返り花 4     200句

かへり花咲よしもなく咲にけり   白雄

帰り花  二度咲  忘れ花

作品
作者
掲載誌
掲載年月
マロニエのうすももいろのかへり花 篠田純子 あを 201112
返り花今日もひとりの日暮来て 千手和子 馬醉木 201201
ささやかな気遣ひ程の返り花 小西和子 201201
裏旬のかほが万事や帰り花 瀬川公馨 201201
返り花風の死角に咲く狭庭 藤浦昭代 ホトトギス 201201
二つ三つ烏瓜抱く帰り花 上原重一 201201
勢揃ひしてタンポポの返り花 岡野ひろ子 201201
湯の街や三味線塚の返り花 高橋泰子 201201
ほとばしる活気授ける帰り花 上原重一 201201
杜歩く所々に帰り花 田島昭久 かさね 201201
ふりむきて立ち去りがたし帰り花 堀口香代子 ぐろっけ 201201
ブラジルの友を見送る返り花 長瀬節子 ぐろっけ 201201
大津浪残せしものに返り花 北村香朗 京鹿子 201201
ひつそりと心こもれる返り花 北村香朗 京鹿子 201201
仏足石の指跡うする返り花 浜口高子 火星 201201
小さき門凌ぎて馬酔木返り花 田中芳夫 201202
恙無き年のてつせん返り花 竹内悦子 201202
避難して空家の庭に帰り花 松嶋一洋 201202
慰めて言葉のむなし帰り花 塩田博久 風土 201202
一輪は吉野太夫帰り花 宮川みね子 風土 201202
一つとは寂しき数よ帰り花 内藤三男 ぐろっけ 201202
婿連れて孫来てくれぬ返り花 小野口正江 末黒野 201202
日像の御会式日和返り花 宮原悦子 雨月 201202
合掌の甲に日の射す返り花 根本ひろ子 火星 201202
空濠の哀史を灯す帰り花 清水美子 春燈 201203
三姉妹よく食べ笑ひ返り花 松澤美惠子 201203
返り花ほどよきとこに椅子ひとつ 直江裕子 京鹿子 201203
返り花鮮やかなるを哀れとも 清海信子 末黒野 201204
たんぽぽの帰り花とは踏まれ易 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
紫は淋しき色や帰り花 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
帰り花城とはなべて哀史あり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
見失ひたるより探す返り花 稲畑汀子 ホトトギス 201211
返り花その日その日の来ては去る 久保田万太郎 春燈 201211
返り花戻らぬ道に咲きゐたり 酒井秀郎 返り花 201211
返り花いとしき人に会へる日を 酒井秀郎 返り花 201211
楽しみし二十余年や返り花 酒井秀郎 返り花 201211
帰り花寺の柄杓は寺を出ず 柴田佐知子 201212
目が合へば目つむる猫や帰り花 柴田志津子 201212
芭蕉より西行を恋ふ返り花 神蔵器 風土 201212
返り花人待つ門にほころびぬ 中田みなみ 201212
返り花小花模様の杖とめて 中田みなみ 201212
三つ咲きて忘れられゆく返り花 中田みなみ 201212
日溜りに繚乱なごむ帰り花 長崎桂子 あを 201301
幼少の面影残る帰り花 長崎桂子 あを 201301
青春を疎かに過ぐ帰り花 長崎桂子 あを 201301
帰り花ひとつふたつにとどまらず 根橋宏次 やぶれ傘 201301
返り花戦艦「ヤマト」の守り神 鈴木照子 201301
草の戸に千客万来返り花 瀬川公馨 201301
返り花逞しきともか弱きとも 松本周二 かさね 201301
返り花墓誌に余白の二行ほど 神蔵器 風土 201301
人の世のその先知らず返り花 藤岡紫水 京鹿子 201301
つつぬけの空やさくらの帰り花 浅田光代 風土 201302
帰り花旧町名の路地あるく 森田節子 風土 201302
帰り花三階越ゆる枝の先 小川玉泉 末黒野 201302
帰り花愛でて深むる詩ごころ 田村加代 末黒野 201302
齢積むはおろそかならず帰り花 安田とし子 ぐろっけ 201302
早立ちの印となりぬ帰り花 吉井潤 ぐろっけ 201302
幸ちゃんのゐないこの町帰り花 井上石動 あを 201302
悪茄子の辣を落して返り花 浜福惠 風土 201302
姫りんご山の匂へる返り花 工藤はるみ 風土 201302
ダムに沖ありて暮れきし返り花 浜口高子 火星 201302
てんごうに気骨ありけり返り花 山本耀子 火星 201302
好日の銅門や返り花 福田禎子 末黒野 201302
返り花散るや消えゆく何かあり 近藤喜子 201302
出湯の里一寺一爆返り花 溝内健乃 雨月 201302
瀬戸統べし長の古墳に帰り花 涌羅由美 ホトトギス 201303
空に橋地にたんぽぽの帰り花 藤井啓子 ホトトギス 201303
うかうかと過ぐる日和や帰り花 府川昭子 春燈 201303
帰り花しばし夕日をとどめをり 土江比露 春燈 201303
余生なほ楽しからずや帰り花 宮地静雄 末黒野 201303
遠き日のことは鮮明に返り花 中本吉信 201303
カラオケの昭和一桁返り花 羽賀恭子 201303
手のひらに日の差してをり返り花 涼野海音 火星 201303
返り花けふはスカートでも穿かう 千田百里 201303
参道の脇の静けさ返り花 杉本裕子 末黒野 201303
眦に雨一粒や返り花 足利ロ子 ぐろっけ 201303
帰り花真白き莟添ふことも 今橋眞理子 ホトトギス 201304
海光に生れては消ゆる帰り花 河野美奇 ホトトギス 201304
青空に形見のごとく帰り花 山田閏子 ホトトギス 201304
会へさうで会へぬ吉野の帰り花 山田閏子 ホトトギス 201304
男から一語こぼるる帰り花 津田このみ 船団 201304
酒樽の乾き切りをり返り花 杉浦典子 火星 201304
日の射して花眼にしかと返り花 河口仁志 201304
深川の草の戸跡や帰り花 高木典子 雨月 201305
空と語るごとくに白し帰り花 島谷征良 風土 201311
散るものは散り日だまりの返り花 稲畑汀子 ホトトギス 201311
空と語るごとくに白し帰り花 島谷征良 風土 201311
返り花木枯一番にも遇ひぬ 瀧春一 花石榴 201312
老いてなほ志すこと帰り花 安藤虎酔 かさね 201312
大杉の根方つつじの返り花 小川玉泉 末黒野 201401
坂越えて薄日さし来し帰り花 長崎桂子 あを 201401
四桁の番号札つく帰り花 柿沼盟子 風土 201401
返り花良き選評をもう聞けず 小川玉泉 末黒野 201401
木洩れ日の作る日向や帰り花 石川かおり 201401
幽玄に惚けし合歓の帰り花 伊藤マサ子 ぐろっけ 201401
会者定離十指に足りぬ帰り花 齋藤晴夫 春燈 201401
亀石に並びつつじの帰り花 根橋宏次 やぶれ傘 201401
つつがなき「田舎教師」や帰り花 神蔵器 風土 201401
呉竹の風の渇きや帰り花 神田恵琳 春燈 201402
君が来しコロコロの頃帰り花 佐藤喜仙 かさね 201402
むらさきの濃き鉄線の返り花 菅野蒔子 末黒野 201402
一山の返り花吹け一節切(ひとよぎり) 瀬川公馨 201402
日当れば色見失ふ帰り花 本多正子 雨月 201402
咲いて知る一人ぼつちや返り花 北川英子 201402
波音の砲台跡や帰り花 瀬戸悠 風土 201402
山の水に甕伏せてあり返り花 池端英子 ろんど 201402
返り花おそすぎし日へ手をかざす 豊田都峰 京鹿子 201402
解脱てふ色かとおもふ返り花 原友子 201402
落日の墓所の一隅帰り花 本多正子 雨月 201402
良き夢を見るかも八重の返り花 近藤喜子 201402
束の間の友との出合ひ返り花 和田政子 201402
大仰に言ふ帰り花見つけしと 大橋晄 雨月 201402
凡の日のそぞろ歩きや帰り花 横田初美 春燈 201402
病む人の本音ひかへむ帰り花 本多正子 雨月 201402
彼のひとの笑みのなかなる返り花 平子公一 馬醉木 201402
一輪の百花にまさる返り花 山本茂子 末黒野 201403
思ひ出といふ絵になりぬ返り花 熊川暁子 201403
目なじりに潜む炎や帰り花 江島照美 201403
帰り花見せたき若き写真出づ 田村加代 末黒野 201403
光背に残る朱の色返り花 福島せいぎ 万象 201403
冬晴の身を透く白さ返り花 福水尚子 ろんど 201403
こぼしたる言葉拾へず返り花 堀田順子 馬醉木 201403
もう後のない落日や帰り花 沼田巴字 京鹿子 201404
返り花とは一輪が切手ほど 涼野海音 火星 201404
幸せは日溜りに似て返り花 山田正子 201404
雨意含む風を集めて帰り花 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
帰り花備前の風に磨かれて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
何もかも知りたる老い木帰り花 布川直幸 201411
青砥橋に立ち故事しのぶ返り花 遠藤逍遥子 風土 201411
帰り花仰ぎ帰らぬ人想ふ 武政礼子 雨月 201412
昨夜よりの屈託消ゆる返り花 荒木甫 201501
父見舞ふ道の辺桃の帰り花 西郷慶子 201501
帰り花夜ごとの星の輝きに 安立公彦 春燈 201501
火山灰固く付きたる返り花 中田みなみ 201501
閑寂の庭にくれなゐ帰り花 岡真紗子 201501
百花園めぐる日和や返り花 宮原悦子 雨月 201501
胸の火の灯るやうなる帰り花 吉田順子 201501
木瓜の実のしなびて木瓜の帰り花 藤井美晴 やぶれ傘 201501
曇り日をほのと灯して帰り花 中村紀美子 春燈 201502
大寺の朝のしづもり返り花 樺山翠 雨月 201502
へだたりてゐて一対の帰り花 雲所誠子 風土 201502
火山灰固く付きたる返り花 中田みなみ 201502
誰も知らぬこんなところに返り花 戸田澄子 末黒野 201502
振り返る善財童子返り花 雨宮桂子 風土 201502
返り花忘れゐしこと思ひ出す 塩千恵子 201502
暮れ刻のかくまで淡し返り花 森和子 万象 201502
身綺麗に生きる楽しさ返り花 阪倉孝子 201502
お茶断ちを解きたる今朝の返り花 岡淑子 雨月 201502
二の丸の井戸深々と返り花 今井洋子 雨月 201502
帰り花空の青さに咲き出でし 西岡啓子 春燈 201502
返り花声にも空似ありにけり 高橋道子 201502
ソプラノの形見顔なるかへり花 鳥居美智子 ろんど 201502
ベランダの董は返り花見せて 小巻若菜 やぶれ傘 201502
かほどまで廃寺の庭の返り花 水田壽子 雨月 201503
叱られて目を逸らす犬返り花 柴田志津子 201503
旅日記二つ三つの返り花 岡山敦子 京鹿子 201503
噴火後の山裾はいま帰り花 伊藤希眸 京鹿子 201503
降りそそぐ陽のよりどころ帰り花 片山煕子 京鹿子 201503
かくれなき色に咲きゐし返り花 中島讃良 ろんど 201503
帰り花夕ベの静寂深めけり 森清信子 末黒野 201503
噴火後の山裾はいま帰り花 伊藤希眸 京鹿子 201504
田村元偲ぶ議事堂帰り花 大久保白村 ホトトギス 201504
返り花鍵を銜へし狐神 古川夏子 201504
剪定をのがれてゐたる帰り花 白水良子 201504
返り花思ひゐて日の暮れにけり 飛高隆夫 万象 201505
帰り花都心の雨に震へ咲く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201511
一片を天に捧げて帰り花 稲畑廣太郎 ホトトギス 201511
帰り花震へて羽音散らしけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201511
我も又気力で生きん帰り花 稲畑汀子 ホトトギス 201511
帰り花見て帰り花見失ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201511
来し方の迷ひにふれず帰り花 門伝史会 風土 201512
廃坑に午後の陽うすく帰り花 高橋泰子 201601
潮騒の確かなリズム帰り花 横田初美 春燈 201602
帰り花いつか色づく昼の月 齋藤晴夫 春燈 201602
境内に誕生水井戸帰り花 鈴木庸子 風土 201602
一すぢの日差しの移る返り花 山本右近 万象 201602
遠方に白く小さく返り花 上原重一 201602
山の日のたちまち昃る帰り花 藤生不二男 六花 201602
雨音の明るくなりし返り花 戸栗末廣 201603
抽んでて淡き光の返り花 石川叔子 201603
帰り花恋の齢の決意どき 鈴鹿仁 京鹿子 201603
ラジオ体操右向く度に返り花 石田きよし 201603
今は無き駅名なりひら返り花 仙田孝子 風土 201603
帰り花風のままなる姫ぢよをん 堺昌子 末黒野 201603
帰り花ほろほろ零れきたるとき 河野美奇 ホトトギス 201604
ふと呼ばれたるかに逢へし帰り花 河野美奇 ホトトギス 201604
本堂へ喘ぐ返道返り花 山田佳子 201604
人づてに師の訃を知りぬ帰り花 井浦美佐子 201604
咲きながら傷みづつじの返り花 升田ヤス子 六花 201604
老武者の兜に赤緒返り花 松井佐枝子 万象 201605
櫛入れてきのふの軋む返り花 井上菜摘子 京鹿子 201605
廃校に日差したつぷり帰り花 田坂能雄 201606
日のあたるときも淋しき返り花 大橋伊佐子 末黒野 201606
胸の火の灯るやうなる帰り花 吉田順子 201608
真言の心に高き帰り花 竹下陶子 ホトトギス 201611
帰り花とはいへぬほど咲いてをり 稲畑汀子 ホトトギス 201611
止みさうに止みさうに雨帰り花 稲畑汀子 ホトトギス 201611
八月にはや帰り花賑はしく 長崎桂子 あを 201611
返り花どこにも合はぬ鍵一つ 成宮紀代子 201612
紫陽花の帰り花置く水車庵 赤松赤彦 六花 201612
帰り花 →5      

2022年11月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。