ほうたる             1967句

うまれたる家はあとかたもないほうたる    種田山頭火

  ほたる  ほうたる

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
晩学やほうたるに蹤く宵一途 橋添やよひ 風土 199809  
ほうたる来い赤子のようには眠れない 芹沢愛子 海程 199811  
ほうたるのそのまま音になりにけり 神田夏果 海程 199812  
近づいて来しほうたるへ手を伸ばす 村田近子 遠嶺 199905  
まつすぐにほうたるの来て見失ふ 生田恵美子 風土 199909  
ほうたるや赤の肩章つけて虫 深澤鱶 火星 199910  
ほうたるに上昇指向過疎の里 木戸渥子 京鹿子 199910  
ほうたるの宿に携帯電話かな 植村金次郎 海程 199911  
ほうたるやさて長靴の鰓呼吸 奥田筆子 京鹿子 199911  
身を焦がす恋ほうたるにもありぬ 山路紀子 風土 199912  
ほうたるへ近づく橋の見当たらぬ 夏秋明子 ヒッポ千番地 200003  
ほうたるを見る楽しみの加はりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200006  
ほうたるや生家の上の高速路 城孝子 火星 200008  
ほうたるの一つが抜けて我に来る 生田恵美子 風土 200009  
ほうたるや一等星の高さまで 杉浦典子 火星 200009  
ほうたるの昨夜の恋なる磧 城孝子 火星 200009  
木洩れ日にほうたるの水匂ひけり 新井竜才 銀化 200009  
ほうたるの水際離るる暗さかな 石脇みはる 200010  
蛍見てゐる君の肩にほうたる 深澤鱶 火星 200010  
ほうたるや眼閉づれば逢へるから 槻木珠美 銀化 200011  
ほうたるの声なき闇でありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200106  
頬杖の子にやほうたる舞ひ来たる 中村裕子 200106  
鬼哭よりほうたるほたる呼ばれゆく 山崎未可 銀化 200109  
虚子蛍美穂女ほうたるかも知れず 稲岡長 ホトトギス 200110  
ほうたるを十まで数へ児のおねむ 萩原行博 遠嶺 200110  
ほうたるや耕人ながながと寝る 植村金次郎 海程 200110  
ほうたるの宿の音信不通なり 植村金次郎 海程 200110  
ほうたるに従いてゆきたる子の睡り 雨村敏子 200110  
ほうたるを吐き続けゐる一樹影 稲岡長 ホトトギス 200111  
ほうたるの匂ひ幼き日の匂ひ 細野みさを 200111  
深呼吸してほうたるになりすます 木山杏理 京鹿子 200111  
目の位置にほうたるが来て泣いている 松山律子 六花 200206  
ほうたるの昂りてをり闇の中 水野邦央 雲の峯 200207  
ほうたるの川を守りて老人部 水野邦央 雲の峯 200207  
ほうたるや消えつ光りつ嫁さがし 吉田多美 京鹿子 200208  
ほうたるや四門忌垣の渡海船 小野寺節子 風土 200209  
ほうたるの行こか戻ろか橋の上 大東由美子 火星 200209  
ほうたるの香のハンカチを畳みけり 戸田春月 火星 200209  
ほうたるに紛れてしまふ射手座かな 竹中一花 200209  
ほうたるの恋の瞬き閉づまなこ 北村香朗 京鹿子 200210  
ほうたるや榛の木に闇いよよ濃し 朝妻力 雲の峯 200307  
ほうたるに慕はれてゐるたなごころ 朝妻力 雲の峯 200307  
ほうたるの光の道は川の道 印牧緑 築港 200308  
橋を渡りてほうたるの闇となる 雨村敏子 200309  
ほうたるのふつと消えゆく闇の先 国包澄子 築港 200309  
ほうたるに夜のまなこを洗ひけり 戸栗末廣 火星 200309  
ほうたるの宙に起伏のありにけり 風間史子 200310  
ほうたるへ抛る少なの言葉数 伊藤早苗 200401  
ほうたるや京都大学文学部 竹中一花 200409  
ほうたるや地球は水の万華鏡 矢崎すみ子 200409  
ほうたるの門に涙を落しけり 高橋千美 京鹿子 200409  
ほうたるや鬼籍に入りし顔顔顔 鳴海清美 六花 200410  
ほうたるや畦踏みはづす水の音 大坪景章 万象 200411  
ほうたるの消えしあたりに身を入るる 直江裕子 京鹿子 200411  
ほうたると星の綺麗な町に泊つ 稲畑汀子 ホトトギス 200506  
ほうたるを汲み取らむかに七つ星 中尾公彦 200509  
ほうたるや昏くてならぬ北斗の柄 大島翠木 200509  
ほうたると一つの闇に身を置けり 板倉幸子 築港 200509  
ほうたるに誘はれ一夜泊りかな 岩淵彰 遠嶺 200510  
ほうたるの熱き吐息を手に髪に 森山のりこ あを 200510  
ほうたるとなりて夢路を遊びけり 村田菊子 遠嶺 200511  
暗闇に坐すほうたると語りたく 泉田秋硯 200609  
ほうたるやふたつ触れあふことのあり 定梶じょう あを 200609  
ほうたるが繃帯の指離れざる 荒井千佐代 200610  
ほうたるのやうによりそふ母の影 吉澤利治 遠嶺 200611  
哲学の道にほうたる掌に囲む 中村洋子 風土 200611  
ほうたるの命を燃やす宴かな 横山迪子 六花 200706  
ほうたるの草に沈める息づかひ 米山喜久子 200708  
ほうたるや小学校にきて光る 米山喜久子 200708  
ほうたるは末だし闇の迫り来し 須藤トモ子 200709  
ほうたるを囲ふ小さきたなごころ 須藤トモ子 200709  
ほうたるに酔ひし朝の川の風 須藤トモ子 200709  
ほうたるの群れゐて音のなき夕べ 貴志桂 200709  
握りしめたるほうたるの優待券 荒井和昭 200709  
ほうたる来健も比呂之も肩組んで来 荒井和昭 200709  
姉の手を逸れしほうたる掬ひけり 藤井佐知子 200709  
ほうたるの闇より螢とり出だす 辻美奈子 200709  
ほうたるの命の軽さ掌に包む 木内憲子 200709  
ほうたるや父祖の証の山と川 中野京子 200710  
ほうたるを包むてのひら覗きけり 金月洋子 六花 200711  
ほうたるに息をあはせて身罷りぬ 辻美奈子 200808  
ほうたるに撓む水音草の音 城孝子 火星 200809  
ほうたるにひと触れしたるへだたりよ 雨村敏子 200809  
ほうたるの永き刹那を掌 小形さとる 200809  
ほうたるや手中に銀河系宇宙 近藤喜子 200809  
ほうたるへ道の真ん中歩きけり 中条さゆり 200809  
恋を得ずほうたる風に流されし 中条さゆり 200809  
ほうたるやかつて汀に人葬ふる 雨村敏子 200810  
ほうたるのもつるる下をひとり歩く 浜口高子 火星 200810  
ほうたるの奈落にブイを投げやうか 吉田明子 200810  
ほうたるに夜泣きの嬰の大欠伸 高尾豊子 火星 200908  
ほうたるや草に蛇の目鼠の目 長戸路子 春燈 200908  
ほうたるの祭とあらむ群れ舞へる 寺岡宏 雨月 200908  
ほうたるの恋の片割れたなごころ 宮崎左智子 200909  
首すじにほうたるの来し最澄忌 水野恒彦 200909  
ほうたるや手拭ひ固く絞りをり 栗栖恵通子 200909  
妻のほうたるいま川上に灯りけり 宮川瘤太 炎環 200909  
ほうたるのきのはしわたるとき迅し 宮川瘤太 炎環 200909  
眼裏のほうたる空へ放ちけり 阿布里唯 炎環 200909  
ほうたるやゆびにのこりし酢のにほひ 吉村はづき 炎環 200909  
ほうたるの闇ふるはせて稽古笛 森山暁湖 万象 200909  
ほうたるの戻りし川や人集ふ 岡本迪郎 200909  
ほうたるはミューズの化身闇に舞ふ 山口順子 200910  
ほうたるに母頂けおく車椅子 柴田良二 雨月 200910  
ほうたるや自分を好きになれぬまま 近藤倫子 ぐろっけ 200910  
ほうたるの大パノラマに身を投ず 土居通子 ろんど 201001  
一つ消えほうたるの闇生まれけり 赤瀬川恵実 万象 201009  
ほうたるや吾動かねば慕ひ寄る 泉田秋硯 201009  
ほうたるにはや真暗な家のあり 甲州千草 201009  
ほうたるを呼ぶ唄今も変はらざる 藤村達江 春燈 201009  
ほうたるに闇の銀河となりにけり 中村洋子 風土 201009  
ほうたるや島にひとつの学校田 深澤鱶 火星 201009  
ほうたるに初めて闇の生まれけり 山田六甲 六花 201106  
ほうたるの水より生れて火を点す 岩永充三 201107  
見つめ過ぎしかほうたるの息かすれ 北川英子 201108  
ほうたるの国に明星生まれたる 山田春生 万象 201109  
ほうたるの残像やがて夢となり 本間羊山 風土 201109  
ほうたるは獣の匂ひして亘る 熊川暁子 201109  
ほうたるになってわたしに逢いに来て 大木清美子 201110  
胎蔵の螢ほうたる水車かな 大島翠木 201110  
ほうたるの星へ向ひて消えにけり 永田万年青 六花 201110  
ほうたるを籠めし母の掌白かりき 篠原幸子 春燈 201112  
ほうたるや書淫の眼あげにける 栗栖恵通子 201208  
浮き沈むほうたるの闇沖縄忌 神田恵琳 春燈 201208  
ほうたるや一夜泊りの白川郷 澁江阿喜子 万象 201209  
ほうたるの頃と十年日記繰る 寺岡ひろし 雨月 201209  
作り滝かなほうたるの失せやすし 深澤鱶 火星 201209  
ほうたる来い梢のひろがる夕の風 布川孝子 京鹿子 201210  
ほうたるやいつしか水の音更けぬ 石黒興平 末黒野 201210  
ほうたるを探す闇夜の広さかな 山咲和雄 末黒野 201210  
ほうたるの誘ふ甘き小雨かな 村高卯 201210  
ほうたるやまだ暮れきらぬ空の藍 榎本文代 万象 201210  
ほうたるの夜の風を入れ袖袂 村上千紫 京鹿子 201211  
大いなるほうたるあらぬ方にともる 定梶じょう あを 201308  
ほうたるの留まる髪の薄湿り 岡井マスミ 末黒野 201310  
ほうたると共有したる闇の濃し 宮平静子 雨月 201310  
ほうたるの独りで帰るにじり口 梶浦玲良子 六花 201310  
ほうたるが縁で結婚したと言ふ 織田高暢 201312  
ほうたるや真の闇にはあらねども 山田六甲 六花 201407  
ほうたるの火にぬれてきしたなごころ 山田六甲 六花 201407  
ほうたるに母との闇のよみがへる 山田六甲 六花 201407  
十薬の花ほうたるにぼんやりと 山田六甲 六花 201407  
ほうたるに嘘つきながらかへりけり 山田六甲 六花 201407  
ほうたるに抜けたる闇のしつけいと 山田六甲 六花 201407  
ほうたるの闇に棚田のくづれけり 山田六甲 六花 201407  
ほうたるの闇のべとつきはじめたる 山田六甲 六花 201407  
ほうたるの橋を渡れば背のおもし 山田六甲 六花 201407  
ほうたるの合戦またたくまになえし 山田六甲 六花 201407  
ほうたるの舞ひ立たぬ火と向かひ合ふ 布川直幸 201407  
ほうたるや笠形山を水分に 山田六甲 六花 201407  
ほうたるをあふる風など吹いて来ず 山田六甲 六花 201407  
ほうたるを爪から爪へ点しけり 山田六甲 六花 201407  
ほうたるや闇に逢瀬の若者ら 北尾章郎 201408  
ねむり姫眠つたまんまほうたる おーたえつこ 201409  
ほうたるを見てきてカーネルサンダース 火箱ひろ 201409  
俳諧の夜はほうたるに逢ひにゆく 古賀しぐれ ホトトギス 201410  
ほうたるの限りある夜を舞ひにけり 永田万年青 六花 201410  
ほうたるを追へば更なる真暗がり 志方章子 六花 201410  
ほうたるの背山の闇のうねりけり 升田ヤス子 六花 201411  
ほうたるのまばたき空の落ちつかず 鴨下昭 201412  
ほうたるの新しき闇生まれけり 升田ヤス子 六花 201510  
ほうたるの少女の髪に来て点る 土井ゆう子 風土 201511  
ほうたるや笛吹川に漫ろ雨 岸本順子 京鹿子 201601  
酔い少しあるほうたるにもあるや 中林明美 船団 201602  
ほうたるの点滅星を増やすため 大川ゆかり 201608  
足湯してほうたるの闇待ちにけり 綱川恵子 万象 201609  
ほうたるの乱舞に酔ふも島の夜 佐藤貞子 雨月 201609  
ほうたるに賑はひてをり京ヶ坂 橋場美篶 末黒野 201610  
ほうたるの一つは山家より去らず 青木朋子 201610  
ほうたるに腥き風吹きにけり 熊川暁子 201610  
ほうたるの帰るところは追ひかけぬ 高木晶子 京鹿子 201610  
ほうたるにうれしぎ闇の深むなり 中島芳郎 201610  
ほうたるの飛び交ふあたり闇の濃し 石黒興平 末黒野 201611  
ほうたるの後追ひをして光かな 山田六甲 六花 201707  
ほうたるや草の湿りのまつはりて 楠原幹子 201708  
ほうたるや海抜百の棚田道 小林のり人 春燈 201708  
床の宴河鹿ほうたる初鰹 小張昭一 春燈 201708  
ほうたるに愛想びかりといふがあり 熊川暁子 201709  
ほうたるへ宿下駄揃へられてあり 土井三乙 風土 201709  
ほうたるを何の魂かと都府楼址 夏生一暁 馬醉木 201709  
ほうたるや闇をよすがに生くるなり 中島芳郎 201709  
ほうたるの絶えて久しき切通 青柳雅子 春燈 201710  
ほうたるの一つこそ闇美しき 山田六甲 六花 201807  
ほうたるや月命日は逢瀬の日 溝越教子 春燈 201809  
ほうたるを来世も共に見たき人 仲里奈央 201811  
蛍(ほうたる)のあとを追ひたる蛍かな 山田六甲 六花 201906  
ほうたるを来世も共に見たき人 仲里奈央 201909  
ほうたるを見て来し夜の人嫌ひ 増成栗人 201909  
ほうたるの闇濡れてゐる本能寺 山田健太 風土 201909  
ほうたるの平仮名アート宙を舞ふ 植村蘇星 京鹿子 201909  
ほうたるを囲ひし五指の明り窓 片山煕子 京鹿子 201909  
ほうたるの闇に鼓動のありにけり 待場陶火 201910  
丸木橋渡りほうたると考の来る 斉藤玲予 馬醉木 201910  
ほうたるの仮名の恋文闇に浮き 東小薗美千代 末黒野 201910  
ほうたるや父母そばに居る心地 志方章子 六花 201910  

 

2020年6月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。