冬 日 4    100句

くれなゐのこころの闇の冬日かな   飯田蛇笏   山廬集

冬日  冬の日  冬陽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冬日差し古傷いたみだす樹海 小澤克己 遠嶺 200502
波郷忌の路地に溢るる冬日かな 横森みゆき 雲の峰 200502
無花果の剪りつめし枝冬日かな 辻恵美子 栴檀 200502
裏町のビルの裏側冬日濃し 伊藤たいら 雲の峰 200502
ずんずんと仏間に入り来冬日かな 大西正栄 雨月 200503
一方に傾きて木々冬日受く 清わかば 雲の峰 200503
羽虫消え急におとろへたる冬日 斧田綾子 対岸 200503
家々を将棋倒しに冬日影 渡辺隆 遠嶺 200503
海苔筏に冬日鏤む須磨の浦 岡村葉子 栴檀 200503
境内の冬日を集め花を売る 蓮井崇男 対岸 200503
孔雀鳴く冬日の匂ひ焦げくさし 本多俊子 200503
舌頭の海千転の冬日落つ 小澤克己 遠嶺 200503
洗礼の滴れる子に冬日濃し 辻恵美子 栴檀 200503
賊軍となりし土地なり冬日なびく 松本鷹根 京鹿子 200503
打ちとけて楽しき会話冬日向 長瀬恒子 遠嶺 200503

大き背の冬日に紛れ給ひけり

鈴木撫足 春燈 200503
大桑の洞然と抱く冬日かな 井上信子 200503
天仰ぎ冬日まぶしき齢かな 大西正栄 雨月 200503
天平の伽藍の礎石冬日さす 夏目満子 酸漿 200503
冬日だまり通園バス待つ赤い頬 橘高絹子 200503
冬日差す古墳の石原踏めば鳴る 西屋敷峰水 河鹿 200503
冬日燦口中にがきエスプレッソ 中尾公彦 200503
冬日射す心療内科の待合室 徳田正樹 河鹿 200503
湯につかるやうに冬日をいただきぬ 成井侃 対岸 200503
道祖神冬日の影の柔らかし 森竹昭夫 遠嶺 200503
乳鋲に冬日きらめく大手門 梅村五月 栴檀 200503
風が哭く冬日とどかぬ竹林 北圃愛子 帆船 200503
頬杖の羅漢に冬日届きけり 鎌倉喜久恵 あを 200503
無頼派をとほす夫の背冬日向 飛鳥由紀 200503
目隠し塀苔青々と冬日中 梅村五月 栴檀 200503
隆盛像冬日の宙を睨みをり 梅村五月 栴檀 200503
イルカ翔ぶピエロよろしく冬日浴び 根本随縁 200504
フラミンゴの炎色燃えたつ冬日向 堀田こう 雨月 200504
マンションを見上ぐ燈台冬日向 藤井久仁子 ぐろっけ 200504
鎌倉の栗鼠を眠らす冬日かな 西山美枝子 酸漿 200504
気配遺し自動扉閉づ冬日向 松井洋子 ぐろっけ 200504
軽やかな水のオブジェや冬日向 坂本ひさ子 遠嶺 200504
千歳松あをあを冬日浴びにけり 蓮井崇男 対岸 200504
対岸や冬日つぶての窓ひとつ 岡本眸 200504
冬日向雑木も石も貌を持ち 松井洋子 ぐろっけ 200504
冬日向体温持ちし招き猫 松井洋子 ぐろっけ 200504
冬日射す母病床の誕生日 徳田正樹 河鹿 200504
逃げやすき狐格子の冬日かな 橋添やよひ 風土 200504
剥落の薬師仏にも冬日濃し 高倉恵美子 200504
物言へぬ友の手握る冬日向 高倉恵美子 200504
眞冬日の朝のつぶやき関節に 長崎桂子 あを 200504
鋼鉄の骨格の落とす冬日影 佐藤仁 200505
大鳥居空間といふ冬日向 櫻井多恵 200505
冬日向哲学堂の理想橋 荒幡美津恵 遠嶺 200505
冬日落つより電飾の街となる 今橋眞理子 ホトトギス 200505
駒ケ岳には冬帝眉山には冬日 上崎暮潮 ホトトギス 200508
米俵金となりゆく冬日閑 瀧春一 菜園 200509
野の冬日戀ひて逃避のこころ湧く 瀧春一 菜園 200509
麥畑の起き伏し冬日わたるなり 瀧春一 菜園 200509
山の端を紅く染め上げ冬日落つ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200511
ランドマークタワー冬日に歪みたる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200512
五夜六日焚きおほせたり冬日燦 小宮淳子 春燈 200512
赤煉瓦冬日吸ひ込む角度かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200512
冬日向汽笛の濡れてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200512
冬日燦イルミネーションめく川面 稲畑廣太郎 ホトトギス 200512
稜線をふはと飛び出す冬日かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200512
ずいずいと書斎に入り来冬日かな 大橋敦子 雨月 200601
隠沼の水面に鈍き冬日影 植竹美代子 雨月 200601
開山堂冬日を入れて幾仏 村田さだ子 酸漿 200601
胸もとに冬日溜まれば噎せにけり 岡本眸 200601
燦々の冬日に凍る滝の前 阿部ひろし 酸漿 200601
質蔵へ冬日の当る一葉忌 小山梧雨 200601
天心邸縁ひろびろと冬日さす 阿部ひろし 酸漿 200601
冬日とぶオリエント急行貴賓席 神蔵器 風土 200601
六角堂座敷に冬日よく射せり 阿部ひろし 酸漿 200601
まほろばの冬日大きく沈みけり 伊藤多恵子 火星 200602
オアシスめく冬日のみつる雑木山 こばやしきょうこ 200602
伊那紬織る音高し差す冬日 小松渓水 酸漿 200602
猿沢池澱みて冬日返しけり 椋本一子 雨月 200602
居間深く射しこむ冬日香焚きぬ 相沢有理子 風土 200602
見覚えの瘤付橅にさす冬日 西山美枝子 酸漿 200602
古新聞冬日の中に父の椅子 森理和 あを 200602
御園生の冬日囲へり沼津垣 阿部ひろし 酸漿 200602
山峡の冬日あつめて鳥網張る 杉浦典子 火星 200602
実南天冬日集めて艶めけり 須賀敏子 あを 200602
女郎蜘蛛冬日に寝まる大手門 淵脇護 河鹿 200602
人のゐぬ部屋に洩れ入る冬日かな 森理和 あを 200602
人去りて木椅子にのこる冬日向 安田とし子 ぐろっけ 200602
生んできて雌ん鶏の蹴る冬日向 定梶じょう あを 200602
村雲御所尼僧の凛と冬日濃し 朝霧はるか 春潮 200602
大杉の根方に当たる冬日かな 山田六甲 六花 200602
大道芸に冬日の眩しコイン飛ぶ 佐久間はるみ 200602
大仏のふところ深く冬日射す 西山美枝子 酸漿 200602
冬日向楼門あまた傷を持ち 中村美沙 百鳥 200602
冬日差し雪見障子に指紋あり 寺岡享 対岸 200602
逃げ易き冬日囲ちて綾子句碑 梅村五月 栴檀 200602
玻璃越しの冬日ゆたかに嬰児室 水原春郎 馬醉木 200602
隧道に冬日射し入る十歩ほど 笹村政子 六花 200602
まん丸の石の腰掛冬日向 桜井眞子 対岸 200603
一人一人に冬日震災モニュメント 山田夏子 雨月 200603
翁逝く机辺冬日のペン一つ 水原春郎 馬醉木 200603
音羽なる舞台に冬日遍しや 大竹淑子 風土 200603
臥す床を引張り出すや冬日向 久保アツ子 河鹿 200603
馨子かねを打つ危坐にとどけり冬日影 大竹淑子 風土 200603
研屋きて冬日の路地を借りにけり 森ひろ 馬醉木 200603
      冬日→ 5

 

2020年12月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。