や酒倉の窓昼灯す 山田和 京鹿子 201005
雨戸閉めすぐ木枯の吹きはじむ 田中藤穂 あを 201012
木枯しを受けて重たきペダルかな 安本恵子 201101
木枯しや虹の向かうに比良比叡 池田加寿子 201101
木枯一号ぴりぴりと反る松の幹 久染康子 201101
木枯しとなる瀬戸際の村はづれ 丸井巴水 京鹿子 201101
木枯の雨風荒れの硝子窓 大橋敦子 雨月 201101
木枯や一族一郷果てし跡 上坂渥子 雨月 201101
木枯しや帰途を急く人身をかがめ 美濃部くみ子 201102
落す葉の失せて木枯し我を打つ 宮入河童 201102
北国街道みちまつすぐに木枯す 外川玲子 風土 201102
木枯一号東京の星を研ぐ 遠藤真砂明 201102
空晴れて木枯露地を走りけり 大坪景章 万象 201102
木枯やいたはり合ひて杖を突く 大西八洲雄 万象 201102
木枯に灯しつづける古書の市 大西八洲雄 万象 201102
湖近き里木枯のつよまりぬ 大西八洲雄 万象 201102
耳の奥木枯し棲む日もありにけり 貝森光洋 六花 201102
木枯らしに画鋲負けたる掲示板 横内かよこ ぐろっけ 201102
木枯や髮ぼうぼうと仁王立 續木文子 あを 201102
木枯や未知の高さへ塔・クレーン 藤原照子 201103
木枯の夜のたましひは楕円とも 内山花葉 201103
木枯しの去りて夜明けの星一つ 吉田きみえ 末黒野 201103
木枯や海中に魚眠るころ 浜口高子 火星 201103
木枯しや酒屋の蔵の仕込み唄 有本勝 ぐろっけ 201103
木枯しの砂丘に母の墓を訪ふ 山崎郁子 万象 201104
木枯や焼牡蛎小屋の人だかり 吉村摂護 201104
河わたる木枯熱し蛾眉の月 梶浦玲良子 六花 201104
カーテンの何処ぞ蠢く夜木枯 鳳蛮華 201106
木枯 →5      

 

2020年12月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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