冬銀河 3    192句

火のように泣きたし吾も冬銀河    岸本マチ子

銀河 天の川 冬銀河 夏銀河

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冬銀河おのれ欺く詩などは 小澤克己 遠嶺 200802
亡き夫と心かよはす冬銀河 塩野きみ 遠嶺 200802
自販機に落す名水冬銀河 藤原はる美 200802
落し湯の音の失せたり冬銀河 奥田順子 火星 200802
土笛の丸みてのひら冬銀河 武田美雪 六花 200802
オカリナの音冴え冴えと冬銀河 森山のりこ あを 200802
家遠く捨つるタクシー冬銀河 田嶋洋子 春燈 200803
信濃路の宿坊泊まり冬銀河 中山静枝 200803
冬銀河無限の光ふりこぼす 荻野千枝 京鹿子 200803
冬銀河とほき戦死に苔の墓 中山純子 万象 200803
街の灯のとどかぬ広野冬銀河 紅露恵子 万象 200803
冬銀河大魚の影のよぎりたる 南一雄 200803
八十路かけ努め来し道冬銀河 山口天木 雨月 200803
メルヘンの扉を叩く冬銀河 山田富朗 遠嶺 200803
こだはりをさらりと旅の冬銀河 大西洵子 遠嶺 200803
冬銀河エレベーターは壁伝ひ 夏秋明子 船団 200803
冬銀河の乱れをしづめオカリナは 山田美恵子 火星 200803
天窓の全開なりし冬銀河 天谷翔子 火星 200803
夜干するタオルの白き冬銀河 平田紀美子 風土 200804
振りむけば母が手を振る冬銀河 藤田素子 火星 200804
十字架に触るるばかりの冬銀河 山村修 酸漿 200804
冬銀河含董の老い暫し措く 高橋宏行 遠嶺 200804
冬銀河どこにも夫のゐぬ不思議 東良子 首座星 200804
冬銀河欅並木のファンタジー 北尾章郎 200805
賜はりし美しき句集や冬銀河 浅井美子 遠嶺 200805
二人ゐてひとりの時間冬銀河 高倉恵美子 200805
冬銀河檻の獣は爪清し 樋口みのぶ 200805
ぱちぱちと弾けるやうな冬銀河 笹倉さえみ 雨月 200805
放課後の廊下辿れば冬銀河 湯浅夏以 樹も鳥も 200806
ジョン・レノン聴く望郷の冬銀河 川口襄 遠嶺 200808
冬銀河漆黒もまた浄土かな 中田禎子 200808
冬銀河フルートの音をつよくせよ 石寒太 炎環 200901
ビル群の鉄壁くづす冬銀河 鴨下昭 200902
比類なきラインの長さ冬銀河 中島玉五郎 200902
冬銀河賢治描きしイーハトーブ 小原徳男 遠嶺 200902
持ちあるく小物の増えし冬銀河 折島光江 炎環 200902
冬銀河てのひらに星生まるるよ 掛井広通 200902
冬銀河かちりとかかる門の鍵 山口順子 200903
諭されし一語遺れり冬銀河 山田春好 200903
帰らじの魚雷の志士ら冬銀河 堀百合子 200903
冬銀河靴音遠くなりゆけり 中山静枝 200903
時計屋の時刻ばらばら冬銀河 高橋将夫 200903
安住の星見当たらず冬銀河 高橋将夫 200903
冬銀河からの船影かもしれず 水野恒彦 200903
トランプに裏と表や冬銀河 竹内悦子 200903
冬銀河流れ去るもの留まるもの 岩月優美子 200903
佳き知らせ受けて見上ぐる冬銀河 松本静江 遠嶺 200903
冬銀河家は明りを点す処 佐藤午後 炎環 200903
空耳へ耳かたむけし冬銀河 曽根新五郎 炎環 200903
泣くほどに笑ひしあとの冬銀河 柿沼盟子 風土 200903
冬銀河見ゆる厨に米研げる 藤原冬人 火星 200903
灯台の高さがさびし冬銀河 松本圭司 200903
繰言もなき妻とをり冬銀河 石原光徳 酸漿 200903
海溝の魚は色失せ冬銀河 柴田佐知子 200903
冬銀河ワインも白湯もマグカップ 岡田満壽美 夢のごとしと 200904
習ふこと数多の「風趣」冬銀河 大谷茂 遠嶺 200904
若き日の懺悔をふつと冬銀河 遠藤和彦 遠嶺 200904
師の一語心に仰ぐ冬銀河 山田春好 200904
拾ふ夢捨てる夢あり冬銀河 山本浪子 風土 200904
冬銀河交はす言葉のなき時間 増田守 炎環 200904
冬銀河湖畔の村の早や寝落ち 森脇貞子 雨月 200904
冬銀河半角文字の混み合へる 服部早苗 200904
仰ぎゐてこころ出でゆく冬銀河 川口襄 遠嶺 200905
冬銀河翔先生の永久眠り 能村研三 200912
コンサートの余韻語らふ冬銀河 石川かおり 201001
冬銀河やがてはよもつひらさかに 大島翠木 201001

 追悼

瞬の身の翔けて永かり冬銀河

秋葉雅治 200101

 深悼林翔先生

冬銀河享年瞬の九十五

上谷昌憲 200101
檄とばす師はもう在らず冬銀河 河口仁志 200101
光年を隔てし師なり冬銀河 堀口希望 200101
オカリナの音色と思ふ冬銀河 松井志津子 201002
頂上へたうたうと落つ冬銀河 布川直幸 201002
高層のカクテルグラス冬銀河 秋千晴 201002
精霊の森に響けり冬銀河 水野恒彦 201003
冬銀河本気で生きて仮の世や 高橋ちよ 201003
冬銀河個人タクシー車庫を出づ 高木嘉久 201003
登四郎あり翔あり沖の冬銀河 和田満水 201003
冬銀河ここで言はねばもう言へず 川口襄 遠嶺 201003
一舟に乗り合ふ縁冬銀河 木村美智穂 遠嶺 201003
遠望の函館港や冬銀河 三羽永治 遠嶺 201003
冬銀河昭和の歌手と共にあり 上家弘子 ろんど 201003
冬銀河誰彼の声響かせて 川上久美 ろんど 201003
冬銀河スペースシャトルの空仰ぐ 池田光子 201003

 平山画伯

冬銀河シルクロードヘ発たれしや

石橋公代 春燈 201003

 悼・平山郁夫氏

「祈りの旅路」渡りそめしや冬銀河

荻野嘉代子 春燈 201003
冬銀河いとこの集ひ無事終へて 塩出眞一 ぐろっけ 201003
添ふ人の亡くて望郷冬銀河 中川すみ子 201003
昏睡の母誘はるる冬銀河 小澤克己 遠嶺 201004
冬銀河直下に真夜の航空路 川口襄 遠嶺 201004
確信と不安和みし冬銀河 片山茂子 遠嶺 201004
産声をひたすら待つや冬銀河 岡崎春菜 万象 201004
何処までも伸びゆくレール冬銀河 松本圭司 201004
冬銀河大姉となりて居士の許 竹田ひろ子 ろんど 201004
冬銀河北前船の世は移り 藤本一城 201004
冬銀河阿波と紀州の境なし 桑島啓司 201005
薬効を祈つてをりぬ冬銀河 今井松子 遠嶺 201005
美しきひと掌飜す冬銀河 小堀寛 京鹿子 201005
冬銀河アルプスの峰静まりぬ 岡田誠吾 201006
冬銀河睡りの中へ流れ入る 森茉明 京鹿子 201101
畑分かつ小さき流れや冬銀河 本多游子 春燈 201102
捨てられぬ煩悩あまた冬銀河 岡佳代子 201103
漁火のいつしか殖ゆる冬銀河 黒滝志麻子 末黒野 201103
冬銀河子等と寝惜しむ峡泊り 吉田きみえ 末黒野 201103
ふと覚めて冬の銀河につきあたる 松原仲子 201103
蔵王堂へ注ぎ込みゆく冬銀河 柿沼盟子 風土 201103
消えかかる命がひとつ冬銀河 大木清美子 201104
国境へ星屑飛沫く冬銀河 松原智津子 万象 201105
鐘つけば冬の銀河のこぼれ落つ 吉田葎 201108
冬銀河ふたごの一人泣くことも 中原幸子 船団 201110
冬銀河きらきら澱む都心の灯 布川直幸 201112
看病の背をさするのみ冬銀河 高倉和子 201201
振り向けば来し方遥か冬銀河 小池清司 かさね 201201

 悼・鳥居秀雄様

冬銀河のいづれへ紛れ入られしや

北川英子 201201
億年超え京光年の冬銀河 秋葉雅治 201201
捨てた夢拾ふ気にさせ冬銀河 松岡和子 201202
水煙にふれんばかりの冬銀河 小林美登里 かさね 201202
かなたから微かな光冬銀河 田中きみ子 かさね 201202
冬銀河仕うまつるも他力なり 豊田都峰 京鹿子 201202
古書店に絵本はみ出す冬銀河 山本歌子 火星 201202
在りし日の夫のハモニカ冬銀河 大松一枝 201203
湯の町の湯の香豊かに冬銀河 神戸やすを 201203
夫の影遠くなりたり冬銀河 宮野照子 馬醉木 201203
冬銀河第九唄うは鯉の口 名倉悦子 ろんど 201203
泣き止まぬ稚に優しき冬銀河 佐瀬晶子 ろんど 201203
柩いま仙境にゆかむ冬銀河 西村純太 201203
月山の闇を斥け冬銀河 正谷民夫 末黒野 201203
海暮れて白き波頭や冬銀河 肥田俊昭 末黒野 201203
冬銀河剪り残しゐる癌一つ 河内桜人 京鹿子 201203
人だれも死すものと知る冬銀河 河内桜人 京鹿子 201203
冬銀河逆立ちしても戻れない 陽山道子 船団 201203
月蝕の光なき空冬銀河 稲田和子 201204
冬銀河遺髪と為すに短くて 荒井千佐代 201204
記念日のワインあけるや冬銀河 山田正子 201204
観覧車冬の銀河で停まりけり 吉田葎 201204
明日嫁ぐ子と見上ぐるや冬銀河 有賀鈴乃 末黒野 201204
いのち又還るものかや冬銀河 服部郁史 京鹿子 201204
呑めぬ身のときには悔し冬銀河 伊藤希眸 京鹿子 201204
病棟の夫眠りしか冬銀河 田代貞枝 201205
笄や母の夭折冬銀河 大島翠木 201205
魂を込めたる筆先冬銀河 井上静子 201205
冬銀河渡り給はば即淨土 河内桜人 京鹿子 201205
坂道や冬の銀河へ登り行く 溝渕弘志 六花 201205
父と観し無声映画や冬銀河 瀬島洒望 やぶれ傘 201205
逝く者は昼夜を分かず冬銀河 河内桜人 京鹿子 201206
九人家族になつてハワイの冬銀河 児王有希 京鹿子 201206
冬銀河よりなだれ来る鮫小紋 鳥居美智子 ろんど 201206
冬銀河決して返事の来ぬ手紙 川上久美 万華鏡 201206
生命探査衛星が行く冬銀河 池田加代子 風土 201209
北に置く父の遺骨や冬銀河 柴田佐知子 201212
レコードに針を置く音冬銀河 荒井千佐代 201212
ともどもに遥けく仰ぐ冬銀河 東良子 201301
一行の追伸文や冬銀河 高田風信子 京鹿子 201301
冬銀河パブ「ぶんぶん」の点りたる 小川滋 やぶれ傘 201301
いのちの尾離してならじ冬銀河 北川英子 201302
一点の恙ある身を冬銀河 細川洋子 201302
フォーカスは無限大なり冬銀河 小河原清江 201302
瞬くは夢のかけらか冬銀河 山田暢子 風土 201302
わが席のいつも空席冬銀河 福永尚子 ろんど 201302
冬銀河外湯に沈む葉を拾ふ 須賀敏子 あを 201302
冬銀河おしゃべり楽しむウォーキング 大日向幸江 あを 201302
粛然と思ふことあり冬銀河 木村茂登子 あを 201302
亡き人を無性に恋ふる冬銀河 祐宗千代子 雨月 201302
終点は海鳴りの駅冬銀河 中田みなみ 201302
冬銀河夫光年の旅に出づ 中村房子 馬醉木 201303
鞍馬行最終電車冬銀河 片山博介 春燈 201303
まばたきは瞬の黙祷冬銀河 林昭太郎 201303
一と揺れの夢の世なりし冬銀河 天野みゆき 風土 201303
めつむれば批のいませり冬銀河 林いづみ 風土 201303
冬銀河同じ住処に古りに古り 数長藤代 201303
冬銀河永遠に続くよ夫の留守 平居澪子 六花 201303
あるがままなるがままなり冬銀河 竹田ひろ子 ろんど 201303
時として媼の閃き冬銀河 池端英子 ろんど 201303
冬銀河ちひさくちひさくちひさくなれ 竹内弘子 あを 201303
許すまじ非業砂漠の冬銀河 吉田宏之 201304
無限なる十七音や冬銀河 小山繁子 春燈 201304
かりそめの世とは思はじ冬銀河 中島芳郎 201304
波音は闇が吸ひ込む冬銀河 高橋将夫 201304
冬銀河大河は音もなく流る 高橋将夫 201304
見る人の色で瞬く冬銀河 熊川暁子 201305
いのち延ぶることに必死や冬銀河 瀧春一 花石榴 201312
冬銀河記憶に赤き薬包紙 荒井千佐代 201401
冬銀河今は余生のどのあたり 山田ゆう子 馬醉木 201402
百骸の軋みてをりぬ冬銀河 水野恒彦 201403
死はいつも近くにありて冬銀河 吉永すみれ 風土 201403
彗星の青き尾を引く冬銀河 伊藤マサ子 ぐろっけ 201403
瞑想は冬銀河よりはてしなし 高橋将夫 201403
人の世の祈りの数よ冬銀河 近藤喜子 201403
バイオリン協奏曲きく冬銀河 宮川みね子 風土 201404
尿瓶よりはるかなる音冬銀河 中尾安一 火星 201404
小夜更けて輝き増せり冬銀河 三川美代子 201404
海原にこぼれんばかり冬銀河 佐久間由子 201404
冬銀河記憶の隅の映画館 阿部綾子 ろんど 201405
冬銀河闇の深まる佐渡島 橋場美篶 末黒野 201411
冬銀河→ 4      

 

2021年2月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。