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ゆるやかに着て人と逢ふ蛍の夜    桂信子

  ほたる  ほうたる

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ついついと天指す蛍見送りて 大橋敦子 雨月 200408
蛍とぶ水辺小谷のいくさあと 中村房子 馬醉木 200408
掌に触れて迷ひ螢か旅一夜 徳田千鶴子 馬醉木 200408
川細る遠より蛍火のふゆる 黒田咲子 200408
伝説の池の蛇姫蛍かな 浜福恵 風土 200408
蛇姫の宮より暮るる初蛍 浜福恵 風土 200408
初蛍一会の椅子を譲らるる 浜福恵 風土 200408
夫の掌の窪に預けし蛍かな 浜福恵 風土 200408
逢ひに来し想ひなりけり蛍の夜 浜福恵 風土 200408
蛍不意に闇に現れ闇に消ゆ 塩川雄三 築港 200408
蛍狩子が主導権握りゐて 塩川雄三 築港 200408
大いなる吐息蛍の点滅は 塩川雄三 築港 200408
蛍の自由に飛べる闇を持つ 寺井富三郎 築港 200408
蛍の吾に恋して寄り来たる 寺井富三郎 築港 200408
恋蛍男の肩にとまりけり 松木元 築港 200408
宙に舞ふ蛍の行方定まらず 印牧緑 築港 200408
草むらを住処に蛍飛びたてり 印牧緑 築港 200408
留守もるに螢の来て賑はへり 御橋忠一 200408
姉が家を点さずに待つ螢かな 御橋忠一 200408
行先のさだかならねど螢飛ぶ 竹川せつ子 草の花 200408
紬織る音かたんぴし夕螢 淵脇護 河鹿 200408
皆帰る家あり螢追ひゐたり 今瀬剛一 対岸 200408
螢追ふ人間に水脈めけるもの 今瀬剛一 対岸 200408
螢飛ぶ橋に膨らみありにけり 今瀬剛一 対岸 200408
螢には見せぬ句帳とボールペン 今瀬剛一 対岸 200408
人間の眼散らばり螢の夜 今瀬剛一 対岸 200408
闇に渦あり螢火の巻き込まれ 今瀬剛一 対岸 200408
螢火の消えたる橋に残さるる 岡崎桂子 対岸 200408
懐しき声に出合へり螢の夜 小橋末吉 対岸 200408
竹林にひびく水音螢飛ぶ 小橋末吉 対岸 200408
螢火に屈みて見ゆる川の幅 小橋末吉 対岸 200408
高みへと恋の加速の螢かな 藤田さち子 対岸 200408
寧らかに闇眺むれば螢湧く 泉田秋硯 200409
よく光る敗者もあらむ恋螢 次井義泰 200409
蛍火の宙のらくがき棚田みち 中村房子 馬醉木 200409
雌蛍の草にひそみて刻を待つ 澤田緑生 馬醉木 200409
求愛の雄蛍おそふかに消ゆる 澤田緑生 馬醉木 200409
蛍火の序破急に闇濃くなりぬ 澤田緑生 馬醉木 200409
蛍飛び灯を細め食ふ鮎づくし 澤田緑生 馬醉木 200409
蛍火のふためきて立つ竹瓮揚 澤田緑生 馬醉木 200409
蛍火の己が脳波とかよふごと 澤田緑生 馬醉木 200409
涙目に赤くにじみつ蛍の火 澤田緑生 馬醉木 200409
蛍火の乱視か二つづつに見ゆ 澤田緑生 馬醉木 200409
蛍火や茶庭の石に燭置きて 澤田緑生 馬醉木 200409
蛍火に足よろめくは鳥目かも 澤田緑生 馬醉木 200409
山の湯の灯を消し蛍誘ひぬ 澤田緑生 馬醉木 200409
蛍火の星座とみしがすぐ崩る 澤田緑生 馬醉木 200409
丑三つの蛍は川を離れ飛ぶ 澤田緑生 馬醉木 200409
枕燈も蛍に消して不眠症 澤田緑生 馬醉木 200409
蛍消え簗の水勢たかまりぬ 澤田緑生 馬醉木 200409
母の忌の蛍を草に返しけり 藤井明子 馬醉木 200409
蛍火や熱き思ひは胸奥に 木下慈子 馬醉木 200409
夏座敷軸は亡き師の蛍の句 木下慈子 馬醉木 200409
ぬばたまや螢に短き恋暦 山岡季郷 馬醉木 200409
天と地の間に吊す螢籠 谷口佳世子 200409
川音や湯の中にゐて螢追ふ 谷村幸子 200409
親一人子一人蛍光りけり 久保田万太郎 春燈 200409
出発のロビーに朝の蛍かな 戸栗末廣 火星 200409
柴犬の伏せと言はれし螢狩 米澤光子 火星 200409
愛宕山へ螢一つ浮き上る 松井倫子 火星 200409
蛍川ざぶざぶ渡る手を引かれ 山本令夏 風土 200409
とどまるも流るるも闇蛍の火 西岡美代子 百鳥 200409
蛍の夜人形の目の濡れてゐる 十河秀子 百鳥 200409
螢追ひけもののごとく光り居り 諸冨清子 対岸 200409
蛍の光りて消えて命継ぐ 吉田多美 京鹿子 200409
踝に水の風来る蛍の夜 青木康信 帆船 200409
夢の世の夢と遊ばな蛍狩 大橋麻沙子 雨月 200409
蛍火に息ひそめゐて闇ふかし 加地芳女 雨月 200409
散策路少し延ばして蛍狩 山本漾子 雨月 200409
蛍ゐると指差す先へ目を凝らす 山本漾子 雨月 200409
縄文の世の闇おもふ蛍狩 片山喜久子 雨月 200409
闇を踏む地のたよりなさ蛍狩 片山喜久子 雨月 200409
速すぎる流れに落ちし恋蛍 片山喜久子 雨月 200409
蛍火の闇切る縦横無尽かな 片山喜久子 雨月 200409
わが肩に来て蛍火の息ながし 片山喜久子 雨月 200409
目で追ひし蛍火つひに見失ふ 川瀬信子 築港 200409
妹許りの路地螢火の通せんぼ 冨田みのる 200409
蛍の火姉のごときにつつましく 霜嵜恵美子 六花 200409
熟年の手をつなぎをり夕蛍 永田勇 六花 200409
蛍舞ふところ見たしや車椅子 安保信子 六花 200409
幼き日姉と歩いた蛍みち 市成照一 六花 200409
掌の奈落に嵌る恋蛍 尾堂Y 河鹿 200409
胎内はかくも明るき螢の夜 片山タケ子 200409
歩くとは前へ出ること草蛍 野路斉子 200409
小さき掌に螢を包み見せにくる 藤田京子 ぐろっけ 200409
酒臭き息吹も混じる蛍狩 金山藤之助 200410
近くなる二人の距離や螢狩 谷口外穂 200410
オカリナの音透きとほる螢の夜 神山ゆき子 200410
家の裏は死者搬ぶ径蛍とぶ 園部蕗郷 春燈 200410
蛍火は黄泉の提灯かも知れぬ 園部蕗郷 春燈 200410
幹に背を擦りゐる牛も螢どき 市場基巳 200410
川の暮れ手もとにおよぶ螢待つ 市場基巳 200410
丸団扇描きし螢飛び出さう 島崎晃 遠嶺 200410
著莪の葉の裏へ蛍の火の透ける 野々山照子 栴檀 200410
てのひらを離れ螢火濃くなりぬ 高橋あゆみ 200410
電話よりペン取るが好き蛍の夜 守屋井蛙 酸漿 200410
蛍籠一ト夜の夢の枕上ミ 室伏みどり 雨月 200410
口閉ぢて蛍の夜を戻りけり 辰巳あした 雨月 200410
人声に囃されどほし恋蛍 西村しげ子 雨月 200410
蛍 8→      

 

2021年6月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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