4             98句

螢火の昼は消えつつ柱かな    芭蕉

  ほたる  ほうたる

作品
作者
掲載誌
掲載年月
水あれば禊のやうに螢の火
辻直美
200208
何を思ひて葉ごもりの螢の火
坂本京子
200208
胎動の著けき夜なり群れ螢
細川洋子
200208
螢火に胸中の澱照らさるる
細川洋子
200208
心満ちしひかりか螢飛びたてり
熊倉だい
200208
風なくて目の先よぎる蛍の火
久保東海司
200208
顔より昏れ互いに蛍待つ水辺
久保東海司
200208
特攻隊のことを語れば蛍殖へ
西田もとつぐ
雲の峰
200208
草螢芭蕉隠密てふ話
田中藤穂
あを
200208
螢舞ふ目白二丁目雨水桝
森理和
あを
200208
てのひらに螢のひかりはずかしや
森理和
あを
200208
喪帰りの低き人ごゑ蛍とぶ
小野田和世
200208
喪の家をつつむ水の香初蛍
小野田和世
200208
螢の恋の囁き聞き洩らす
宮原みさを
花月亭
200208
螢火のこぼれて音のなかりけり
宮原みさを
花月亭
200208
螢飛んで一筋の闇ありにけり
宮原みさを
花月亭
200208
螢籠見せ合ひし夜を懐しむ
宮原みさを
花月亭
200208
闇に孔あきて潜れり恋螢
うまきいつこ
200209
蛍の闇の端にある無人駅
岩木茂
風土
200209
蛍火や補陀落浄土波の間に
小野寺節子
風土
200209
蛍籠見てゐて姉となりにけり
山尾玉藻
火星
200209
蛍呼ぶ女のこゑを出しにけり
城孝子
火星
200209
闇側の大気の冷や螢狩
黒坂紫陽子
馬醉木
200209
風のみち横断中の螢の火
黒坂紫陽子
馬醉木
200209
蛍にもある源平のさみしかり
西川織子
馬醉木
200209
蛍狩宇宙の闇と思ひつつ
泉田秋硯
200209
恋蛍水の落差の闇に在り
泉田秋硯
200209
胸に来る蛍火青し多佳子の忌
小林成子
200209
蛍火の渾身に舞ひいまを生く
渕脇登女
200209
料哨や闇に煌めく土螢
山下佳子
200209
六甲の闇の端燃やし恋蛍
山田弘子
円虹
200209
水音へ蛍火墜ちてゆきにけり
出原博明
円虹
200209
闇といふ断崖のぼる蛍かな
出原博明
円虹
200209
樹に点りたる蛍の水鏡
出原博明
円虹
200209
飛び交ひしのちの蛍となりにけり
出原博明
円虹
200209
一点の蛍火消えし宇宙かな
出原博明
円虹
200209
蛍に蒼き闇あり風に揺れ
長山あや
円虹
200209
いくたびも草に沈める恋蛍
長山あや
円虹
200209
ほうほうと人の魂呼ぶ蛍の火
長山あや
円虹
200209
蛍火や筑紫へ峠一つあり
下田水心子
円虹
200209
蛍火に森の冥さの軽くなり
下田水心子
円虹
200209
蛍火を消す一本のペンライト
下田水心子
円虹
200209
水の音森の闇曳き蛍飛ぶ
下田水心子
円虹
200209
蛍火のどこかにひそむ戦かな
柴田朱美
京鹿子
200209
骨肉の吐息の蛍と思ひけり
柴田朱美
京鹿子
200209
蛍火といふ空間に逃避せり
柴田朱美
京鹿子
200209
蛍火を灯しこの村病んでゐる
柴田朱美
京鹿子
200209
道くさをしてゐる蛍に鍵託し
柴田朱美
京鹿子
200209
たつぷりと鱒二の闇や初蛍
和田照海
京鹿子
200209
道行きの入口にゐて蛍の夜
和田照海
京鹿子
200209
次郎の家まだ灯の入らぬ蛍籠
和田照海
京鹿子
200209
伊吹嶺に突きあたりたる恋螢
野澤あき
火星
200209
蛍狩までの昼酒親しめり
嵯峨根鈴子
火星
200209
人ごゑに闇のうごきぬ蛍狩
戸栗末廣
火星
200209
蛍火やひとつ跳ねたる川のもの
戸栗末廣
火星
200209
せせらぎの音の高さに蛍の火
上野孝行
百鳥
200209
蛍の火縄なふごとくもつれけり
上野孝行
百鳥
200209
ためらひて蛍火すぐに登りけり
上野孝行
百鳥
200209
重たげに動く蛍火風に乗り
上野孝行
百鳥
200209
蛍には遅き時刻を歩きけり
望月周
百鳥
200209
父より子子より母へと初蛍
関章子
百鳥
200209
夕蛍むかし駆け落ちせし媼
関章子
百鳥
200209
螢火を見に來し宿で醉ひつぶれ
片岡祥子
200209
蛍の消えたる空に鷲座かな
高橋将夫
200209
月山をはるかにしたる螢火よ
水野恒彦
200209
地球儀と並べてありぬ螢籠
木下野生
200209
ふる里に螢飛びかふひとつ闇
柴田靖子
200209
食前酒いただいてより螢かな
柴田節子
帆船
200209
ピカソにもモネにもなき絵蛍とぶ
中島知恵子
雨月
200209
万葉人もかく見つめしや蛍の夜
中島知恵子
雨月
200209
星空や軒に吊せし蛍籠
喜多初枝
雨月
200209
朝倉の闇のひしめく蛍の夜
密門令子
雨月
200209
蛍の夜ひとりの影を負ひ戻る
堀田こう
雨月
200209
息合はすごとき明滅蛍の火
堀田こう
雨月
200209
追はるるか追ひゐたるかや恋蛍
大石喜美子
雨月
200209
よう冷えた魂いらんかね螢売
亀田憲壱
銀化
200209
老人の竹にまつはる螢かな
華明日香
銀化
200209
我儘を言うて名残の螢かな
石山正子
銀化
200209
子等の手を丸く灯せる螢かな
石山正子
銀化
200209
ひきこもる癖のありしよ草螢
石山正子
銀化
200209
幽玄の灯色乱れて蛍飛ぶ
木内美保子
六花
200209
橋下の闇より現れし初蛍
大蔵靖子
春耕
200209
火を強め蛍荒瀬を遡る
久保田由布
ぐろっけ
200209
くろがねの水を照らせり蛍の火
久保田由布
ぐろっけ
200209
飼育場の螢が見ゆるまで散歩
安部美和子
ぐろっけ
200209
遠き日の灯火管制蛍狩
阪本哲弘
200210
蛍火のわかれて闇を深くせり
今井松子
遠嶺
200210
闇美しと美しと蛍追ひにけり
小林輝子
風土
200210
橋多き街にて買ひし螢籠
都丸赫子
200210
恋の火をかくしきれずに螢とぶ
平万紀子
200210
明滅の次第にはげし恋蛍
北村香朗
京鹿子
200210
灯ともして吾が指去らぬ恋蛍
北村香朗
京鹿子
200210
愛しくて閉づまなうらに蛍の火
北村香朗
京鹿子
200210
倶利伽羅はつゆの螢のとびかへり
山田耕子
京鹿子
200210
子の遺影の前に供へる螢籠
大山清
200210
雨あがり蛍の川となりにけり
船山博之
百鳥
200210
蛍火の己照らしつ沢渡る
松林順子
雨月
200210
蛍火の一族逝きし数ほどにも
密門令子
雨月
200210
蛍 5→      

 

2021年6月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。