5             98句

馬の背の蛍ぱっぱと掃れけり    一茶

  ほたる  ほうたる

作品
作者
掲載誌
掲載年月
蛍火やこの母死なせてはならじ 中林京子 雨月 200210
恋蛍雫のごとく落ちにけり 安達風越 雨月 200210
蛍火のつういつういと田を渡る 安達風越 雨月 200210
歩を返す蛍火のほか何も見ず 指尾直子 雨月 200210
せせらぎの音の消えたる螢の火 鈴木勢津子 200210
螢狩真闇に凭る安けさよ 能村研三 200210
螢飛ぶ雨が洗ひしあとの闇 菅谷たけし 200210
キー落ちてゐし真昼間の螢川 米澤光子 火星 200210
轍消ゆ腐草螢となるあたり 大嶋康弘 銀化 200210
人恋うて袖にすがれる昼螢 小野あゆみ 銀化 200210
気づかないふり生きてゐるふり螢かな 山崎未可 銀化 200210
時化あとの月の隈より蛍の火 渡邊誓不 200210
少しづつ惚れ螢火を掬ひとる 矢野千佳子 京鹿子 200211
古地図屋にきのふの螢来てゐたり 矢野千佳子 京鹿子 200211
消えるから蛍火と鉛筆が好き 滝沢環 京鹿子 200211
知らぬ子に分けてもらつて螢狩 遠藤節子 200211
急流の音たかぶりて螢の火 中薗道子 遠嶺 200211
手をむすぶ螢這ひ出しつつ光る 市場基己 200211
螢火のみどりおほかた芦なるべし 市場基己 200211
腰どかと沈めくらがり螢待つ 市場基己 200211
流されて水にはりつきゐる螢 市場基己 200211
高光る螢に手をあげ岸辺去る 市場基己 200211
一夜明け廊下の隅の螢籠 松本文一郎 六花 200211
蛍の夜恃み合ふ歩を緩やかに 渡邊誓不 200211
胎内へ戻りゆくごと螢狩 西宮舞 200212
蛍火の来ては消え入るひとところ 佐藤佐代子 200212
蛍火の碧きを連ね草の蔭 荒川桂子 ぐろっけ 200212
静脈をとほり胸まで螢の火 高田令子 200301
螢の夜君に逆らふ癖ありし 木村みかん 200301
道行きの入口にゐて蛍の夜 和田照海 京鹿子 200302
次郎の家まだ灯の入らぬ蛍籠 和田照海 京鹿子 200302
化野や冬の蛍はくるぶしに 栗栖恵通子 200302
螢狩呼ぶ声闇に消えゆけり 松下八重美 200304
たれかれの骨のあひだを蛍とぶ 佐藤喜孝 青寫眞 200304
火を落としはや店じまひ螢沢 山仲英子 200305
火の道をつけて出で来し初螢 鷹羽狩行 200306
川上へ二手となりて螢狩 鷹羽狩行 200306
亡き人と夢にや会はむ蛍の夜 久保田雪枝 雨月 200307
蛍見ておのれの命見つめをり 久保田雪枝 雨月 200307
手の蛍離るる刹那力見す 久保田雪枝 雨月 200307
蛍火を鬼火のやうに囲ひけり 大串章 百鳥 200307
蛍火の消えたる闇の隙間かな 大串章 百鳥 200307
相寄りし螢かかはりなく離る 朝妻力 雲の峯 200307
維新湯の曲がり廊下に螢籠 西所正臣 雲の峯 200307
囚はれの身とは知らずや螢の火 泉田秋硯 200308
老いらくの恋を洩らせり蛍の夜 小林成子 200308
宇治十帖蛍に男時女時かな 神蔵器 風土 200308
てのひらへ約束のごと初蛍 浅田光代 風土 200308
蛍の闇にふれたる手のぬくみ 大森美恵 風土 200308
姉も弟もころり往生螢飛ぶ 松崎鉄之介 200308
萱葺の家を讃へて螢舞ふ 田辺耕作 200308
智恵借りに来て螢見に誘はるる 田辺耕作 200308
螢の夜脚のびのびと納棺す 藤田輝枝 対岸 200308
蛍飛ぶ草書行書の火を曳いて 塩川雄三 築港 200308
直線も曲線も描き蛍飛ぶ 塩川雄三 築港 200308
ためろうてやがて大胆蛍飛ぶ 塩川雄三 築港 200308
蛍には蛍の会話闇を飛ぶ 塩川雄三 築港 200308
蛍火が艶なる闇を曳きずつて 塩川雄三 築港 200308
籠蛍点滅子の眼瞬きす 澄田玄志郎 築港 200308
点滅が蛍の会話ちかちかと 川浪広子 築港 200308
部屋の灯を消して蛍を炎え立たす 印牧緑 築港 200308
約束の水際に立つ恋螢 関口ゆき あを 200308
恋失せし昼の螢のなまぐさし 関口ゆき あを 200308
約束の暗がりに待つ蛍の夜 長谷川守可 百鳥 200308
何もかも昨夜のことや蛍籠 長谷川守可 百鳥 200308
亡き夫と積る話を蛍の夜 名取袿子 200309
螢とぶ夫の手術の決まりし日 柴野静 200309
すたすたと妻が下りゆく螢沢 吉原一暁 200309
昼に来し螢沢とは思はれず 吉原一暁 200309
目の前へ来る螢火に息合はす 有吉桜雲 200309
つひにあと一火となりし螢籠 遠藤若狭男 200309
螢火にうかれこころの吸はれゆく 山村桂子 遠嶺 200309
書を学び螢の詩を軸とせり 田中清子 遠嶺 200309
螢の夜の誘ひは娘より 山田弘子 円虹 200309
初蛍そと啣へゐる草の闇 長山あや 円虹 200309
蛍狩待ちて夕餉もそこそこに 小田ひろ 円虹 200309
子の期待ふくらんでゐる蛍籠 小田ひろ 円虹 200309
蛍狩住吉川の源流に 小田ひろ 円虹 200309
蛍の闇にうばはれゐるこころ 小田ひろ 円虹 200309
源流の瀬音でありし蛍狩 小田ひろ 円虹 200309
消ゆるたび近づいてゐる蛍かな 吉村玲子 円虹 200309
蛍の闇に弾力ありにけり 吉村玲子 円虹 200309
思ひ出の小箱開ければ蛍の夜 黒川悦子 円虹 200309
よべの雨蛍の川を乱しけり 黒川悦子 円虹 200309
うすうすと四囲に名の山螢とぶ 藤原照子 200309
残心の青き尾螢火潤みけり 富川明子 200309
せせらぎの音する星や螢の火 矢崎すみ子 200309
川音は胸のさざ波螢の夜 高橋あゆみ 200309
螢火に心灯されゐたりけり 三好智子 200309
蛍火の九頭竜川に旅の果つ 宮川みね子 風土 200309
多佳子忌を過ぎて幾夜の蛍かな 田中佐知子 風土 200309
清滝に一夜泊りの蛍狩 中村洋子 風土 200309
蛍飛ぶと未知の男に声かけらる 若江千萱 雨月 200309
蛍光る女の白き掌の中に 若江千萱 雨月 200309
父母の世の言触ならむ蛍飛ぶ 乗光雅子 雨月 200309
螢火に酔ひて闇夜をさ迷へり 梅原美子 200309
天網恢恢てのひらの蛍かな 高橋将夫 200309
少年に潮の匂ふ螢籠 栗栖恵通子 200309
蛍 6→      

 

2021年6月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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