冬 日 11    100句

暖き冬日あり甘き空気あり   高浜虚子

冬日  冬の日  冬陽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冬日浴び象形文字の手紙読む 田中臥石 末黒野 201802
盆たち冬日の庭に睦みをり 小川玉泉 末黒野 201802
拱くは待つもののあり冬日向 定梶じょう あを 201802
ABCの和不思議の国の冬日差し 七郎衛門吉保 あを 201802
満身に冬日いただく三太かな 大坪景章 万象 201802
山水に蜆の育つ冬日向 江見悦子 万象 201802
冬日ざし母を支へて露天湯へ 榎美幸 万象 201802
漱石山房回廊冬日集めけり 坂入妙香 春燈 201802
神丘の冬日まろませ比翼句碑 鈴鹿呂仁 京鹿子 201802
石の橋松の大樹に冬日かな 植木戴子 201802
冬日射す大正硝子にゆがむ猫 つじあきこ 201803
売れ残る鍾道三体冬日射す 辻水音 201803
マスターのスキンヘッドに射す冬日 波戸辺のばら 201803
冬日射す少し傾く躍り口 つじあきこ 201803
湖を射る一の矢二の矢冬日燦 古賀しぐれ ホトトギス 201803
冬日差す豚小屋下といふ釣り場 大崎紀夫 やぶれ傘 201803
お手玉のひとつに鈴が冬日向 青谷小枝 やぶれ傘 201803
寝転んで部屋の冬日にあたりゐる 白石正躬 やぶれ傘 201803
ケータイの画面に埃冬日向 小山陽子 やぶれ傘 201803
オリンピック部屋の冬日を存分に 佐藤淑子 雨月 201803
玻璃越しの冬日仏間に溢れたり 佐藤淑子 雨月 201803
有楽窓洩れくる冬日ゆらめける 桜井知恵子 雨月 201803
ゴジラ出現ニュースは紙上冬日向 大政睦子 京鹿子 201803
鴎外の詩碑と冬日にぬくみけり 仙田孝子 風土 201803
秒針の冬日を弾く花時計 笹村政子 六花 201803
白鯉の朱を際だたす冬日差 志方章子 六花 201803
神木の洞にたまりぬ冬日差 黒滝志麻子 末黒野 201803
冬日影万華鏡めく海の綺羅 大川暉美 末黒野 201803
糸繰るや峡の冬日を引き寄せて 布施政子 馬醉木 201803
冬日燦すひ寄せらるる地獄絵図 山田春生 万象 201803
滝壺に微塵の冬日ありにけり 玉田瑞穗 万象 201803
妻の背にほのかな冬日介護され 安居正浩 201803
南向く廊下書斎や冬日燦 浅田セツ子 春燈 201803
すてかぬる書籍の山や冬日向 小林のり人 春燈 201803
南向く廊下書斎や冬日燦 浅田セツ子 春燈 201803
冬日透く四方の絵硝子モスク燦 下田奉枝 雨月 201804
研屋きて冬日溜りに店ひらく 岡本秀子 201804
放課後の窓一面の冬日かな 佐藤澄世 馬醉木 201804
踏む影のみな美しき冬日かな 正谷民夫 末黒野 201804
切株の年輪美しく冬日向 早川八重子 末黒野 201804
祭壇へ絵硝子越しの冬日かな 有賀鈴乃 末黒野 201804
駅伝のドラマの襷冬日継ぐ 卜部黎子 春燈 201804
冬日向好きなカップでひと休止 木村瑞枝 やぶれ傘 201804
はらからに病む夫笑顔冬日さす 小巻若菜 やぶれ傘 201804
木の洞に祀るお地蔵冬日向 佐藤稲子 やぶれ傘 201804
冬日さすブロック塀にすずめかな 佐藤稲子 やぶれ傘 201804
冬日向指は五七五数ふ 篠田純子 あを 201804
城垣へ免れ一人の冬日向 井上和子 201803
遠出せぬ日々よ冬日の故郷へも 山内碧 201803
六地蔵裏も表もなき冬日 西住三惠子 201804
広縁に並ぶ座布団冬日燦 河原敬子 201804
冬日向遠方の友癖字なり 平井奇散人 船団 201805
大の字に冬日いっぱい崖の家 中井保江 船団 201806
絵硝子を抜けし冬日が白壁に 荒井千佐代 201806
空つぽのジャングルジムや冬日影 田岡千章 201806
臥す部屋に冬日のまはり来たりけり 永淵惠子 201806
点滴の終の雫や冬日差 林徹也 201806
冬日透くゆっくり開く自動ドア 浦川哲子 201811
洋窓より冬日差したり大硯 篠田純子 201811
やわらかな冬日をあさる鯉の口 渡部恭子 201811
日本海冬日の一つありしのみ 山田六甲 六花 201812
冬日受く子猿の耳の大きこと 佐藤恭子 あを 201812
母の膝冬日あつめしその笑顔 コ田千鶴子 馬醉木 201901
公園の踊り子像に冬日濃し 加藤北天 雨月 201901
石投げて波紋みてゐる冬日向 渕上千津 201901
丸窓は冬日たつぷり階段へ 安藤久美子 やぶれ傘 201901
電車待つ場所は冬日の差すあたり 小山よる やぶれ傘 201901
冬日さす内匠頭の血染め石 篠田純子 あを 201902
冬日射し波の伊八の欄間透く 田中臥石 末黒野 201902
存分に冬日むさぼる御陵みち 谷陽右 馬醉木 201902
お大師の長き錫杖冬日濃し 木村あさ子 201902
冬日射す羽生木綿の糸車 田中臥石 末黒野 201902
東の谷戸の家壁冬日映ゆ 成井隆之 末黒野 201902
石垣を冬日の影の這ひにけり 山田六甲 六花 201902
木喰の住みし小屋なり冬日差す 秋山信行 やぶれ傘 201903
新しき塔婆が五つ六つ冬日 大島英昭 やぶれ傘 201903
どの部屋より冬日集める仏間かな 秋友昌子 雨月 201903
内定の厚き封書や冬日濃し 長谷仁子 春燈 201903
冬日燦富士に向き干す子の道着 森清信子 末黒野 201903
菊坂の冬日ななめや一葉忌 加藤静江 末黒野 201903
海図室の丸窓二つ冬日差 小原紀香 末黒野 201903
生も死も風が決めごと冬日影 三木亨 201903
風鎮に冬日やさしく届きけり 相川健 201903
冬日さす京唄子似の阿弥陀さま 粟津さくら 201904
吊るし柿冬日を浴びて飴色に 広瀬済 やぶれ傘 201904
靖国の標本木や冬日差し 堺昌子 末黒野 201904
退出は淡き冬日の乾門 石黒興平 末黒野 201904
斜交ひの冬日や波郷碑を拝す 田中臥石 末黒野 201904
冬日さす狭庭の無音くつろげり 中澤弘 春燈 201904
やはらかき冬日や母の膝頭 森清信子 末黒野 201905
竿いつぱい冬日に晒すシーツかな 小澤冗 201905
窓越しの冬日膕包みけり 中島陽華 201905
ひよこみな冬日の方へかたまつて 永淵恵子 201905
ふところに嬰抱くやうな冬日向 岩岡中正 ホトトギス 201906
人混みにはぐれて会って冬日差し おーたえつこ 201906
冬日浴び力道山の墓静か 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
本堂の大屋根冬日撥ね返し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
筆先へ冬日を絞る銜へ糸 池野つむぎ 馬醉木 201912
官邸の竹林冬日はね返し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201912
冬 日 →12

 

2021年1月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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