冬 日 5    100句

起きいでて窓の冬日を手にしたり   赤城さかえ   浅蜊の唄

冬日  冬の日  冬陽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冬日向獅子肉球を曝しけり 石川笙児 200603
冬日向張り替へし的干されあり 杉江美枝 百鳥 200603
冬日差す正子の椅子の小座布団 山崎祐子 栴檀 200603
冬日燦去勢日本の男にも 苑田ひろまさ 200603
病む姉の笑顔に冬日さしにけり 永井由利子 百鳥 200603
墓石彫る鑿の先まで冬日差す 大串若竹 百鳥 200603
六角堂冬日射し込む畳の目 梅田秀子 酸漿 200603
鵯飛べり林中に冬日あればなほ 三関浩舟 栴檀 200603
たとふれば冬日のやうな母なりき 大橋麻沙子 雨月 200604
久々の冬日大事に布を干す 永岡セツ 酸漿 200604
掘割の冬日分けゆく棹さばき 菊地光子 200604
雑木山冬日に音のありにけり 廣畑忠明 火星 200604
生還の歓喜沸々冬日燦 泉田秋硯 200604
冬日射すロイヤルコペンの手描きの筆 阿部泰子 春燈 200604
手向花すくなき義士に冬日差 佐藤喜孝 あを 200605
真向ひに富士ある一日冬日差す 徳田正樹 河鹿 200605
鶴見川冬日いちまい流しをり 上林孝子 200605
電柱の影が斜めや冬日の田 上林孝子 200605
飛石の平らたひらに冬日射 木内憲子 200605
火の山や赫(か)つと飛びくる冬日の箭 瀧春一 瓦礫 200606
花のひらくごとく冬日の射しにけり 瀧春一 瓦礫 200606
成長なし冬日糸為す中に老け 八田木枯 晩紅 200606
大富士の量感冬日ただよへる 瀧春一 常念 200606
あめわたる冬日も永し白飼ふ 瀧春一 常念 200606
冬日の山匂へり湖の眞蒼きに 瀧春一 常念 200606
冬日の熔岩らばみなそこにあるもKき熔岩 瀧春一 常念 200606
冬日消え現れすこしづつ去りぬ 瀧春一 瓦礫 200606
冬日濃し漢ばかりの哲学堂 松本きみ枝 遠嶺 200606
寂寞と開山堂に冬日満つ 小澤克己 塩竃 200608
冬日のやうな亡き母君に逢はれけむ 岸本林立 雨月 200609
てらてらと卑弥呼冬日を弾き航く 稲畑廣太郎 ホトトギス 200611
句碑の文字冬日なぞつてゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200611
大川の水と冬日の対話かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200611
衰残のオーケストラに冬日射せ 能村研三 200612
冬日得てむらさき深き木々の影 岡本眸 200612
かすかなる冬日の温み鴨睦ぶ 渡邉友七 あを 200701
軒下に冬日集めて鉢並ぶ 岡田麻枝 酸漿 200701
塾生の起居一畳や冬日差 水原春郎 馬醉木 200701
水押して冬日をすくふ鴨の嘴 神蔵器 風土 200701
大和三山冬日の中に定まりぬ 浜田栄子 京鹿子 200701
滝すそは小滝千筋にさす冬日 阿部ひろし 酸漿 200701
朝餉の卓パン屑にある冬日かな 塩田博久 風土 200701

台湾

衛兵の銃剣冬日を返しけり

今井弘雄 春燈 200702
駅員の冬日に佇ちてマストめく 小嶋洋子 200702
過去重くなりしよ冬日黄なりけり 岡本眸 200702
耕二忌の冬日落ちても燃ゆる雲 和田祥子 馬醉木 200702
四方ビル真中に冬日万華鏡 金澤明子 200702
大甍は大冬日向鳩たちに 阿部ひろし 酸漿 200702
冬日差身をまかせゐる歯科の椅子 森茱明 京鹿子 200702
磐座やわれひと粒の冬日となり 浅田光代 風土 200702
服薬や真冬日なほも続くらし 佐々木幸 200702
旅の終り冬日の赫き芒原 芝尚子 あを 200702
林芙美子もんどり打つて冬日射 堀内一郎 あを 200702
截金の細工の妙や冬日燦 松波とよ子 春燈 200702
楷の木によき冬日さす日なりけり 阿部ひろし 酸漿 200702
緞帳の降りるが如く冬日落つ 和田祥子 馬醉木 200702
パン屑をついばむ群や冬日向 池崎るり子 六甲 200703
ミシン日を切取り冬日あふれけり 篠藤千佳子 200703
磯釣の竿が冬日の空を切る 小城綾子 200703
国宝の三尊像に冬日射す 大井彌雨 雨月 200703
山鳩に啼かれたちまち冬日没る 泉田秋硯 200703
子規庵の冬日に吊す糸瓜かな 小林優子 酸漿 200703
術後なるわれにあまねき冬日かな 守屋井蛙 酸漿 200703
染めあげし紅型模様冬日濃し 今井松子 遠嶺 200703
茶どころに焼酎館冬日燦 坂上香菜 時流 200703
冬日さす風吹峠越えてをる 近藤紀子 200703
冬日影弔の札懸く空き獣舎 平川倫子 ぐろっけ 200703
冬日差す素直な人の眉細し 瀬下るか 200703
冬日呑むほど透き通る鯉のしし 米山喜久子 200703
美女石の謂れの石も冬日浴ぶ 渡辺暁 酸漿 200703
美童(みやらび)の与論エイサー冬日燦 坂上香菜 時流 200703
キャプテンの礼拝の背に冬日射す 須賀敏子 あを 200704
プラタナス・ベンチ・プラタナス・ベンチ・冬日 服部早苗 200704
縁側の布団に冬日入り込む 阿久津勝利 万象 200704
下敷に砂鉄立たせてゐる冬日 篠藤千佳子 200704
駒下駄の箱に冬日を入れてをく 吉弘恭子 あを 200704
掘り起す土に冬日を馴染ませり 阿久津勝利 万象 200704
車椅子の義母のむさぼる冬日かな 松嶋一洋 200704
城跡の古井冬日を吸ひ込める 笹村政子 六花 200704
斉昭の歌碑に冬日の零れけり 君塚敦二 春燈 200704
千年を語る礎石に冬日燃ゆ 松林順子 雨月 200704
点滴に冬日の届く箱の部屋 篠田純子 あを 200704
冬日向事故の仔細を問はれをり 小島みつ代 200704
冬日燦クレオパトラの地中海 須賀敏子 あを 200704
冬日満つ茅葺き農家の縁広し 羽賀恭子 200704
日の差して埃も浮かれ冬日向 小椋夏 200704
廃屋に暦残れり冬日射 中嶋孝子 200704
反橋の冬日うららや称名寺 東芳子 酸漿 200704
野球用具片寄せてある冬日向 廣畑忠明 火星 200704
眩しさの冬日雲なし頬撫でる 丸山冬鳳 京鹿子 200704
つの字に曲げ尻に冬日の野良着かな 秋千晴 200705
なほ高き岩の冬日に牡鹿かな 百瀬七生子 海光 200705
縁側に母の居さうな冬日向 武井美代子 万象 200705
戒名の朱色に冬日入りにけり あさなが捷 200705
昼過ぎの漁港とろりと冬日差 隈部郁子 200705
冬日さす神戸駅舎の貴賓室 津田霧笛 ぐろっけ 200705
冬日射す文学館の机・椅子 石橋萬里 ぐろっけ 200705
翩翻と衣張山の冬日かな 百瀬七生子 海光 200705
冬日影だけは八頭身であり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200706
天道虫身をあからめて冬日に 金井充 百日紅 200711
      冬日→ 6

 

2020年12月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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