神の留守 4     209句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
神留守の天を騒がす尾長どち 小泉三枝 春燈 201002
持ち歩く三文判や神の留守 宮崎裕子 春燈 201002
けふの罪風に飛ばすや神の留守 宮崎裕子 春燈 201002
かうかうと灯す境内神の留守 柿沼盟子 風土 201002
護られて朱鷺はケージに神の留守 須藤美智子 風土 201002
あれこれと迷はずねまる神の留守 近藤きくえ 201002
一島はかむなびにして神の留守 和田照海 京鹿子 201002
赤い実に手を濡らしけり神の留守 米澤光子 火星 201002
昼網のにぎはひに居て神の留守 上川いつ子 火星 201002
神木をひと回りせし神の留守 川端俊雄 火星 201002
山を掃く神官に会ふ神の留守 大西まりゑ 酸奬 201002
献饌の塩の白さや神の留守 能美昌二郎 201003
神の留守禰宜も東都へ旅にかな 細川コマヱ 雨月 201003
塞かれては澄みゆく水や神の留守 柿沼盟子 風土 201003
一天を月も旅せり神の留守 伊藤紫水 風土 201003
大荒れの経営会議神の留守 中嶋麿澄 201004
本殿の耐震検査神の留守 坂本哲弘 山ざくら 201009
語部の声くぐもりて神の留守 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
神の留守守る千年杉の黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
神の留守にも朝の作務夕の作務 稲畑汀子 ホトトギス 201011
それぞれの刻指す時計神の留守 市村健夫 馬醉木 201012
神留守の甚兵衛鮫は回遊す 辻美奈子 201012
ファッション誌巫女の見てをり神の留守 松井志津子 201012
年嵩を狙ふ詐欺師や神の留守 森下康子 201101
恵那峡や水面明かりの神の留守 高埜良子 春燈 201101
神留守の境内占むる鶏の声 宮沢治子 春燈 201101
神の留守出雲の蕎麦を注文す 中江月鈴子 201101
神の留守蹟きやすき坂登る 中江月鈴子 201101
アドバルーンあげて開店神の留守 秋葉貞子 やぶれ傘 201101
領海を侵す漁船や神の留守 阪本哲弘 201102
腹中にできもの育つ神の留守 渡辺鶴来 春燈 201102
神留守の塗り替へらるる朱の手摺 宮沢治子 春燈 201102
神天降る瑞光石や神の留守 清水美子 春燈 201102
椅子深く遠電話聞く神の留守 田村園子 201102
籾殻に煙立ちたり神の留守 松下八重美 201102
杜家洩るる三味の音しゃんと神の留守 東野鈴子 雨月 201102
神留守の天空仰ぐ心はも 井田実代子 雨月 201102
まほろばの山また山も神の留守 丸山照子 火星 201102
石段のあれば数へて神の留守 杉浦典子 火星 201102
神留守の打ちし弁慶泣きどころ 山本耀子 火星 201102
神留守や夜のうつばりの太々と 深澤鱶 火星 201102
カッポレを踊る集団神の留守 齋藤朋子 やぶれ傘 201102
神の留守子に留守番を頼まるる 家塚洋子 酸漿 201103
神の留守蘇鉄に釘を呉れにけり 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
古文書を勝手に解釈神の留守 犬丸勝子 201106
神の留守猫はつまらなさうに鳴き 稲畑廣太郎 ホトトギス 201111
神の留守あなたはセコムしてますか 稲畑廣太郎 ホトトギス 201111
箒目の常に正され神の留守 稲畑廣太郎 ホトトギス 201111
はやぶさのその後のこと神の留守 稲畑汀子 ホトトギス 201111
神留守のお百度石の向き合へる 山尾玉藻 火星 201112
神の留守木の根に添はす結神籔 能村研三 201112
神留守の鈴鳴らし汲む神の水 村上絢子 馬醉木 201201
三輪山にけぶる小や神の留守 笠井清佑 201201
三輪山にけぶる小雨や神の留守 笠井清佑 201201
神棚の清掃すませ神の留守 笹井康夫 201201
神の留守知りつつ拝むツアー客 竹内悦子 201201
狛犬の口中赤し神の留守 岩下芳子 201201
神の留守隙間のあれば覗きけり だいじみどり 201201
突つ掛けでどこへでも行く神の留守 だいじみどり 201201
阿吽の狗宮居護りゐる神の留守 池内結 ろんど 201201
携帯を閉ぢても光り神の留守 千田敬 201201
痩せたがる女ばかりや神の留守 栗原公子 201201
神留守の船の柱のひしめける 蘭定かず子 火星 201201
どの橋も神の留守せる京かな 飯塚ゑ子 火星 201201
子午線の見えぬを見やる神の留守 深澤鱶 火星 201201
突堤の波が爪とぐ神の留守 穐好須磨子 馬醉木 201202
神の留守試飲に縁もらひけり 山崎靖子 201202
神の留守書架に出典確かむる 坂場章子 201202
鳴り響くケトルに返事神の留守 青木ちづる 201202
マルクスの肖像画見る神の留守 田中信行 201202
絵葉書の空が真つ青神の留守 林昭太郎 201202
馬上杯たたき割りたる神の留守 細川知子 ぐろっけ 201202
神の留守嫁して九度目の引越しす 松井洋子 ぐろっけ 201202
神留守の豆煮る昼を灯しけり 杉浦典子 火星 201202
神留守を在す満月の白さかな 根本ひろ子 火星 201202
神の留守わが家にもある不文律 相良牧人 201203
神の留守三日にあげず妻の留守 相良牧人 201203
神官の突つ掛け下駄や神の留守 清海信子 末黒野 201203
喪の中に曾孫産まるる神の留守 松本恒子 ぐろっけ 201203
不意に亀泳ぎ出しけり神の留守 淺場英彦 万象 201204
神の留守出雲へと着く寝台卓 村田とくみ ぐろっけ 201204
神木の一際高き神の留守 久世孝雄 やぶれ傘 201204
神の留守テレフォンカードに残る穴 頓所友枝 冬の金魚 201209
神の留守掬へば消ゆる海のいろ 頓所友枝 冬の金魚 201209
幸福の鐘の音如何に神の留守 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
三輪の杜眠りにつきて神の留守 笠井清佑 201301
桟橋に靄の浮き立つ神の留守 神田恵琳 春燈 201301
狛犬も手持無沙汰の神の留守 安藤虎酔 かさね 201301
茶畑に深入りしたる神の留守 橋添やよひ 風土 201301
枕皺たたきて均す神の留守 安居正浩 201301
神留守の表参道海荒るる 碇天牛 雨月 201301
神留守の魚網に貝のうすくれなゐ 浜口高子 火星 201302
神留守の大杉の腰据りたる 岩月優美子 201302
神留守の酒場繁盛さうかさうか 定梶じょう あを 201302
神留守の幽宮の処々の注連 密門令子 雨月 201302
かはらけのへらへら飛んで神の留守 南うみを 風土 201302
ランドルト環とふ虚構神の留守 山崎青史 ろんど 201302
長命の名水飲めり神の留守 松山直美 火星 201302
整ひし旅行鞄や神の留守 門間としゑ 末黒野 201302
干し蛸の威張つてをりぬ神の留守 近藤喜子 201302
賽銭の小銭のはじけ神の留守 谷村祐治 雨月 201302
神の留守ホテルに聖書仏教書 大久保白村 ホトトギス 201303
神の留守嬰に門歯の生え来たる 柿本麗子 千の祈り 201307
神の留守まさか車とちやふやろな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
神の留守ここにもありぬ地震の痕 稲畑廣太郎 ホトトギス 201311
神官も慰安旅行の神の留守 中島玉五郎 201312
神留守の素焼の肌のうすじめり 辻美奈子 201312
神留守の常念岳は雲の裏 山下健治 春燈 201401
神の留守社殿清める緋の袴 笠井清佑 201401
脳細胞しゃにむに使い神の留守 田口鷹生 201401
門前の小店にセコム神の留守 和田郁子 201401
門前の無人販売神の留守 笠井清佑 201401
藁灰のほこと匂へる神の留守 植田桂子 馬醉木 201401
祈ること常と変らじ神の留守 碇天牛 雨月 201401
神の留守いつも鞄に傘のあり 甲州千草 201401
神の留守会釈で過ぐる宮の前 竹内悦子 201401
神の留守車中の女かしましき 時澤藍 201401
神の留守酒房伊勢藤の潜り木戸 能村研三 201401
神の留守人は飲食繰り返す 安居正浩 201401
神の留守予防注射の通知くる 中田みなみ 201401
神留守の水ふんだんに魚市場 上谷昌憲 201401
からたちの棘やはらかし神の留守 戸栗末廣 201401
神の留守MRIの扉押す 布施まさ子 風土 201402
狛犬の阿吽ちぐはぐ神の留守 荒井慈 春燈 201402
産土の神の留守護る禰宜と巫女 堀光子 春燈 201402
毘沙門の石虎睨む神の留守 石川笙児 201402
我が物顔の放置自転車神の留守 久米憲子 春燈 201402
鰐口を叩いてゐたり神の留守 中道愛子 201402
神留守のからくれなゐの鮪丼 城孝子 火星 201402
神留守の険しくひかる閻魔の眼 津野洋子 京鹿子 201402
神留守の畝に罅入る藷畑 山本耀子 火星 201402
神留守の杜で見渡す田の並び 渡邊孝彦 やぶれ傘 201402
たびらこの鬼呼ばはりも神の留守 鳥居美智子 ろんど 201402
俎に残れる鱗神の留守 涼野海音 火星 201402
お守りも一緒に洗濯神の留守 池田久恵 ぐろっけ 201402
忘れ得ぬ杜のひとこと神の留守 元橋孝之 京鹿子 201403
境内に開く昼餉や神の留守 菅野日出子 末黒野 201403
神留守の巌巡れる水の音 山本耀子 絵襖 201404
老杉のこぼす日差しや神の留守 斉藤マキ子 末黒野 201404
神の留守舟の炬燵に膝そろへ 山本耀子 絵襖 201404
神の留守周囲更地となる社 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
快晴の二日の旅路神の留守 稲畑汀子 ホトトギス 201411
近道は今日も抜けゆく神の留守 稲畑汀子 ホトトギス 201411
いつまでも忘れ得ぬ人神の留守 稲畑汀子 ホトトギス 201411
締切に追はるる日々や神の留守 稲畑汀子 ホトトギス 201411
延命の水滾々と神の留守 松本鷹根 京鹿子 201411
和賀江嶋機嫌よく晴れ神の留守 田中貞雄 ろんど 201412
勾玉に集まる光神の留守 宮田香 201501
根気よく擂粉木使ふ神の留守 能村研三 201501
指先に紙縒をどらせ神の留守 千田百里 201501
どうどうと波の逆巻く神の留守 菊川俊朗 201501
三輪山に こころ なき雲神の留守 岡本尚子 風土 201501
境内を過る母子や神の留守 荻野嘉代子 春燈 201502
神の留守話大きくなりにけり 荒井慈 春燈 201502
神鈴の音も静けし神の留守 武生喜玖乃 雨月 201502
狂言の踏む足拍子神の留守 門伝史会 風土 201502
太刀魚の総身の照りや神の留守 浜口高子 火星 201502
腰伸ばす婆の箒目神の留守 泉和美 末黒野 201502
鈴の緒に風の来てゐる神の留守 米澤光子 火星 201502
足攣つてのた打ち回る神の留守 亀井紀子 201502
神の留守賽銭箱の拭き掃除 西川みほ 末黒野 201502
走り根に足を取らるる神の留守 大川暉美 末黒野 201502
神の留守社に登り参仕せり 佐藤健伍 201502
左肩たたく右腕神の留守 安居正浩 201502
渓流の澱に硬貨神の留守 齊藤哲子 201502
神の留守遠回りして帰る 濱上こういち 201502
囲炉裏場の嬶座に座る神の留守 田中貞雄 ろんど 201502
神鶏に声かけてゆく神の留守 金森教子 雨月 201503
火の色の負債一千兆円神の留守 高野昌代 201503
ウイルスの進化してゆく神の留守 高橋将夫 201503
おだやかな海の一日神の留守 村田岳洋 ろんど 201503
久びさの金毘羅参り神の留守 中野久雄 末黒野 201503
神の留守海底火山マグマ噴く えとう樹里 201504
飛火野の神の留守守る森の精 涌羅由美 ホトトギス 201504
神の留守一輪挿しのお手洗い 中村あいこ 船団 201505
指切りの幼ナの恋や神の留守 鈴木鳳来 故山 201505
神の留守人みな夢を追い続け 大山夏子 201504
噴煙は生の地球よ神の留守 岩月優美子 グピドの瞳 201506
神留守の水さわがする網代掛 山尾玉藻 火星 201501
神留守の犬笛の銀ラオに似て 鳥居美智子 ろんど 201502
神留守の妻も留守なる一日かな 岩岡中正 ホトトギス 201504
神の留守海底火山マグマ噴く えとう樹里 201504
飛火野の神の留守守る森の精 涌羅由美 ホトトギス 201504
神の留守一輪挿しのお手洗い 中村あいこ 船団 201505
指切りの幼ナの恋や神の留守 鈴木鳳来 故山 201505
神の留守人みな夢を追い続け 大山夏子 201504
噴煙は生の地球よ神の留守 岩月優美子 グピドの瞳 201506
悪さしてみたき日もあり神の留守 大木清美子 201601
神の留守鍵かけたよな掛けぬよな 熊川暁子 201601
ジーパンの禰宜の箒や神の留守 長谷川歌子 春燈 201601
海峡を眠りて渡る神の留守 岸洋子 201601
神鈴の湿りがちなる神の留守 久米憲子 春燈 201602
座りても立ちてもひとり神の留守 小倉陶女 春燈 201602
東京湾突つ切つて行く神の留守 鈴木庸子 風土 201602
バイブルの十指に重し神の留守 竪山道助 風土 201602
神の留守ドミノ途中で倒れだす 高橋将夫 201602
千代紙でだまし舟折る神の留守 山本右近 万象 201602
大楠の根回りの注連神の留守 渡邊孝彦 やぶれ傘 201602
神の留守煙管で煙草吸ふ女 國保八江 やぶれ傘 201602
さるぼぼをちよつとピンして神の留守 甕秀麿 201602
英会話流暢に巫女神の留守 大島寛治 雨月 201602
日に透けて身軽の多度山や神の留守 浅井青二 雨月 201602
神の留守鼈甲あめの透き通る 福島茂 201603
竜神の名水守るや神の留守 布施由岐子 末黒野 201603
境内にポストのありて神の留守 横田敬子 201604
献米の俵積み上げ神の留守 落合由季女 雨月 201606
神の留守守る気でゐる鳩雀 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
神留守の丘に化身のやうな木々 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
神官の神の留守守る鳥語かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611

神の留守→5

     

 

2021年11月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。