一の酉   56句

一の酉雨にこもりて一人酒    藤野寿子

酉の市  一の酉  二の酉  三の酉  熊手市

作品
作者
掲載誌
掲載年月
降りいでて肩重くなる一の酉 武藤嘉子 200101
日輪の雲間に小さく一の酉 武藤嘉子 木椅子 200102
板前は教へ子なりし一の酉 能村登四郎 200108
一の酉金太郎飴を見つけたり 保坂加津夫 いろり 200112
めづらしく夫に誘はる一の酉 加藤富美子 200201
後引の白木を濡らす一の酉 亀丸公俊 銀化 200201
夜に入る手締増えたる一の酉 後藤志づ あを 200201
植替のすみし万年青や一の酉 戸田喜久子 200202
くず餅のまっ赤な幟一の酉 竹内弘子 あを 200202
暮れそめてどつと人出の一の酉 稲畑汀子 ホトトギス 200211
売声に聞覚えあり一の酉 石添火人 帆船 200301
気がつきし時は過ぎをり一の酉 今井千鶴子 ホトトギス 200304
早寝せり月のはじめの一の酉 青山丈 200304
外套を着しは昔の一の酉 橘澄男 山景 200408
一の酉過ぎの男の訃なりけり 伊藤白潮 200412
まつさらの印半纏一の酉 鈴木清子 遠嶺 200502
人混みは日本語ならず一の酉 堀内一郎 あを 200511
神主は掻つ込み知らず一の酉 堀内一郎 あを 200511
黒塀に風うらがへり一の酉 坂ようこ 200602
外人に席ゆづらるる一の酉 伊藤白潮 200612
横浜に遊里のむかし一の酉 塩田博久 風土 200701
一の酉まだ手灸りの出ずじまひ 荒井和昭 200702
一の酉コップの酒の跳ねにけり 荒井和昭 200702
昼の灯の下にて食べる一の酉 青山丈 200702
一の酉何時もの蕎麦屋今日は混み 稲畑廣太郎 ホトトギス 200711
一の酉二の酉三の酉今宵 稲畑廣太郎 ホトトギス 200711
蓮の穴黒くなりたる一の酉 中田みなみ 200712
参拝の神鈴ひびく一の酉 中村悦子 200801
宵宮は雨となりけり一の酉 小黒加支 酸漿 200802
をちこちの手締めの声や一の酉 木暮剛平 万象 200803
福引に砂糖当たれり一の酉 山田春牛 万象 200902
魚偏のあつまる湯呑一の酉 辻直美 201002
一の酉いつもの店に買ふ習ひ 小俣剛哉 雨月 201002
青空を仰ぎつ列に一の酉 若本彰子 酸漿 201101
一の酉うさぎの土鈴目に止まる 若本彰子 酸漿 201101
見たく来し吉原の月一の酉 安立公彦 春燈 201102
雨つぶを萬と湛ふる一の酉 山尾玉藻 火星 201103
この手放さば溺るる妻よ一の酉 石川笙児 馬込百坂 201206
下町の顔となりゆく一の酉 安立公彦 春燈 201301
いまひとつ気勢あがらぬ一の酉 久染康子 201301
一の酉襟あるものを羽織り出づ 千手和子 馬醉木 201302
沖暮れて残る漁火一の酉 川村亘子 末黒野 201302
一の酉おかめ蕎麦屋に先づ寄つて 中島陽華 201303
お目当てはうなぎの老舗一の酉 門伝史会 風土 201502
一の酉一番太鼓子の刻に 山本喜朗 雨月 201502
本通り避けて裏行く一の酉 太田良一 末黒野 201503
粕漬の魚に焼き目や一の酉 古川夏子 201504
焦げつきし鍋に水張る一の酉 牧はるか 末黒野 201602
地下鉄の微かな温み一の酉 高木嘉久 201701
そのころはいつも一緒に一の酉 数長藤代 201702
高張の風の高さに一の酉 石黒興平 末黒野 201803
笛の音を夜風にたどる一の酉 磯貝尚孝 清閑 201804
一の酉今夜と気負ふ老店主 浅井青二 雨月 201902
板前は教へ子なりし一の酉 能村登四郎 201907
一の酉すずめ集まる木が一本 きくちきみえ やぶれ傘 202002
昼灯し雨にはじまる一の酉 吉田政江 202101
下町の風情が好きで一の酉 三浦千恵子 末黒野 202203

2023年11月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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