除夜の鐘 1      200句

除夜の鐘聞くぞ見るぞとテレビ拭く   前田四郎   金属地帯

除夜  除夜の鐘  除夜詣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
除夜の鐘僧の反り身を月光に 山田弘子 春節 199503
東大寺鎮めて除夜の鐘を撞く 柏井幸子 円虹 199903
除夜の鐘撞きし余韻に吾とゐる 大橋敦子 雨月 199903
除夜の鐘ちゝはゝの代は灯の乏し 熊懐享伸 199904
生涯二人勞り合うて除夜の鐘 川端実 寒昴 199907
山国の闇うごき出す除夜の鐘 鷹羽狩行 200001
大寺の鐘磨かれて除夜を待つ 水原春郎 馬醉木 200002
用ひとつ忘れ心地に除夜の鐘 岩崎きゑ子 馬醉木 200003
除夜の鐘撞けば月光膚を刺す 石本秋翠 馬醉木 200003
除夜の鐘地球の臼歯欠けてをり 松林尚志 200003
世紀末迎へる響き除夜の鐘 内海芙美子 200003
子の夜具の端を直せば除夜の鐘 山崎赤秋 春耕 200003
大犬座小犬座澄めり除夜の鐘 石本秋翠 馬醉木 200004
除夜の鐘臼杵の石仏まで響く 永野秀峰 ぐろっけ 200004
除夜の鐘打たれし風をもらいけり 伊藤翠 船団 200006
百幹を縫ひくる除夜の鐘とこそ 大槻右城 ホトトギス 200007
除夜の鐘聞くより走る初詣 松崎鉄之介 200101
除夜の鐘二十世紀の余韻とも 林翔 200102
除夜の鐘霏々たる雪に撞きにけり 大橋敦子 雨月 200102
除夜の鐘アダムとイヴでありにけり 保坂加津夫 いろり 200102
除夜の鐘祝がるる身となってゐし 大平保子 いろり 200102
除夜の鐘心の声を聞きしかな 重高涌子 遠嶺 200104
世紀末答は出さず除夜の鐘 池田久恵 ぐろっけ 200104
除夜の鐘押し出してくる新世紀 高木伸宜 船団 200105
征かざりし吾にひけめの除夜の鐘 佐藤海史 船団 200105
またひとつ過去を遠ざけ除夜の鐘 桑垣信子 いろり 200202
泌々と終りなき世の除夜の鐘 保坂さよ いろり 200202
除夜の鐘看取り日誌の筆をおく 正木光子 いろり 200203
除夜の鐘恙なく聞く幸思ふ 中野辰子 いろり 200203
除夜の鐘最後の一打祈りつつ 大田かづみ いろり 200203
除夜の鐘母のみが知る若き父 小山内巌 百鳥 200204
列島の闇真新し除夜の鐘 廣井良介 円虹 200204
鐘楼の向こうに残る除夜の月 齋部千里 ぐろっけ 200204
除夜の鐘柱時計は十二打つ 宮原みさを 花月亭 200208
風の音をりをりはさみ除夜の鐘 鷹羽狩行 200301
何見るでなく外を覗く除夜の鐘 加藤みき 200302
除夜の鐘煩悩いまだ消えずして 高野荘司 築港 200302
げきを過ぐ白馬や除夜の鐘が鳴る 王岩 あを 200302
百八つの豆もて数へ除夜の鐘 内山芳子 雨月 200303
どの家もあかりを点し除夜の鐘 市橋幸代 築港 200303
天上の星に達する除夜の鐘 上原一郎 築港 200303
列に縦き梵妻も撞く除夜の鐘 打田みえ 築港 200303
除夜の鐘聞き帰り来ぬ猫を待つ 榎本みや 築港 200303
除夜の鐘聞きゐて病者何想ふ 揚原れい子 築港 200303
遠くより闇を破つて除夜の鐘 扶川豊子 築港 200303
家の音消して聞き入る除夜の鐘 国包澄子 築港 200303
一打ききあとは瞑想除夜の鐘 雲所誠子 帆船 200303
手を合はせ臥して聞くなり除夜の鐘 白石秀雄 酸漿 200303
父母に問ふ事の多しや除夜の鐘 間宮陽夫 馬醉木 200303
悲しみを追放除夜の鐘一打 石岡祐子 200304
菩提寺の除夜の鐘なり盤渉ぼんせき調 水島夜雨 京鹿子 200304
息つめて鎮もる木々や除夜の鐘 城石美津子 京鹿子 200304
願ふ事謝すこと多し除夜の鐘 牧咲子 京鹿子 200304
交番に届いてゐたる除夜の鐘 森岡芳樹 200312
血脈は同じ町なり除夜の鐘 遠野萌 200312
除夜の鐘間合ひ思ひに従はず 細野恵久 ぐろっけ 200312
初島の灯も東京よ除夜の鐘 白岩三郎 馬醉木 200402
櫓の音の離れて行くや除夜の鐘 土生逸磨 河鹿 200403
身がまへる程なき雪や除夜の鐘 土生逸磨 河鹿 200403
除夜の鐘つきて焚火の輪に入りぬ 沖増修治 百鳥 200403
年といふ大戸打ちては除夜の鐘 鷹羽狩行 200403
除夜の鐘近所へ一つ撞きにゆく 東亜未 あを 200403
厨ごと終らず除夜の鐘を聞く 加納花子 築港 200403
渾身の力女の除夜の鐘 小澤友江 築港 200403
祇王寺を訪ふ道すがら除夜の鐘 林友次郎 遠嶺 200404
独り家に森閑と聴く除夜の鐘 梁瀬照恵 ぐろっけ 200404
鐘を打つ渾身の反り除夜の僧 橘沙希 月の雫 200404
いのち濃く余生過ごさむ除夜の鐘  橘沙希 月の雫 200404
除夜の鐘かぞへて何も考へず 山元志津香 八千草 200406
煩悩も若さの証明除夜の鐘 漢隆司 八千草 200407
鐘聞かぬこといくとせぞ除夜の星 鷹羽狩行 200501
除夜の鐘選句の中にまでひびく 鷹羽狩行 200501
西箇原村無量寺除夜の鐘を撞く 鈴木榮子 春燈 200501
つくつく鐘をつくつく除夜の鐘 鈴木榮子 春燈 200501
除夜の鐘主役の僧の袖襷 鈴木榮子 春燈 200501
楽にする話ぽつぽつ除夜の鐘 森理和 あを 200502
打ち出しの音おごそかや除夜の鐘 木村茂登子 あを 200502
除夜の闇遠ざかり行く鐘の音 柴田毅 築港 200502
除夜の鐘犬は遠吠えしてをりぬ 清水澄江 築港 200503
妻よりも娘の撞く除夜の鐘響く 大橋晄 雨月 200503
恙なく七十路越えし除夜の鐘 小池とみを 雲の峰 200503
災害の多き年逝く除夜の鐘 沼口蓬風 河鹿 200503
奇術種明かせし除夜の鐘半ば 丸井巴水 京鹿子 200503
除夜の鐘湯浴みの湯気の中までも 中野京子 200504
除夜の鐘余生は川のごと流れ 白井剛夫 200504
主綱の僧衣地を擦る除夜の鐘 一民江 馬醉木 200504
山伏の念々に撞く除夜の鐘 鈴木漱玉 馬醉木 200512
除夜の鐘つく古寺の町内に 鈴木榮子 春潮 200602
除夜の鐘打ち胸中の清浄たり 大橋敦子 雨月 200602
除夜の鐘消えゆく果の思はるる 大橋敦子 雨月 200602
長生きの胸中占むる除夜の鐘 芝生南天 河鹿 200603
風呂に聞く湖こえて除夜の鐘 富田志げ子 酸漿 200603
雲の間に星を殖やして除夜の鐘 峰尾秀之 200604
除夜の鐘厨に祈り膝まづく 片田千鶴 馬醉木 200604
朱きもの捨てられぬ儘除夜の鐘 川畑はるか 遠嶺 200604
不義理一つ二つ三つ四つ除夜の鐘 佐々木新 春燈 200604
帰郷して除夜の鐘撞く列に入る 宮原利代 ぐろっけ 200604
青竹の手すりを伝ひ除夜の鐘 石川とみ子 栴檀 200604
鏡中に母を見てゐる除夜の鐘 小張志げ 春燈 200612
音たてて時ながれだす除夜の鐘 鷹羽狩行 200701
除夜にぎやかに寺の鐘船の笛 鷹羽狩行 200701
古地図にある寺なり除夜の鐘撞きに 鈴木榮子 春燈 200702
テレビ見て除夜の鐘聞く病後かな 大橋敦子 雨月 200702
数の子のすぢ妻と取り除夜の鐘 三嶋隆英 馬醉木 200703
いつの間に子守歌めく除夜の鐘 大塚初江 200703
除夜の鐘聞きつつ戻る不動坂 小松渓水 酸漿 200703
米磨ぐは日本の形除夜の鐘 東亜未 あを 200703
大字も小字もわたる除夜の鐘 樋口みのぶ 200704
開く窓に闇のさざなみ除夜の鐘 小島みつ代 200704
病みてこそしみじみ数ふ除夜の鐘 小島みつ代 200704
臍の緒も齢八十除夜の鐘 尼嵜太一郎 ぐろっけ 200705
百八で足らぬ煩悩除夜の鐘 稲畑廣太郎 ホトトギス 200712
鐘楼の闇ひるがへし除夜の僧 鷹羽狩行 200801
除夜の鐘余白のやうな刻のあり 宮本幸子 京鹿子 200801
砂曼荼羅砂に戻れり除夜の鐘 栗栖恵通子 200803
星々の除夜の鐘の音鳴つてをり 中野京子 200803
山々のこだまを呼びて除夜の鐘 山口天木 雨月 200803
除夜の鐘瞑れば遠き日々のあり 山口天木 雨月 200803
除夜の鐘聞きつつ睡眠薬含む 星佳子 200803
一打ごと闇を震はせ除夜の鐘 尾生弘子 200804
除夜の鐘厨明りのまだ消えず 戸高郁子 200804
衆僧の揃ふ気迫や除夜の鐘 刈米育子 200804
受験子の気迫の一打除夜の鐘 鎌須賀礼子 万象 200804
天狼の瞬き除夜の鐘に和す 廣瀬義一 雨月 200804
菩提寺に撞く百貫の除夜の鐘 廣瀬義一 雨月 200804
床に入り祈りと共に除夜の鐘 大空純子 ぐろっけ 200804
除夜の鐘ふと気がつけば三十代 倉持梨恵 200804
いつもより近く聞こゆる除夜の鐘 坂本知子 酸漿 200804
後戻りできぬ扉や除夜の鐘 神原徳茂 遠嶺 200804
除夜の鐘撞く伴僧と息合はせ 廣瀬義一 雨月 200804
天心に月あげ除夜の鐘殷々 廣瀬義一 雨月 200804
除夜の鐘に応ふ昴の瞬きか 廣瀬義一 雨月 200804
除夜の鐘さりげなく聞く喪中かな 久永つう 六花 200805
夫の名の寄進提灯除夜の鐘 井口淳子 200903
東山の闇蒼々と除夜の鐘 刈米育子 200903
除夜の鐘撞き来て葛を溶きにけり 服部鹿頭矢 馬醉木 200903
妻とゐて丈夫を謝する除夜の鐘 佐藤健伍 200903
山に撞く除夜の鐘の音沖に消ゆ 久本久美子 春燈 200903
仕舞湯の窓辺に届く除夜の鐘 菊池由惠 酸漿 200903
除夜の鐘異国の家族列にをり 吉野さと 酸漿 200903
嬰児を囲み聞入る除夜の鐘 岩上定子 酸漿 200903
除夜の鐘母のまどろみとどまらず 笹村政子 六花 200903
除夜の鐘八十五歳の余韻なり 小澤正信 200904
除夜の鐘聞いて迎へし余生かな 小澤正信 200904
除夜の鐘真つ暗にして眠りけり 倉持梨恵 200904
新宿に娼婦と聴きし除夜の鐘 竪山道助 風土 200904
除夜の鐘しみじみ聞いてゐて独り 村上美智子 雨月 200904
輪袈裟かけをさな子除夜の鐘を撞く 有賀昌子 やぶれ傘 200905
除夜の鐘虎の目覚むるめでたさよ 八木実 201002
甦りくるもののあり除夜の鐘 八木実 201002
偕老の恙無かりし除夜の鐘 北尾章郎 201003
万感の息こもごもに除夜の鐘 岡田和子 馬醉木 201003
十方の闇を貫き除夜の鐘 足立典子 雨月 201003
除夜の鐘妻と睦まじ八十余年 佐藤健伍 201003
満月を星あふぎ聞く除夜の鐘 伊藤いな栄 酸漿 201003
船笛にまじりて遠く除夜の鐘 村上洋子 201003
煩悩を拭ひ切れざり除夜の鐘 小林久子 201003
除夜の鐘願ひをこめて一つ突く 筏愛子 201004
牛小屋も除夜の鐘待つばかりなり 秋千晴 201004
はじまりもしんがりもなし除夜の鐘 久米なるを 201004
かがり火の炎ひきよせ除夜の鐘 西村純太 201004
気にかかること持ち越して除夜の鐘 近藤倫子 ぐろっけ 201004
除夜の鐘初の一撞僧が撞く 吉野さと 酸漿 201004
満月の空をわが家へ除夜の鐘 松村光典 やぶれ傘 201006
除夜の鐘一打一打の音色かな 貫井照子 やぶれ傘 201006
皓皓と除夜の満月鐘の声 貫井照子 やぶれ傘 201006
うとうとと除夜の鐘聴く寝酒かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201010
坂の上の大き寺より除夜の鐘 島谷征良 風土 201101
燃えきれぬ年を置き去る除夜の鐘 布川直幸 201101
星数の多き故郷除夜の鐘 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201102
頼られし頃の母恋ひ除夜の鐘 岡佳代子 201103
余生とは今生きること除夜の鐘 大島みよし 201103
孫嫁して膳一つ減る除夜の鐘 鈴木良戈 201103
戦なき時代をひらく除夜の鐘 鴨下昭 201103
妻と聞く傘寿の歳の除夜の鐘 佐藤健伍 201103
除夜の鐘ひとつは山の深きより 川端俊雄 火星 201103
除夜の鐘厨のメモを剥がしをり 木野裕美 ぐろっけ 201103
古寺の僧の雄叫び除夜の鐘 木村茂登子 あを 201103
仕舞湯をたあっぷりにして除夜の鐘 斉藤裕子 あを 201103
除夜の鐘手にクリームを塗りながら 浜福惠 風土 201104
どの部屋も小菊のにほふ除夜の鐘 城孝子 火星 201104
沈みゆく百合の香外は除夜の鐘 中島讃良 ろんど 201104
わが人生いよよ静かに除夜の鐘 家塚洋子 酸漿 201104
除夜の鐘部屋に聞きつつ一人なり 家塚洋子 酸漿 201104
故郷の菩提寺に撞く除夜の鐘 塩見治郎 雨月 201104
また君に恋して除夜の鐘を聴く 高橋龍 201105
千年を変らぬ僧衣除夜の鐘 鈴木榮子 繭玉 201105
除夜の鐘百六つ目を撞きにけり 有賀昌子 やぶれ傘 201106
ゆるやかに記憶をめくる除夜の鐘 安居正浩 201202
煩悩解く七十噸の除夜の鐘 高谷栄一 201203
平成の疎開尾をひき除夜の鐘 藤原照子 201203
除夜の鐘並びて撞きて尼僧寺 鈴木榮子 春燈 201203
除夜の鐘無垢の一音響きけり 池田光子 201203
緞帳の降り来るように除夜の鐘 塩千恵子 201203
除夜の鐘絆をつなぐ余韻かな 松嶋一洋 201203
痩身を試み挫折除夜の鐘 石脇みはる 201203
べらぼうめ除夜の鐘つく談志かな 瀬川公馨 201203
ひ孫来て卒寿の母と除夜の鐘 丸山酔宵子 かさね 201203
捲き戻しきかぬ人生除夜の鐘 木村茂登子 あを 201203
職退きて除夜の鐘待ち仕舞風呂 太田良一 末黒野 201204
窓開けて一打待ちけり除夜の鐘 太田良一 末黒野 201204
百人が百様に撞く除夜の鐘 布施由岐子 末黒野 201204
芒々と連れ去る月日除夜の鐘 金田けいし ろんど 201204
病棟にきけばききほる除夜の鐘 北村香朗 京鹿子 201204
道行は老人ホーム除夜の鐘 平田恵美子 ぐろっけ 201204
進むみち語りつきぬや除夜の鐘 古林田鶴子 ぐろっけ 201204
除夜の鐘厨の音は妻の音 中村是空 万華鏡 201206
除夜の鐘終の一つに汽笛鳴る 菅原孟 かさね 201212
寝返りす横に夫なし除夜の鐘 斉藤裕子 あを 201302
病室の夫にも響け除夜の鐘 斉藤裕子 あを 201302
村人の一人一打や除夜の鐘 小林朱夏 201302
幸少しそれがなにより除夜の鐘 橋本靖子 201303
白寿まで六年は直ぐ除夜の鐘 宮地静雄 末黒野 201303
除夜の鐘聞きつ出発ロシア船 秋田直己 ぐろっけ 201303
髮洗ふ間のもどかしや除夜の鐘 木村茂登子 あを 201303
七つボタンのむかし土浦除夜の鐘 鴨下昭 201304
葦原の闇を均せり除夜の鐘 垣岡暎子 火星 201304
耳なりに和してしづめり除夜の鐘 藤兼静子 201304
八十年生かされ除夜の鐘近し 村上絢子 馬醉木 201304
戸締りは夫の役割除夜の鐘 史あかり ぐろっけ 201304
茫々の闇に溶け込み除夜の鐘 石黒興平 末黒野 201304
黒豆の艶よく煮えて除夜の鐘 堺昌子 末黒野 201304
煩悩の殘り大切除夜の鐘 竹貫示虹 京鹿子 201312
熊肉を食べしほてりや除夜の鐘 山田六甲 六花 201401
風に乗り渡り来るなり除夜の鐘 曽根京子 春燈 201403
除夜の鐘しづかな波紋届きをり 小田里己 201403
除夜の鐘十ほど聴いて床に入る 田中藤穂 あを 201403
除夜の鐘聞かずに眠る齢かな 三枝正子 万象 201403
除夜の鐘余韻は星の辺に向かふ 布村松景 春燈 201403
選ばれし僧渾身の除夜の鐘 碇天牛 雨月 201403
エンディングノート未完や除夜の鐘 山田愛子 201403
よきことの余所にあるらし除夜の鐘 深澤鱶 火星 201404
暗闇を静かにひらく除夜の鐘 鴨下昭 201404
満天の星にも届け除夜の鐘 三橋玲子 末黒野 201404
除夜の鐘きこえくるかに目を閉ぢて 水谷直子 京鹿子 201404
除夜の鐘ラジオもて聴く余韻かな 大西由美子 春燈 201404
除夜の鐘皿鉢洗ふ音忙し 久世孝雄 やぶれ傘 201404
荒彫の能面膝に除夜の鐘 乗光雅子 雨月 201501
七鉢の蘭蕾ある除夜の鐘 田中藤穂 あを 201503
黒豆も上手に煮えて除夜の鐘 斉藤裕子 あを 201503
除夜の鐘六腑の底に響きをり 黒住康晴 201503
雪のなか静かにひびく除夜の鐘 廣瀬将也 201503
尻取りは阿吽で締むや除夜の鐘 呉文宗 春燈 201503
そばを打つ音を継ぎけり除夜の鐘 物江康平 春燈 201503
除夜の鐘数へて折れる撞木町 丸井巴水 京鹿子 201504
思ひ込む癖の始まり除夜の鐘 松田都青 京鹿子 201504
除夜の鐘百八つ目は夢の中 渡辺和夫 ろんど 201504
三十三札所その一除夜の鐘 下山田美江 風土 201504
百八つを超えて凡夫の除夜の鐘 辻田玲子 雨月 201504
故郷の檀家総出の除夜の鐘 塩見治郎 雨月 201504
木の間より月の眩しき除夜の鐘 田中たつを 雨月 201504
闇もこころも共に縫ひけり除夜の鐘 寺田すず江 明日葉 201505
除夜の鐘一打の余韻惜しみけり 松田明子 201506
故里は一村一寺除夜の鐘 堀上一成 馬醉木 201603
除夜の鐘妻と共に聞きにけり 佐藤健伍 201603
除夜の鐘撞く行列に並びけり 瀬島洒望 やぶれ傘 201603
除夜の鐘耳をすませば異次元へ 五十嵐章子 201604
街の灯を伝ひ伝ひて除夜の鐘 山口登 末黒野 201604
女湯に小さなふぐり除夜の鐘 竹内悦子 201604
故郷は都会となりぬ除夜の鐘 仲里奈央 201604
おんおんと被爆地渡る除夜の鐘 小谷一夫 201604
聞こえ来は尾張高野か除夜の鐘 服部珠子 雨月 201604
句読点打つがごとくに除夜の鐘 石山博志 201604
笑顔の妻の写真見上げる除夜の鐘 中江月鈴子 201701
家計簿を赤字で締めて除夜の鐘 足立良雄 201704
波音に消されてしまふ除夜の鐘 小林朱夏 201703
頭に添ひし枕の中を除夜の鐘 宮井知英 201704
除夜の鐘半ばでありし祈祷(いのり)かな 竹内悦子 201704
除夜の鐘しみゆく闇の深さかな 森清信子 末黒野 201704
堂裏の藪をゆるがし除夜の鐘 森清信子 末黒野 201704
除夜の鐘撞くてふ妻や梳る 田中臥石 末黒野 201704
足早に過ぎ行く齢除夜の鐘 菅野日出子 末黒野 201704
除夜の鐘とどく心の平かな 滝沢いみ子 末黒野 201704
村寺の遅れて撞きぬ除夜の鐘 佐藤三男 万象 201704
除夜の鐘雪の遠音となりにけり 三村純也 ホトトギス 201705
除夜の鐘撞くや星屑きらきらと 松本三千夫 末黒野 201803
弁慶の鐘や即ち除夜の鐘 志方章子 六花 201804
渾身の感謝の一打除夜の鐘 安江筍子 雨月 201804
海鳴りや妻の一打の除夜の鐘 田中臥石 末黒野 201804
立ち上る篝の炎除夜の鐘 岡野里子 末黒野 201804
薪の火のくづるる音や除夜の鐘 志藤章 末黒野 201804
除夜の鐘けふがあしたとなるばかり 児玉充代 201806
除夜の鐘けふがあしたとなるばかり 児玉充代 201806
一年の良きも悪しきも除夜の鐘 吉川隆 春燈 201903
簪のそよ揺れ除夜の鐘三つ 丸井巴水 京鹿子 201903
除夜の鐘捨てる女のしみと皺 安田優歌 京鹿子 201903
平成の終章しかと除夜の鐘 堀康代 馬醉木 201904
母すでに深き眠りへ除夜の鐘 柴田佐知子 201904
平成の終の響きや除夜の鐘 田中臥石 末黒野 201904
除夜の鐘 →2      

 

2022年12月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

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