帰り花 1    246句

紙を裂く一日のあり返り花     長谷部朝子

帰り花  二度咲  忘れ花

作品
作者
掲載誌
掲載年月
日月の歩みのたしか返り花
鷹羽狩行
199812
八方に気を配りつつ帰り花
丸山佳子
京鹿子
199812
返り花午後の光となりゆける
山田弘子
円虹
199901
返り花海光遠くなるばかり
山田弘子
円虹
199901
返り花して虫媒の誤算あり
丸山海道
京鹿子
199901
たまきはる二度咲き夢咲き狂ひ咲き
奥田筆子
京鹿子
199901
返り花手持ぶさたの手に硬貨
宇都宮滴水
京鹿子
199901
卒塔婆焼く煙ひとすぢ返り花
大塚禎子
春耕
199901
枝々に透ける青空帰り花
湯浅苔巌
円虹
199902
帰り花寄り添ひしごと句碑ふたつ
大谷茂
遠嶺
199902
返り花人に教へて見失ふ
吉田登子
風土
199902
千本の桜の中の返り花
吉田登子
風土
199902
谷越しに噴き湯の櫓返り花
三原清暁
春耕
199902
帰り花検察庁を右隣
木下野生
199903
返り花一重まぶたのやうな風
柴田いさを
船団
199903
黒服の尻が光って返り花
池田澄子
船団
199903
慰霊の碑海に向きゐて返り花
橋本良子
遠嶺
199904
帰り花まさかの鵯に呑まれたる
田村みどり
京鹿子
199904
帰り花日和媼がこんと鳴く
田村みどり
京鹿子
199904
朝空の水のごときへ帰り花
小林希世子
199904
美しき背信藤の返り花
ほんだゆき
馬醉木
199905
声をかけられしやうにも帰り花
稲畑汀子
ホトトギス
199911
日溜りに佇めばまた帰り花
稲畑汀子
ホトトギス
199911
ここよりは入れぬ御陵返り花
稲畑汀子
ホトトギス
199911
昨夜星を仰ぎし空に返り花
稲畑汀子
ホトトギス
199911
帰り花ひそと久女の墓小さし
稲畑廣太郎
ホトトギス
199911
大原の瀬音に覚めて返り花
杉良介
199911
板塀の傾きややに返り花
大場燈児
風土
199911
帰り花に胸襟ひらきすぎしかな
丸山佳子
京鹿子
199911
返り花水折れ曲る音のして
山尾玉藻
火星
199912
久々の友も老いたり返り花
白鳥婦じゑ
酸漿
199912
公平に物が見えきて帰り花
丸山佳子
京鹿子
199912
青雲の心はいまも帰り花
丸山佳子
京鹿子
199912
帰り花恋の齢の決意どき
鈴鹿仁
京鹿子
199912
玉眼の当麻の仁王返り花
朝妻力
俳句通信
199912
祖父燃ゆる炎見つめて返り花
近藤憙治
船団
199912
昼の湯のほてりが衿に返り花
ふけとしこ
船団
199912
朱鷺の子の一羽なりける帰り花
今木偉郎
200001
王冠をなすたんぽぼの返り花
鷹羽狩行
200001
隣り家の八重山吹の帰り花
辻井桂子
俳句通信
200001
老の坂ゆるくてあれや帰り花
斎藤道子
馬醉木
200002
返り花幼帝呑みし渦いまも
山本雅子
馬醉木
200002
倒れある箒の上の返り花
深澤鱶
火星
200002
握り飯芯にぬくみや帰り花
佐藤よしい
風土
200002
亡き夫と語らふ墓や返り花
磯野たか
風土
200002
晩節を考へてゐる帰り花
三橋泥大
遠嶺
200002
帰り花一途といふはさみしくて
北川孝子
京鹿子
200002
日のひかりまぶしむさまに返り花
鷹羽狩行
200002
返り花地蔵のつけし小鈴鳴る
高野清風
俳句通信
200002
返り花だんだん会わなくなるのだろう
星野早苗
空のさえずる
200002
その奥に文人の墓帰り花
水原春郎
馬醉木
200002
返り花忍者屋敷ヘバス送迎
松下幸恵
六花
200002
返り花生命のかぎりふるへ咲く
中川濱子
ぐろっけ
200002
キャンパスは火山学会返り花
細野恵久
ぐろっけ
200002
陽に乞はれ急かされ帰り花
松原到
ぐろっけ
200002
返り花史館に白き石の棺
今井忍
ぐろっけ
200002
ふと過る遠き人びと返り花
斉藤秀子
遠嶺
200003
土間暗き諭吉旧居や返り花
鷹羽狩行
200003
枝先の反りつよきとこ返り花
有吉桜雲
200003
風琴を聞く丘に来て返り花
塩貝朱千
京鹿子
200003
寄道と云ふほどでなし帰り花
椎名書子
200004
下心ありとも見ゆる返り花
渡辺純
京鹿子
200005
湯の量の豊かなるゆゑ返り花
鷹羽狩行
200007
返り花いそぎし亡夫の忘れ物
小島とよ子
新樹光
200007
八重にして色うすうすと返り花
稲畑汀子
ホトトギス
200011
帰り花雨を弾きし気負ひかな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200011
名苑を独り占めして帰り花
稲畑廣太郎
ホトトギス
200011
帰り花吉備津の風に育ちたる
稲畑廣太郎
ホトトギス
200011
帰り花雨に育ちて雨に消ゆ
稲畑廣太郎
ホトトギス
200011
抜き捨てしつもりの鉢に返り花
松崎幹
200101
在りし日の母を知る人帰り花
桜井さだ子
200103
帰り花野良のボス猫ちんまりと
小川葉子
京鹿子
200103
返り花主婦の話のなほつづく
西脇きぬ
京鹿子
200103
撫子のかぼそき茎よ返り花
香取敏江
あを
200103
友の文開ければ匂う返り花
伊藤翠
船団
200105
返り花ふやしてをりぬ鳩の声
内田美紗
船団
200105
立ち寄りし旅の一寺の帰り花
能村登四郎
羽化
200110
紅萩の狂ひ咲きある丈余なり
津田経子
火星
200111
鍬音の絶えし河内野返り花
渡邉友七
あを
200111
返り花天井に鼠やって来た
篠田悦子
海程
200112
一つ見つけて一つのみ返り花
鷹羽狩行
200112
おろかとはさても幸せ返り花
保坂加津夫
いろり
200112
病む人に選ぶ言葉や返り花
大田かづみ
いろり
200112
一片の雲を放ちて帰り花
田中黎子
円虹
200201
帰り花青空に影あるやうな
田中黎子
円虹
200201
朝の日に色得つつあり帰り花
田中黎子
円虹
200201
咲き増ゆることかなはずに帰り花
田中黎子
円虹
200201
風音の通り過ぎたり帰り花
田中黎子
円虹
200201
股のぞきせし眼の前の返り花
志水芳秀
雲の峰
200201
十字墓に復活めける帰り花
升田ヤス子
200201
代役をきつちりこなし返り花
木場田秀俊
200201
父の忌といへば鉄線返り花
高山瑞恵
200201
帰り花いよいよ今を遠くしぬ
神蔵器
風土
200201
くさぐさの返り花あり演習林
鈴鹿野風呂
京鹿子
200202
旅に知る人の情けや返り花
渡辺純
京鹿子
200202
百日の子の笑ひをり帰り花
小田道知
円虹
200202
返り花山間に海煌めきて
大柳篤子
雲の峰
200202
帰り花ゴリラが午後の陽に眠る
川瀬里江
雲の峰
200202
かりそめとおもふ香のあり帰り花
外川玲子
風土
200202
行きすぎて確め戻る帰り花
細川コマヱ
雨月
200202
返り花吾がことのみに日を過し
大坂輝子
百鳥
200202
ふり返る母のおもかげ帰り花
池崎るり子
六花
200202
海光の日和つづきの返り花
長沼三津夫
200202
帰り花ひとり暮しを子が選び
小川美知子
200202
姥のゐて小花の白さ返り花
丸山冬鳳
京鹿子
200202
帰り花仰ぎ帰らぬもの憶ふ
山田弘子
円虹
200202
西行の佇ちたる庭の帰り花
赤井よしを
円虹
200202
帰り花足より大き靴履いて
小林あつ子
火星
200203
胸の刻かの日のままに返り花
徳田千鶴子
馬醉木
200203
返り花黄泉を小出しにするでない
中原道夫
銀化
200203
この世には拘りなくて返り花
町野昭人
遠嶺
200203
先祖より守りし森の帰り花
萩野谷三和
遠嶺
200203
身の内にふくらめるもの返り花
川上恵子
雨月
200203
往きに見て帰途になきもの返り花
有山八洲彦
200204
言い足りぬことありますか帰り花
蓮尾みどり
ぐろっけ
200204
世に少し拗ねし思ひの返り花
足利ロ子
ぐろっけ
200204
日溜りのここが浄土と返り花
飯塚やす子
200206
狂ひ咲く藤よ秋蝉鳴くぞいな
林翔
200210
非常口こんなところに帰り花
丸山佳子
京鹿子
200212
返り花削りし母の桐箪笥
田所敏子
帆船
200212
合戦の地をまなかひに帰り花
林和子
雲の峰
200212
白牡丹狂ひ咲きした露の庭
木内美保子
六花
200212
返り花仔細一切不問とす
小倉斑女
銀化
200212
咲きしとも散りしともなく返り花
岩上とし子
200301
夕月のかけらの白く返り花
乗光雅子
雨月
200301
船頭の棹さす先の返り花
二宮桃代
雨月
200301
只二つ寄り添ふ木瓜の返り花
永岡セツ
酸漿
200301
返り花子にあたたかき木端仏
長沼冨久子
馬醉木
200302
人にウインク日射に甘え返り花
泉田秋硯
200302
唱名のいまや三昧返り花
宮脇ちづる
200302
写されていつも端つこ返り花
木戸渥子
京鹿子
200302
鐘楼に深き黙あり返り花
祐森彌香
遠嶺
200302
干支六つ重ねきし道帰り花
上田繁
遠嶺
200302
返り花山路はすでに暮れてをり
原島ふじ子
遠嶺
200302
金色の茶室三畳返り花
柴田由乃
風土
200302
日の回る寺につつじの返り花
鈴木ゆき子
風土
200302
黄砂降る午前や梨の返り花
桑田眞佐子
火星
200302
追伸の表につづく返り花
吉野知佐
帆船
200302
大和路をタイムスリップ返り花
鈴木昭子
帆船
200302
義経の落ちゆきし径帰り花
立石萌木
雨月
200302
葬送の庭につつじの忘れ花
山ロマサエ
雲の峰
200302
湯の町やうすうす揺るる帰り花
小松鈴子
酸漿
200302
返り花つづく蕾のありにけり
藤井淑子
百鳥
200302
帰り花寂しさの影曳いてをり
高橋房子
200302
真上にて日輪あはし帰り花
糸井芳子
200302
返り花キリシタン遺物資料館
斉藤由美子
ぐろっけ
200302
返り花やさしすぎれば嫌はれて
鎮田紅綜
200303
隠れなきものにつつじの返り花
八染藍子
200303
返り花研師の水にこぼれけり
浜口高子
火星
200303
字余りのやうな影おく返り花
宇田篤子
京鹿子
200303
帰り花つぎつぎ届く喪の便り
伊藤光子
ぐろっけ
200303
白はさみしやみよし野の返り花
中島知恵子
雨月
200304
主婦四十匿名希望帰り花
梶浦玲良子
六花
200305
返り花かすかな夕日先にあり
針谷律子
八千草
200306
返り花ひとつ知覧の特攻碑
塩路隆子
花衣
200307
黒木御所の磴にすみれの帰り花
升田ヤス子
200312
うつり気の雲を気にせず返り花
丸山佳子
京鹿子
200312
かりがねの風やさくらの返り花
浜福恵
風土
200312
当日消印有効投じ返り花
高千夏子
200312
高言のあと蕭条と返り花
秋葉雅治
200401
帰り花去来と名づく店の庭
松崎鉄之介
200401
帰り花咲いて満開とはならず
大石登志美
築港
200401
壇ノ浦幼帝の宮帰り花
岡田有峰
築港
200401
義朝の思ひ海石榴の返り花
鈴木沙万沙
草の花
200401
晴れきつて空の鏡に返り花
平田はつみ
馬醉木
200402
落城の女人哀史や返り花
有島扇水
河鹿
200402
帰り花作務衣の乾く庵の隅
高村洋子
遠嶺
200402
ひつそりと眩しくもあり歸り花
柴田靖子
200402
うしろより声の近づく返り花
宮川みね子
風土
200402
スパイスの大瓶小びん返り花
柿沼盟子
風土
200402
「もしもし」とは携帯の人返り花
二瓶洋子
六花
200402
往き往きて樹海の果ての返り花
徳田正樹
河鹿
200403
敷石のくぼみ真四角帰り花
鳴海清美
六花
200403
思ひきや仏陀の国の返り花
竹内喜代子
雨月
200403
帰り花瞼の重き日なりけり
渡部義雄
200403
返り花全校七名の分校に
松井洋子
ぐろっけ
200403
返り花ほそくはかなげけなげなり
長崎桂子
あを
200404
返り花思ひ出し笑ひのやうに
英龍子
百鳥
200404
早咲きか返り花かと振り向きぬ
薄美津子
対岸
200404
逃げやすき日射しを集め返り花
橘沙希
月の雫
200404
聞き流す術も覚えて返り花
橘沙希
月の雫
200404
返り花羽音幽かに十日経し
田村みどり
京鹿子
200405
さえぎられゐる日差しかな返り花
足立幸信
200405
かの桃子あの桜子か帰り花
山元志津香
八千草
200405
帰り花ふるさと人の心とも
竹下陶子
ホトトギス
200407
狛犬に冷笑されて帰り花
丸山佳子
京鹿子
200408
帰り花形見グラスに一枝挿し
植村よし子
雨月
200411
帰り花めがね通して天仰ぐ
山田六甲
六花
200411
中世のなごりの中庭(パティオ)帰り花
塩路隆子
200412
写経本二冊あれども帰り花
よこたまさみち
帆船
200412
返り花咲いて遠くに父母睦む
神蔵器
風土
200501
帰り花二番札所は東向き
大橋克巳
雲の峰
200501
湯煙の山に色濃き帰り花
神谷信子
雲の峰
200501
鼻歌のぷつんと切れて帰り花
岩波ふみ子
雲の峰
200501
返り花一歩下がればピント合ふ
鎮田紅絲
200501
返り花一点百のさつき鉢
恩田甲
200501
海風を驚いてをり返り花
今瀬剛一
対岸
200501
パイプ椅子並べてありぬ返り花
浜口高子
火星
200501
帰り花目鼻をうすく描いてみる
沼田巴字
京鹿子
200501
帰り花そのうち人は仙人に
沼田巴字
京鹿子
200501
藤一房夫丹精の返り花
西島みね子
八千草
200501
本来の色より薄き返り花
五十嵐道夫
築港
200501
帰り花しづかに刻の流れをり
前迫寛子
河鹿
200502
由布岳の霧狂ひ咲きたる山つつじ
長谷川史郊
馬醉木
200502
真間の井の古りし釣瓶や返り花
木暮剛平
万象
200502
雀来る庭に苺の返り花
大坪景章
万象
200502
村道の湖に絶え帰り花
相馬計太
帆船
200502
またひとつ日に向ひをる返り花
植木戴子
200502
返り花思はぬ人と立話
庄野房女
築港
200502
ふるさとの校歌の山河返り花
松林順子
雨月
200502
先生と生徒同数返り花
島内美佳
ぐろっけ
200502
帰り花予後口実に怠け癖
元吉竹瓶子
200502
帰り花松浦武四郎過ぎし坂
岩崎靖子
200502
バーベルの端たんぽぽの返り花
山尾玉藻
火星
200502
返り花一片の見得なほ持てり
藤岡紫水
京鹿子
200502
帰り花活水の神と崇められ
角直指
京鹿子
200502
帰り花光陰われに過ぎやすし
角直指
京鹿子
200502
帰り花母の紬に手を通す
冨永道子
百鳥
200502
けいじ亡し高嶺さくらの返り花
神蔵器
風土
200502
返り花幼なき梅の木でありし
工藤ミネ子
風土
200502
被害妄想の人越して来て帰り花
林裕美子
六花
200502
池の面の太陽眩し返り花
三関浩舟
栴檀
200502
返り花色なき空の昏るるとき
斎藤棹歌
200502
人の世の定年はなし返り花
田中矢水
遠嶺
200502
好日の予感ありけり返り花
宮倉浅子
遠嶺
200502
旧道の下に新道帰り花
片野美代子
酸漿
200503
返り花日のよく当る石畳
岡田洋子
対岸
200503
帰り花光琳笹へ洩る日差
田中峰雪
雨月
200503
ゆくりなく訪ひし染寺帰り花
仙石君子
雨月
200503
返り花鵜籠きちんと積まれあり
浜口高子
火星
200503
知らぬ問に声掛けてをり帰り花
丸山敏幸
200503
からからと四方の風鳴る返り花
前田永子
200503
庭梅の杖の先なる返り花
岡田佳世子
栴檀
200503
返り花かつて翁が天嶽寺
小澤克己
遠嶺
200503
亡き人の温もり想ふ帰り花
内田稔
遠嶺
200503
菊坂の廂間つつじの返り花
大山夏子
200503
峡ふかく約束のごと帰り花
佐々木ひさこ
築港
200504
万葉の植物園の返り花
中沢三省
風土
200504
うすうすと日が差す方に返り花
館容子
200504
その数の返り花とも思はれず
白鳥彰子
200504
返り花八十路の坂は下りのみ
岩谷丁字
春燈
200505
風狂の系図なるらし返り花
川克
遠嶺
200506
返り花一枝どうぞと言はれても
丸山佳子
京鹿子
200510
陰神のもとに小さな返り花
滝沢伊代次
万象
200511
執念で生くる余生の帰り花
益田寿美子
春燈
200512
捨て墓に海鳴りばかり返り花
迫田克子
河鹿
200601
返り花空碧ければ空に溶け
船津昭夫
四葩
200601
港見ゆる丘にユッカの返り花
松崎鉄之介
200601
返り花銀ひとひらの忘れもの
安田優子
京鹿子
200601
耳に残るアリアの余韻返り花
奥田弦鬼
風土
200601
仰がるるものにあをぞら返り花
冨円正吉
200601
軒先の干し魚の籠帰り花
鮫島禮子
河鹿
200602
木の椅子に木のぬくもりや帰り花
久保田妙
百鳥
200602
帰り花我が影ばかり濃かりけり
糸川草一郎
百鳥
200602
目つむれば母の顔あり帰り花
中谷信子
百鳥
200602
東塔と西塔めぐり帰り花
三好かほる
万象
200602
しづかなる峡の月日や帰り花
大橋淳一
雨月
200602
仰ぐ位置変へて眺める帰り花
足利ロ子
ぐろっけ
200602
少年に言葉を選ぶ帰り花
柴田佐知子
200602
人影のなき道場や返り花
田中正子
百鳥
200602
ふるさとの家解かれゆく返り花
古賀勇理央
百鳥
200602
慰めの言葉をさがす返り花
斉藤阿津子
百鳥
200602
托鉢の出てゆく門や返り花
木暮剛平
万象
200602
Bクラスの暮しの安し返り花
松崎鉄之介
200602
返り花たのしむことも遠忌なれ
宮津昭彦
200602
大仏の空の暮れそむ返り花
杉浦典子
火星
200602
雨だれの間遠となりし返り花
垣岡暎子
火星
200602
足慣らす庭の水やり返り花
相沢有理子
風土
200602
生き方を問はれてをりし帰り花
福永政江
河鹿
200603
楽しさの後の虚や返り花
和田照子
200603
返り花ゆき交ふ人を誰も知らず
西宮舞
200603
返り花猫が棲みつく耶蘇の墓
大栗須美子
万象
200603
返り花墓にも水を供へけり
福岡もも
百鳥
200603
これからを生き甲斐とせむ返り花
小野寺節子
風土
200603
三つまではさびしき数や帰り花
島谷征良
風土
200604
返り花誰にも夢の二つ三つ
芳賀雅子
遠嶺
200604
帰り花ちよつと流れにさからひて
服部早苗
200605
帰り花旧知のごとく仰ぎけり
早川紀子
200605
ビル風のかくも強きに返り花
佐藤佐代子
200605
父母に孝の足らざる返り花
環順子
夢帽子
200608
いつも日の当る枝あり帰り花
稲畑汀子
ホトトギス
200611
雨風に耐ふる力よ帰り花
稲畑汀子
ホトトギス
200611
日だまりと限らぬ場所に返り花
稲畑汀子
ホトトギス
200611
帰り花 2→      

2022年11月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。