稲 光    191句

雪を待つ上戸の顔や稲光    芭蕉

稲妻  稲光  いなつるび

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
来世をば垣間見せたる稲光 山田弘子 春節 199503  
稲光り雲のいづこに火打石 渡辺純 京鹿子 199911  
風景のこころざすとき稲光 中村堯子 銀化 199911  
東向く船の行く先稲光り 北原武巳 船団 199912  
壁に掛けし衣羽ばたけり稲光 和田敏子 雨月 199912  
肌を約く液体窒素稲光 柿沼盟子 風土 200001  
稲光して摩天楼立ち上る 當麻幸子 俳句通信 200009  
島を捨て海橋蒼く稲光 北原武巳 船団 200010  
晩年の詩人の眼稲光 山田禮子 遠嶺 200011  
明日手術決まりたる夜の稲光 滝青佳 ホトトギス 200012  
稲光ぴかりと手形割引店 中原幸子 船団 200103  
稲光り遠き臨終(いまわ)のその刻に 品川鈴子 船出 200104  
子の眼開ききったる稲光 柴田美佐子 いろり 200110  
網膜の破れて走る稲光 田所節子 200110

眼に影と閃光を

感じて受診、

診断は網膜剥離

稲光白木の箱の夫を抱く 佐々木孝子 200110  
稲光不意をつかれし顔が泛き 宮脇ちづる 200111  
山吹の葉を叩きたる稲光 中山世一 百鳥 200111  
鐘ついて晩稲光りの棚田かな 田辺博充 200112  
病みがちの嵩なき膝に稲光 塩谷はつ枝 馬醉木 200112  
稲光車の行手ずたずたに 久保田由布 ぐろっけ 200201  
絶え間なく頭塔の森の稲光 小田悦子 雲の峰 200210  
灯消す部屋の窓より稲光 小泉豊流 酸漿 200210  
島影の大きくありぬ稲光 堀義志郎 火星 200211  
はじめての道の不安や稲光 河野万里子 円虹 200211  
くらがりに真水の匂ふ稲光 水野恒彦 200212  
稲光赤子を舐める舌伸ばす 水谷ひさ江 六花 200305  
畦道の草濃く匂ふ稲光 高橋あゆみ 200310  
稲光太郎の夢に入らんとす 白井墨絵 遠嶺 200310  
稲光不作の田の面照らしたり 金森恭子 築港 200310  
稲光死人に口がまだありて 柴田佐知子 200311  
わが閨を赤子が占めて稲光 辻直美 200311  
縄文の遺跡見し夜の稲光 金子つとむ 雲の峰 200311  
御嶽の神を真近に稲光 内山定子 築港 200311  
稲光り大水甕の消えてをり 花島陽子 遠嶺 200312  
稲光落款のない絵が掛かり 西村葉子 京鹿子 200312  
稲光すべてを忘れ得ず睡る 風間史子 200401  
稲光彼岸の色のうつくしき 東亜未 あを 200410  
稲光りして東京はまだ降らず 坪井洋子 200410  
稲光とぎれ途ぎれの絵巻物 浅田光蛙 対岸 200410  
四方の山々とんがつてゐる稲光 定梶じょう あを 200410  
ふるさとの岬つらぬき稲光 さわいりまりこ 遠嶺 200411  
ふるさとの山くつきりと稲光 小山漂葉 酸漿 200411  
稲光里の稲作よろこばし 近藤てるよ 酸漿 200411  
稲光眼の無き魚は海底に 内藤ゑつ ゑつ 200411  
荒胆の土佐の国より稲光 星加克己 ぐろっけ 200411  
容赦なく窓突き抜けて稲光 北川キヨ子 200501  
稲光一夜の旅を濃きものに 山田弘子 ホトトギス 200501  
稲光闇の中より闇の富士 山田弘子 ホトトギス 200501  
稲光り鬼神の顔の雲が這う 杉山涼風 200505  
嶺岡山(みねおか)に続く嶺あり稲光 水田清子 200508  
稲光り一瞬心射抜きたり 三浦澄江 ぐろっけ 200510  
本堂の三方開く稲光 浅田光喜 対岸 200510  
稲光筆の穂先をおろすとき 藤田佑美子 栴檀 200511  
燠となる背の痛みや稲光 山本浪子 風土 200511  
天誅の下る思ひや稲光 森下康子 200511  
降臨を信じてをりぬ稲光 近藤喜子 200511  
火の山を一刺しにして稲光 中元英雄 河鹿 200512  
稲光り暗夜行路を書きし部屋 沖増修治 百鳥 200601  
火の山を袈裟に斬りたる稲光り 木原紀幸 河鹿 200601  
稲光はつと子の場所夫の場所 大森慶子 母衣 200602  
片頬をいつも撲たるる稲光 瀧春一 瓦礫 200606  
一瞬の闇生まれけり稲光 山田六甲 六花 200610  
遠ざかる列車の上を稲光 山田六甲 六花 200610  
看護師のただのひと言稲光り 岡部三和江 ぐろっけ 200610  
稲光オンザロックの軋みけり 金子輝 春燈 200611  
稲光に決断の勇気もらひけり 島田和子 風土 200611  
たちまちに水濁りをり稲光 松たかし 火星 200611  
束の間に小筆乾けり稲光 秋千晴 200611  
白波のはたと走せけり稲光 定梶じょう あを 200612  
緬羊のひとかたまりに稲光 吉田明子 200612  
稲光第五の響きに身構へり 呉文宗 春燈 200702  
稲光みづうみ全霊もて応ふ 長山あや ホトトギス 200702  
砂山は未完のままに稲光 福島茂 200711  
手枕のやはらかき昼稲光 柴田朱美 京鹿子 200711  
狼貌を隠せぬ誤算稲光 柴田朱美 京鹿子 200711  
稲光われ八十の誕生日 小阪喜美子 遠嶺 200712  
稲光り雷同をこそ惧れけり 渕上千津 200801  
宇宙より届きし便り稲光 上田正久日 ホトトギス 200802  
稲光途切れ途切れの絵巻物 浅田光喜 絵巻物 200806  
文楽の修羅場見し夜の稲光 長谷川翠 馬醉木 200810  
嵌めころしの窓の向うの稲光 杉浦典子 火星 200811  
減量の大講習会稲光 笠真木 炎環 200811  
稲光浴びて五感の冴え冴えと 鈴木多枝子 あを 200812  
独り居に飛びこんで来る稲光 天野正子 200812  
糸杉はメドゥーサの髪稲光 清水晃子 遠嶺 200812  
稲光魚沼連峰総立に 森山暁湖 万象 200901  
稲光細身の夫の手の厚み 倉持梨恵 200901  
まだ断てぬ思ひの中へ稲光 青木朋子 200901  
体内の水の波立つ稲光 近藤喜子 200901  
抜錨の鎖の音や稲光 下山田美江 風土 200902  
遠山に稲光して更けにけり 山田六甲 六花 200908  
稲光家で待つ者誰も無し 久保田由布 ぐろっけ 200910  
稲光鉄路にアンナカレーニナ 竪山道助 風土 200912  
雲照らし雲の内なる稲光 高橋明 末黒野 200912  
稲光越後平野のあをあをと 春山和子 遠嶺 200912  
北窓に華やぎありぬ稲光 小嶋洋子 泡の音色 200912  
大玻璃に海神のショー稲光 隅田享子 200912  
稲光稜線黒きこと刹那 藤井美晴 やぶれ傘 201001  
何もかも小さしちさし稲光 加藤みき 201001  
病棟の窓浮き上がる稲光り 高倉和子 201001  
天空の愚痴かも知れず稲光 甕秀麿 201002  
稲光雲に籠もりてゐたりけり ことり 六花 201009  
稲光天が蕾を解く如し ことり 六花 201010  
魔の淵にとどめさしたる稲光り 中田みなみ 201011  
連山の少しずれたる稲光り 高倉和子 201011  
稲光実験室の技師と我 伊吹之博 京鹿子 201012  
稲光島の岩屋を出づるとき 森清信子 末黒野 201012  
稲光闇の在り処を露にす 川南隆 ろんど 201012  
元寇の海突き刺して稲光 柴田良二 雨月 201012  
現し身の己に飽きて稲光 雲所誠子 風土 201012  
吊橋の終の一歩や稲光り 大谷昌子 馬醉木 201012  
稲光天使のネオンサインかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201108  
悌を引き寄せてゐる稲光 稲畑廣太郎 ホトトギス 201108  
水底の藻屑を覚ます稲光 本間羊山 風土 201109  
子にさがす夫の面影稲光 コ田千鶴子 花の翼 201111  
地平線に大木二本稲光 高橋泰子 201111  
稲光みな真つ白になるオセロ 能美昌二郎 201112  
訪ふ人のなき病室や稲光 ことり 六花 201112  
麻酔覚め生の側なる稲光り 品川鈴子 ぐろっけ 201207  
八方に空を裂きけり稲光 加納淳子 六花 201208  
六甲の稜線浮きて稲光 稲畑汀子 ホトトギス 201208  
寝室のカーテン閉ざす稲光 稲畑汀子 ホトトギス 201208  
遠筑波立つて眺むる稲光 宮崎きみ枝 201210  
御霊神まつり一山稲光り 渕上千津 201210  
稲光明治の梁の蘇る 森岡正作 201211  
一瞬に彼の世を覗く稲光 前田美恵子 201211  
天と地を繋ぎ大和の稲光 上辻蒼人 風土 201211  
漆黒の空駆けめぐる稲光 平田恵美子 ぐろっけ 201212  
磯釣の糸照らさるる稲光 伊丹さち子 馬醉木 201212  
一湾の島浮き上がる稲光 古川千鶴 かさね 201212  
山門の仁王の目抜く稲光 松本恒子 ぐろっけ 201212  
稲光夢二の女立ち上る 間島あきら 風土 201302  
海の闇はねて切り裂き稲光 嶋田一歩 ホトトギス 201302  
大島の初島へもとび稲光 嶋田一歩 ホトトギス 201302  
稲光干し椎茸がもどるもどる 中原幸子 船団 201304  
地学部の部室はカオス稲光 火箱ひろ 船団 201304  
稲光遥かな峰のシルエット 山本孝夫 201311  
稲光わが横顔を削ぎにけり 近藤喜子 201311  
産土の闇を思へり稲光 安居正浩 201311  
裏山の墓碑立ち上る稲光 古沢幸次 ろんど 201311  
祖霊にも宴あるらし稲光 森岡正作 201311  
稲光島の吊橋たわたわと 岡田史女 末黒野 201312  
花火待つ目に遙かなる稲光 瀧春一 花石榴 201312  
玄米の炊けてふつくら稲光 村上倫子 201312  
筑波嶺を研ぎ出だすごと稲光 山本無蓋 201312  
稲光闇の重さを手で支ふ 村田岳洋 ろんど 201401  
自句こそが一つのジャンル稲光 川南隆 ろんど 201401  
稲光無人で回る観覧車 古川夏子 201402  
黒牛の背をたたく雨稲光 森清信子 末黒野 201404  
夫留守居しをるあなたの稲光 山本耀子 絵襖 201404  
推敲や玻璃戸ゆるがす稲光 仁平則子 201410  
鞍掛山を狙ふ三すじの稲光 岡田桃子 201411  
捺印のはみだしてをり稲光 小林朱夏 201412  
稲光りぬるき魚の腸をぬき 小林愛子 万象 201412  
稲光引き金はみな人が引く 川南隆 ろんど 201501  
稲光価値の衝突ありにけり 川南隆 ろんど 201501  
港へとうねり入りくる稲光 大崎紀夫 虻の昼 201510  
油槽船急ぐ頻りに稲光 定梶じょう あを 201512  
力ある眼と会ぶ野末稲光 松田泰子 末黒野 201601  
熔岩原の陰るとみるや稲光 鈴木鞠子 末黒野 201601  
稲光して白髭の滝落つる 山口素基 万象 201602  
天下布武の城を突刺す稲光 小木曽文明 雨月 201611  
子の薬袋われより多し稲光 宮野照子 馬酔木 201611  
力まずに今日を生きたり稲光 鈴木漱玉 馬酔木 201611  
ベイブリッジ浮き彫りにして稲光 赤石梨花 風土 201611  
稲光り甲斐の連山襟正す 山田春生 万象 201611  
寸言にはつと打たるる稲光り 内山花葉 201612  
闇裂きて闇あらたむる稲光 峰崎成規 201612  
水平線時折走る稲光 松本幸男 万象 201612  
柱のない家を貫く稲光 竹内弘子 あを 201610  
稲光よりも刹那の酒宴かな 高橋将夫 201701

槐二十五周

年記念大会

豆腐切る薄きてのひら稲光り 原友子 201612  
ピン札を五十枚並べ稲光 朝倉晴美 船団 201702  
稲光妻に捧げし句を記し 林いづみ 風土 201711 絶筆は
甲斐駒を近くに見せる稲光 小林共代 風土 201711  
稲光備前の固き土の肌 岡本尚子 風土 201711  
稲光湖蒼き詩歌ひけり 岡本尚子 風土 201711  
稲光師の杖音の木霊して 中嶋陽子 風土 201711  
稲光劇中劇は閉ぢにけり 赤石梨花 風土 201711  
大富士の雲の中より稲光り 山田春生 万象 201712  
稲光闇の蒼さの際立てり 森清信子 末黒野 201712  
迷路めく大寺の廊稲光 森清信子 末黒野 201712  
稲光まちの臓器をあぶりだす 鎌田光恵 201712  
稲光われの弱気に突き刺さる 楠原幹子 201712  
稲光ロフトに開かぬ窓ひとつ 青谷小枝 やぶれ傘 201711  
稲光一瞬笑ひ途絶えたる 中谷富子 201809  
何の黙示か空一面の稲光 栗原公子 201811  
みづうみに罅入るごとく稲光 川内谷育代 馬醉木 201812  
山垣のさらに奥あり稲光 大西乃子 201902  
稲光インクの溶む顛末書 伊藤隆 201908  
泳ぎ出す気配の魚拓稲光 柴崎富子 白地 201909  

2019年10月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。