冬 桜 2     101句

冬桜言問ふにまだ至らざる    小檜山繁子

寒桜 緋寒桜 寒緋桜 十月桜

作品
作者
掲載誌
掲載年月
陵や静もる朝の冬桜 青木政江 酸漿 200302
冬桜日差せば母と在るごとし 松田雄姿 百鳥 200302
冬櫻數を違へし早團子 佐藤喜孝 あを 200302
冬ざくら利休ねずみの雲まとふ 関口ゆき あを 200302
裏切りも時効ときめし冬桜 足利ロ子 ぐろっけ 200302
力なく日は傾きて冬ざくら 安達風越 雨月 200303
城壁に届く波音冬櫻 祐森彌香 遠嶺 200303
冬桜仁王門傍楚楚と咲く 高木昌子 築港 200303
冬桜つまだちてゆく女坂 水井千鶴子 風土 200303
山の端にはや日のかかる冬桜 小林優子 酸漿 200303
冬桜見上ぐる空の真青なる 青木政江 酸漿 200303
冬桜ここは黄泉かと見廻せり 田中藤穂 あを 200303
冬桜異国に兵を送る世に 水原春郎 馬醉木 200303
冬桜海やはらかなうねり見せ 田代史子 馬醉木 200303
温泉の郷の日のこまやかに冬桜 木村仁美 馬醉木 200304
冬桜をとこの失意慰むる 泉田秋硯 200304
冬桜にも咲き競ふことありて 庄中健吉 200304
あをあをと大室の天冬桜 鈴木とおる 風土 200304
冬ざくら他界のいろと遠ながむ 大野英美 風土 200304
冬桜大観覧車より海二つ 遊橋惠美子 風土 200304
遠きもの見るまなざしに冬桜 川井政子 風土 200304
ケルネルの田圃のほとり冬桜 遠藤逍遙子 風土 200304
衣通姫在す宮居の冬ざくら 大橋敦子 雨月 200304
媛が袖ぬらせし浦の冬ざくら 今井妙子 雨月 200304
幕府への御馬献上冬ざくら 林日圓 京鹿子 200304
原籍を問はばけむれる冬桜 直江裕子 京鹿子 200304
なかんづく縁切寺の冬ざくら 秋元きみ子 200304
昼の月よりも淋しき冬桜 木村享史 ホトトギス 200308
冬桜風に耐へねばならぬかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200311
南妣庵寂光漂ふ冬桜 関口ゆき あを 200312
冬桜日当りて花増えてきし 大串章 百鳥 200401
講演の岩手なまりや冬桜 坂本フジ 帆船 200401
戦友の祖父植ゑし鬼石の冬桜 松崎鉄之介 200401
冬桜の上州の戦友卒寿かな 松崎鉄之介 200401
咲き初めて一輪づつや冬桜 大房帝子 酸漿 200401
余生なほ愛を紡ぎぬ冬桜 斉藤静枝 あを 200401
昼月の刻々痩せぬ冬桜 平田はつみ 馬醉木 200402
濁りなき空をひろげて冬櫻 橋本良子 遠嶺 200402
奉納の神馬の像や冬櫻 山下美絵子 遠嶺 200402
加賀の空深めて今朝の冬ざくら 大谷茂 遠嶺 200402
行く人の足とどめをり冬桜 柴田靖子 200402
比翼塚に並びて添はぬ冬ざくら 柿沼盟子 風土 200402
冬桜幹撫で見上ぐ師の笑顔 小林令子 200402
冬桜涙のあとの微笑とも 林翔 200402
植物園一本のみの冬桜 飯田政子 築港 200402
誑されて鳴くもののあり冬ざくら 宇都宮滴水 京鹿子 200402
冬櫻真向かふ位置に家長の座 能村研三 滑翔 200402
静けさの山にまた逢ふ冬桜 青木陽子 酸漿 200402
暮れてゆく峡路に淡し冬桜 大房帝子 酸漿 200402
冬桜ほくろが一つ顎の下 大島翠木 200403
物識りの逝つてしまひし冬桜 岩下芳子 200403
髪切りし少女のやうに冬櫻 内田稔 遠嶺 200403
冬櫻飛ぶ鳥の影当りけり 宮津昭彦 200403
神々の近くに咲いて冬ざくら 水井千鶴子 風土 200403
冬桜鋭角に裁つシヤツの衿 中村葉子 帆船 200403
枝々の支柱頼もし冬桜 中村克久 雲の峰 200403
亡き後の日月迅し冬ざくら 大庭三千枝 200403
日の渡るとき紅の透く冬桜 館容子 200404
下向いて下向いて人冬ざくら 泉田秋硯 200404
冬桜咲く光陰の水明り 吉田順子 200404
人の世にありて一人や冬桜 中沢三省 風土 200404
冬ざくら工業団地売り歩く 高田令子 200404
雨あとを匂ひし冬の桜かな 大石芳三 火星 200404
冬桜くらくら水際寄つてくる 坂本敏子 京鹿子 200405
蒼穹に滲み出してゐる冬桜 河内桜人 京鹿子 200405
その記憶ひもとくことも冬桜 岡田順子 ホトトギス 200405
長老と云はるゝ余生冬桜 浅井青陽子 ホトトギス 200406
片恋のせつなさに耐え冬桜 松井和恵 八千草 200406
冬桜淡き光をまとひをり 和智秀子 酸漿 200406
指の節ぽきぽき空に冬ざくら 伊藤希眸 京鹿子 200406
冬桜ふくみ笑ひがどこかから 内藤ゑつ ゑつ 200411
遠退きて母近づきて冬桜 神蔵器 風土 200412
武蔵野の霊水噴けり冬桜 神蔵器 風土 200501
かの日より余生とおもふ冬ざくら 藤原照子 200501
天を衝く朱き山門冬桜 赤座典子 あを 200501
冬桜ひと本寺の奧にかな 芝尚子 あを 200501
おほかたは青空であり冬桜 今瀬剛一 対岸 200501
肘張りて生きし日のあり冬桜 尾堂Y 河鹿 200502
産土神は子安神なり冬桜 青山悠 200502
怖いものなくて五十路や冬桜 小林朱夏 200502
引越の挨拶されし冬櫻 早崎泰江 あを 200502
ひと声を殿後の人へ冬ざくら 吉弘恭子 あを 200502
吉良殿の首の受領書冬桜 関位安代 帆船 200502
冬桜しろじろと咲き華やかず 沖敏子 雨月 200502
ひむがしの野にしらみゆく冬桜 中川晴美 雲の峰 200502
図に残る寺の縁起や冬桜 前阪洋子 雲の峰 200502
麓より暮らしの音す冬桜 五十嵐暢子 対岸 200502
軽やかに雲の行きけり冬桜 八巻匡子 対岸 200502
冬ざくら雪呼ぶ花と思ひけり 松内佳子 百鳥 200502
冬桜一語一語の響きけり 太田土男 百鳥 200502
冬桜水ひろびろと浅きかな 中山世一 百鳥 200502
横笛の塑像か細き冬ざくら 藤原絹子 百鳥 200502
をさな児の瞬くごとし冬桜 藤井智恵子 百鳥 200502
冬桜一人黙つてゐる時間 辻恵美子 栴檀 200502
溜息も呼吸のひとつ冬ざくら 藤原照子 200502
蕉翁の深きまなざし冬櫻 穴澤光江 遠嶺 200502
われもまた夢追ふ日々や冬櫻 田中矢水 遠嶺 200502
冬ざくら雪吊をして雪と咲く 阿部ひろし 酸漿 200503
この深き空の青さよ冬桜 西山美枝子 酸漿 200503
青き空仰ぐ顔あり冬桜 中島孝允 酸漿 200503
蒼穹のまたたきかとも冬ざくら 鈴掛穂 200503
冬桜→ 3      

 

2021年1月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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