ふらここ 2     107句 (含他季)

ふらここの宙を二つに割り遊ぶ    上野泰

ふらここ  鞦韆  ぶらんこ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ふらここを漕ぐ児の足の宇宙蹴る 伴秋草 末黒野 201505
ふらここにたった 四十歳 しじゆう を嘆くかな 佐藤千重子 201506
ふらここを漕ぎて大地を揺さぶりぬ 中嶋陽子 風土 201507
母と子のふらここ揺らす風やさし 羽賀恭子 201507
ふらここや優しくなれり癌の夫 赤松郁代 万象 201507
ふらここや子の足触るるちぎれ雲 森清信子 末黒野 201508
ふらここを大きく漕いで風を生む 金子正道 京鹿子 201508
土蹴つてふらここの船出航す 竹中一花 201509
子ら去にて揺るるふらここ秋の風 堀田こう 雨月 201512
もう漕げぬふらここに過去ゆらしをり 金田誠子 201604
ふらここを漕がねば天が墜ちてくる 柳川晋 201605
ふらここや波は地球を縁取りて あさなが捷 201605
ふらここの互ひ違ひに語りをり 荒木澤子 201605
ふらここや遠き白帆の走り出す 大沢美智子 201605
空拡げ漕ぐふらここの一行詩 安藤しおん 201605
ふらここで日向と日陰行き来して 渡邉孝彦 やぶれ傘 201605
漕ぐたびにふらここ風を起しけり 蒲田豊彦 雨月 201605
ふらここや夫婦の揺れの行違ふ 向井芳子 春燈 201606
微動だにせぬこともありふらここに 箕輪カオル 201606
ふらここに乗り闇を蹴り酔ひ醒す 伊藤希眸 京鹿子 201606
波光るときふらここの軋みけり 田村園子 201606
ふらここをひと蹴り着地生きめやも 荒井和昭 201606
ふらここに二人乗りして彼の世まで 山内碧 201606
体ごとふらここ雲に入りゆく あさなが捷 201606
ふらここの笑ひ声ある高さかな 秋千晴 201607
ふらここの息を合はせて並び漕ぐ 秋千晴 201607
青空の中より戻るふらここよ 高倉和子 201607
天帝の笑顔ふらここ高く漕ぐ 岩月優美子 201607
花の影のせてふらここ揺れてをり 近藤紀子 201607
叱られし子のふらここの軋みかな 矢野百合子 201607
ふらここや生駒山系蹴り上ぐる 中島昌子 201608
色変へぬ松やふらここ高みより 山荘慶子 あを 201611
ふらここの揺られたさうに垂れてをり 宇都宮敦子 201702
ふらここや漕げばあかあか空が燃え 沼田巴字 京鹿子 201703
ふらここを漕ぎ少年に還る四肢 稲畑廣太郎 ホトトギス 201704
ふらここや膝突き出して空に入る あさなが捷 201704
ふらここや睡くなつたの婆の手手 黒澤佳子 あを 201705
ふらここの心残りの揺れなりし 高橋将夫 201705
ふらここや順番待ちといふ作法 篠藤千佳子 201706
ふらここに私の翼預けあり 安藤しおん 201706
ふらここや卒寿の足のしかと漕ぐ 松橋輝子 末黒野 201706
ふらここを待つあと一人あと一人 山田健太 風土 201706
ふらここの足裏夕日を蹴り上げて 安斎久英 末黒野 201707
ふらここに大人が遊ぶ島の昼 福島吉美 万象 201707
おめかしの子がふらここをこぎてをり 出口誠 六花 201707
大得意ふらここ高く高く漕ぎ 遠山のり子 201708
ふらここの少女太陽蹴り上げて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
ふらここの子らは空飛ぶ未来の子 鈴木一広 201804
ふらここををとこ漕ぎして島を発つ 和田照海 京鹿子 201806
ふらここを漕いで宇宙へ行く心地 安部和子 雨月 201806
リハビリの母ふらここを漕いでをり 林徹也 201807
ふらここや昏れ残りたる幼稚園 松本胡桃 風土 201807
ふらここや志村喬の唄聞こゆ 津川かほる 風土 201807
ふらここやあの子は急に越してゆき 仲里奈央 201807
ふらここや今日も誰かを待つてゐる 藤田美耶子 201807
ふらここを漕げば心の伸縮す 高橋将夫 201807
ふらここや風切る耳のなつかしき 安江筍子 雨月 201808
ふらここやかたかたと鳴るランドセル 田代貞香 201808
更けて漕ぐふらここの背を鬼が押す 柴田佐知子 201809
ふらここや宙に笑顔の孫二人 神田惣介 京鹿子 201809
木洩日を肩にふらここ空へ漕ぐ 竹中一花 201809
ふらここに長髪揺らす児爺看守 神田惣介 京鹿子 201811
ふらここやけんかの後の二人乗り 大塚たきよ 201905
ふらここや善と悪とが前うしろ 中貞子 201906
ふらここに乗って少女に戻りゆく 大山夏子 201907
ふらここや風はいつでも新しい 須賀ゆかり 201907
ふらここに腰掛けてみる夕ごころ 小嶋恵美 春燈 201907
ふらここを天まで漕がば母に会ふ 志方章子 六花 201909
ふらここの子の背押しやる日曜日 河野昭彦 ホトトギス 201909
ふらここを漕ぐ子漕げぬ子皆笑顔 河野昭彦 ホトトギス 201909
岬端の手製ふらここ雨休み 松本美簾 馬醉木 202003
空井戸のありふらここの軋む音 井上つぐみ 202004
ふらここを漕ぎ誰からも遠くゐる 三代川朋子 202004
ふらここに誰もこぬ日や風遊ぶ 芝田幸惠 末黒野 202004
ふらここの時を選ばず賑やかに 大日向幸江 あを 202005
ふらここに座しふらここの風を聴く 増成栗人 202005
ふらここに揺られ地球を離れけり 田中臥石 末黒野 202006
ふらここの下揺れてをり水溜り 黒滝志麻子 末黒野 202006
ふらここや往きと帰りの違ふ風 上村葉子 風土 202006
ふらここや波郷の句境考へる 平澤侃 末黒野 202008
ふらここやスカート少し遅れ揺れ 今井康子 202010
ふらここや往きと帰りの違ふ風 上村葉子 風土 202102
ふらここを漕ぎつつ見やる滑り台 きくちきみえ やぶれ傘 202105
ふらここの揺れを残して子は母へ 青谷小枝 やぶれ傘 202105
ふらここを濯ぎこぎ決める旅立つ日 村田あを衣 京鹿子 202105
ふらここの止みて一気に暮れにけり 山田健太 風土 202105
明日と言う未来に漕ぎしふらここを 大山夏子 202105
ふらここ児かカールブッセの空へ飛ぶ 高村令子 風土 202106
ふらここに老人小さく揺れゐたり 中田みなみ 202107
子ら去りてふらここ昏るるばかりかな 竹内涼子 末黒野 202107
ふらここや空に放てる我が心 中島昌子 202107
ふらここや恐れを知らぬ漕ぎ手なり 久保夢女 202108
ふらここの空と大地を分け入れて 平井裕子 ホトトギス 202109
ふらここを架けたくなりし大樹かな 畑田久美子 202110
ふらここや大人も乗りてみたきもの 伊藤隆 202110
ふらここや葛城山の暮れ残る 松田那羅生 202110
ふらここにひとり芝生にふたりの子 大島英昭 やぶれ傘 202205
微動だにせぬふらここの午前中 安藤久旋子 やぶれ傘 202205
大入り日ふらここの児に蹴飛ばされ 高村令予 風土 202205
ふらここに己が意固地をゆらしけり 鷹崎由未子 春燈 202206
ふらここや次会ふことを約したり 伊吹之博 京鹿子 202206
ふらここや横の童のライバル視 宮元陽子 末黒野 202206
ふらここを蹴りては雲を走らせる 西村白杼 京鹿子 202207
ふらここを漕ぎてこの世を遠くせり 櫻井理恵 春燈 202207
ふらここや老の夫婦の痴話喧嘩 渡辺富士子 末黒野 202208
ふらここの届く先より黄昏れる 藤井杏愛 京鹿子 202208
ふらここに冬着の己れ乗せて漕ぐ 伊藤希眸 京鹿子 202301
ふらここ→ 1

 

2023年4月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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