ほたる             73句

くさかりの袖より出るほたる哉    卜枝

  ほたる  ほうたる

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ほたるの夜昨日はひとり今日ふたり 村田冨美子 京鹿子 199901
手囲ひのほたる少子化じわじわと 木戸渥子 京鹿子 199910
恋こがるごとくにほたるの夜が欲しい 保坂加津夫 いろり 200009
ほんとうにほたる見し夜は眠られず 谷みどり いろり 200107
月の無きほたるの里の恋の秘話 保坂加津夫 いろり 200108
朝がきて虫となりたるほたるかな 和田瑞子 銀化 200108
螢雪のためのほたるのいくらかは 村上瑪論 銀化 200110
ほたる見に峡ゆき兵の墓に会う 杉崎ちから 海程 200112
死のやうな眠りを眠りほたるの夜 竹市悠紗 京鹿子 200112
朝倉のほたる深追ひせずにゐる 密門令子 雨月 200209
子の胸に来て点滅のほたるかな 西村しげ子 雨月 200409
布巾掛けありし一膳ほたるの夜 櫨木優子 200409
ほたる飛ぶ銀河鉄道走る森 岩上とし子 200411
連れ立ちて帰る弔問ほたるどき 齋藤厚子 200411
ほたる見の旅の余韻にある家居 稲畑汀子 ホトトギス 200506
恋ほたる名残の橋を引き返す 宇都宮滴水 京鹿子 200508
酒少し濁りて哀しほたるの夜 渡邉友七 あを 200508
ほたる出づチーズ工房水田べり 河合佳代子 栴檀 200509
終曲のほたるの光踊果つ 国包澄子 築港 200511
明滅の滅はほたるの愛の闇 山元志津香 八千草 200512
胎内の記憶あかりや恋ほたる 安田優子 京鹿子 200601
ちちの掌が重なつてゐるほたるかな 栗栖恵通子 200606
ほたる沢の真昼緑の陰ゆれて 木村茂登子 あを 200607
ほたるほたるポケットにキーホルダー 中原幸子 以上、西陣から 200705
光りつゝ草間に消ゆる大ほたる 松下幸恵 六花 200705
煙草吸はないでくださいほたるの夜 飛鳥由紀 200710
光るたびふと軽くなるほたる籠 松本圭司 200807
旅枕ふたつ重なるほたるかな 栗栖恵通子 200808
初ほたる骨壺白くまもりけり 辻直美 200808
五つ目の堰よりは黄泉ほたる谿 荒井千佐代 200810
人の世に似て明滅の草ほたる 湯浅夏以 遠嶺 200811
夜の川やさしいひかりほたるだよ 広瀬結麻 200908
山の端の三日月に舞ふほたるかな 福田慧香 200909
明日死ぬほたる明滅の滅長し 荒井千佐代 200909
ほたる火も山も死にゆく父郷かな 星原悦子 200911
合戦の火の香水の香ほたる谷 鷹羽狩行 201007
ほたる祭蛍も人もにぎはひて 井関祥子 酸奬 201008
バス一区歩いて帰るほたるの夜 落合晃 201009
のぼりつめほたるはなれる指の先 落合晃 201009
すこしづつ夫衰へるほたる籠 栗栖恵通子 201009
上流にちちははの墓ほたる川 北川英子 201009
誰かれと遠き思ひ出ほたる狩 滝川あい子 雨月 201110
村人は珍しがらぬほたる狩 滝川あい子 雨月 201110
群れほたる明滅つひに波のごと 角谷美恵子 ぐろっけ 201111
土手の端にほたるの恋をのぞきけり 篠原幸子 春燈 201112
料亭の闇整へる庭ほたる 平野数子 京鹿子 201201
ほたる火の灯るその時風が止む 上村美翔 うらら 201202
青魚もほたるも貰ふ空のいろ 加藤みき 201209
由布岳の水のびのびと初ぼたる 菅野雅生 ろんど 201309
きぬぎぬを承知で指をはふほたる 山田六甲 六花 201407
ほたる追ふせせらぎぱつと飛び越へて 辻響子 201409
そのことは忘れることにほ・ほたる 火箱ひろ 201409
草濡れて平家ぼたるの休む土手 升田ヤス子 六花 201410
ほたる追ふ棚田の闇の深さかな 小菅澄重 春燈 201410
揺るる藻にほたるとび交ふ町の川 佐藤良二 末黒野 201411
足元の闇を気遣ひほたる待つ 佐藤良二 末黒野 201411
ほ・ほ・ほたる老いてとほうにくれている 火箱ひろ 船団 201502
裏富士の大きな闇のほたるかな 武井美代子 万象 201510
灯を消してぐらり漕ぎ出すほたる舟 永淵惠子 201510
ほたる舟闇に引かれて進みけり 永淵惠子 201510
灯を消してぐらり漕ぎ出すほたる舟 永淵暫子 201607
ほたる舟闇に引かれて進みけり 永淵暫子 201607
生き返りいきかへりつゝほたるの夜 中島芳郎 201709
その闇へ点してひと夜恋ぼたる 中野さき汀 春燈 201710
ほたる観て歌劇の街の灯に戻る 阪上多恵子 雨月 201810
選択肢またひとつ減るほうほたる 直江裕子 京鹿子 201811
入滅のゆくて導くほたるかな 熊川暁子 201909
大文字火床への道沢ほたる 岡本尚子 風土 201909
指あてて息たしかむるほうほたる 直江裕子 京鹿子 201911
ほたる火の冷たさをこそ火と言はめ 能村登四郎 202001
ホタル科の一昆虫に過ぎませぬ 角野良生 202003
厚き本ほたるがほつとこぼれおつ 佐藤喜孝 あを 202006
こんばんは余白にほたるほうほたる 火箱ひろ 202011
ほうたるほたるすぐ来いと言はれても 小林和子 202110

 

2023年6月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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