除 夜       72句

除夜零時過ぎてこころの華やぐも    山口誓子

除夜  除夜の鐘  除夜詣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
高張は菊の御紋や除夜の寺 柏井幸子 円虹 199903
除夜の星よく働きし手を洗ふ 宮尾直美 199904
かく星のあふるる城下町の除夜 渡邊牢晴 雨月 200002
モノクロの昔を今に除夜映画 林翔 200102
一斉に除夜の汽笛や横浜港 大熊庸介 200103
除夜汽笛終へぞろぞろと埠頭去る 大熊庸介 200103
除夜までのせつなきひるを飲食す 深澤鱶 火星 200103
除夜しんしんのこりし者の聖戦は 佐藤海史 船団 200105
除夜あかりして榛の木のあたり見ゆ 岡井省二 200107
怱忙のこの一年も除夜となり 能村登四郎 羽化 200110
除夜となりぬ我より若き人逝かせ 能村登四郎 羽化 200110
否応もなく除夜の暦のはがさるる 能村登四郎 羽化 200110
すべすべの足裏そろへ除夜枕 丸山佳子 京鹿子 200201
電池みな替へて除夜の時合はす 宇都宮滴水 京鹿子 200201
絵馬堂に除夜臘涙のうづたかき 塩原昌子 200203
銀箔月除夜の遺体を確かめる 品川鈴子 ぐろっけ 200301
厨着の熱気さめをり除夜の月 岡田和子 馬醉木 200303
終章の和音を胸に除夜い寝む 村上光子 馬醉木 200303
おほかたは海の上なる除夜の星 鷹羽狩行 200403
懸命に伸びて切らるる除夜の爪 河西みつる 草の花 200403
除夜用意撞木に白き布を巻き 加藤白狼子 築港 200403
除夜に聴く高野四郎の百八打 藤田かもめ 200404
除夜の闇在港船の汽笛鳴る 柴田毅 築港 200502
除夜の僧電気バリカン充電す 本多遊方 春燈 200502
除夜の湯に明日への手足伸ばしをり 松林順子 雨月 200504
空無こそわが道ならむ除夜の雪 小澤克己 雪舟 200506
これからのことはきつちり除夜の雪 宮澤さくら 今生 200510
片足を上げて見送る除夜の鶏 竹貫示虹 京鹿子 200512
をちこちの汽笛響けり除夜の船 木暮剛平 万象 200603
何が善何が悪かと迷ふ除夜 寺島順子 雨月 200604
百八つの除夜の一打に馳せ参ず 鈴木榮子 春燈 200702
除夜の音に神楽囃子も聞えけり 坂本知子 酸漿 200704
寝返りの打てる寧けさ除夜更くる 八木下巌 200704
大まかに見て良き年や除夜の風呂 金山千鳥 酸漿 200803
除夜の闇日本海の怒濤より 竹下陶子 ホトトギス 200806
本殿に灯の入り除夜のお焚き上げ 廣瀬雅男 やぶれ傘 200902
除夜の灯に大仏殿の浮びけり 服部鹿頭矢 馬醉木 200903
記紀の世は闇深からむ除夜神楽 益本三知子 馬醉木 200903
待たせたる除夜の枕をなぜ合掌 丸山佳子 京鹿子 200904
一団の声の過ぎゆく除夜の闇 園多佳女 雨月 200904
山寺の除夜の息づき殷々と 布川直幸 201001
錨泊の闇が高鳴る除夜汽笛 遠藤真砂明 201003
うつ伏せに流れてゐたり除夜の川 岡部玄治 201102
除夜の湯につるりと顔を拭ひけり 久世孝雄 やぶれ傘 201104
聖鐘やしろがね長き除夜の水尾 荒井千佐代 201203
仕舞湯に身を沈めては除夜を過ぐ 田代貞枝 201203
飴切つて切つて門前町の除夜 千田百里 201303
除夜一打こころの中へ灯を入れて 大島翠木 201303
除夜の星ひとつは弱きひかりかな 井山幸子 万象 201304
長短針重なる時刻除夜が鳴る 松田都青 京鹿子 201304
除夜に響くテーマパークの花火かな 濱野新 やぶれ傘 201304
煩悩の抜けきらぬまま除夜の過ぐ 川井秀夫 末黒野 201404
神さぶる一の太鼓や除夜の杜 滝澤圭子 雨月 201404
神水の音を畏む除夜の闇 滝澤圭子 雨月 201404
船笛の美声嗄声や除夜祀る 田中貞雄 末黒野 201404
おほみかみゐましし宮の除夜かがり 山田六甲 六花 201501
狐火のやうな灯除夜の堂 小林輝子 風土 201503
三分計もう一度返し除夜とする 豊田都峰 京鹿子 201503
時待つに除夜の笛吹く薬缶かな 藤丸誠旨 春燈 201503
樽酒を囲む声高雪の除夜 藤原照子 201603
一斉に船の汽笛や除夜の海 吉田きみえ 末黒野 201604
夫病みて柱の黙と除夜を聴く 安田優歌 京鹿子 201804
夫病みて柱の黙と除夜を聴く 安田優歌 京鹿子 201901
悠久を区切る除夜とふ通過点 密門令子 雨月 201903
鎮もりて平成終の除夜迎ふ 密門令子 雨月 201903
月光と浸れり除夜の露天風呂 土井三乙 風土 201903
限り無き世事に翻弄されて除夜 田岡千章 201907
除夜の夜の場末に猫の会議あり 山田六甲 六花 202001
除夜篝ときに咆哮したりけり 升田ヤス子 六花 202004
一山の除夜を揺さぶる法鼓かな 大川暉美 末黒野 202104
除夜の海汽笛こもごも鳴り交はし 塚原紀代子 風土 202201

 

2022年12月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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