冬 芽 2       106句

たっぷりと冬芽や四十五本の木   宇多喜代子   ザ・俳句

冬芽  冬木の芽  冬の芽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
閻魔王辛夷の冬芽育てをり 河合佳代子 六花 200504
湖の一枚凪ぎや冬芽充つ 橋添やよひ 風土 200504
木蓮の冬芽に水のひかりをり 鈴木多枝子 あを 200504
待つといふこと美しき冬芽かな 丸山敏幸 200504
冬芽木のいつもの空の深さかな 三橋泥太 遠嶺 200505
江戸川辺冬芽光りし猫柳 松村東亜未 200508
牡丹の冬芽に未来托されし 稲畑汀子 ホトトギス 200511
つんつんと梢点々と冬芽かな 稲畑汀子 ホトトギス 200511
災害をくぐり来たりし冬芽かな 稲畑汀子 ホトトギス 200511
山荘の冬芽抱ける木々高し 稲畑汀子 ホトトギス 200512
稀の日を冬芽にとどめ能の里 鈴木漱玉 馬醉木 200512
尼寺の冬芽しづかに喰う烏 山尾玉藻 火星 200602
仏展や冬芽しばらく見て去れり 大島翠木 200603
冬芽固き醍醐の太閤桜かな 橋添やよひ 風土 200603
青空の飛び飛びに来し冬芽かな 山田六甲 六花 200603
あぢさゐのとんがり冬芽濃むらさき 丹生をだまき 京鹿子 200603
風吼ゆる臆すことなく冬芽伸ぶ 森下昭子 四葩 200603
緋桜の冬芽無数の星呼べり 久保東海司 200604
子供等の声に冬芽のふくらめる 西畑敦子 火星 200604
潮風の道木蓮の冬芽たつ 佐々木よし子 200604
冬芽立つ辛夷に集ふ朝雀 大坪景章 万象 200604
木蓮の冬芽に星の生れけり 中島伊智子 酸漿 200604
つまづいて土匂ひけり冬芽垣 田中藤穂 あを 200604
冬芽立つ石割る力見たりけり 安田青葉 対岸 200604
森すでに冬芽の点りそめにけり 大津立子 ホトトギス 200605
牡丹の冬芽大きく育ちけり 二村蘭秋 雨月 200605
朝の日の光の中に冬芽かな 清水和子 酸漿 200605
友見舞い冬芽の道を帰りけり 飯田泰子 八千草 200606
木々まとふもの地に返し冬芽かな 稲畑汀子 ホトトギス 200611
枯れ尽す木々は冬芽のためのもの 稲畑廣太郎 ホトトギス 200612
久女忌や薔薇の冬芽の真くれなゐ 橋添やよひ 風土 200701
吉凶を占ふ朴の冬芽かな 能村研三 200702
念仏宗永観ようかん律師冬芽立つ 橋添やよひ 風土 200702
月華殿楓の冬芽かかげたる 阿部ひろし 酸漿 200702
露地に入る冬芽に雨のあるを見て 市場基巳 200703
日方吹き鳥とまらずの冬芽起つ 黒田咲子 200703
平等院の枝垂桜に冬芽立つ 中村洋子 風土 200704
大いなる夢ささやかな冬芽立つ 小澤克己 遠嶺 200704
満天星の冬芽総身武器として 山田景司 遠嶺 200704
山麓へ冬芽起しの風つのる 黒田咲子 200704
毛ごろもの辛夷の冬芽総立ちに 大坪景章 万象 200704
雨弾く山葵の冬芽真青なる 滝浪さかゑ 万象 200704
曇天に辛夷の冬芽犇ける 池田倶子 雨月 200705
ひそめたる命冬芽の所在はも 稲畑汀子 ホトトギス 200712
窓みがく冬芽の空を大切に 古屋元 200802
陽をまとひ赤き冬芽の出揃ひぬ 山荘慶子 あを 200802
諍ふや冬芽つんつん庭先に 筏愛子 200803
まつさきの躑躅冬芽のいのちかな 紅露恵子 万象 200803
釣堀に音消えてゐる冬芽かな 廣畑忠明 火星 200804
冬芽立つ牡丹孫文曽遊の地 角直指 京鹿子 200804
冬芽立つ日はしづしづと一行詩 村田冨美子 京鹿子 200804
夕暮や紅き冬芽の伸びてをり 山荘慶子 あを 200804
冬芽つんつん空は里へと続くなり 鈴木多枝子 あを 200804
あぢさゐの冬芽に淡く紅きざす 佐藤晴子 万象 200805

 廣太郎句碑除幕

蔵したる桜冬芽の守る句碑

稲畑汀子 ホトトギス 200812
山のもの冬芽立ちたる千社札 片田きく 200901
閑庭や殊に冬芽の鱗立ち 水原春郎 馬醉木 200902
艶やかな冬芽粒粒幽霊梅 赤座典子 あを 200902
残月の冬芽に懸かるしじまかな 四條進 200903
墓域にて太る桜の冬芽かな 山崎靖子 200903
かつかつに剪り冬芽待つ男なり 荒井和昭 200903
刈り込んで促す冬芽無垢無心 渕上千津 200903
こぼれ日に冬芽の赤さ確かなり 飯田角子 酸漿 200903
冬芽立つ風容赦無く吹きつのり 池部久子 酸漿 200903
のびやかに一人の暮し冬芽出づ 田中藤穂 あを 200903
二月堂冬芽ふくらみはじめけり 岬雪夫 200904
どの枝も冬芽ゆたかに大欅 坂入妙香 春燈 200904
神木の千本公孫樹冬芽垂る 中村紀美子 春燈 200904
振り袖柳赤き冬芽の角立ちて 折橋綾子 200904
梅の木の冬芽に来り四十雀 久保田ヤスエ 酸漿 200904
良き日和牡丹の冬芽膨めり 石井邦子 酸漿 200904
実石榴の残りし枝の冬芽立つ 大山春江 万象 200905
剪りつめしあぢさゐ冬芽微熱かな 鈴木多枝子 あを 200905
耳飾りほどの冬芽に触れてみし 涼野海音 火星 200905
万象に口つぐみゐる冬芽かな 鈴木勢津子 樹間 200911
冬芽抱く木々の明るさ九十九折 稲畑汀子 ホトトギス 201001
木洩れ日の冬芽ばかりを照らしゐる 相模創 ろんど 201001
姫娑羅の白き冬芽や雲寄せず 松本三千夫 末黒野 201002
掌を合はすなりの冬芽は宮どころ 豊田都峰 京鹿子 201003
師の生誕百年朴の冬芽満つ 北川英子 201003
葉を脱ぎて冬芽にきほひ生れけり 板稿昭子 201003
柏槙の萌黄の冬芽建長寺 小川玉泉 末黒野 201003
友癒えよ冬芽挙りて天を指す 安立公彦 春燈 201003
朴の木の冬芽が宙にそそり立つ 浅野恵美子 酸漿 201003
冬芽満つ石柱残る小学校 森理和 あを 201003
昨夜の雨含みて冬芽匂ひ立つ 岡崎春菜 万象 201004
青空へ辛夷の冬芽立ちあがる 穂苅照子 万象 201004
いま冬芽天守の前の桜の樹 古川忠利 ろんど 201004
親しめり心波打つ日の冬芽 篠田純子 あを 201004
日ざし満つ桜冬芽の飛鳥山 新妻奎子 万象 201005
G線上の冬芽ひとり居なくなる 直江裕子 京鹿子 201005
満天星の万の冬芽の紅を刷く 小川玉泉 末黒野 201005
根付きたる証数多の冬芽かな 安原葉 ホトトギス 201006
冬芽には太陽吾に祈りあり 竹下陶子 ホトトギス 201006
マロニエの冬芽に托す期待あり 稲畑汀子 ホトトギス 201012
高曇り紅き冬芽の句読点 石川かおり 201102
日当たりに冬芽はぐくむ娑羅双樹 浜福惠 風土 201102
木漏日に沙羅の冬芽の育ちをり 阿部文子 酸漿 201102
搦手に冬芽雌伏の紅きざす いぶすき幸 万象 201103
冬芽すでに年輪深く刻みたる 岩下芳子 201104
鉢植の桜の冬芽遜色なし 井上春子 春燈 201104
ふつくらとしかと冬芽を幣辛夷 松本三千夫 末黒野 201104
神の森冬芽整ひ気の満てる 福島しげ子 ろんど 201104
烏瓜下げて桜の冬芽立つ 大坪景章 万象 201105
ビル風に冬芽研がれてゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201112
汀子邸とは冬芽にも詩心 稲畑廣太郎 ホトトギス 201112
冬芽→ 3      

 

2021年1月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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