冬温し 2   200句

禪堂に居士や大姉や冬ぬくし    伊万里梅城

暖冬  冬暖   冬温し

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冬ぬくし撫牛の日を懇ろに 小林眞彦 遠嶺 200503
冬ぬくし燃えないゴミに男靴 田村みどり 京鹿子 200503
冬ぬくし乳菓子といふ鵜戸銘菓 梅村五月 栴檀 200503
冬ぬくし天井の竜消えさうな 西山美枝子 酸漿 200503
冬ぬくし小さきラベンダーくるひ咲き 上藤八重子 酸漿 200503
冬ぬくし書肆に古老の京言葉 清わかば 雲の峰 200503
冬ぬくし紅の小笛の女の子 中川雄作 遠嶺 200503
隣の娘を呼び寄せ昼餉冬ぬくし 禰寝瓶史 京鹿子 200504
塩掛地蔵目鼻分たず冬ぬくし 田中章子 酸漿 200504
誉め上手なりし一言冬ぬくし 大山妙子 酸漿 200504
冬ぬくし母の着物をひろげゐて 前迫寛子 河鹿 200504
冬ぬくし駐車の窓のチワワの首 隅田恵子 雨月 200504
狛犬の脚の大きく冬ぬくし 秋千晴 200505
水かけし砥石色めく冬ぬくし 廣戸次郎 200507
母に会ふただそれだけの冬ぬくし 福地初江 200601
年寄りがとしよりに添ひ冬ぬくし 吉田三保 200601
冬ぬくし杖二人の路地を占む 赤座典子 あを 200601
口ずさむ軍歌と讃美歌冬ぬくし 芝生南天 河鹿 200602
華頂山門階上冬ぬくし 谷村幸子 200602
猿百態彫る縁框冬ぬくし こばやしきょうこ 200602
おほかたの家事片づきて冬ぬくし 松田有伽 河鹿 200602
京に来て本山めぐり冬ぬくし 古田考鵙 雨月 200602
酒樽に人の入りゆく冬ぬくし 蘭定かず子 火星 200602
亡き夫の教へ子寄りて冬ぬくし 長澤健子 酸漿 200602
日を集め峡の菜園冬ぬくし 菊池由惠 酸漿 200602
はじめての兄の歌集や冬ぬくし 半谷弘子 遠嶺 200602
おだやかな珊瑚の海の冬ぬくし 早崎泰江 あを 200602
冬ぬくし女ばかりの喫茶店 瀬下るか 200602
冬ぬくし江戸も京都も絵図の中 蓮井崇男 対岸 200602
冬ぬくし御未引そとか夏日坂 荻野嘉代子 春潮 200602
大楠の影にわが影冬ぬくし 近藤きくえ 200602
光悦の雨雲茶碗冬ぬくし 林日圓 京鹿子 200603
着信の音に顔あり冬ぬくし 菅原健一 200603
冬ぬくし顔を向けたる寺の猫 南浦輝子 火星 200603
朽ちてなほ大樹祀られ冬ぬくし 高倉和子 200603
冬ぬくし絹糸朱き曼荼羅図 武久昭子 風土 200603
冬ぬくし菓子屋横丁に姉妹 中島静子 酸漿 200603
竹林に鳥の睦言冬ぬくし 荻野照 遠嶺 200604
冬ぬくし猫の尾つぽの角に消ゆ 中野京子 200604
耳遠きひとにあひづち冬ぬくし 土屋酔月 火星 200604
海亀の来るといふ浜冬ぬくし 堀木基之 百鳥 200604
冬ぬくし鳥が動けば籠揺れて 柴田佐知子 200604
ドア閉めて心は開けて冬ぬくし 赤松赤彦 六花 200604
冬ぬくし目薬さすにイナバウアー 加藤君子 火星 200606
放浪の癖ある猫や冬ぬくし 佐々木はな子 遠嶺 200607
つぎはぎの稿仕上りぬ冬ぬくし 稲畑汀子 ホトトギス 200611
海見えて又曲る路地冬ぬくし 稲畑汀子 ホトトギス 200611
冬ぬくし昨日と同じやうな朝 稲畑汀子 ホトトギス 200611
哀しみに寄り添ふと決め冬ぬくし 須賀敏子 あを 200701
池に建つ丸太の遊具冬ぬくし 田村園子 200702
終点のなき山手線冬ぬくし 安部里子 あをかき 200702
失敗を笑ふ電話や冬ぬくし 久永淳子 春燈 200702
抱かれし嬰の福耳冬ぬくし 谷村幸子 200702
おはようとあいさつ返し冬ぬくし 中田侑希 200702
冬ぬくし石に座しては人を待ち 長沼紫紅 200702
冬ぬくし山菜入りのわつぱ飯 石山民谷 遠嶺 200702
この友の何となけれど冬ぬくし 岡本眸 200702
石舞台の中にも入りて冬ぬくし 大川智美 風土 200703
耳遠き人にあひづち冬ぬくし 土屋酔月 火星 200703
曼荼羅の板絵の紅や冬ぬくし 大川智美 風土 200703
焙じ茶の匂つつぬけ冬ぬくし 八田マサ子 馬醉木 200703
鷺降りてはなやぐ野川冬ぬくし 中島静子 酸漿 200703
冬ぬくし米糠の床かきまぜる 長崎桂子 あを 200703
冬ぬくし踏んで固める土竜道 生田恵美子 風土 200703
冬ぬくし眼細めて産着縫ふ 横松しげる 遠嶺 200703
冬ぬくし井戸蓋にある覗き穴 渡真利真澄 万象 200703
冬ぬくしふと立寄りし陶器市 青木政江 酸漿 200704
空耳にムーミンの声冬温し 鈴木照子 200704
穏やかにナイル船旅冬温し 須賀敏子 あを 200704
外濠に歯ぐきの男冬ぬくし 小形さとる 200704
家ぬちを小さき蛾のとび冬ぬくし 早崎泰江 あを 200704
冬温し古刹巡りを思ひ立ち 伊藤公子 酸漿 200704
冬ぬくし息子の作る玉子焼き 高倉恵美子 200704
冬ぬくし路面電車の赤シート 田中敬 200705
閑日月重ぬるほどに冬ぬくし 瀧青佳 ホトトギス 200705
籠脱けの鳥の並びて冬ぬくし 和島出 遠嶺 200705
すべきことべからざること冬ぬくし 永塚尚代 ぐろっけ 200705
冬ぬくし彼なら普段着で会へる 岡本眸 200705
冬ぬくし雀と同じもの食べて 百瀬七生子 海光 200705
冬ぬくし蛇口でお茶つぐお茶処 衣斐ちづ子 200705
蕾とは気づかぬ大きさ冬ぬくし 岩松八重 六花 200706
その後の青虎夫人に冬ぬくし 山田弘子 ホトトギス 200706
古堤いよいよまろし冬ぬくし 岡本眸 200711
冬ぬくし着飾ることも無き夕べ 宇都宮滴水 京鹿子 200712
冬ぬくしとは誰彼の挨拶に 稲畑汀子 ホトトギス 200712
繁盛の豆源角店冬ぬくし 鈴木榮子 春燈 200801
大柄な人と歩いて冬ぬくし 染谷晴子 200801
後手に回覧提げ来冬ぬくし 吉沢陽子 200802
洗濯ものぎつしりと干し冬ぬくし 齋部千里 ぐろっけ 200802
炊煙にくさやの匂ひ冬ぬくし 綱川恵子 万象 200802
肖像の眉は弓形冬ぬくし 大井邦子 ぐろっけ 200802
小豆干す媼の手許冬ぬくし 仁平則子 200802
すれちがふ人の会釈や冬ぬくし 舩越美喜 京鹿子 200802
伏せのまま主待つ犬冬ぬくし 中村悦子 200802
冬ぬくし擂粉木にある握り艶 古永すみれ 風土 200802
冬ぬくし三鈷杵御手に大師像 古永すみれ 風土 200802
冬ぬくし応挙の虎に目を合はせ 生田恵美子 風土 200803
冬ぬくしのけぞり仰ぐ天井画 岡田伊勢子 200803
雲動き人の動きて冬ぬくし 中野京子 200803
冬ぬくし写生の筆の良く動き 山荘慶子 あを 200804
産室に蠢けるもの冬ぬくし 篠田純子 あを 200804
冬温し机の上の血圧計 山荘慶子 あを 200804
冬ぬくし粒を揃へて農魂米 布川直幸 200804
冬ぬくし陽の旨味のる干物焼く 布川直幸 200804
冬ぬくし山削られて海の見え 桑島啓司 200804
冬ぬくしこんこん様の目が下がる 岡田章子 ぐろっけ 200804
ひとり居の孫の労り冬ぬくし 大木清美子 200805
身ほとりにいつも猫ゐて冬ぬくし 浅井美子 遠嶺 200805
迂闊また錯覚となり冬ぬくし 岩垣子鹿 ホトトギス 200805
致死量ぶん薬が溜まり冬ぬくし 宮崎すみ 神々の交信 200808
冬ぬくしカレー屋今日も人集め 稲畑廣太郎 ホトトギス 200811
三沢川羽摶くものに冬ぬくし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200811
冬ぬくし台湾の夜店蛙売る 勝原文夫 ペン皿 200811
冬ぬくし砂丘に人の沈みゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 200811
菊地寛賞ほのぼのと冬ぬくし 稲畑汀子 ホトトギス 200812
志継ぎゆく我等冬ぬくし 稲畑汀子 ホトトギス 200812
考へのいつも前向き冬ぬくし 稲畑汀子 ホトトギス 200812
冬ぬくしクルスをつけし鬼瓦 能村研三 200901
有頂天と謂ふ天ありて冬ぬくし 鈴鹿仁 京鹿子 200901
公園に子守あつまり冬ぬくし 大西八洲雄 万象 200902
愛犬は未婚の母に冬ぬくし 上田幸夫 ぐろっけ 200902
梲上げ木蝋の町冬ぬくし 村上絢子 馬醉木 200902
冬温し保育器の嬰ぱあをして 鈴木照子 200902
「完壁」と医師の一言冬ぬくし 石川清子 炎環 200902
楸邨の「百」の字の滲み冬ぬくし 伊藤無迅 炎環 200902
かな文字の美しき書展冬ぬくし 谷寿枝 酸漿 200902
認知症の母の安穏冬ぬくし 内田玉G 炎環 200902
日に三度食べて働き冬ぬくし 柴田佐知子 200902
舌出せる円空仏や冬ぬくし 中西光 炎環 200902
冬温し油彩画煌と美術館 佐藤健伍 200902
冬温し太った真鯉のほかをらず 竹内弘子 あを 200902
冬ぬくし右手が「ぱあ」の仁王像 岩井泉樹 春燈 200902
冬ぬくしのど飴まろぶ舌の先 伊藤憲子 200902
異国にてお下がり賜ふ冬ぬくし 伊吹之博 京鹿子 200902
握手して別れし友よ冬ぬくし 谷寿枝 酸漿 200902
待針の色を修めて冬ぬくし 米山のり子 馬醉木 200903
冬ぬくし新居に今日も小さき客 大西和子 ぐろっけ 200903
川蜷のひそむ名水冬ぬくし 石井邦子 酸漿 200903
弥生遺蹟の発掘つづく冬温し 石川元子 酸漿 200903
芝居跳ね余韻の銀座冬ぬくし 西田史郎 200903
師を訪へば迎への握手冬ぬくし 山本康夫 200903
背伸びして麒麟と咄す冬ぬくし 鈴鹿仁 京鹿子 200903
冬ぬくし鼻ふたつあるピカソの絵 近藤喜子 200903
冬ぬくし舌にほぐるるハムサンド 布川直幸 200903
冬ぬくし小屋入り渋る牧の牛 中石紀美代 万象 200903
石臼の残る旧家の冬ぬくし 鈴木多枝子 あを 200904
劇場を「小屋」と呼びゐて冬ぬくし 能村研三 200904
冬ぬくし黒人大統領若し 大西八洲雄 火星 200904
国沈みゆく兆かも冬温し 吉田耕人 ぐろっけ 200905
大切にしまひ忘れて冬ぬくし 高橋将夫 真髄 200907
次の世のあると思へば冬ぬくし 高橋将夫 真髄 200907
鶴島へ三歩の橋や冬ぬくし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200911
六甲の稜線模糊と冬ぬくし 稲畑汀子 ホトトギス 200912
冬ぬくし今年最後の旅控へ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200912
直売に群がる列や冬ぬくし 日山輝喜 201001
菅笠の並ぶ渡船や冬ぬくし 和田政子 201001
水底の三州瓦冬ぬくし 矢田かずこ 201001
n院弁天蛇身冬温し 赤座典子 あを 201001
防空壕に時空混ざるや冬ぬくし 篠田純子 あを 201001
二人して巡る公園冬ぬくし 中島静子 酸漿 201001
手を出せばすぐでる蛇口冬温し 伊東和子 201002
冬温し山廬主に迎へらる 澤田健一 201002
冬ぬくし風なき木洩日の中に 筒井八重予 六花 201002
冬ぬくし渡船を待つは旅に似て 田所洋子 雨月 201002
冬ぬくし畝にスコップ突き差しぬ 松下八重美 201002
冬ぬくし首を回せば鳴るこけし 櫻井さだ子 201002
孔子廟へ階十三段冬ぬくし 佐田昭子 ぐろっけ 201002
サボテンの曲り気になる冬ぬくし 須賀敏子 あを 201002
プレゼント着てくれる子や冬ぬくし 斉藤裕子 あを 201002
マイ箸のマップの浪速冬ぬくし 坂上香菜 201002
眺望の多武峰さへ冬ぬくし 稲岡長 ホトトギス 201003
落書に見ゆる上達冬ぬくし 太田佳代子 春燈 201003
似顔絵描き囲んでをりぬ冬ぬくし 本木下清美 ぐろっけ 201003
おばしまに身柄をあづけ冬ぬくし 高橋道子 201003
冬温し石の小橋に土の塊 大島英昭 やぶれ傘 201003
冬ぬくし百段苑を登り詰め 平田恵美子 ぐろっけ 201003
モヤイ像くつつき合うて冬ぬくし 荒井慈 春燈 201003
退院の知らせの文や冬温き 阿部悦子 酸漿 201004
師の絵馬を加へ多賀社の冬ぬくし 谷口芳江 201004
病室に謝辞交し合ひ冬ぬくし 岡野ひろ子 201004
どつと来る句集の返書冬ぬくし 阪本哲弘 201004
冬ぬくし生キャラメルはすぐに溶け 大木清美子 201004
朝市に飛び交ふ訛冬ぬくし 北尾章郎 201005
生涯を夢と思へば冬ぬくし 松田都青 京鹿子 201005
虚子の句を青畝が写し冬ぬくし 藤井啓子 ホトトギス 201005
水鳥の向きそれぞれに冬ぬくし 網野茂子 酸漿 201005
二百年点す灯台冬ぬくし 高橋大三 ぐろっけ 201005
甘樫の丘はまほろば冬ぬくし 稲畑汀子 ホトトギス 201011
旅共にせしを存問冬ぬくし 稲畑汀子 ホトトギス 201011
二十五年絶えぬ笑顔や冬ぬくし 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
冬ぬくし清澄庭のあをと会ふ 安部里子 あを 201101
冬ぬくしイルミネーション人の波 須賀敏子 あを 201101
ホラ吹きの父人気者冬温し 高橋泰子 201101
一念の「井筒」舞ひ終へ冬ぬくし 東亜未 あを 201101
娘に習ふ夫のピアノや冬温き 田下宮子 201102
母の介護を一家分担冬ぬくし 北尾章郎 201102
子を思ふのみの苛立ち冬ぬくし 和田政子 201102
冬ぬくし聖堂に添ひ青畝句碑 中原敏雄 雨月 201102
冬ぬくし師の句師の文字師の姿 望月晴美 201102
冬ぬくし伊予青石の句碑開き 中田寿子 ぐろっけ 201102
冬温し→ 3      

 

2020年12月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。