ふらここ 1     291句

ふらここの宙を二つに割り遊ぶ    上野泰

ふらここ  鞦韆  ぶらんこ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ふらここの青き大地を漕ぎ出しぬ 環順子 遠嶺 199805
風に逢ふためにふらここ強く漕ぐ 能城檀 船団 199811
ふらここの股のあたりが男なり 岡本高明 199903
ふらここをこぐや夕べの雲近く 大和田鏡子 俳句通信 199905
天の邪鬼ふらここ揺らしをりにけり 小形さとる 199906
ふらここやガラスの二人でいいのです 朝日彩湖 船団 199907
目がもつと高く漕げるとふらここに 三瀬教世 円虹 199908
ふらここはすぐに止まれず会者定離 松山律子 船団 199909
ふらここの鉄鎖の匂ふ百日紅 千田百里 巴里発 199911
ふらここを独占したる漢かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200002
原風景ふらここのある砂山 田中藤穂 水瓶座 200002
猿山のふらここ飽きられてしまふ 夏秋明子 ヒッポ千番地 200003
ふらここの足が声あぐ春の雲 小野寺節子 風土 200006
ふらここを揺らして帰る少女かな 肥后潤子 遠嶺 200006
ふらここの傾ぎしままを漕ぎにけり 田中英子 火星 200006
ふらここ漕ぐ真正面の海へ漕ぐ 嵯峨根鈴子 火星 200006
ふらここのあればこぎたくなる私 大平保子 いろり 200006
ふらここや井伊家に眠る女駕籠 水谷契江 六花 200006
ふらここと麒麟のための空残す 櫂未知子 銀化 200006
ふらここやうしろの声を知らで漕ぐ 武井美代子 風土 200007
尺蠖虫ふらここ遊び余念なし 家塚洋子 酸漿 200009
ふらここ漕ぎ人間段れてしまひけり 糸山由紀子 海程 200011
ふらここに淫靡な風の生れにけり 華明日香 銀化 200103
ふらここやはぐれし夢にまだ逢へず 鳴海清美 遊び蔓 200105
ふらここの天地伸びてをりにけり 鳴海清美 遊び蔓 200105
ふらここの子に声掛くる測量子 山田天 雨月 200105
立ち暗みするも立ち漕ぐふらここよ 中原道夫 銀化 200105
脚色もなくふらここに雨しづく 峯尾文世 銀化 200105
ふらここや子ら鳥となり風となり 筧隆代 200106
ふらここや地球は明暗くりかへし 藤岡紫水 京鹿子 200106
ふらここに揺られ湖畔の宿の昼 谷口ふみ子 雨月 200106
髪乾くまでふらここを漕げとこそ 泉田秋硯 200107
揺れるともなくふらここの煙草の火 上原若子 200107
ふらここを降りれば夢の果てしごと 辻由紀 雨月 200107
ふらここや色変りゆく夕茜 笠原フミ 酸漿 200107
ふらここに一人遊びの影冷えて 橋本佐智 円虹 200107
ふらここや浮雲へ飛び移らむか 長山あや 円虹 200107
ふらここやわが体液の音を聴く あたぎ和 船団 200107
春の星はるか来し子がふらここに 高橋とも子 200107
ふらここに詮なき思案小商人 梅田泰正 ぐろっけ 200107
ふらここや明日へつながる空の色 祐森弥香 遠嶺 200108
親離れふらここ揺れると決めないで 坂本敏子 京鹿子 200110
ふらここから見える世界も異界かな 糸山由紀子 海程 200111
ふらここやしばし自愛の揺れにをり 坂本京子 200201
ふらここに一つづつある土の窪 代田青鳥 風土 200201
奪はれし恋やふらここ宙に舞ひ 中田征二 ぐろっけ 200202
ふらここの子等に青空ついて来る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200203
大日のふらここゆれてをりにけり 唯野まり 200204
人形を置くふらここの向かう側 山崎未可 銀化 200204
ふらここの逢魔が刻を軋みをり 政木紫野 馬醉木 200205
人待てりふらここの風やはらかく 田中矢水 遠嶺 200205
ふらここやしばし心をもて余す 柴田奈美 銀化 200205
婚約しふらここ高く漕ぎにけり 刈米育子 200206
空つぽのふらここ揺らす少女かな 祐森彌香 遠嶺 200206
ふらここの少女怒りて漕ぎに漕ぐ 酒井康正 百鳥 200206
うら若き保母にふらここ揺れやまず 小林奈々 百鳥 200206
ふらここの日を溜めてゐる授業中 大沢美智子 200206
ふらここが垂直に影落しをり 塩川雄三 築港 200206
ふらここ揺れ昼は無人のごとき島 安藤孝助 200206
逆上り出来ずふらここ漕いでをり 萩谷幸子 雨月 200206
子の見えずふらここのまだ揺れてゐる 金森教子 雨月 200206
揺れ止まりふらここ命尽くるごと 辻由紀 雨月 200206
人待ちのふらここ映す溜り水 川崎代二 春耕 200206
ふらここに雲蹴られたる痣かとも 大林淳男 銀化 200206
骨は肉肉はふらここ支へたる 邑沙綺 銀化 200206
ふらここの飛び立つごとし森の影 野路斉子 200206
ふらここに腰を托せば風の声 相沢有理子 風土 200207
ふらここを漕げばあしたが見えてくる 赤羽正行 遠嶺 200207
誕生日夜のふらここ漕ぎだして 船山博之 百鳥 200207
ふらここの揺れ決めかねてをりにけり 平田倫子 百鳥 200207
ふらここの振り切つてをる虚空かな 栗栖恵通子 200207
ふらここや影ふりきりし高さまで 峰岸よし子 200207
我もまた逝かむふらここ揺らしつつ 小山徳夫 遠嶺 200208
声弾み園のふらここ揺れどほし 中島みどり 帆船 200208
ふらここを漕げば父来る母も来る 宮尾直美 200208
思ひきりふらここを漕ぐ泣きながら 杉山瑞恵 雨月 200209
乗る風もなくふらここの直立す 西山美枝子 酸漿 200304
ふらここを漕ぐたびうすれ蒙古斑 小倉斑女 銀化 200305
ふらここの山見上げたり見下ろしたり 秋千晴 200305
をとめ座をふらここに乗せ岬鼻 関口幹雄 遠嶺 200306
ふらここに擦傷の子と膝並べ 大森美恵 風土 200306
ふらここも笑ひもつつむ夕茜 金山千鳥 酸漿 200306
ふらここの力抜くとき耳朶のあり 戸田春月 火星 200306
ふらここの風となりたる姉いもと 渡辺政子 雲の峯 200306
ふらここにふたり乗りして息ひとつ 秋千晴 200306
ふらここの足が近づく妣がくる 吉弘恭子 あを 200306
ふらここに手持無沙汰な父と母 平居澪子 六花 200307
海光はるかふらここを高く蹴り 富川明子 200307
清掃員夜のふらここに乗つてをり 井上雅晴 帆船 200307
ふらここを宙へアトムの誕生日 田村園子 200307
ふらここに言葉の増えし嬰揺るる 大関とし子 築港 200307
ながらへてふらここ漕いでをりにけり 高橋将夫 200307
ふらここを雲に抱かれたくて漕ぐ 市場基巳 200307
前の天蹴りてふらここ背の天に 山崎辰見 ぐろっけ 200307
ふらここを大きく揺らす赤い靴 伊藤早苗 200308
ふらここに乗れば隣に夫も乗る 菊池伊和恵 帆船 200309
ふらここやこの子もいつか母となる 伊藤春生 帆船 200309
ふらここにひとりつきりの空があり 秋千晴 200311
黄葉散るふらここの児を避くるごと 林翔 馬醉木 200401
公園のふらここゆらす空風 清水かつ 酸漿 200402
ふらここに自在ごころの戻りたる 金子孝子 200405
ふらここや幼ごころに午後さみし 岡本眸 200405
ふらここの空よわたしを連れ出して 彦坂範子 ぐろっけ 200405
ふらここを立ちて漕ぐには背丈高 井上綾 ぐろっけ 200405
山見ゆるまでふらここを蹴り上げし 長谷川鉄夫 200406
老いし身に追想の椅子ふらここは 角田沙羅 200406
ふらここを交互に高く高く漕ぐ 岩永恵子 百鳥 200406
ふらここをふはりと降りて海へ行く 石本百合子 馬醉木 200406
上溝桜ふらここに乗り酔ひしこと 三井公子 酸漿 200406
ふらここや沖より父の舟現るる 相川幸代 百鳥 200407
ふらここや悩み持つ子の指細し 藤井智恵子 百鳥 200407
ふらここに揺られ幼子眠りけり 川瀬信子 築港 200407
ふらここや蹴り上げて雲散らしたる 淺場英彦 万象 200407
ふらここの二人明日から別の道 矢島三榮代 帆船 200407
ふらここにスカートの揺れもついてきし 秋千晴 200408
枯れ庭にふらここ錆の音たつる 柳生千枝子 火星 200503
ふらここや数へるならば漕がざるよ 鈴木榮子 春燈 200504
ふらここを漕ぐ一瞬の無重力 柳生千枝子 火星 200505
ふらここを漕いで漂泊心地かな 小澤克己 遠嶺 200506
ふらここや空つぽになる胸の奥 飛山ますみ 遠嶺 200506
ふらここの引くとき我の遅れけり 浜口高子 火星 200506
ふらここや生涯夫子持たざりし 長屋璃子 火星 200506
ふらここを漕ぎて過去とも未来とも 関根洋子 風土 200506
ふらここや子等の喧嘩に関らず 尾堂Y 河鹿 200507
ふらここの母子競ひて雲を蹴る 山口順子 200507
ふらここに乗りたし怖しあかんたれ 橋本靖子 200507
ふらここを小さく揺らしけふ忘る 赤羽正行 遠嶺 200507
花粉吐く杉やふらここ空鳴りす 長村雄作 栴檀 200507
ふらここや凭る事もなく半世紀 高木智 京鹿子 200507
ふらここや空の彼方に雲が湧き 高木智 京鹿子 200507
子等帰り後のふらここ風が漕ぐ 並木重助 酸漿 200507
ふらここを揺らして過ぎぬ旅鞄 遠野萌 200507
売家の庭にふらここ揺れてをり 卓田謙一 万象 200508
仲直り言へずふらここ強く漕ぐ 青木暁子 築港 200508
ふらここの恋人空ですれ違ふ 長井順子 200509
ふらここや恋の初めの小いぢわる 楠原幹子 200601
ふらここを漕いで地球を一寸離れ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200604
ふらここに子育ての日々ありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 200604
大空をふらここ二基が交叉せり 小林朱夏 200604
ふらここをひと揺れさせて戻りけり 猿橋洋子 200605
ふらここや少し瑕ある少年に 水野恒彦 200605
ふらここを大きく漕いで泣かずをり 佐野益子 百鳥 200605
ふらここの取り合ひ猿ら奇声あげ 沼口蓬風 河鹿 200606
ふらここやオキシドールのおまじなひ 吉田明子 200606
ふらここや母に抱かれし記憶なし 片山タケ子 200606
地を蹴りてふらここ高きへ漕ぎはじむ 安田とし子 ぐろっけ 200606
泣きながらふらここ高く漕ぐ子かな 内海良太 万象 200606
ふらここを漕ぎては落花煽りけり 赤松丹山 雨月 200607
漕ぐでなくふらここにただ所在なく 田所洋子 雨月 200607
母と子の片言ふらここ揺れてをり 徳田正樹 河鹿 200608
母の手を切つてよちよちふらここへ 大坪景章 万象 200608
ふらここを漕ぐ子漕げぬ子柿若葉 土方豊子 酸漿 200608
すれ違ふ遊びをふらここの二人 前田貴美子 万象 200610
ふらここの足軽くなり重くなる 山田天 雨月 200701
ふらここに雨上りつつありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200704
ふらここや世界の少し広くなる 稲畑汀子 ホトトギス 200704
ふらここや風雨の荒れし日の孤高 稲畑汀子 ホトトギス 200704
ふらここに待つ彗星をあきらめて 稲畑汀子 ホトトギス 200704
立漕ぎて鉄鎖ふらここぎくしやくす 鈴木榮子 春燈 200705
ふらここを漕いでこの旅終らせる 篠藤千佳子 200705
ふらここの頂点に置く少年期 北島和奘 風土 200705
ふらここや空に貼り付き又戻る 小林朱夏 200705
ふらここを漕ぎて宇宙の風を吸ふ 宮川秀穂 200706
ふらここをゆらす気のなき二人かな 米山喜久子 200706
乗り捨てしふらここの揺れアラベスク 水野恒彦 200706
ふらここや父の膝より母のひざ 山路紀子 風土 200706
ふらここ漕ぐ藤村詩集を膝に乗せ 保田英太郎 風土 200706
ふらここの空に六時の鐘を聞く 横内かよこ ぐろっけ 200706
ふらここの高みより見る人造湖 笹倉さえみ 雨月 200706
ふらここの近くに咲きて華鬘草 長沼紫紅 200706
ふらここに三方の山沈めけり 小林和子 風土 200707
よく育てとふらここの子の背を押せり 石田嘉江 200707
ふらここや子守の嬉々と遊びをり 赤松丹山 雨月 200707
得意げにふらここ高くお兄ちゃん 秋千晴 200708
ふらここの揺るるに委せ春惜しむ 隅田恵子 雨月 200708
たましひをふらここに置き忘れたる 土井田晩聖 万事 200711
ふらここを漕ぎて些事にはこだはらず あさなが捷 200804
ふらここに宇宙飛行士夢見る子 宮川秀穂 200806
ふらここを漕いで答へぬつもりらし 小野麻利 200806
ふらここの揺れてゐるのかゐないのか 近藤紀子 200806
ふらここに少年少女の弾け声 林陽子 万象 200806
ふらここの水平線を蹴上ぐごと 若松一男 200806
腰掛けるだけのふらここにはならず きくちきみえ やぶれ傘 200806
宇宙思ふよふらここに眼をつむり 山口速 200807
ふらここを揺らし手脚を確める 田原陽子 200807
ふらここを下りて揺らぎの中にをり 北川とも子 ぐろっけ 200807
去る時のふらここの揺れそのままに 安藤久美子 やぶれ傘 200807
ふらここの勝手に動く海の風 竹内悦子 200808
ふらここを漕ぎて迎へを待つ子かな 國保八江 やぶれ傘 200809
二人で漕ぐふらここや白い波 田中藤穂 あを 200904
ふらここや雲に乗らむと大地蹴る 紀川和子 200905
ふらここに生るるは私だけの風 刈米育子 200905
ふつきるや夜のふらここを高く漕ぎ 林千鶴子 炎環 200905
ふらここのはじめとをはり愛の唄 イザベル真央 炎環 200905
ふらここを揺りつ昔のことを言ふ 大西八洲雄 万象 200905
すすめられ喜寿のふらここゆらしけり 加藤良子 春燈 200906
ふらここや母校の名前探す癖 近藤倫子 ぐろっけ 200906
ふらここに遊び足らざる女をり 藤原さちよ 酸漿 200906
ふらここを漕げば八十路の夢沸きぬ 伊藤洋子 200907
ふらここの老女を乗せて軋みけり 山路紀子 風土 200907
ふらここの吸はるまほらの青空へ 鈴木良戈 200907
ふらここや富士塚天辺一つ漕ぎ 小張志げ 春燈 200907
ふらここや両脚おほひなる翼 近藤喜子 200907
ふらここや空に入るたび嬉しくて 柴田佐知子 200907
ふらここを大きく漕ぎて島を越ゆ あさなが捷 200907
ふらここの影やはらかに夕さるる 徳井節子 馬醉木 200908
ふらここや碧眼の子の越後弁 高橋ひろ 万象 200908
ふらここを漕ぐたび空へ近づけり 塚越美知子 200908
佐保姫の乗り捨てゆきしふらここか 守屋井蛙 酸漿 200908
炎昼やふらここを子の一人こぐ 佐藤喜仙 壁炉 200911
ふらここを漕ぐたび胸に子の重み 小嶋洋子 泡の音色 200912
晴れやかにふらここに声沸き立つる ことり 六花 201003
ふらここを揺らして夢と遊びけり 木下忠雄 酸漿 201003
ふらここやいつしか出でし童唄 木下忠雄 酸漿 201003
ふらここの空に競り合ふ兄妹 市村健夫 馬醉木 201005
ふらここや近くて遠し子らの家 代田青鳥 風土 201005
ふらここや自由と言ひて生き難し 高倉和子 201005
ふらここの揺れて風生む遊園地 佐々木厚子 201005
ふらここの子や青空に身を放つ 芝尚子 あを 201005
ふらここの下の地面の凹みかな 小林朱夏 201006
ふらここのみな沸点を目指しけり 森岡正作 201006
雀きてふらここ揺らす昼さがり 加藤美貴 201006
青空とふらここを置く水溜り 芝尚子 あを 201006
腰降ろすだけのふらここ揺れ易し きくちきみえ やぶれ傘 201007
ふらここや宇宙遊泳心地にて 泉田秋硯 201007
ふらここ漕ぎ身を投ぐるかに大空へ' 堀田こう 雨月 201007
漕ぐ人のなきふらここの午後に入る 久世孝雄 やぶれ傘 201008
ふらここを降りてチョコレートコロネ買ふ 柿沼盟子 風土 201101
気のすむまで冬のふらここ漕いでをり 望月晴美 201102
ふらここの軋みすなはち吾が軋み 塩路隆子 201105
ふらここを漕がず人待つ夕かな 都丸美陽子 春燈 201105
ふらここを漕いで無敵の気分なり 五十嵐章子 201105
ふらここのどこも動かず暮れにけり 柴田佐知子 201105
ふらここの鎖の奥の夕日かな 後藤眞由美 春燈 201106
ふらここを漕げば忽ち童心に 三輪温子 雨月 201106
ふらここの影落したる砂の上 大島英昭 やぶれ傘 201107
ふらここの揺れにまかせし身体かな 橋本順子 201107
ふらここを漕ぐだけ漕いで下校する 秋千晴 201108
ふらここの鉄鎖の錆に村寂ぶる 今井妙子 雨月 201108
ふらここへ子らの駆けゆく弥撒のあと 荒井千佐代 祝婚歌 201110
ふらここや余生は時に長過ぐる 鍋島武彦 末黒野句集 201203
ふらここの鎖の軋み空を蹴る 国包澄子 201205
歩行器止めふらここそつと押してみし 渕上千津 201205
ふらここの振幅傷ついてはならぬ 辻美奈子 201205
ふらここやこころ軋ます嘘一つ 綱徳女 春燈 201206
ふらここに己が命のゆれてをり 中野京子 201206
ふらここの子を空へやる手の加減 林昭太郎 201206
ふらここの地べた擦りたる凹みかな 荒井和昭 201205
ふらここの大波小波子に戻る 本木下清美 ぐろっけ 201206
ふらここや互ひ違ひの胸の内 森清堯 末黒野 201206
ふらここの揺れ一陣の風生る 河合とき 末黒野 201206
ふらここを漕ぎてどこへも行けさうな 高倉和子 201207
ふらここや九九暗誦の七の段 佐藤凉宇子 ろんど 201207
ふらここや風生み風に乗る朝 青木朋子 201208
ふらここに双子の同じ赤い靴 北崎展江 くりから 201209
ふらここに下町の風集まり来 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
ふらここや少女らの声高階に 石原節子 春燈 201304
ふらここに思ひ出揺れて影ゆれて 藤見佳楠子 201305
ふらここ漕ぐ風の行間鮮しき 安藤しおん 201305
ふらここを漕ぐともなしに地を蹴る子 根橋宏次 やぶれ傘 201305
ふらここに少し揺らるる胎の子と 小林朱夏 201305
ふらここの父と子の声日暮呼ぶ 犬嶋テル子 春燈 201306
ふらここや島折り返す定期船 水木沙羅 201306
ふらここの冷たき板に馴れ親し 菅野雅生 ろんど 201306
ふらここを一心に漕ぐ富士額 安田とし子 ぐろっけ 201307
ふらここの過去を往来ふと未来 甕秀麿 201402
ふらここに錆の匂へる夜明かな 辻美奈子 201405
風を蹴りふらここの空白き富士 吉田美智子 末黒野 201405
黄昏のふらここに声残りをり 神戸京子 ろんど 201405
ふらここの膝の幼子唄ひ出す 市村明代 馬醉木 201405
ふらここを天まで漕ぎて嫁ぎけり 都丸美陽子 春燈 201405
父と子のゆらすふらここ日やさし 柴田靖子 201406
猫をれば撫づふらここがあれば漕ぐ 田村園子 201406
ふらここの漕ぎ方膝が思ひ出す 高橋将夫 201406
ふらここの軋む重さになりにけり 仲里奈央 201406
ふらここや肉じゃが好きの一才児 赤座典子 あを 201406
ふらここを漕がずに話す媼かな 新堀満寿美 末黒野 201406
古希の身をほんのひとときふらここに 安藤久美子 やぶれ傘 201407
こぎ捨てのふらここ映す水たまり 服部早苗 201407
ふらここの児に母の声父のこゑ 谷村祐治 雨月 201407
ふらここの揺らせばゆれて遠き日々 荒木澤子 201407
ふらここの揺るるにまかす安定感 高橋将夫 201407
ふらここをベンチ代はりにして坐る 松村光典 やぶれ傘 201407
ふらここを漕ぎて昔に戻りたし 高倉和子 201407
ふらここを漕ぐ白日にぶつつけて 近藤喜子 201407
ふらここや行きてかへらぬことばかり 森清信子 末黒野 201408
ふらここを漕いで涙を払ひけり 押田裕見子 201410
飛ぶ鳩とふらここ乗る児空に溶け 有松洋子 緑光 201411
ふらここに揺るる心のゆるるまで 七田文子 201504
ふらここに揺られて遠き日をゆらす 千田百里 201504

ふらここ →2

     

 

2021年4月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。