冬 桜 1     99句

一葉の晩年日記冬桜   深見けん二

寒桜 緋寒桜 寒緋桜 十月桜

作品
作者
掲載誌
掲載年月
咲きつづくほかなき白さ冬桜
山田弘子
春節
199503
冬桜ほろほろ白き坂の街
山田弘子
春節
199503
吐く息をこらへてゐたり冬桜
神蔵器
風土
199901
冬桜咲き女子大に英語劇
柴田良二
雨月
199901
うすうすと日のありなしの冬ざくら
池田草曷
雨月
199901
紙のごと風に色失せ冬ざくら
池田草曷
雨月
199901
冬ざくら散る一筋の暮光曳き
池田草曷
雨月
199901
裏山はすでに暮れをり冬ざくら
池田草曷
雨月
199901
散りぎはの光放てり冬ざくら
池田草曷
雨月
199901
冬桜ぴんと張りたる空の色
棚井文江
199901
山脈は一筆描きに冬桜
岡本まち子
馬醉木
199902
山里に暮らす三代冬桜
湯浅苔巌
円虹
199902
冬桜手にし札所へ秩父の娘
皆川盤水
春耕
199902
三鬼生誕百年の冬ざくら
加藤青女
海程
199905
冬桜長女が恋人連れて来た
木村和彦
海程
199906
風に耐へいよいよ白く冬桜
稲畑廣太郎
ホトトギス
199911
冬桜咲いては空を曇らしむ
有働亨
馬醉木
200001
早世の兄が居しとふ冬桜
菅原健一
200001
坂ゆくや家あれば咲く冬桜
阿部ひろし
酸漿
200001
鬼石とは石の町なり冬桜
阿部ひろし
酸漿
200001
冬桜鬼石の山はいとあをし
阿部ひろし
酸漿
200001
千年の御堂に足場冬桜
深川知子
俳句通信
200001
冬桜見えかくれして風のなか
保坂加津夫
いろり
200001
胸の内うち明けたくて冬桜
福田みさを
いろり
200001
冬桜うろこを落す泪かな
神蔵器
風土
200001
冬桜見に来よと言ふ友の亡し
白鳥婦じゑ
酸漿
200002
冬桜肺の奥よりこゑの出て
神蔵器
風土
200002
冬桜札所へ階の石揺らぐ
田中佐知子
風土
200002
動乱の昭和遠のく冬桜
田中藤穂
水瓶座
200002
天上に大海ありて冬ざくら
小澤克己
遠嶺
200003
東京に六月村や冬櫻
今井松子
遠嶺
200003
遠き日をささやくやうに冬ざくら
橋本良子
遠嶺
200003
咲き満ちてゐて寂寥の冬桜
中島伊智子
酸漿
200003
冬桜ふろしきという器かな
阿保恭子
海程
200005
昂ぶりしこともありにし冬櫻
山村桂子
遠嶺
200005
ひとひらの和紙よりうすき冬櫻
吉野のぶ子
八重櫻
200008
冬桜童心失うも玲瓏
村上友子
海程
200009
冬ざくら母の居眠り手をたれて
本田ひとみ
海程
200012
青空に義公烈公冬桜
神蔵器
風土
200101
咲き始めとも終りとも冬櫻
清水公治
200101
せせらぎを聞きつつ山の冬桜
鈴木多枝子
あを
200101
冬ざくら少し休めと木椅子あり
武藤嘉子
木椅子
200102
北上川(きたかみ)の水の照らふに冬桜
松崎鉄之介
200102
冬桜咲きみつも花重ならず
松崎鉄之介
200102
日当りて花見失ふ冬桜
桜井さだ子
200103
嶺越えの風に艶あり冬ざくら
環順子
遠嶺
200103
生きざまは何も語らず冬桜
内山道子
京鹿子
200103
御住持の留守の間の冬桜
田畑幸子
火星
200103
大工町の番地とびとび冬ざくら
小林あつ子
火星
200104
何の夢見る川風の冬櫻
川口襄
遠嶺
200104
冬ざくら夢を忘るること多し
宇佐美祐喜子
酸漿
200104
生きるとは我慢すること冬桜
浅海好美
船団
200105
邂逅の一と日なりけり冬桜
桑田青虎
ホトトギス
200110
山寺の寂寞とあり冬桜
関口ゆき
あを
200111
冬桜咲かねば人の寄りつかず
熊谷みどり
いろり
200112
咲くとなく咲いて散らざり冬桜
池田草曷
雨月
200201
三河路の奥の小村の冬桜
池田草曷
雨月
200201
冬桜空の深さへ花上ぐる
池田草曷
雨月
200201
移りゆく風のきらめき冬桜
池田草曷
雨月
200201
冬桜振り返りなば暮れゐたり
池田草曷
雨月
200201
野の宮の黒木の鳥居冬桜
中御門あや
雲の峰
200201
六百年の冬桜訪ねれば枯れてなし
八牧美喜子
200202
冬ざくら花まぼろしに綿虫とぶ
八牧美喜子
200202
海峡の光離さず冬桜
山田弘子
円虹
200202
満水のダムに朝の日冬桜
辻のぶ子
雲の峰
200202
冬桜死後も芭蕉の旅つづく
神蔵器
風土
200202
散る姿見せず咲き継ぐ冬桜
伊藤いな栄
酸漿
200202
神杉に法螺貝ひびく冬桜
菅原庄山子
春耕
200202
魂に色ありとせば冬桜
武井清子
銀化
200202
日溜りに園児あつめる冬櫻
寺内佶
遠嶺
200202
冬桜たたへて祝ぎをたゝへ合ふ
辻美智子
円虹
200202
花守の御酒奉る冬櫻
伊丹さち子
馬醉木
200203
冬桜雲にひかりを奪はれし
中村房子
馬醉木
200203
手ばなせぬ杖となりけり冬櫻
清水明子
遠嶺
200203
香淳皇后ねむれる森の冬桜
家塚洋子
酸漿
200203
山の端に浮かびくる日や冬桜
太田寛郎
200203
冬桜とは人声にすぐ消えて
坊城俊樹
ホトトギス
200204
三昧堂に塚原問答冬桜
神蔵器
風土
200204
日輪に暈うすうすと冬桜
田崎凛
春耕
200204
水いろに空暮れかかり冬ざくら
井口光雄
200205
夕暮れを小さく開き冬桜
安部和子
雨月
200205
冬桜通りすがりにたたずめり
丹羽敦子
酸漿
200205
冬桜啄み野鳥飢え知らず
岸はじめ
ぐろっけ
200205
早熟の島ふくらんで冬桜
和田照海
京鹿子
200208
この後は風に対峙す冬桜
稲畑廣太郎
円虹
200301
冬ざくら朝日しづかに射しわたる
阿部ひろし
酸漿
200301
すきとほるやうにひらきし冬桜
森理和
あを
200301
冬桜ふりむかずにはゐられない
森理和
あを
200301
まぼろしか仰げば消ゆる冬桜
森理和
あを
200301
里山の遇ふ人やさし冬櫻
松村ゆきほ
遠嶺
200302
屋根替への選仏場や冬桜
下山田美江
風土
200302
白髪に日照雨の光る冬桜
大島翠木
200302
身の内にすこしの余白冬ざくら
永井収子
200302
手放せし生家むなしく冬桜
坂本フジ
帆船
200302
冬桜まばらに咲きて色淡し
渡辺睦夫
200302
杖いらぬ卒寿の母や冬桜
小山尚子
雨月
200302
消えいらむばかりに淡し冬桜
小山尚子
雨月
200302
敦盛の小束の錆や冬桜
岡田万壽美
雲の峰
200302
残照の梢うかべり冬ざくら
阿部ひろし
酸漿
200302
冬桜 2 へ      

 

2020年12月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。