冬 日 2    100句

やはらかき餅の如くに冬日かな  高浜虚子  六百五十句

冬日  冬の日  冬陽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
杉山の梳き目こまかき冬日影 能村登四郎 200108
冬日向はき癖のある夫の靴 芳賀雅子 航跡 200108
川を見る冬日を水に沈めつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200111
金絲猴ほどの冬日に染まりをり 岡井省二 200111
鴨の水尾冬日崩してをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200112
その庵へ道行き止り冬日濃し 谷榮子 雨月 200201
冬日までシンメトリーに当る園 大久保白村 円虹 200201
鐘一打ごとに冬日の濃く淡く 福井鳳水 円虹 200201
さかさまの天橋立冬日濃し 志水芳秀 雲の峰 200201
電柱にモノクロームの冬日かな 堀川夏子 銀化 200201
びい玉の冬日ぬけたり散らしたり 堀川夏子 銀化 200201
一歩前上人の踏む冬日かな 神蔵器 風土 200201
子供部屋ピアノの跡に冬日差 早崎泰江 あを 200201
親ほどの人あやしをり冬日向 鎌倉喜久恵 あを 200201
二弦琴背に遊牧の冬日中 田中由喜子 馬醉木 200202
冬日詠むそれぞれの人それぞれに 宮津昭彦 200202
梓川冬日の白のあるあたり 出原博明 円虹 200202
火口湖の青き冬日の移りゆく 田中黎子 円虹 200202
御霊屋に冬日のはねる高台寺 木村てる代 雲の峰 200202
靴を干す冬日を靴の中に入れ 酒井多加子 雲の峰 200202
貫祿の蘇鉄に冬日ありにけり 志水千代子 雲の峰 200202
冬日向ネクタイためて退職す 村上田鶴子 風土 200202
海光や冬日の芯に秋桜子 代田青鳥 風土 200202
遙かより題目冬日漂へり 代田青鳥 風土 200202
冬日影抱けば温し神楽岩 代田青鳥 風土 200202
椿の葉冬日たたへて光り合ふ 東芳子 酸漿 200202
師の墓碑を捜し当つれば冬日満つ 阿部悦子 酸漿 200202
薪真二つに等分の冬日ざし 今瀬剛一 200202
岳樺樹皮めくれゐる冬日差 関洋子 200202
稿急ぐ窓の冬日を恃みとし 大橋敦子 雨月 200202
駅伝の襷さやかに冬日差 松田欽吾 雨月 200202
きらきらと冬日をかへす能衣裳 渡辺政子 春耕 200202
質蔵の二階に濃かり冬日差し 蟇目良雨 春耕 200202
象の背に雀の遊ぶ冬日向 兼藤教子 春耕 200202
色褪せし回転木馬冬日濃し 斉藤やす子 春耕 200202
竹林に冬日が渡るささら風 関口ゆき あを 200202
点滴の一滴ごとに冬日呑む 松本米子 あを 200202
蛤御門を違反切符が行く冬日 須山つとむ 船団 200202
波郷若し写真の中の冬日差 仲村青彦 200202
冬日濃し祝ぎを終へたる寧らぎに 辻美智子 円虹 200202
冬日向庭に向けある椅子ひとつ 近藤きくえ 200203
江戸絵図のままの川波冬日乗せ 手島靖一 馬醉木 200203
潮騒を背に冬日の女神像 大谷茂 遠嶺 200203
野ざらしの鐘神木の冬日濃し 遠藤和彦 遠嶺 200203
大寺に冬日向とふ浄土あり 玉置かよ子 雨月 200203
鏡台へ冬日伸び来て母の居間 武政礼子 雨月 200203
燦々の冬日に浴す父娘句碑 足立典子 雨月 200203
冬日濃き教卓に子の忘れもの 生出紅南 百鳥 200203
闘犬の樫に差し込む冬日かな 青池亘 百鳥 200203
僧院の冬日に溺れ鶏の群 小林希世子 200203
婆ねむし冬日だまりの古着売 飯塚雅子 200203
あつさりと敷居を越えて冬日差 矢島久栄 200203
聖堂の木椅子のぬくみ冬日射 中田貞子 200203
大空の少し低きにある冬日 粟津松彩子 ホトトギス 200204
一院の要の鴟尾の冬日かな 小山徳夫 遠嶺 200204
庭園の案内板や冬日向 石山民谷 遠嶺 200204
合掌の千体地蔵冬日影 阿部昭子 遠嶺 200204
三輪の里水車ゆるりと冬日のせ 東尾G子 馬醉木 200204
冬日射す鏡の皺は我のもの 孝子フォン・ツェルセン 円虹 200204
冬日射す凱旋記念碑彫うすれ 四葉允子 ぐろっけ 200204
まつすぐに冬日降り来て句碑生るる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200205
手おんぶに児の反り返る冬日向 小林玲子 ぐろっけ 200206
水底にとどく冬日のこころかな 後藤比奈夫 ホトトギス 200208
マンションの影犬小屋の冬日影 宮原みさを 花月亭 200208
野佛の冬日に長き影法師 宮原みさを 花月亭 200208
ひとり来し冬日の白洲正子展 斉藤由美子 ぐろっけ 200211
武蔵野の冬日集めて句碑除幕 稲畑汀子 ホトトギス 200212
志士の夢鎮め冬日の鷲家川 能村研三 200212
子らの声遠くに聞こゆ冬日暮 菅原健一 200301
身ぶるいする蜂に冬日の移りけり 後藤志づ あを 200301
手賀沼にふるへ漂ふ冬日落つ 関口ゆき あを 200301
竹林から石州瓦へ冬日射 赤座典子 あを 200301
石仏の頬も冬日もゆたかなる 川崎俊子 馬醉木 200302
ねんごろに冬日織り込むゐざり機 神宮きよい 馬醉木 200302
空濠の底より昏れる冬日かな 島田利郎 遠嶺 200302
冬日影梁黒光る天守閣 島田利郎 遠嶺 200302
石庭の余白に冬日溢れゐて 田中佐知子 風土 200302
石の上の冬日に閉ぢし蝶の翅 桑田眞佐子 火星 200302
柊の葉にまつすぐな冬日かな 山田美恵子 火星 200302
湧き水やペットボトルに冬日射す 左官治郎 200302
幸せは冬日と遊ぶことなりし 松島不二夫 200302
四畳半一直線に冬日差す 石村美智子 築港 200302
冬日大団円七十路の過ぎてゆく 大橋敦子 雨月 200302
冬日透け螺鈿香合煌めけり 神原操 雨月 200302
首塚に樟の香ほのと冬日向 和田清 雲の峰 200302
冬日かな折鶴のせしたなごころ 平田倫子 百鳥 200302
冬日向紐のばしきり犬眠る 赤座典子 あを 200302
いつの間や冬日溜りに眠りゐし 松林順子 雨月 200303
杣仕事収め冬日の街望む 小澤克己 遠嶺 200303
猿山の猿天辺の冬日かな 浜中雅子 遠嶺 200303
カクテルに冬日の残る高階に 高田令子 200303
時の鐘そびゆる先の冬日かな 加藤あけみ 円虹 200303
四書・五経教へし講堂冬日満つ 大塚美孝 200303
畳目に冬日のしみて妻の膝 南うみを 風土 200303
冬日うすうす気根の銀杏影もたず 小林輝子 風土 200303
城の鵯松の冬日を啄めり 小林輝子 風土 200303
公家眉のごまふあざらし冬日向 柿沼盟子 風土 200303
武家屋敷を乳母車ゆく冬日かな 谷村幸子 200303
飛火野の鹿は冬日の影となり 廣畑忠明 火星 200303
木の股に集まつてくる冬日かな 山田六甲 六花 200303
冬日→ 3      

 

2021年12月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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