冬 日 8    100句

藪の中冬日見えたり見えなんだり   高浜虚子

冬日  冬の日  冬陽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
『不如帰』蘆花逝きし部屋冬日射す 鈴木石花 風土 201102
いよよ反る指に冬日や伎芸天 小林成子 201102
しなやかに冬日束ねて那智の滝 泉一九 やぶれ傘 201102
しろじろと浮き上がる街冬日射す 米山喜久子 201102
ドラム缶にてピザを焼く冬日向 広瀬俊雄 万象 201102
愛犬の癒しのポーズ冬日向 森下康子 201102
椅子に夫をりて冬日を浴びてをり 井上信子 201102
雲を出し冬日一郷照らしけり 山内四郎 春燈 201102
何でも屋奥に冬日のひとつあり 佐藤喜孝 あを 201102
気どりなき会話は宝冬日向 石川かおり 201102
泣き叫ぶ嬰におろおろと冬日向 松田和子 201102
金蝿に西へ西へと冬日向 長崎桂子 あを 201102
故郷を詠みし句碑へと冬日射す 中田寿子 ぐろっけ 201102
黒羽の芭蕉の句碑に冬日向 須賀敏子 あを 201102
黒板に冬日のさして師の忌日 鳥居秀雄 201102
子育ての絵馬を射抜ける冬日の矢 清水美子 春燈 201102
手庇の冬日嵯峨野の端にゐて 金澤明子 火星 201102
掌に山雀の来る冬日来る あかさか鷹乃 ろんど 201102
薪割りの斧を冬日へ振りかぶる 遠藤真砂明 201102
川はさむ妹背の山の上ぐ冬日 豊田都峰 京鹿子 201102
掃き拭きに恃む冬日の陰りたり 永見嘉敏 酸漿 201102
冬日差す大道芸の指の先 高田令子 201102
冬日差す伏見港の時計台 岡和絵 火星 201102
冬日燦雑草といふ草は無き 土屋実郎 末黒野 201102
冬日射す真正面に大鳥居 米山喜久子 201102
猫好きの文人住みき冬日向 菅谷たけし 201102
描きかけて逝きし夫の絵冬日さす 井上幸子 酸漿 201102
うなそこに眠むる艦あり冬日かな 本多俊子 201103
まばたきに光り飛び散る冬日かな 田尻勝子 六花 201103
サーカスのショーにみとれて冬日暮れ 原田圭子 ぐろっけ 201103
トルソーや冬日はいつも斜めより 能美昌二郎 201103
絵馬堂の武者絵に冬日届きけり 宮崎高根 201103
亀石の手足伸びをる冬日かな 前田美恵子 201103
教会のステンド窓の冬日濃し 近藤豊子 雨月 201103
山国の冬日かがやく山車歌舞伎 山田春牛 万象 201103
児のピストル我を標的冬日向 大西和子 ぐろっけ 201103
静かなるドア並びけり冬日射 伊庭玲子 201103
節穴を棒のごとくに冬日差 伊藤紫水 風土 201103
大仏に豊麗線や冬日射 田中貞雄 ろんど 201103
冬日向ヴィタミンDを肌より 桑原逸子 201103
冬日得て円空仏はゑみ給ふ 千田敬 201103
冬日浴ぶ俳聖殿の屋根まろし 武田ともこ ぐろっけ 201103
鍋釜や逝きたる棚に冬日さし 定梶じょう あを 201103
野良猫の冬日に顔をしかめをり 山田六甲 六花 201103
幼子はぜんまい仕掛け冬日向 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201103
立ち上がる冬日の中のホームレス 篠田純子 あを 201103
露座仏へ人肌色の冬日差 平野みち代 201103
楝の実冬日の重さほど揺るる 中島讃良 ろんど 201103
しろがねの冬日に酔ひてをりにけり 松原仲子 201104
嬰児に初対面の冬日向 池田いつ子 酸漿 201104
影といふ影持ち去りて冬日落つ 柴田良二 雨月 201104
額堂の額に冬日のやはらかき 青木政江 酸漿 201104
弓場にて的を繕ふ冬日向 鳳蛮華 201104
雑草の小花びつしり冬日向 黒澤登美枝 201104
山一つ冬日移りぬ西行庵 佐野和子 万象 201104
師の墓のぬくもりゐたり冬日向 山田春生 万象 201104
車井に錆びたる滑車冬日差し 五十嵐勉 201104
小枝より冬日零して野鳥たつ 小倉正穂 末黒野 201104
象の鼻濁る冬日に伸びて来る 山田佳乃 ホトトギス 201104
杉間より句碑に漲る冬日影 横井博行 万象 201104
切株の年輪匂ふ冬日かな 乙坂きみ子 末黒野 201104
尖りゐる冬日を揺らす鏡かな 松原仲子 201104
窓に冬日粲々窓を磨かねば 嶋田摩耶子 ホトトギス 201104
冬日はや退りし庭の水の音 安原葉 ホトトギス 201104
冬日影軒勧進の大草鞋 佐藤満智子 ろんど 201104
冬日向向かひの土手にありにけり 神山市実 やぶれ傘 201104
冬日濃し鍼灸院の人体図 林昭太郎 201104
冬日美し平家亡びし潮には 矢野百合子 201104
無縁塚朝だけ冬日あたりけり 定梶じょう あを 201104
餅を切る父の腰浮く冬日向 塚山田美恵子 火星 201104
初孫と初対面や冬日向 池田いつ子 酸漿 201105
冬日さす棚田の里は水豊か 宮崎正 ホトトギス 201105
冬日やさし濃娘だみこ壷抱くは添乳めき 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
冬日向宇宙帰りの薔薇香る 福島松子 ぐろっけ 201105
波消しに波砕け散る冬日射し 藤井美晴 やぶれ傘 201105
百体の地蔵の分かつ冬日向 石川叔子 201105
揺れゐたる冬日の中の胡蝶蘭 志方章子 六花 201105
葉のあはひ冬日まつすぐ射し入りし 吉弘恭子 あを 201105
背を伸ばす獅子の薄目や冬日向 有賀昌子 やぶれ傘 201106
編棒を踊らせてゐる冬日向 山田佳乃 ホトトギス 201106
椅子たちがのんびりしてる冬日向 火箱游歩 船団 201107
真冬日にして立春の胡桃の木 野沢しの武 風土 201107
少し褪せし冬日の遺影撫でてみる コ田千鶴子 花の翼 201111
冬日向雀ちよんちよん猫だらり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201111
薔薇窓の冬日吾には届かざる コ田千鶴子 花の翼 201111
紅殻が指から落ちぬ冬日中 吉弘恭子 あを 201112
腰掛けし石ほっこりと冬日向 小菅美代子 ぐろっけ 201112
大手門入れば冬日の角巨石 長谷川鮎 ぐろっけ 201112
冬日差し崖を割りつつ大樹の根 篠田純子 あを 201112
冬日差し亀か岩かとしばし論 篠田純子 あを 201112
モスレムもユダヤも墓に冬日受く 細野恵久 ぐろっけ 201201
戸を繰れば冬日燦たり卒寿越ゆ 小林清之介 風土 201201
小窓へと紫煙誘はれ冬日差 町山公孝 201201
冬日背に足湯でながむなまこ壁 川井素山 かさね 201201
冬日零れ枯山水の毛越寺 高橋泰子 201201
板塀へ鬼の背中に冬日射 吉弘恭子 あを 201201
のんびりと冬日楽しむ地獄耳 宮崎左智子 201202
はや冬日逸れたる翳りクルス紋 田中貞雄 ろんど 201202
ブラインドに洩るる冬日や美人女医 杉本綾 201202
萎ゆる花咲き出づる花冬日燦 四條進 201202
下着類冬日にまかせ乾かせり 筒井八重子 六花 201202
冬日→ 9      

 

2021年1月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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