冬 桜 3      114句

冬桜宙にも深き淵ありぬ   宇咲冬男

寒桜 緋寒桜 寒緋桜 十月桜

作品
作者
掲載誌
掲載年月
上州の風をまともに冬桜 大山春江 万象 200503
冬桜永き昭和を知りつくし 府中谷幸枝 馬醉木 200503
冬桜言葉選みたる文送る 斉藤裕子 あを 200503
山中に古き石垣冬桜 大串章 百鳥 200503
人の子を拒まず呼ばず冬桜 大串章 百鳥 200503
冬桜吐息のやうに咲いてをり 大串章 百鳥 200503
蒼空や大奥跡の冬櫻 青木久子 遠嶺 200503
冬櫻静かに人の集ひをり 森竹昭夫 遠嶺 200503
冬櫻デンと置かるる投句箱 荒幡美津恵 遠嶺 200503
奥宮へ願ひは一つ冬櫻 小國佐世子 遠嶺 200503
冬桜久女の一世惟みて 味村志津子 雨月 200504
湯上がりの赤子渡さる冬桜 浜口高子 火星 200504
冬桜人みな同じ顔をして 加古みちよ 火星 200504
足腰をきたへて見上ぐ冬桜 直江裕子 京鹿子 200504
冬桜閻魔に会ひに来しところ 河合佳代子 六花 200504
人声のかたまり来る冬桜 左高冨美 六花 200504
ひとひらを追ふひとひらの冬桜 中村洋子 風土 200504
まだ青き僧の過ぎたる冬桜 柴田佐知子 200504
不機嫌を悟られまいと冬櫻 村田菊子 遠嶺 200504
冬桜光の中に見失ふ 西川織子 馬醉木 200504
一生を一行の墓碑冬ざくら 千手和子 馬醉木 200504
おづおづと婚約言へり冬桜 加藤峰子 200504
友逝きし空冬櫻満ちてをり 島元文 遠嶺 200505
城壁に溶け入る夕の冬桜 竹内太郎 200505
冬桜風に揉まれて消えにけり 岩田公次 ホトトギス 200506
冬桜鴨場の鴨の影も無し 春日久子 八千草 200506
曾祖母は乳人子なりし冬桜 原田達夫 虫合せ 200506
われ立つは宇宙の真中冬櫻 宮澤さくら 今生 200510
冬ざくら怺へ怺へし光かな 田所節子 涼しき嵩 200511
武蔵野のみささぎに咲く冬桜 阿部ひろし 酸漿 200512
冬桜とは君の過去語るもの 稲畑廣太郎 ホトトギス 200601
言の葉を風に移して冬桜 稲畑廣太郎 ホトトギス 200601
花疲れ些かもなし冬桜 伊藤一枝 酸漿 200601
陵のほとり明るし冬ざくら 三井公子 酸漿 200601
陵の若き衛士なり冬桜 村田さだ子 酸漿 200601
冬桜この世をひとりづつ身罷り 大島翠木 200602
冬桜通る人みなみつめゆく 村山春子 200602
陵の森の深さに冬桜 井口初江 酸漿 200602
ひとめぐりせし輪蔵や冬桜 西山美枝子 酸漿 200602
安らかや陵に咲く冬桜 坂本幸子 酸漿 200602
長谷寺や薄日の中に冬桜 大西まりゑ 酸漿 200602
竹柄杓水にこゑあり冬桜 神蔵器 風土 200602
乳牛の出産間近冬ざくら 菅原末野 風土 200602
山里の日差あつめて冬櫻 長崎桂子 あを 200602
神主に妻をりにけり冬桜 高尾豊子 火星 200603
誰も居ぬ公園の端に冬桜 籾山和子 酸漿 200603
幻聴のはじめは雨の冬桜 佐々木紗知 京鹿子 200603
み仏をふかきに祀り冬桜 里見紀子 四葩 200603
法金剛院青女の滝の冬桜 神蔵器 風土 200603
冬桜一枝は日ざしとらへけり 島谷征良 風土 200603
いつのまに人の居らざる冬桜 笹村政子 六花 200603
俊寛や黒楽茶碗冬ざくら 林日圓 京鹿子 200603
冬ざくらひそと傘寿の男坂 泉田秋硯 200604
なつかしき人に逢ふごと冬桜 関口英子 河鹿 200604
降る雨に樹木医とゐて冬桜 関口英子 河鹿 200604
わかされの虚空真青に冬桜 大竹淑子 風土 200604
すでに散りそめし枝広げ冬桜 松尾緑富 ホトトギス 200605
風よりも日射し優勢冬桜 嶋田摩耶子 ホトトギス 200605
風のなき空に風あり冬桜 木村享史 ホトトギス 200605
一本の冬ざくらなり皆仰ぐ 浅井青陽子 ホトトギス 200605
つつましく咲きて人寄せ冬桜 入野田千寿子 200605
貫禄の冬櫻にて無一物 村上綾 200605
夕月の微光に濡れし冬ざくら 山元志津香 八千草 200606
緋の色を梢に散らす冬桜 飯田泰子 八千草 200606
機影過ぐたびに薄るる冬桜 河内桜人 京鹿子 200606
かの山をまた懐かしむ冬桜 河内桜人 京鹿子 200606
日輪の睫毛に遊ぶ冬桜 中野英歩 八千草 200607
三波川の川音も消えし冬桜 中野英歩 八千草 200607
冬ざくら天と相思のあいだがら 花島みゆき 八千草 200607
ほつほつと日差しの中の冬ざくら 花島みゆき 八千草 200607
ほとけ見て夢のはじまる冬櫻 環順子 夢帽子 200608
輪郭を空に放ちて冬桜 稲畑廣太郎 ホトトギス 200611
みちのくの雨の二日や冬桜 及川澄江 風土 200701
冬桜神の手触れて灯りゆく 渡邊千枝子 馬醉木 200702
冬ざくら人は日暮を急ぎけり 伊東恵美子 馬醉木 200702
名を呼ばれ耳こそばゆし冬桜 伊藤白潮 200702
冬桜男の子ドレスを着せられて 高尾豊子 火星 200702
遺句詠めばさらに逢ひたし冬桜 手島伸子 雨月 200702
青空に在る粒々は冬桜 嶋田摩耶子 ホトトギス 200703
老いて人長療養や冬桜 嶋田摩耶子 ホトトギス 200703
試歩の径吾は見舞客冬桜 嶋田摩耶子 ホトトギス 200703
冬桜空昏き日も一つ咲く 泉田秋硯 200703
冬桜見る楽しみの遠回り 泉田秋硯 200703
冬ざくらみんな黙つて仰ぎをり 太田寛郎 200703
烈風に身じろぎもせず冬櫻 長谷川史郊 馬醉木 200703
冬桜影も落花も風となり 北川英子 200703
上弦の月に膨み冬桜 おかたかお 200703
その影の地には届かず冬桜 飛鳥由紀 200703
悪いことの次は良いこと冬桜 倉持梨恵 200703
咲ききつてなほ余情あり冬ざくら 小島とよ子 遠嶺 200703
物言へば一片散りぬ冬櫻 安田久太朗 遠嶺 200703
こまやかに凝りし翳あり冬桜 永田二三子 酸漿 200703
冬桜紅葉の中に咲きはじむ 渡辺暁 酸漿 200703
みささぎによき日ざしあり冬桜 井出やすはる 酸漿 200703
手賀沼の日ざし斜めに冬桜 山本とく江 万象合同句集 200703
母のこと思へば父や冬桜 高倉和子 200703
青空に溶けてしまひぬ冬ざくら 伊東恵美子 馬醉木 200704
吹き下ろす風は錆色冬ざくら 小宮山勇 遠嶺 200704
呼んでゐる冬桜あり病みてをり 城石美津子 京鹿子 200704
冬桜冗談だつたはずなのに 倉持梨恵 200704
食するに飽く日もありて冬桜 星原悦子 200704
冬桜すつくと御堂脇にかな 内山けい子 200704
冬桜並木淡淡暮れにけり 市橋章子 ぐろっけ 200705
冬桜一語こぼして仰ぎけり 浅井青陽子 ホトトギス 200706
仰ぎ見る冬の桜に昼の月 丸田安子 酸漿 200707
深々と言葉忘れし冬桜 中野英歩 八千草 200708
冬ざくらしづかにいまは兵ならず 安住敦 春燈 200712
微熱ある女のやうに冬櫻 延広禎一 200802
それらしき姿見え冬ざくらかな 足立典子 雨月 200802
冬櫻ひと緋縅の鎧組む 伊丹さち子 馬醉木 200803
灯明のやうに麓の冬ざくら 伊藤希眸 京鹿子 200803
横顔のやうな山容冬櫻 石山惠子 遠嶺 200803
結界は確かめられず冬櫻 岩淵彰 遠嶺 200804
      冬桜→4

 

2020年12月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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