冬 桜 4      105句

翁面はずして翁冬ざくら   長谷部朝子  暖流

作品
作者
掲載誌
掲載年月
火傷して冬の桜の幹叩く 坪内稔典 坪内稔典句集U 200804
視野の先かすかに光り冬桜 大石喜美子 雨月 200805
辛抱をまとへば我も冬桜 柴田佐知子 200807

廣太郎句碑除幕

蔵したる桜冬芽の守る句碑

稲畑汀子 ホトトギス 200812
やさしさのあとのさびしさ冬ざくら 秋葉雅治 200901
冬桜日比谷通りは素通りに 稲畑汀子 ホトトギス 200902
冬ざくら空の波動を合せゐる 寺田すず江 200902
頂に平和の鐘と冬櫻 橋本良子 遠嶺 200902
湧水に日の輪ひろごる冬ざくら 堤京子 馬醉木 200902
冬桜紫式部とすれ違ふ 門伝史会 風土 200902
永遠の新婚であり冬桜 殖栗歩 炎環 200902
冬ざくら夢の先師の声若き 原田しずえ 万象 200902
溝口・花柳並びたる墓碑冬ざくら 岩井泉樹 春燈 200902
水絵よりやや明るめの冬桜 中村恭子 200902
冬桜遠しうすうす恢復期 北川英子 200902
海鳴りのつつぬけ晴や冬桜 遠藤真砂明 200902
冬桜毀れしゆゑに夢と知る 長谷川閑乙 馬醉木 200903
冬ざくら後生大事に蕪村の忌 谷村幸子 200903
冬櫻過去も未来も引き寄せて 吉野のぶ子 遠嶺 200903
師の句碑がここなら素適冬櫻 塩野きみ 遠嶺 200903
遺されし店守るひとや冬ざくら 本田久美 遠嶺 200903
冬桜延命拒否の承諾書 山崎ゆき子 炎環 200903
向かひあふ千体地蔵冬ざくら 鈴木友寄枝 炎環 200903
冬桜閉づることなき埴輪の瞳 三角千栄子 炎環 200903
学習院皇族寮や冬桜 山路紀子 風土 200903
冬天に淡き昼月四季桜 大森尚子 風土 200903
冬の雲四季桜恋ふ小原村 大森尚子 風土 200903
墓域にて太る桜の冬芽かな 山崎靖子 200903
冬ざくら妻恋ふことば刻む墓 森さち子 200903
首竦め上目遣いに冬桜 小阪律子 ぐろっけ 200903
ひと枝ごとしだれ桜の冬囲 安部康子 万象 200903
いたはりといふ色あらば冬桜 七種年男 200903
冬桜咲く補導院静もれり 友野よし子 酸漿 200903
冬桜手入れ届きし法の庭 浅野惠美子 酸漿 200903
街道も丘も鬼石や冬桜 網野茂子 酸漿 200903
冬桜積まれし石のはざまにも 網野茂子 酸漿 200903
あはあはと空の匂へり冬桜 石原光徳 酸漿 200903
冬桜子福さくらの異名持ち 新実貞子 200904
稚の爪ほどの花びら冬桜 鈴木撫足 春燈 200904
贈り主の心ほつほつ冬ざくら 泉田秋硯 200904
師の言葉思ひ出すのみ冬桜 倉持梨恵 200904
綾取りの橋梁崩す冬ざくら 中山皓雪 200904
亡き人の近くにをりぬ冬桜 北川とも子 ぐろっけ 200904
おはやう冬桜南へとひかり 宮本佳世乃 炎環 200904
愛するは守ることなり冬ざくら 伊藤航 炎環 200904
姉の骨ほそくて崩れ冬桜 荒井千佐代 200904
冬ざくら寺苑に咲きて日の淡し 井口初江 酸漿 200904
冬桜二花を発見一万歩 泉田秋硯 200905
恬淡と生くるは難し冬桜 上崎暮潮 ホトトギス 200905
遠き日の色紙いろいろ冬桜 竹内悦子 200905
Wといふ墓への道の冬ざくら 森さち子 200905
冬桜背に弾痕の火伏せ獅子 砂川道子 万象 200905
冬桜さみしい人にしか見えぬ 直江裕子 春燈 200905
師を見上ぐかに冬桜仰ぎけり 青山正生 200906
国宝の城見下ろして冬桜 寺田正入 200907
坑道を塞ぎ別子の冬ざくら 品川鈴子 はらから 200911
両眼にじわじわ溢る冬桜 丸井巴水 京鹿子 200912
一輪づつはなれて散つて冬ざくら 橋本リエ 春燈 201001
たまきはる幣の風音冬桜 神蔵器 風土 201001
くわんおんに千のてのひら冬桜 池田光子 風土 201001
冬ざくら老にもありし夢一つ 鈴木幾子 酸漿 201001
介山のゆかりの寺や冬桜 横川泰子 酸漿 201001
山門を思はず潜る冬桜 森理和 あを 201001
帰りみち暫くここに冬ざくら 森理和 あを 201001
落ちる葉は残らず落ちて冬桜 鎌倉喜久恵 あを 201001
山間に日をちりばめて冬桜 市村健夫 馬醉木 201002
洪鐘を撞くは叶はず冬桜 緑川啓子 馬醉木 201002
冬ざくら仰ぎて空の蒼さいふ 清海信子 末黒野 201002
冬桜堰の水音を禊ぎけり 田中貞雄 ろんど 201002
冬桜三井晩鐘の音澄めり 清水美子 春燈 201002
抜けるよな空へ耀ふ冬ざくら 瀬戸峰子 春燈 201002
淡き日を捉へ見栄切る冬ざくら 瀬戸峰子 春燈 201002
懸命に今を咲きたる冬ざくら 瀬戸峰子 春燈 201002
住職は白寿に近し冬ざくら 小澤克己 遠嶺 201002
ふたたびの海に来てをり冬櫻 環順子 遠嶺 201002
一本の遠嶺の精の冬櫻 木村美智穂 遠嶺 201002
金色の弥陀の前なる冬桜 杉本薬王子 風土 201002
冬桜ぽぽと水戸藩上屋敷 林いづみ 風土 201002
羊水の月蔵したる冬ざくら 大島翠木 201002
みはるかす小原の里の冬ざくら 船橋とし 201002
冬桜一切経蔵寂かなり 鈴木隆子 201002
世に遠く咲きゐたるかに冬桜 足立典子 雨月 201002
照り翳りせはし山里冬桜 足立典子 雨月 201002
冬桜息吹きかけてパスタ食ぶ 戸栗末廣 火星 201002
陵の木立の中よ冬桜 設楽唱子 酸奬 201002
冬桜山を背にして咲きそめし 小島三恵 酸奬 201002
冬桜しづかに人を迎へけり 小泉和代 酸奬 201002
権現の朱塗のやしろ冬桜 篠田純子 あを 201002
家宣の胞衣塚のあり冬桜 須賀敏子 あを 201002
見頃ともみえず見ごろの冬ざくら 望月晴美 201003
死ぬほどの努力せむとや冬櫻 小澤克己 遠嶺 201003
所得し沢潺々と冬ざくら 小澤克己 遠嶺 201003
雲白く十尋の空や冬櫻 林友次郎 遠嶺 201003
数ならぬ身や一本の冬桜 山本無蓋 201003
冬ざくらほのと三菱一号館 大内佐奈枝 万象 201003
冬ざくら少し触れもて少しゆれ 吉弘恭子 あを 201003
冬櫻駱駝のやうな雲を寄せ 吉野のぶ子 遠嶺 201004
農道の平らかにあり冬桜 堀江惠子 201004
比翼塚に影の揺るるや冬ざくら 森田節子 風土 201004
逢ふために死なむと思ふ冬桜 荒井千佐代 201004
いま冬芽天守の前の桜の樹 古川忠利 ろんど 201004
山寺を昏れて下りぬ冬桜 中山良子 末黒野 201004
蒼空のさくら冬木の芽の谺 四條進 201004
人集ひやすき日だまり冬桜 館容子 201005
先に逝く幸せ思ふ冬桜 高倉恵美子 201005
冬桜なにもなかつたやうに散り 今橋眞理子 ホトトギス 201006
四季桜冬は殊更さくら色 後藤比奈夫 ホトトギス 201006
冬桜お百度石に散り尽す 佐野和子 万象 201006
図書館へ廻り道して冬ざくら 吉弘恭子 あを 201006
歩み来し一筋の道冬桜 吉永すみれ 風土 201009
冬桜らしく名苑彩れり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201012
      冬桜 →5

 

2020年12月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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