冬 日 12    112句

冬日  冬の日  冬陽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
退院の母は冬日を背負ひつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201912
したしたと乳白色の冬日かな 七郎衛門吉保 あを 202001
元興寺の仏像重々しき冬日 大橋晄 雨月 202001
鳶上げて冬日分けあふ安房の山 井原美鳥 202001
蟷螂の骸に冬日とどきけり 横尾かんな 202001
銀食器ひとり磨くや冬日向 小原紀子 末黒野 202002
露座仏の額に冬日の止まりぬ 高橋たか子 馬醉木 202002
塔頭の藁屋根冬日あたたかし 岡田史女 末黒野 202002
文鳥の籠を冬日に髭男 宇都宮敦子 琴引鳥 202002
屈託や冬日の雀また来たり 小倉征子 202002
冬日影人形堂のぬひぐるみ 鈴木愛子 202002
窓拭きは冬日にあたりながら降り 小山よる やぶれ傘 202002
神丘に冬日の零るなだら坂 鈴鹿呂仁 京鹿子 202002
かたづけの座敷に入る冬日かな 田宮敦子 202003
生前も死後もおんなじ冬日向 火箱ひろ 202003
ビル街にガリバーの影冬日燦 阪倉孝子 202003
畳目の逃げ足早き冬日かな 高木典子 雨月 202003
太極拳の冬日掌に受け小半時 高木典子 雨月 202003
福音のやうに額に享く冬日 菊地光子 202003
橅の森冬日をこぼし葉をこぼし 中野千代子 末黒野 202003
富士の影を浮かせ冬日の沈みけり 渕田則子 末黒野 202003
鐘楼の残る冬日や山の寺 及川照子 末黒野 202003
一万歩冬日に誘ひ出だされて 高木典子 雨月 202003
座布団を干して冬日を裏返す 高木典子 雨月 202003
工房の木屑に溜る冬日かな 宮平静子 雨月 202003
背を丸く冬日を負うてシルバーカー 米山寿々代 雨月 202003
冷めし茶は冬日にあたりながら飲み 小山よる やぶれ傘 202003
段ボールばかりの部屋に冬日差 小山よる やぶれ傘 202003
冬日向木椅子にゆられ善女なり 阪倉孝子 202003
四阿の廻る水車や冬日差す 荻布貢 202003
倒木の静かな風化冬日差す 火箱ひろ 202003
漱石の本籍地の碑冬日向 天田牽牛子 馬醉木 202003
仏百体ひとかたまりの冬日向 増成栗人 202004
白聖館淡き冬日に抱かるる 田中嘉信 春燈 202004
湖渡るロープウェイに冬日当つ 中村洋子 風土 202004
旅先に自国の言葉聞く冬日 中西厚子 202004
鳩雀椋それぞれの冬日向 嘉味田朝 末黒野 202004
冬日得て梢先の芽のふくれ来る. 立石まどか 202004
逃げやすき冬日を恋うてめぐり来し 山田閏子 ホトトギス 202005
幼子が絵本をめくる冬日向 丑久保勲 やぶれ傘 202005
旅情とは肩に冬日をのせて行く 岩岡中正 ホトトギス 202005
公現の弥撒に冬日の差し出づる 立村霜衣 ホトトギス 202006
冬日燦雲を退けをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202012
冬日浴び名苑の池一と廻り 稲畑汀子 ホトトギス 202012
見え隠れして名苑の冬日浴び 稲畑汀子 ホトトギス 202012
祝ぎ色に天守染めゆく冬日かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202012
猿山をどつと乗っ取る冬日かな 鈴鹿呂仁 京鹿子 202101
赤貝のむき身とろりと冬日さす 宮崎紗伎 春燈 202102
人声に見紛ふ声や冬日濃し 堺昌子 末黒野 202102
冬日差大蛇のごとき土塀なり 中貞子 202102
鍵盤に戻りきたりし冬日かな 笹村政子 六花 202102
天赦日に御朱印受くる冬日向 篠田純子 あを 202102
冬日差す一人の部屋の奥の奥 小田嶋野笛 末黒野 202103
楡の間に冬日の正午を見上げけり 田尻りさ 六花 202103
木の影が近づいてくる冬日向 大島英昭 やぶれ傘 202103
思ひ出は老の宝よ冬日向 武藤節子 やぶれ傘 202103
姿見にうつる足元冬日ざし 奥田温子 やぶれ傘 202103
磔像の脾腹をぬぐふ冬日かな 林徹也 202104
冬日へと向きを変へたる母の床 秋津令 202104
縁側や冬日と猫と新聞と 岡野里子 末黒野 202104
冬日射し来たり跋行の影躍る 田中臥石 末黒野 202104
七十路の縄跳びダンス冬日向 篠田純子 あを 202104
襷つなぎ胃液吐くなり冬日影 篠田純子 あを 202104
うすくともあれば冬日に励まされ 木村享史 ホトトギス 202106
水底の冬日だまりは蜷銀座 神蔵器 風土 202106
冬日ちらちら布団屋の棹秤 北村操 202110
入りくる冬日曇りぬ窓ガラス 稲畑汀子 ホトトギス 202111
空席は埋めなくていい冬日置く 井上菜摘子 京鹿子 202111
吟行地探しさまよふ冬日向 稲畑廣太郎 ホトトギス 202201
冬日没る川面は瞬の印画紙に 荒井千瑳子 202201
冬日に見る円く小さく白き母を 石川桂郎 風土 202201
冬日→ 1
三振の選手がもどる冬日向 大崎紀夫 やぶれ傘 202201
譲らるる座席に冬日差してゐる きくちきみえ やぶれ傘 202201
街川に鷺の来てゐる冬日和 廣瀬蝗男 やぶれ傘 202201
鉄塔を登る工夫や冬日差 和田満水 202202
谷深し清水寺は冬日浴び 森なほ子 あを 202202
波郷忌や冬日拾ひて葛西橋 山下健治 春燈 202202
冬日射すフレンチ窓に眠る猫 田中嘉信 春燈 202202
冬日和空を見てゐる猿の子 竪山道助 風土 202202
冬日和鳩の中なる乳母車 門伝史会 風土 202202
一人来てみな寄つて来る冬日向 中村洋子 風土 202202
菓子パンのどれもまるくて冬日和 柿沼盟子 風土 202202
木々わたる鳥のかしまし冬日和 尾野奈津子 春燈 202203
干し物の蒸気の揺らぐ冬日燦 坂本依誌子 春燈 202203
目を病める友と着く席冬日向 坂本依誌子 春燈 202203
冬日向笑顔泣き顔羅漢さま 小菅澄重 春燈 202203
冬日燦メタセコイアの並木道 森清信子 末黒野 202203
透析の液と血の管冬日射す 田中臥石 末黒野 202203
戸を繰るや眼を射貫く冬日差 板谷俊武 末黒野 202203
靴脱いで児の入る芝生冬日向 滝口洋子 末黒野 202203
教会の真白きクルス冬日影 池谷鹿次 末黒野 202203
七味屋の間口一間冬日影 有賀鈴乃 末黒野 202203
冬日背や路上に己が影長き 鈴木英雄 末黒野 202203
絵馬掛の冬日集むる母子の文字 高埜良子 春燈 202204
哀しみにぴたりと着地する冬日 中西厚子 202204
つま立ちて拭くガラス窓冬日和 岡美智子 末黒野 202204
自己流のブイヤベースや冬日和 沼崎千枝 末黒野 202204
火の玉となりて冬日の沈みゆく 湖東紀子 ホトトギス 202205
冬日向ゑくぼがほどの潦 政時英華 京鹿子 202205
風に鳴る絵馬を鎮めて冬日差 菅野日出子 末黒野 202205
人工透析液と血管冬日透く 田中臥石 末黒野 202205
入り乱るる縞のジャージや冬日影 小田嶋野笛 末黒野 202205
図書室の窓辺ぬくぬく冬日影 東小薗美千代 末黒野 202205
魚追ひ込む太き掛け声冬日和 田中とし江 202205
冬日浴び途方にくるるだんご虫 あさなが捷 202205
母乗せて操縦桿引く冬日和 吉田悦子 202205
下校の児冬日溜りでじやんけんぽん 田岡千章 202208
川の辺に亀・鴨・小鷺冬日和 岩井京子 202208
波裏に巻き込む冬日鳶の声 深川淑枝 202210
貧しさも良し犬と寝る冬日向 牧康子 202210
冬日和雲消してゆく刹那かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202211
竹林を輝かせたる冬日和 稲畑廣太郎 ホトトギス 202211
瑕瑾なき冬日和てふ天与かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202211
 

 

2023年1月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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