冬 日 7    100句

胃の闇に届く冬日のありにけり  長谷部朝子  暖流

冬日  冬の日  冬陽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
読みさしの一書に冬日斜めなり 松本幹雄 馬醉木 200903
みなとみらいビル群冬日分ち合ふ 関洋子 200904
ビル街に低き子規庵冬日射す 宮田香 200904
交番の一輪挿や冬日さす 山荘慶子 あを 200904
人が皆影連れ歩く冬日かな 小野木雁 酸漿 200904
正午打つ時の冬日が石垣に 定梶じょう あを 200904
冬日射さはり大黒笑み給ふ 井口初江 酸漿 200904
葉山葵へ冬日差し入る布留の森 佐野和子 火星 200904
磔像の素足へ冬日移りけり 大山春江 火星 200904
肩組んでゆくやうに冬日と歩く 岩岡中正 ホトトギス 200905
隻眼の冬日の踊る石舞台 岩垣子鹿 ホトトギス 200905
冬日いま塔の止まる八一の忌 佐藤信子 佐藤信子集 200905
父の手が肩にあるやう冬日差し 太田陽子 200905
飛石を冬日向へと跳んで入る 湯川雅 ホトトギス 200906
断層のいまは動かず冬日西 八田木枯 晩紅 200908
あるがままを綴る弔辞や冬日ざし 能村研三 200912
子規庵の天上板に冬日差 佐藤喜孝 あを 200912
竹とんぼ飛ばして遊ぶ冬日向 滝沢伊代次 万象 200912
天窓から黙示のやうな冬日かな 小嶋洋子 泡の音色 200912
冬日濃し登四郎翔のとこしなへ 能村研三 200912
日の出後のただの冬日を濤の上 鳥居おさむ ろんど 200912
猫だいて婆の坐れる冬日向 滝沢伊代次 万象 200912
ひるみてはならじ冬日の南窓 大橋敦子 雨月 201001
縁結び祈るあなたに冬日濃し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201001
格子戸に風あそびをり冬日影 片岡久美子 201001
天守閣冬日に人を溢れしめ 椋本一子 雨月 201001
冬日さす防空壕に木の根の香 篠田純子 あを 201001
冬日射す吽の仁王を袈裟懸けに 上原重一 201001
堂々と家紋梲に冬日燦 藤見佳楠子 201001
鍋横の由来の碑文冬日影 芝宮須磨子 あを 201001
養生に謝して冬日の南窓 大橋敦子 雨月 201001
きらきらと冬日のかけら舞ふ水車 上原重一 201002
たひらかに冬日天降れる相模灘 渡辺輝子 201002
カステラの粗目噛み当て冬日向 芝尚子 あを 201002
杭の如き河馬の歯冬日噛みにけり 松井倫子 火星 201002
行人坂羅漢の笑まふ冬日向 篠田純子 あを 201002
山を見る牛たつぷりと冬日浴び 和田満水 201002
山梔子を移し冬日を取り込めり 鈴木多枝子 あを 201002
糸通し難き針穴より冬日 千田百里 201002
神域に乾ぶ酒樽冬日溜め 藤岡紫水 京鹿子 201002
団子坂藪下通り冬日燦 吉弘恭子 あを 201002
冬日射る一代で閉づ呉服店 森理和 あを 201002
冬日浴び千駄木の坂猫歩む 須賀敏子 あを 201002
日光に明治の館冬日さす 鈴木石花 風土 201002
文机の硯の海の冬日かな 乙黒理和 遠嶺 201002
木造の三階建の冬日影 篠田純子 あを 201002
雷門の神の褌に冬日濃し 小泉三枝 春燈 201002
路線図を逆さに晒し冬日向 成田美代 201002
さんさんと冬日とり入れ乾鰯かな 鈴木多枝子 あを 201003
ステンドグラス越しの冬日やイエス在す 岡谷栄子 201003
チェロを弾く新婦に冬日燦々と 山本漾子 雨月 201003
干し魚の歯並びに冬日差しかな 大崎紀夫 やぶれ傘 201003
眼鏡取り背のびしてみる冬日向 鎌倉喜久恵 あを 201003
鼓笛隊のトランペットに冬日燦 和田崎増美 雨月 201003
山内の妹背の句碑に冬日燦 西村しげ子 雨月 201003
畳の目一つ前進冬日射 泉田秋硯 201003
針運ぶ窓いっぱいの冬日ざし 菅野蒔子 末黒野 201003
水面に冬日さざめく浪華かな 竹中一花 201003
茶畑の丸きうねりの冬日燦 足立典子 雨月 201003
点滴のおちる早さに冬日射す 芝宮須磨子 あを 201003
冬日映え光の箱の立つ都心 田所節子 201003
冬日向猫の二匹の離れ座す 大崎紀夫 やぶれ傘 201003
冬日差す巳の神杉の天辺に 高田たみ子 万象 201003
冬日入る碇泊船の窓を染め 谷村祐治 雨月 201003
飛び石の一つ一つにのる冬日 川井秀夫 ろんど 201003
飛石の一つ一つにのる冬日 川井秀夫 ろんど 201003
撫仏冬日の廊に端座せり 町田政子 酸漿 201003
片隅の粗乃木にやさしき冬日かな 藤田千枝子 末黒野 201003
夕陽受け手を振る叔母の冬日影 増円一代 201003
来し友と峡の冬日を称へあふ 関戸国子 酸漿 201003
眩しくて冬日に背ナを向けにけり 大橋敦子 雨月 201003
も一つの己の背に冬日射す 竪山道助 風土 201004
遺髪塚しばしとどめむ冬日射 大西逸子 京鹿子 201004
雲寄せぬ冬日や基地の海たひら 松本三千夫 末黒野 201004
車椅子のゆつくり通る冬日差 井上静子 201004
草の間の雀はね寄る冬日かな 秋田建三 201004
点滴の窓に冬日の容赦なく 岡野ひろ子 201004
点滴を連れて歩ける冬日向 苑実耶 201004
冬日向ビルのあはひにありにけり 有賀昌子 やぶれ傘 201004
冬日射る史実秘めたる塚の闇 木村美智穂 遠嶺 201004
冬日輪雲遍歴に疲れたり 泉田秋硯 201004
父祖の畑冬日のなかに居りにけり 濱田カノエ 酸漿 201004
噴水の気ままな高下冬日向 泉田秋硯 201004
野いばらの赤き実冬日にくるまれて 山上良江 万象 201004
野に放ち犬と冬日を楽しめり 福田漣 201004
路地ひとつ違へて迷ふ冬日かな 飯田角子 酸漿 201004
改札機壊れ腑分けの冬日差 井上美智子 201005
精米所に鳩も顧客や冬日差 桂敦子 201005
冬日向人と生まれて妻と居り 大久保豊 遠嶺 201005
冬日差し込む梵鐘の由緒書 河合とき 末黒野 201005
冬日射す昔は江戸のビルの街 田宮勝代 酸漿 201005
子規庵に子規の句を見る冬日向 國保八江 やぶれ傘 201006
冬日向漁港の匂ひ攫ひゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011
冬日さす生原稿に推敲跡 能村研三 201012
やはらかき冬日の中や大師像 海老名ムツヱ 酸漿 201101
柿幾つ残して冬日沈みゆく 小野木雁 酸漿 201101
冬日影ゴッホの孤独思ひけり 小西和子 201101
冬日重しと噴水の丈縮む 千田百里 201101
北側は冬日の当たる八坂まで 西村雪園 風土 201101
『不如帰』蘆花逝きし部屋冬日射す 鈴木石花 風土 201102
冬日 →8      

 

2020年12月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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